この爆裂娘に親友を!   作:刃こぼれした日本刀

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 本当にお久しぶりです。ウィズの登場シーンが中々書けずに、気がつけばこんなに間が空いてしまいました。本当にすいません。
 途中カズマさん視点です。今回はルミカがいつもより頭おかしいと思います。




この怪しい人物に突撃を!

■■■ルミカ視点■■■

 

 昔のトラウマを思い出し、気分転換にひたすら肉を焼く作業に没頭すること1時間。やっといつものテンションを取り戻しつつあった私の目の前では、カズマによる錬金術が行われていた。

 

「すごいっ! すごいよカズカズ! ある意味で爆裂魔法以上にネタ魔法だと思っていた初級魔法に、こんな使い方があったなんて」

 

 マグカップにクリエイト・ウォーターで水を注ぎ、コーヒーの粉を溶かし、コップの底をティンダーで炙るとは、恐るべき発想力である。

 

「カズカズはやめろ。まあ褒められるのは悪くない、ルミカにもコーヒーをご馳走してやろう」

 

 私が以前付けてあげた素敵なあだ名に若干嫌そうな顔をしつつ、カズマは少し得意げにコーヒーを作ってくれた。

 

「ありがとうカズマ、……わーい、あんまり嬉しくないっ! 私はコーヒー飲めないんだけど、砂糖が欲しい」

 

 フーフーと息を吹きかけながら、ちびちびとコーヒーを啜る。

 

 うーん、やっぱり苦い。これが噂に聞く、ほろ苦い恋の味ってやつなのかな。

 

 ん? ……熱いコーヒー、恋、獣? ……うぐ、頭が割れるっ!

 

「熱っ! ……驚いたらローブにこぼした、舌火傷してひりひりする、苦い、……もう私、大人になるまで絶対コーヒーなんか飲まない」

 

「はぁ、何をやってるんですかあなたは。カズマ、私にもお水下さい」

 

 こっちを見て大きく溜息をつき、めぐみんはカズマからもらった水を一口だけ飲む。そして残った水で自分のハンカチを濡らして、いそいそと私のローブを拭いてくれる。

 

「本当にめぐみんって、ルミカの良いお姉ちゃんなのね」

 

 アクアの何気ない一言が心を抉る。

 

 どうせ私は子供っぽいですよーだっ!

 

「……カズマはすごいな、初級属性魔法などほぼ誰も使わないのに。正直に言うと、ルミカやめぐみんより魔法使いぽく見える……痛っ!」

 

 めぐみんと2人で、つい反射的にダクネスの太ももを抓ってしまった。

 

 爆裂魔法にしか興味がない私たちでも、アークウィザードとしてのプライドがあるのだ。

 

「『クリエイト・アース』! なあ、……細かい土を出す魔法とか、いったいどうすんの? こいつだけ使い道が思いつかないんだけど」

 

 手の平に土を生み出して、カズマが不思議そうに尋ねてくる。

 

 火、水、風、氷、土を扱う初級属性魔法の中でも、確かに土属性は微妙かもしれない。

 

 うん、なら私が説明してあげよう。

 

「ふふっ、いい質問だねカズマ。その魔法で作られるのは、全ての命を癒す奇跡の土。一度使えば花は咲き乱れ蝶が舞い、生き物は活力に満ち溢れる。クリエイトアースは枯れ果てた大地に命の恵みを齎す、人々を笑顔にできる、……そんな素敵な魔法なの」

 

「なるほど、つまり土属性の回復魔法ってことか」

 

 私の解説を聞き、ふむと頷くカズマ。

 

「なあめぐみん、ルミカの説明だとすごい魔法だってことは分かるんだが、具体的な使い方が分からないんだけど。土属性回復魔法って、どう使うんだ? ……怪我した箇所に土でもかけんのか」

 

 カズマの問いに、めぐみんが困ったような顔でこちらを見つめてくる。

 

 そんな幼馴染に向け、私は小さく頷いた。

 

「……えっと、その、ルーちゃんが言うことも間違いではないんですが……簡単に言うと畑に撒けば良い作物が育つ、……それだけの土です」

 

「おいこらこっちを向け! 目を逸らすな義妹」

 

 めぐみんの言葉を耳にしたカズマが、こっちを半目で睨んできてちょっと怖い。

 

 ひどい、少年の魔法に対する憧れを、……私はただ、守りたかっただけなのに。

 

「……そう言えば、お前の通り名の1つに、白銀のペテン師と言うのがあるとクリスが……ダメだぞルミカ。日ごろから嘘ばかり言っていると、ろくな大人にならない」

 

「やめてよダクネス! まるで私を詐欺師みたいに言うのは。そういう偏見に満ち溢れた考え方が、思春期の少年少女を非行に走らせるんだよ。それに、ダクネスみたいに普段から性癖を正直にカミングアウトしているのは……人として恥ずかしいと思います」

 

 まるで自分が真っ当な大人であるかのような態度のお姉さんに、思春期代表としてじとっとした視線を送る。

 

