いよいよ夏本番ですね!
皆さんお体の方は大丈夫でしょうか?
ちなみに私は先週修学旅行で沖縄へ行った際、これまた見事に風邪を引いて帰ってきました(笑)(*´∀`*)
現状真白に二点、こっちは零点。
サードラインまで追い込まれて、残り時間はまだ五分弱残ってる。
ここで一点でもとらないと、みさきが負ける・・・・・・。
『少し遊んでやろう。・・・有坂、さっきと同じように飛ぶんだ』
「はい!」
真白はブイをタッチしさっきと同じように迫ってくる。
『さっきと同じ? 誘ってるのか。・・・みさき、突っ込め! チキンレースだ!』
「え、え?チキンレース? ・・・・・・わかった! ・・・うりゃあああ!」
みさきはサードラインの真ん中から、全速力で真白に向かって飛んでいく。
「え?! ちょ、ちょっとみさきセンパイ!? きゃっ!」
「真白~。まだまだだね~!」
全力で向かってくるみさきに、真白は怯み、飛行姿勢が崩れ、みさきは簡単に真白の背中をタッチした。
これで一点、審判が得点が入ったことを告げる。
『うまくいったな。でも喜んでられないぞ? そのままフォースブイに全力で飛ぶんだ!』
「うん!」
これで勝機は見えてきた!
「一点!」
フォースブイをタッチして、みさきは二点目を獲得。
これで並んだ。
『真白がシュートカットしてるな。・・・よし。みさき、お待ちかねのバチバチだ!』
「待ってましたにゃ~!」
みさきはそう言って、さっきと同じように全力で真白に向かっていく。
「真白ー! バチバチしようよ!」
みさきは真白に向かって叫ぶ。
『有坂、誘いに乗るふりをして、手で弾くんだ』
「うう。みさきセンパイを騙したくはないですが・・・ごめんなさい! みさきセンパイ!」
よし!
どうやら真白は接近するみさきのドッグファイトに乗るようだ。
そのまま何も動かず、みさきが真白に触れて、弾いた。
「行くにゃー!」
「えい!」
「――――――っ!?」
みさきが本気で向かっていったところで、真白が弾いた。
それも絶妙なタイミングだ。
あれはみさきの反射でも無理だ。
『流石葵さん。みさきの癖や対応できない痛いところをとことん突いてくる・・・でもそれよりもすごいのは、その指示をこなす真白だ』
「ちょっと、真白が怖くなってきたかも・・・」
みさきのそんな声が聞こえた。
『みさき・・・?』
「ああ、ううん。晶也が考えているような意味じゃないの、ただ同じ。乾さんの時と似た感じ・・・相手が何をしてくるかわからないのが怖い。今の真白は、私の知らないましろだよ・・・」
『・・・・・・そうだな、あんな真白、俺も知らない。でも俺たちは、もっとすごいってことを見せてやろう! もう出し惜しみもなしだ!』
ソニックブーストやエアキックターンなどは、葵さんがよく知っているから、すぐに対応されるかもしれないと思って、使わせてなかったが、これはいよいよ使うしかない。
『行ってこい! みさき!』
「うん!」
みさきは元気に返し、静止からのソニックブーストを使った。
基本的に、スピードが乗っていて、そのスピードをさらに上げるために使う技だが、みさきは独自に、ファイター用に、静止からのソニックブーストを成功させて、完成させていた。
静止からのソニックブーストは、反動が強いため、体力が消耗している時に使うと、失敗しやすかったり、反動でバランスを崩すのが基本だ。
だけど、バランサーの全面カットを目標にしていたみさきにとって、これくらいの反動はなんともない。
『ほう。静止からのソニックブーストか。面白い使い方覚えたみたいだな。有坂、今からじゃ中途半端に避けることになる。ならそのまま受けたほうがいい。・・・身構えとけよ?』
「は、はい!――――――きゃ!」
みさきが真白に触れ、真白は強く海面へ飛ばされる。
「―――かーらーのっ!」
みさきは弾いた状態から、エアキックターンで海面へ飛ばされる真白を追う。
「ここっ!」
さらに、真白を通り過ぎたあたりで、高速移動からの急停止をして、真白の背中をタッチ。
これで一点リード!
