蒼の彼方のフォーリズム 天才の二人のその後   作:蒼空

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忙しい中、やっとのことで投稿できました!
お待たせしました!
投稿日をこれ以上先送りにしないために、今回は少し短いです。


「まさ・・・や・・・・・・?」

「ほらみさき、もっともっとうまく、頭を使うんだ。直感で制御しようとしたらダメだ」

「そ、そんな・・・こと、言われても~!」

 

今みさきは、夜の海の上を落ち着きのない様子であたふたとしながら飛んでいる。

あの日明日香に負けて以来、一瞬不安にも思われたみきだが、次の日からは俄然やる気を出して練習した。

だが当然、部の練習で今年もみさき一人に全力を尽くすわけにも行かず、こうして今、部の練習の後に飛んでいる。

今日までの二日間で、みさきは二十五パーセントまでなら完璧に使いこなせるようになった。

今は前回の三十パーセントに挑戦しているところだ。

今回はしっかりと順序を踏んでいるため、三十パーセントにしても、前回のようにひどい様子はない。

だがまだ完璧とはいかない。

 

「このあたりからは、だいぶシビアなコントロールが必要になるはずだ」

「うぅぅうにゃあああぁあぁああ!!」

 

みさきは無理やり言うことを聞かせようとして、失敗する。

バランスを崩し落下するが、俺が下に周りこんで上方向に二回ほど弾く。

 

「もう一回だ!」

 

俺がそう言うと、みさきはどうにか体制を立て直し、もう一度ぎこちない飛行をしながら技を決めようとする。

体制を立て直す速さや、静止状態はだいぶマシになってきたが、いままで通りに飛ぼうとすると落下してしまう。

 

「みさきの場合は体で覚えるしかないからな。何度もやってコツをつかむしかないんだ」

「それって、スモーの、時みたいに?」

 

マイクみさきの声が聞こえた。

どうやら去年練習したスモーと、今年のバランサーの解除の練習と照らし合わせているみたいだ。

 

「まあ、だいたいそうだな」

「じゃあ、いつかコツを掴めるわけだ・・・うわっとと・・・危なかったにゃ~」

 

みさきが体勢を崩し、俺がさっきと同じようにカバーしようとしたところ、今度は自分で持ち直すことができた。

 

「今日もう遅いから、続きはまた明日にしよう」

「わかった」

 

俺はみさきと一緒に部室のバスのあるところに降りて、グラシュを停止した。

 

「それじゃ晶也、着替えるから一緒に入って」

「ああ、わかった」

 

俺は会話に流されるまま、みさきと共にバスの中へ入った。

そしてそこで、今の状況を理解した。

 

「ちょっと待て、流れに飲まれてここまできたけど、おかしくないか?」

「今更何言ってるの。ほらほら、脱ぐから目を閉じてて~」

 

みさきは平然と着ているフライングスーツに手をかける。

俺は慌てて目を閉じると、スーツを脱ぎ始めた音が聞こえた。

 

「な、なあ、結局目を閉じるなら、外で待っててもいいんじゃないか?」

 

俺は妙な想像を膨らませないようにしながらみさきに言った。

 

「外で待ってて、覗かれないか心配だし~・・・それとも晶也、そんなにみたいの?」

「一応健全な男としては・・・その、みたい・・・です」

 

みさきの言葉に、思わず語尾に「です」と付けてしまった。

 

「・・・・・・いいよ」

「え?」

 

みさきの返事に、場が静まり返る。

 

「いい、のか?」

「晶也がそんなに見たいなら・・・・・・そろそろ・・・いいかなって」

 

最初は絶対になにかあると思ったが、みさきの声を聴いていると、いつものように恥ずかしいのを押さえ込んえいるときの声だ。

 

「ほ、ほら! 早く目を開けて! 私の気持ちが変わる前にー!」

 

俺はみさきに急かされ、慌てて目を開け、目の前で着替えていたみさきを見る。

 

「え・・・?」

 

俺が見たみさきは、下は下着だけ、上は制服のみの格好だった。

 

「どお晶也? 男子はワイシャツとそこの胸元から見える胸に興奮するって聞いたけど・・・・・・興奮した?」

 

そう言いながら、屈んでワイシャツの胸もとをチラチラと見せつけてくる。

器用なことに、同時に下の方もチラチラ見せてくる。

 

「しない! いいからシャツしまえ! ボタンを閉めろ! スカートを穿け! リボンをしろ!」

「えー! それにツッコミと要求が多いよ!」

 

みさきは着替えの続きをしながら、俺との会話を続ける。

 

「・・・それよりさー。晶也はいいわけ? 私の練習にばっかり付き合ってたら、今度は晶也が置いていかれない?」

「それなら心配いらない。俺も俺でしっかり練習してるから」

 

そういって俺はグラシュを見せた。

実はみさきの練習を見ている最中も、部活での練習でも、俺は俺なりに少しづつバランサーをカットしている。

とはいっても、まだまだだけど。

 

「俺もみんなの練習見てる時はバランサーを調整してるから」

「へー。考えたね。それで? 今はどのくらい?」

「今は三十パーセントだな」

「さ、ささささ、三十!? それってつまり、このままだと近いうちに晶也に追い抜かれる!?」

 