「ち、違う! 私は騎士として普段から堂々としているだけで、何回もクリスに呆れた顔をされる度に興奮を覚える、そんなはしたない女では……」

 

 言い訳が語るに落ちるって感じで、ダクネスこそ絶対嘘でしょ。

 

 私はカズマに、魔法産の栄養豊富な土を使うと、畑が元気になって美味しい野菜が育つから、農家の人たちが笑顔になるんだよって教えてあげただけで。

 

 何1つ嘘は教えていないのです。えへん。

 

「プークスクス! ねえカズマ、あんたクラスを農家に転職すれば? 水も撒けるし土も作れて、おまけにティンダーで焼畑もできるなんて、冒険者よりよっぽど天職だと思うんですけどっ! あはははは! ぐぎゃー!」

 

 私たちのやり取りを見て、爆笑するアクア。

 

 そんな仲間に向けて、カズマは右手に乗せた土を左手から風属性魔法を発射し、突然の目潰し攻撃でアクアをノックアウトした。

 

「何してるんですか! 本当に何してるんですかカズマっ! こうして使うのかじゃありませんから! や、やめてください、ルーちゃんをアクアと同じ目に合わそうとするのは、本気でやめてください!」

 

 顔面に砂埃が直撃し、無残に地面を転げ回るアクアの姿を見て、必死に私を庇おうとしてくれるめぐみん。

 

「いいのよめぐみん、止めないで。カズマに悪魔のような発想を与える、切欠を作ってしまった。これは永劫に消えることのない、私の背負うべき罪よ。そう、罪は償わなければならない。さあ、やりなさいサトウカズマ……咎人には、罪には罰が必要なのよ」

 

 全てを受け入れるように、瞳を閉じ両手を広げる。

 

「……ルミカ、お前……」

 

 そんな私をダクネスは少し羨ましそうに、どこか眩しそうに見つめてくる。

 

「よし、お前の謝罪の覚悟はよく分かったよ。なら俺も、その気持ちに全力で答えなきゃ失礼ってもんだ! 『クリエイト・アース』!」

 

 こちらに向け新しい土を握り締めるカズマ。

 

 科白はカッコイイのに、やろうとしていることは鬼畜そのものである。

 

 まずい、どうしよう。

 

 まさかルミカちゃん題4の必殺技、カッコイイ科白誤魔化しが敗れることになるなんて。

 

 そして私に放たれる土埃(裁きの鉄槌)

 

 はぁ……仕方ない。

 

「「「あっ!?」」」

 

 カズマとめぐみん、ダクネスの呆然とした声が聞こえた。

 

 私は両手を広げ胸を張った状態から背中を反らし、ブリッジする姿勢で魔法を華麗に回避したのだ。

 

 よし、この回避法を優雅なる淑女の戯れと名づけましょう。

 

「この私、ルシフェリオン・ミッドナイト・カタストロフィ様が、大人しく攻撃を受けると思ったら大間違いだしっ! 愚かなアクアとは違うのよ、格が!」

 

 うん、完璧に悪役っぽく決まった。攻撃を躱されたカズマの驚いた表情も見れて、ルミカちゃん大満足!

 

 この後きちんとカズマにごめんなさいを言って、仲直りしなくちゃ。

 

 そう決意したこの時の私は、思いもしなかったのです……まさか、カズマたちの驚きが別のことだったなんて。

 

 

■■■カズマ視点■■■

 

「ねえカズマ、今夜の狙いはゾンビメーカーよね? 寒気がするわ、女神たる私の直感が、とてつもなくやばいアンデッドの接近を伝えて来てるのだけど」

 

「気のせいだろ」

 

 俺は余計なフラグを立てそうなアクアの心配を、一言で切り捨てる。

 

 現在時刻は深夜を回っている。どうせこいつは羽衣なんて無駄にひらひらした格好をしているから、体でも冷やしたに違いない。

 

「ほら、アクア。寒いなら私が持ってきた上着を貸してやる」

 

 俺と同じような考えに辿り着いたらしく、ダクネスは自分の着ていた上着を、アクアにかぶせてやっていた。

 

「……あったかい……ありがとうって、違うのよ! 今はダクネスの寒いのを我慢する遊びに、付き合っている場合じゃないんだから」

 

 せっかくの気遣いを邪険にされ、これではダクネスが不憫である。

 

 俺が一言駄女神へ物申そうと……。

 

「ち、違うぞ。これはアクアが風邪をひかないようにと……ほ、本当に違うからな……ちょっとだけ思っただけで」

 

 上着を脱いで薄着になった女騎士は、ぶるりと体を震わせて……図星なのかよっ!