「うにゃあああああ!」
みさきはチャンスとばかりに、さらにそこから上昇し、飛ばされた真白の背中にガッツキに行く。
『待つんだみさき! 今行ったらダメだ!』
距離はそれなりにある。
最悪の場合、体制を立て直されて、不意打ちで同点にまた戻れされるかもしれない。
でも俺がみさきに声をかけた時には遅かった。
「っ!」
「後ろもらいます! みさきセンパイ!」
予想通り、体制を立て直した真白が、手で岬を弾いた。
上昇していた時のスピードで、急にはじかれため、海面へ飛ばされていく。
「―――取らせない!!」
みさきは後ろに真白が回ったと同時に、無理やり体を捻り、手を振り回し、体全体で暴れてみせた。
「あっ・・・きゃあ!」
すでにみさきに手を伸ばしていた真白の手が、みさきのフライングスーツの浮き袋に触れ、弾かれる。
『みさき! 行け!』
「わかってる!!」
みさきの切羽詰まった声が聞こえる。
俺は時間を確認する。
残り時間一分を切っていた。
「ふんにゃああああ!!」
「うあっ!」
弾かれた真白を、みさきが追撃で頭上から海面へ叩きつけるように勢いよく弾いた。
あの技はスイシーダだ。
たぶんみさきは勢いで行ったから、自分では気づいてないけど、この状況ではちょっと強引だが、いい判断だ。
「いっけええ!」
そしてみさきは弾かれた真白の後ろに回り――――――。
タッチした。
そしてその後すぐ、試合終了のホーンがなり、結果は三対四、みさきの勝利だ。
試合を終えた二人が、フラフラと降りてくる。
「お疲れ様二人共、特に真白。まさかあそこまでみさきと互角に試合をするなんて、思ってもなかったよ」
「そうだね真白。お陰さまで、あたしあもうヘトヘトで動けないなにゃ~」
俺とみさきは、今日の真白を賞賛する。
「みさき先輩に褒められちゃいました~! これで私、みさきセンパイの専属の練習試合用の選手になれるんですね!」
「晶也ー、今日はまだ試合あるの~?」
「あー! みさきセンパイ! 無視しないでくださーい!」
みさきと真白は、試合が終わったばかりにも関わらず、相変わらずだった。
それにいつの間にか会話には、明日香や窓果も参加していた。
「有坂真白、随分と強くなられたのですね」
一人テントにやってきた佐藤院さんが言った。
「はい、正直驚きました」
「今の有坂真白となら、とてもいい勝負ができそうですわね」
「練習試合の申し込みなら、いつでも歓迎ですよ」
この夏の大会が終わると、俺たち三年生は事実上部活を卒業になるけど、真白はあと一年この部活にいる。
それに俺も時間があれば積極的にコーチとしてまだまだ面倒を見るつもりだ。
高藤との練習試合なんて、すごく嬉しい。
「そうですか。では今度よろしくお願いしますわ」
「はい。こちらこそ」
「じゃあその練習試合、僕も参加しようかな」
「真藤さん!?」
「やあ、こんにちわ」
いつの間にか、俺と佐藤院さんの間に、真藤さんが立っていた。
「というわけで、今度練習試合するときは、日向くん。是非相手をお願いするよ」
「はい。こちらこそ!」
俺が返事を返すと、得意の笑顔で返してくれた。
そしてみんなと楽しそうに話すみさきを、ジッと見つめ出す。
「・・・・・・今の鳶沢くんとなら、とても楽しい試合ができそうだ。・・・でも相変わらず、やっかいで面倒そうだけどね」
「はい。うちのみさきは、やっかいで面倒ですよ」
俺は自分の娘でも自慢するかのように言った。
正直あとあと考えれうと、ちょっと恥ずかしいが、みさきなら、真藤さんに、万が一の可能性で、勝ってしまうんじゃないかと、そう思った。
「お手柔らかに頼むよ」
「みさきは全力でいきますけどね」
「なら全力で相手するだけだよ」
こうして真藤さんとゆっくり会話するのは、随分と久しぶりな気がする。
「それじゃあ僕はそろそろ戻ろうかな。市ノ瀬くんに今後のアドバイスなどを言わないといけないしね」
「わかりました。ありがとうございました」
「こちらこそ。久しぶりに楽しく話せて良かったよ、それじゃ」
そう言って真藤さんは、その場で振り返り、自分のテントの方へ歩いていく。
「私もそろろそろ戻りますわ。お邪魔したわ、日向晶也」
「はい。佐藤院さんも、いろいろありがとうございます」
俺が軽く会釈すると、佐藤院さんも同じように返し、その場で綺麗に回れ右をして、先に向かった真藤さんを追いかけるようして戻っていった。
この作品も気づけば12話目。
ここまで来れたのは、読んでくださった皆さんのおかげです。
これからも、よろしくお願いします!
皆さん、お体には本当にお気を付け下さい。