みさきは俺の数字を聞いて、簡単に追い抜かれる光景を想像したのだろう。

かなりがっくりとしている。

 

「心配しなくても、みさきと同時進行してくから大丈夫だ。みさきだけ置いていったりなんかしない」

「そっかー。よかった、てっきり私一人でおいていかれるのかと思ったよ」

 

先ほどとうって変わって、俺の言葉を聞いたみさきは、安堵下様子で会話を続ける。

 

「・・・・・・よし! 着替え終わったよ。帰ろっ!」

「そうだな。明日も今日と同じ時間だから、遅れるなよ?」

「だーかーら。そう言うなら晶也が朝早く来ればいいだけのことだよ! うん」

 

俺とみさきはバスから出て、停留所に歩き始めた。

明日の時間を教え、遅れないように伝えると、ついこの間も話したであろう会話内容が再び始まった。

 

「それじゃあ前も言ったが、明日は六時に迎えに行くからな」

「いいよ。その代わりしっかり起こしてね?」

 

どうやらみさきは、俺に起こされる気満々らしい。

 

「それじゃあ、明日」

「ああ、明日、絶対に行くからな」

 

その会話を最後に、俺とみさきは停留所から飛び立ち、それぞれの家に帰った。

 

 

 

 

翌日、俺は約束通りみさきの家に六時ジャストに訪れると、案の定熟睡していた。

俺はみさきの家の人に許可をもらい、玄関から入ってみさきの部屋に訪れる。

 

「・・・・・・ほんと、でかい枕だな」

 

もう十分に見慣れた部屋に入る。

とそこでまず目に入っいたのは、当然みさきなのだが、なにやら大きく長い枕枕を、抱いて寝ている。

 

「・・・むにゃ~。・・・んにゃ~」

 

昨日俺が行くと言ったにも関わらず、無防備にネグリジェのような服を着てお腹を出し、おまけに涎をすこし滴らしながらこれ以上ないほどに気持ちよく寝ている。

 

「おいみさき起きろ。起きてなにか着るんだ」

 

俺はみさきの体を揺すり、起こそうと試みる。

 

「んにゃ~? あ、はい」

 

みさきはの不足の猫のように起き上がり、両手をあげた。

 

「・・・・・・」

 

意味がさっぱりだ。

・・・・・・いやわからないわけじゃないが、その先を考えたくない。

いやだが、この状況は一男子としては、嬉しくなくはないが・・・・・・。

 

「どうしたの~早く~」

 

みさきは尚も目を閉じたまま俺を待つ。

 

「わ、わかった・・・・・・」

 

俺は、まるで逃げられないドッグファイトを挑まれているような感覚で、みさきの服に手をかけ、脱がしていく。

ここは臆してたら絶対に止まる。だから俺は、ささっと黒いネグリジェを脱がし、そしてみさきは下着姿になった。

 

「ええっと・・・次は・・・・・・」

 

これ、この状況は本当にいいのだろうか。

傍からみたら、みさきが寝ぼけているのをいいことに脱がしてるようにしか・・・・・・。

でもここまできたら・・・。

 

「・・・・・・」

 

俺はみさきの背中に回し、下着の留め具に手をかけ――――――

 

「まさ・・・や・・・・・・?」

「っ・・・・・・」

 

消え入るような俺の名前を口にするみさきの声が聞こえ、俺はつい視線を上に向ける。

そしてそこで、みさきと目があった。

お互いに何も話さないまま、何時間にも感じられる時間が立つ。

だが実際にはたった数十秒。

その沈黙を破ったのは、みるみるうちに顔を茹でタコのように真っ赤にしたみさきだった。

 

「キャアアアアアアアアア!!」

「うああああああああああ!!」

 

俺もワンテンポ遅れてみさきに負けないくらいの悲鳴をあげる。

そしてそれと同時に、みさきはベットの後ろの窓側に、俺は部屋のドア側に一瞬で離れる。

 

「な、ななななな何で、まままま晶也がいるの!?」

「あ、いや、これ事故で・・・・・・!」

 

事故といっても、この状況は確実にヤバイ。

 

「うわー、私が寝ているうちに晶也にめちゃくちゃにされたー!」

 

みさきが嘘かホントか、鳴き真似のような言葉と共に、そんな台詞が聞こえた。

 

「してないから! 絶対にみさきの想像しているような事してない!」

「・・・誓う?」

「ああ誓う。神にだって誓える!」

 

俺がそう言うと、みさきはすこし考えたあと。

 

「じゃあ・・・うどん好きなだけ、いい?」

「ああ、大会が終わったら好きなだけ食べさせてやる!」

「わーい! うどんだー!」

 

俺の言葉を行くとみさきはすぐに復活し、着替え始める。

それで俺は気づいた。

やられた。あれはみさきの演技だったのだと。

 

「・・・さっきのは演技なのか?」

「ん~? なんのこと?」

 

みさきは本当に何も知らないように装っているが、一切俺と目を合わそうとしていない。

だがあの悲鳴の上げよう、半分以上は本当だろう。

俺のこの日は、波乱は幕開けとなった。




次回もできしだいそぐに投稿します!
いつも楽しんで読んでいただきありがとうございます。
みなさんのコメントと楽しん頂いているのが分かるだけで、私も書いていて幸せです!
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