 

「めぐみん、優秀な魔法使いのあなたなら分かるでしょ? カズマやダクネスは魔力の感知にうといから、今私たちが感じているこの恐ろしく邪悪な気配に気づけないのよ」

 

「ふむふむ、確かにこの禍々しい……気配なんて超絶優秀なアークウィザードの私には、全く感じとれないので。アクアの勘違いですね、間違いありません」

 

 きらきらと目を輝かせるアクアに、めぐみんは数秒考えこむような素振りをしたものの、はっきりと首を横に振る。

 

 満面の笑みで……。

 

 絶対このロリっ子、自分のこと優秀って言いたかっただけだ。

 

「どうしてよおおっ! 何でみんな信じてくれないの? 強力なアンデッドモンスターとか、女神の私がいなきゃ、黒ヒゲ危機百発なのに。……ルミカ、ルミカなら、きっとお姉ちゃんを理解してくれるはず」

 

 俺たちに軽くあしらわれ、最後の希望であるルミカに縋り付くアクア。

 

 ……ていうか、このバカの頭の中ではどれだけ今夜の墓場は危ないんだ。黒ヒゲ危機百発じゃ、誰も生き残れねえし。どんな例え話だよ。

 

 俺がそんな思いを巡らせていると、アクアに縋り付かれているルミカがぼそりと呟く。

 

「……フフフ、フフフフフ、我ながら惨めね。クールにブリッジで躱したと思っていたら、まさかあそこに石があるなんて。超かっこ悪い。はぁ、……月がきれい、こんな素敵な夜にはモンスターの返り血がよく映える……アクアもそう思うよね? アハハハ」

 

 本物の神様を疑ってごめんアクア。

 

 おそらくお前の察知した邪悪な気配の持ち主は、そこで空虚な笑いを浮かべてるルミカのことだ。

 

 確かに俺の目潰し攻撃は、ルミカが大きく上半身を反らしたことで失敗したのだが……ルミカはブリッジに近い姿勢になったことで、背後にあった石に思い切り後頭部をたたきつけ、盛大に自滅し気を失ったのだ。

 

 これだけいろいろなドジっ娘ぶりを目撃してしまうと、めぐみんが心配するのもよく分かる。俺も不安でいっぱいだ。

 

 ……アクアよりも運のステータスが低いなんて、そんな可愛そうな子でないことを心から願う。

 

 今度ルミカの冒険者カードを見せてもらおう。

 

「やめてー、やめてルミカ。今あなたが浮かべているのは、絶対に女の子がしていい表情じゃないと思うの。ほら、笑顔よ笑顔」

 

「……うん、そうだねアクア。この湧き上がる羞恥心を発散するには、モンスターを殺しつくすしかない。始めましょう、殺戮の宴を……女の子だもん、舞踏会では笑顔でいなくちゃ。くくく、くははは、あははははは! くたばりなさいゾンビども!」

 

 アクアの話を聞いているのかいないのか。

 

 ルミカは狂ったように笑いながら、今にも墓地へと走り出しそうで。

 

「あのさ、めぐみん。ルミカってアークウィザードのはずだよな? あいつ……バーサーカーとかの方が適性あるんじゃ」

 

「違います、違いますよっ! 確かにルーちゃんは一度暴走すると破壊と混沌を振りまく、機動要塞デストロイヤーみたいな子ですし、実はアークウィザードよりも適性がある職業がいくつかあるそうですが……」

 

 紅魔族のルミカが魔法使い以上に才能のある職業とは、いったい何なのだろう。

 

 ところでデストロイヤーって何だ?

 

「ルーちゃんは狂戦士なんかじゃありません。ただちょっと……何か落ち込むことがあると、モンスターを切り刻みたくなるだけで。どこにでもいる普通の女の子ですよ」

 

「いますぐ普通って言葉を辞書で調べてこい!」

 

「うちの里ではよくいる普通の子ですよ? 私も爆裂魔法を大量のモンスターに撃ち込むと、すごくスッキリしますし、……ルーちゃんとおそろいです」

 

 前から思ってたけど、紅魔族は全員やべーやつなのかもしれない。

 

「……わ、私も、モンスターに襲われるのが好きなだけで、どこにでもいるふつうの女騎士だから」

 

「世界中の女騎士に謝れ!」

 

 めぐみんに張り合い、若干もじもじしながら話すクルセイダーに冷ややかな目を送る。

 

 お前みたいなエロゲにありがちな女騎士が、そんなにほいほい居てたまるか!

 

 いや、むしろ居たらそれはそれで嬉しいけども。

 

 普通の定義とは何か、女騎士という言葉は何故男心を擽るのか、俺が哲学的な問いに頭を悩ませていると。

 

「ねえルミカ。もうそろそろ機嫌直してよー。これから地上に光臨した女神様によるパーフェクト除霊講座が始まるんだから、元気出して! ……ちょ、ちょっと! ルミカったら、そんな物騒な物取り出して何するつもり!?」

 

 どこか焦ったようなアクアの悲鳴が聞こえてきた。

 

「どうしたのですアクア。そんなに慌てて……」

 

「前から思っていたが……ルミカ。お前というやつには……常識ってものがないのか」

 

「……母さん、父さん。俺、ここでちゃんとやって行く自信が吹っ飛んだよ」

 

 アクアの悲鳴が上がった方向を振り向いた、俺たちの目の前では……。

 

「死にたいやつからかかって来なさい、今宵の相棒は血に飢えている……まあ、アンデッドは最初から死んでるけど、きゃはははは」

 

 真夜中の墓場で、怪しく笑いながら包丁を掲げている、ルミカ(とんでもなくやべーやつ)がいた。

 

 何あれ、超怖い。

 

 

■■■ルミカ視点■■■

 

 恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。

 

 ……まさか、みんなは私の華麗なる回避テクニックに呆然として、思わず「あっ」と声を出してたとばかり思っていたのに。

 

 こちらを心配して「あっ、危ない!」と言おうとしていたなんて。

 

 ……死ぬほど恥ずかしいっ!

 

 強く、己の武器を握り締める。

 

 こんなのは、ただのやつあたりだと分かってる。

 

「ふふ、ふふふふ、あはははははっ!」

 

 ただ湧き上がる感情のままに。狂ったように笑う。

 

 こんなのは現実逃避でしかないと知っている。

 

 ……だから、みんなお願い。

 

「はーなーしーて!」

 

 どうか私を逝かせて下さい。

 

「早まるなルミカ! 今のお前は、一時の感情で自分を見失っている。私は仲間として、一人の大人として! モンスターに無謀な突撃をしようとする、命知らずを止めないといけないんだ!」

 

 1人で墓場に突入しようとする私を、止めるためにダクネスが後ろから抱きしめる。

 

「気にしないでよ。これくらい、いつもダクネスがやってることでしょ! クリスちゃんが困ってたよ、モンスターの群れに飛び込むのはいい加減にしてほしいって。今ここで感情を全部吐き出さなきゃ、羞恥心で死にたくなるの。それに、……さっきからダクネスのが背中に当たって……別の意味で死にたくなるから放して」

 

 このクルセイダー、キャベツとの激戦で鎧が修理中だからって、薄着でモンスターと戦おうとか舐めてるのかしら……まあダクネスなら、いくら雑魚アンデッドに襲われても死なないんだろうけど。

 

 うん、何かダクネスと同じ行動を取ろうとしてたんだと思ったら、冷静になれたよ。

 

「ルーちゃん、さすがに、その、包丁を武器にするのはダメだと思います。衛生的にも良くないですし」

 

 ひとまず落ち着いた私に、めぐみんが困った顔をする。

 

「安心してめぐみん。この聖なる武器お刺身殺しには、アンデッドに対する浄化効果があるの。モンスターを切っても刃こぼれしないし、返り血も付きにくい、とっても便利な武器なんだから」

 

「違います! 私が伝えたいのはそういうことじゃありません」

 

 きちんと武器の性能を説明したのに、何故かめぐみんは頭を抱えてしまっている。

 

「どこのどいつだよ、聖なる武器なんて嘘で子供に包丁を売りつけたのは……ルミカ、お前絶対騙されてるぞ」

 

 カズマがこっちに、可愛そうな子でも見るかのような視線を送って来るんだけど。

 

 ……だ、大丈夫だよね? お刺身殺しは使い心地も見た目も、包丁にそっくりだけど、ちゃんとした武器のはず。

 

「ルミカ。アクセルの街の鍛冶屋では、そんな珍しい武器を見たことがない。いったい、どこでそれを手に入れたんだ?」

 

「いい質問だねダクネス。よくぞ聞いてくれました! このお刺身殺しは、私が以前バイトしていたアクセルの魚屋で譲り受けた……」

 

「包丁だろ」

 

「明らかに刺身包丁でしょ、それ」

 

「完全に調理道具ですね」

 

 ダクネスの質問に答えていた途中で、カズマとアクアとめぐみんが即座に否定する。

 

「武器だから! 私に譲ってくれた、魚屋のおじいちゃんが言ってたもん。幾多の戦場で苦楽を共にし、多くの魔物の生き血を吸わせてきた、我が家に代々受け継がれし由緒正しき名刀だって!」

 

 真剣に説明する私に向け、めぐみんとカズマが目を逸らしていた現実を突きつける。

 

「ルーちゃん。おそらく魚屋さんは紅魔族が喜ぶように、気を遣ってくれたのではないでしょうか」

 

「仕事場という名の戦場で、水生モンスターなんかもたくさん捌いてたんだろうな。嘘は言ってない。俺は子供に優しい良い人だと思う」

 

「……ち、違うし。そんなことありえない、あっていいはずがない。だって、今まで何回もモンスターをお刺身殺しで倒してるもん。アンデッドを攻撃した時なんて、神聖なオーラ的な効果で浄化されてたし。やっぱり本物の聖なる武器……」

 

 なんとか平静を保とうとする私へ、ダクネスが止めの一言を。

 

「……そう言えば、以前魚屋の店主から聞いた話なんだが……バイトに来る冒険者の娘が、まともな武器1つ持たずに、クエストへ行くのを見ていられず。せめて護身用になればと思い、愛用の刺身包丁を譲り渡したのだとか。……まさか、その冒険者がルミカだったとは」

 

 うわー、マジで包丁だったんですけど……ないわー。

 

 確かにあのころは武器を買うお金がなくて、いつ壊れるか分からないデスメテオで、おっかなびっくり雑魚モンスターを倒してたっけ。

 

「ルミカ、お前は良い目をしている。これまで多くの冒険者を見て来たが、お前のようなやつは初めてだぜ。そんな偉大な冒険者になるだろう若者に、俺からの餞別だ。こいつを持ってけルミカ……これは俺が愛用していた伝説の……」

 

 そんな時に、聖なる力を秘めた伝説の剣なんてカッコイイ武器(包丁)を譲り受けて。

 

 自分は魚屋(歴戦の猛者)に認められたすごい才能の持ち主なのではと感激し。

 

 やっとちゃんとした武器を手に入れた喜びで、舞い上がっていた私は……。

 

 ついハイテンションに任せて一週間ほど、毎晩墓場でゾンビを狩りまくったのだ。

 

 プリーストでもないのに、あれほどアンデッドばかりと戦っていたら、アンデッドスレイヤーと呼ばれても文句が言えない。

 

 でもどうせなら、もっとクールな通り名が良かった。永劫なる死を与えし者とか。

 

 拝啓、親切な魚屋さん。お元気ですか? 私は仲間もできて、とても元気です。

 

 あなたがくれた優しさ(お刺身殺し)のおかげで、ルミカはアンデッドスレイヤーの異名で呼ばれるほどの冒険者になりました。数多くの二つ名を持つ私ですが……。

 

 そこに今後は、ただの調理器具でゾンビを殺していたヤバイ少女という、不名誉(ステキ)な通り名が加わるかもしれません。

 

「お前がそれを使ってた事情は分かった。なら必要ない包丁はしまってくれ、今ルミカの格好は殺人鬼顔負けに怖いからな。アンデッドはアクアに任せろ、もし戦うなら短剣かポーションで……」

 

 私の事情を理解したカズマに、思わず叫び返す。

 

「やめてえええええっ! これ以上、私に辛い現実を突きつけないで……仕方なかった、仕方なかったのよ! カエルとの激戦で、デスメテオは壊れちゃったし! 爆発するポーションは行き付けの店の店長が入荷し忘れてて! 短剣はメンテナンス中で使えないから! モンスター相手に素手で戦うなんてできないし、この見た目アレな包丁くらいしか武器がなかったんだもん」

 

「ルミカ、……いや仮にも魔法使いなんだから杖を装備しろよ」

 

 カズマさん知ってる? 正論は人を傷つけるんだよ。

 

「私もいろんな人から指摘されて、カズマの言いたいことも分かってるんだ。ぐす、……ひっく、でもちゃんとした武器だから……武器だと思ってたから、今日までがんばって来たのにー! うわーっ!」

 

 感情が抑えきれず、気づけば流れていた涙のせいだろうか。潤んだ視界には、墓地が月光に照らされ青白く光って見える。

 

 あれ?

 

 涙を拭いても光って見えるんだけど……なるほど、真夜中の墓地で幻想的な魔方陣が光ってたんだ。美しい景色を眺めていたら、なんか元気が出てきたかも。

 

「どうしたのルミカ? 突然泣き止んだと思ったら何をじっと見て……あああああーっ!」

 

 私の目線の先を辿り魔方陣を発見したアクアが、血相を変えて走り出す。

 

「魔方陣にはけっこう興味もあるし、何より面白そうだから私も行ってきます」

 

 誰かに呼び止められる前に、一声掛けてからアクアの背中を追った。

 

「飛んで火に入るアンデッドとはあんたのことよ! 覚悟しなさいリッチー! このアクア様が成敗してくれる」

 

 なっ!!

 

 ……今アクアの口から、リッチーとかいう凶悪モンスターの名前が聞こえた気がするんだけど。

 

 慌てて声の出所に視線をやれば、うちのプリーストが魔方陣の傍に立つ、怪しいローブの人影へ襲い掛かる寸前だった。

 

 本気でまずい! もし相手が本当にリッチーだとすれば、駆け出し冒険者の私たちに勝てるはずがない。

 

 こうなったら、どうにか隙を作ってアクアを救出! すぐにカズマたちと合流して、死ぬ気で撤退するしかない。

 

「くらえリッチー! これこそが女神に祝福されし伝説の対アンデッド用決戦万能包丁! お刺身殺しよ!!」

 

 私は人影の注意をひくため、大声で武器の設定を叫びつつ、包丁を投げつける。

 

 でまかせだけど、アンデッドの天敵みたいな能力があると知れば、相手がリッチーでも隙が生まれるはず……。

 

「えっ、その声……もしかしてルミカさん? きゃあああっ! あ、危ないでしょ何するんですか」

 

 私の声を聞いた人影が、隙だらけな様子でこちらに振り向く。そして驚愕した声を上げると、右肩に迫る包丁の刃を掴み取った。

 

 深く被っていたフードから顔を覗かせ、こちらを見つめる女性の姿に気がつき、口からか細い声が漏れる。

 

「……嘘でしょ、どうして、店長が……ウィ、ズさん?」

 

 そこにいたのは行きつけの魔道具店の店主さんで……。

 

「すいません店長。わ、私はとんでもないことを……っ! 許して下さいなんて甘いことは言いません、今すぐ街に行って……自首します」

 

 殺人未遂を犯してしまった私は、即座に店主さんに土下座後、アクセルに向けて歩き出した。

 

 そう、きちんと罪を償うために。

 

「えっ? えっ! 殺人って、えっ……」

 

「店長の驚きは分かっています。真夜中の墓地で、謎の魔方陣を作っているやつなど怪しすぎる。きっとヴァンパイアやリッチーみたいな高位のアンデッドか、魔王軍の関係者に違いないと決め付け、攻撃するなんて! 私は人として恥ずかしい、……何より命の恩人であるウィズさんに刃を向けてしまった。……生きててごめんなさい」

 

「あ、あの! ルミカさんは勘違いをしているというか、冒険者ならむしろ正しいことをしたというか。今の私が怪しいのも、リッチーなのはできれば内緒にしていただきたいんですが。その、プリーストさんのおっしゃる通り、アンデッドなのは事実なのでっ! もう刺されかけたのも気にしてませんし、自首なんてやめて下さい」

 

 店長が必死で何かを言っているけど、人生お先真っ暗な私は、意識を保つのが精一杯で。歩くのに集中しないと気絶しそうだから、全然聞こえなかった。

 

 ……ごめんなさいウィズさん、罵詈雑言なら法廷でいくらでも受けるから、今は話を聞けない私を。どうか憎んで下さい。

 

「おい、リッチーとやら。お前が設置したこの魔方陣、さきほどから見ていれば墓地の魂を集めているようだが。死者の魂を利用した怪しい儀式、……まさか邪神の召還か? そのために生贄が必要で、ルミカに近づいたのでは」

 

「ち、違います! これは成仏できない迷える魂を天に還してあげるための魔方陣で。私がルミカさんと知り合ったのだって偶然で、疚しいことなんて神に誓って考えてません!」

 

「……そ、そうか、すまない。だが、まさか聖騎士である私の前で、アンデッドの元締めみたいなリッチーが、神に誓うだなんて。ちなみにだが、もし巨大な触手生物とかを召還する時は教えてほしい。人身御供でも人体実験でも、私が協力しよう」

 

「しませんよ、そんな人様に迷惑なこと!」

 

「ごめんねアクア、ダクネス。私、一緒に冒険できなくなっちゃった。ごめんねカズマ、物騒な格好をしていたあなたの義妹は、殺人鬼そのものになってしまいました」

 

 魚屋のおじいちゃんも、せっかく包丁を譲ってもらったのに、本当にごめんなさい。

 

 取調べの時は迷惑にならないように、絶対魚屋のことはしゃべりません。

 

「さすがはリッチー、なんて邪悪な存在なのかしら。人の身体を捨て去ったことで、心まで怪物へと成り果てたか! 人間に成り済まして近づいて、私の大事な仲間を誑かして傷つけるなんて! 女神の身内に牙を剥いたこと、あの世で懺悔しなさい『ターンアンデッド』!」

 

「……えっ、ええええ! 待って待って待ってルミカさん! このプリーストさんに浄化されちゃう! 私の体が半分消えかかってるから! お願いですから今の私を見て自首なんてしなくていいですからお願いなのルミカさん! ターンアンデッドを受けて苦しむ私は、モンスターなので倒しても罪にならないけどまだ死にたくないんです! あなたに今ここで立ち去られたら、問答無用で天に召されちゃう~! 知り合いの誼みで助けてもらえませんか!」

 

「めぐみん。あなたの友達だった私から、最後のお願いがあるの。もし死罪となったなら。私は自ら爆裂魔法を撃って死にたい。こんな最低な私の最後を、叶うならば親友だっためぐみんに、見届けてほしいんだ」

 

「……カズマ、とにかく私は覚悟完了した愚か者(ルーちゃん)をなんとか正気に戻します。なので、カズマは混沌としたこの場をなんとかして下さい!」

 

「お、おう分かった……何だこの状況」

 

 10分後。

 

「ぐす、良かった。店長がリッチーで本当に良かったよ。危うく殺人鬼になるところでした……それから、突然包丁を投げたりしてごめんなさい!」

 

 めぐみんの献身的な呼びかけのおかげで復活した私は、改めて店長に土下座で謝罪する。

 

「ルミカさん、もう大丈夫ですので。元はと言えば、深夜に墓場でいかにも怪しい行動をしていた、私にも原因がありますから……それに、これ以上ルミカさんに謝られると、保護者さんに何されるか……」

 

 ウィズさんはアクアに怯えながら、私を許してくれた。うう、なんて善人なんだろう。

 

 カズマの説明によると、アクセルにいるプリーストが誰もやってくれないので、迷える魂を天に還してあげる活動をしていたのだとか。

 

 アンデッドなんて引退して、女神様にでも転職すればいいのに。

 

「ルミカの誤解が解けて何よりねリッチー……ならもう、この世に思い残すことはないでしょ? あなたのカッコイイ慈善活動は、私がやってあげるから。安心して滅びるといいわ」

 

「バカやろー、こんな健気な善人を討伐なんてできるか! リッチーのウィズが墓場に来ると、ゾンビが活性化するのは仕方ないらしいし。ウィズの代わりにアクアが定期的に墓地へ来れば、丸く収まるんだからそれで良いだろ。ウィズが人を襲ったことがない、善良なモンスターだってことで、めぐみんとダクネスも納得してくれたんだぞ。わがまま言うな」

 

 アクアはどうしても、店長を倒したいらしい。そんな殺るき満々のアクアを、カズマが説得しようとしている。

 

「よく考えてアクア。店長と一緒に墓地を歩けば、いくらでもアンデッドが討伐し放題、レベル上げ放題なんだよ。店長は迷える魂を天に還せて嬉しい、アクアはアンデッドを好きなだけ成仏させられて満足、私達もゾンビを殺しまくりでレベルアップできる、誰一人損をしない素晴らしい取引じゃない。そんな店長を倒そうなんて、絶対間違ってるよ」

 

 私もウィズさんを救うために、全力でカズマの説得をサポートする。

 

「ルミカ、その内容で……本気で説得できると思ってるのか。発想が人として間違ってるぞ!」

 

 うーん、私には何でダクネスが怒ってるのかがわかんない。

 

「紅魔族に伝わる養殖というレベル上げ法と似たようなものですか。私は悪くないと思いますけど」

 

「レベルアップのために死者の眠りをむりやり覚ますとか、……紅魔族的にありなんだ、ないわー」

 

 めぐみんは納得してくれたのに、何故かカズマの表情は死んでいた。

 

 まあいっか、みんなが店長を見逃してくれそうだし。

 

「目を覚ましてルミカ! あなたはそのリッチーに騙されてるの。みんなもよく考えてよ、リッチーなんて悪の代名詞、人類の敵じゃない! 世の中の悪いことの5割はアンデッドがいるから、つまりはだいたいリッチーが悪い」

 

 もう眠いし帰ろっかと思っている私たちに、悲劇のヒロインみたいにアクアが叫ぶ。

 

 やれやれ、仕方ないお姉さんめ。ここは私がカッコイイシチュエーションで、説得するしかないようね。

 

「そんなことない! 店長は私の命の恩人で! 店長はいつも優しくて、私の面倒をみて……」

 

 あれっ、ちょっと待ってほしい。自分の科白にすごい違和感がある。

 

 思い返してみたら、私がお世話されてたというより……私が店長のお世話をしていたのでは?

 

「うわー、すごいですルミカさん! まさか、少しの工夫でパンの耳がここまで美味しくできるなんて。もうこれは一種の錬金術、いや錬パン術です!」

 

 お店の経営が厳しくて、パンの耳くらいしか食べ物がないんだと泣きついてきた店長に、節約料理をいっぱい教えてあげたっけ。

 

「どうしてルミカさん! そのカカシは畑に設置すると、どんな害虫も寄り付かなくなる強力なマジックアイテムなんです、ゴミじゃありません! 珍しく農家さんに買ってもらえた売れ筋商品で、……きゃー、私をどこに引っ張って行く気ですか!」

 

 ウィズさんは説明書を最後まで読んでいなかったのです。

 

 実はカカシはあまりの強力さから害虫どころか、農作物まで枯らしてしまうろくでもないアイテムだったので。購入者が畑に使ってしまう前に、全員探し出して返金するために街中を走り回った。

 

「聞いて下さいルミカさん。これは装着者を幸福にしてくれるブレスレッドなんですよ。いつもお店を手伝ってくれているお礼です、どうか受け取ってもらえませんか」

 

 その腕輪は運のステータスを大幅に低下させる上に、一度装備すれば10日は外せない呪いのマジックアイテムで、もちろん私は地獄を味わった。

 

 後で調べて分かったことだが、腕輪のコンセプトは装着者に多くの不幸を経験させ、腕輪を外した後に最高の幸福感を与えるアイテムだったらしい。

 

 ……いつか製作者を見つけたら、絶対に泣かす。

 

 

 他にもたくさん。店長の被害に遭った回数の方が、圧倒的に……。

 

「ど、どうしたんですかルミカさんっ! 何だか目が怖いような……あの、どうして私に包丁を向けようとしてるんですか? 何なんですかそれ、さきほど刃を掴んだ右手が、若干ヒリヒリするんですけど! リッチーに普通の武器は効かないはずなのに、や、やめて!」

 

「……ごめんね店長。今私の中の天使と悪魔がデスマッチしてるの。運命の天秤がちょっぴり殺意に傾きそうなだけだから。く、やばい、もう抑えきれないかも。私の右腕に封印されし魔物が!」

 

 今回お刺身殺しをカズマたちに目撃されたのも、元はと言えばこの人がポーションを入荷し忘れたからだし……。

 

「落ち着けって。美人を包丁で刺し殺そうとしてるお前の方が、明らかにモンスターだから!」

 

 

 

 墓地からの帰り道。

 

「さすがアクアお姉ちゃん! 女神にとってはリッチーなんて、ゴブリンレベルの雑魚だもんね。格下を余裕の表情で見逃すなんて、真の強者にしか許されない、まさに神の所業ってやつなのかな。憧れちゃうなー、カッコイイなあ。私の姉さんがそんな女神アクア様で本当に良かった!」

 

 私は不機嫌な顔を隠そうともしないアクアを、全力で褒めまくる。

 

 結局、私たちはウィズさんを見逃すことにした。

 

 怒りで我を忘れて、店長に殺意剥き出しだったルミカちゃんはもういない。私はクールで知的な美少女なので、過去のいざこざは全て水に流すことにしたのです。

 

 そう、決して店長が迷惑をかけたお詫びに、爆発するポーションを割引してくれると言ったことは関係ない。

 

 私は物に釣られて怒りを忘れてしまうような、ゆんゆんみたいなちょろい女とは違うのである。

 

「仕方ないわ、今回だけだからね。アンデッドを見逃すのなんて……ルミカにあんなことさせられないし」

 

 アンデッドを目の敵にしていたアクアだったが、私による渾身の土下座でなんとか納得してもらえた。

 

 そんなウィズ(知り合い)を救うために体を張る私に、カズマとめぐみんが軽く引いていたのも、今ではいい思い出。

 

 ……嘘、本当はめぐみんに白い目で見られて、ちょっと泣きたくなった。さらに全力で土下座する私を見たダクネスに、仲間を見つけたみたいな顔をされたことが、何よりも悲しかった。

 

 今後はアクアが定期的に墓地を浄化することで話もまとまり、私の精神がズタボロになった以外はめでたしめでたし……で、終わればよかったのに。

 

 時刻はすでに明け方に差し掛かっており、街まで後少しというところで。

 

「そういえば、ゾンビメーカー討伐のクエストは……」

 

 ダクネスがぽつりと言った。私たちはウィズさんのインパクトですっかりクエストを忘れていたのでした。

 




・魚屋さんが思っていたこと
「ルミカ、お前は(素直そうで)良い目をしている。これまで多くの冒険者を見て来たが、お前のようなやつ(命知らず)は初めてだぜ。そんな偉大な冒険者になるだろう若者に、俺からの餞別だ。こいつを持ってけルミカ……これは俺が愛用していた我が家に受け継がれし伝説の……(うわー、大丈夫か? こいつ心配だから適当な理由を付けて、とりあえず護身用に包丁持たせたんだが、本当に大丈夫か? めちゃくちゃ嬉しそうな顔で包丁握り締めてるんだが、俺の言いたいこと伝わってるよな? あくまでちゃんとした武器を買うまでの間に合わせだからな!)」

・魚屋さん
バイトの娘が冒険者のくせに短剣以外にろくな武器を持っていないと聞き、何もないよりはましだろうと長年使っていた包丁を譲ってくれた親切な人。強めのモンスターから逃げる時に、投げて使ってくれればと考えていたのだが……まさか適当に紅魔族が好きそうな設定を付けたせいで、メイン武器として使われることになるとは思わなかった。

・おさしみ殺し
かつて伝説の海のモンスター、リバイアサンを解体した際に血を浴びて神聖なオーラが付与された魚屋に受け継がれし由緒正しき神器。という設定のただの刺身包丁。
ただの刺身包丁だったのだが、実はルミカがウィズの店で手に入れた錆止めを塗ったことで神聖なオーラが付与されていた。ウィズが包丁でダメージを受けたのはある意味で仕方ないのかもしれない。

・錆止め
塗れば神聖なオーラが付与されて武器が絶対に錆びなくなるというすごい錆止め。だがこの錆止めが使えるのは何故か包丁だけである。
他の件や槍に着けたら、逆に神聖なオーラに武器が耐えられずぼろぼろに朽ち果ててしまう欠陥製品。かつて転生した日本人が、「絶対に錆びない包丁とか作ったら売れるんじゃね?」の精神で開発したが、包丁が古くなったら新しい物を買えばいいということで全く売れなかった。
ちなみにルミカは、この錆止めを包丁専用とは知らずに伝説の武器専用の錆止めだと思ってウィズ魔道具店で15万エリスで購入している。
錆止めの真実を知った時、店長はデストロイヤーのごとく暴れ狂うルミカから逃げ延びることができるのか。

 主人公の頭がおかしいだって? 大丈夫だ、あらすじにもちゃんと書いてある。
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