今回は もう眠い さんの リアル から 博麗 をお借りしました。
真也「シリアスー?」
こいし「なのかな?」
シリアスと見せかけた砂糖……と見せかけたシリアスです。
なかなかに濃い気がした()
それでは
「「「スタート」」」
地底の入り口、そこに青年が立っていた。
?「…あ?なんで俺こんなところにいるんだ?」
辺りを見回し、自身が昨日いたところと違うことに気付き、首を傾げる。
幻想郷内ではあると直感的に分かるが、下手に知らないところを動きたくない彼は、どうしようかと頭を悩ませていた。
すると、ちょうど良いところに男女2人組が頭上を飛ぶのが見えた。
しめた、と思い彼は2人に声をかけることにした。
◆
真也とこいしはいつも通り地上に向かっていた。時間があれば必ず地上に向かっているが、遊ぶ相手はほとんど変わらなかったりする。
しかし、今日はそんな2人に別の人物が声をかけた。
?「あのー?ちょっといいですかー?」
声の方向、下から声が聞こえた。2人はそちらを向くと、白いYシャツに黒のスラックスを履いた黒い短髪の青年が立っていた。その腰には木刀があり、大方剣が扱えるのかと思われる。
青年を視界に入れ、何だろうと思い2人は地上に降りる。青年も降りてきた付近に歩いてきた。
?「突然すいません。お2人はここの住人ですか?」
申し訳無さそうに頭を下げながら声をかけた青年。2人はその通りの意をこめて頷く。
真也「君は誰かなー?」
?「あ、申し遅れました。私は博麗と言うものです」
名前を聞かれた青年は博麗と名乗った。2人も同じように名前を告げるが、彼の名前に首を傾げる。
真也「博麗?霊夢の知り合いー?」
博麗「霊夢さんが生きてるんですか!?」
驚いたように声を大きくした彼は、何かに気付いたようで声を元の大きさに戻し再度口を開く。
博麗「あの、たぶん私、別のところから来てしまったみたいです」
困ったような顔をして俯く彼に、真也は特に何を思うこともなく1つ頷きどうするか問う。一方こいしは何ともいえぬ不信感を彼に抱いていた。
こいし「(なんだろう、この人、変な感じがする。よく分からないけど、注意しとこ)」
無意識に何かを感じた彼女は、思ったことを頭の片隅に置いておき、2人の話を聞いた。
真也「どうするー?すぐに帰してあげてもいいけどー」
その真也の問いに彼は首を横に振って、興味津々な様子で答えた。
博麗「いえ、ここの地理も知りたいですし、案内してもらえませんか?」
彼は地底の案内を希望した。真也は少し驚くが、すぐにいつもの表情に戻り、1つ返事で了承した。
2人が案内のために先に立って歩き出す中、博麗は隠した本心の中で隙をうかがっていた。
博麗「(こいつら、隙しかないが相当に強いことは分かる。もしかしたらまたどこかで会うかもしれない。今のうちに力量を計っておこう)」
その目に不穏な色を隠し、不思議そうな顔で自身を見て待っている2人。彼は
◆
一行は商店街を歩き始めた。
地底の商店街は主に妖怪がやっているが、一部物好きな人間も混ざって商売をしていた。
店の種類も、土産屋、居酒屋、八百屋、着物屋、甘味処など、生活するのに困らない程度には揃っている。
見回せば居酒屋がよく目に入る。やけに居酒屋が多いのは、ここを開拓したのが鬼だったからである。
居酒屋の占める割合が高いのは、住み着いた鬼がよく飲むからだろう。
そんなこんなでぶらりぶらりと歩きつつ、適当に目に付いたものや、博麗から質問があるものを答える。
博麗「ところで、これだけ大きな商店街ならば、それを統治しているようなところもありますよね?」
そう言って商店街からもよく見える大きな建物────地霊殿に目を向ける。
真也「そうだねー。あそこはこことは違って鬼は住んでないよー。いっぱいの動物とー、僕たち一部の妖怪とかが住んでるんだー」
なんとなく子供っぽい言い方にこいしは笑っているが、博麗は少し真剣な表情で彼を見る。
博麗「真也さんは妖怪なんですか?」
そういった彼の目は真剣そのものだったが、それに対する真也の反応は反対にふざけたようなものだった。
真也「僕はただの人間だよー。こいしは妖怪だけどー、僕はなんてことはないただの人間さー」
両手を広げ、くるくると回りながら笑みを深くして話す。人間という部分を強調してるように思える。
だが、周りに妖怪が多く住む中でここまで余裕を持って動く少年が、ただの人間とは彼には到底思えなかった。
なにより、彼から感じる得体の知れない力が、それを強く物語っていた。
神妙な表情になる博麗だが、あまり気にすることでもないかとすぐに話題を変えた。
博麗「お2人は仲がとても良いみたいですが、もしかしてそういう関係なんですか?」
少し悪そうな笑みが見えるが、聞かれた2人は特に何ともない様子でそうだと答える。
こいしが赤面しなかったのは、彼に注意しあまり考えていなかったからか。それとも単に慣れてきたのか。どちらかは分からないが、真也にとっては少し新鮮だった。
博麗「こんなことを聞くのもなんですが、お2人はお互いのどんなところが好きなんですか?」
その問いに対して、2人は寸分の狂いもなく声を揃えて言った。
「「そんなの、全部だよ?」」
答えた2人も息の合いように、聞いた博麗はそのお互いの想いように素で驚き立ち止まった。
2人も立ち止まったがここで真也はさらに付け足す。
真也「って、言いたいんだけどー、実際は全部なんて言えないよねー」
またも驚いた表情になるこいし。博麗も、不思議そうな顔で続きを促す。
真也「だってさ?僕はこいしのすべてを知ってるわけじゃないもん。僕は知ってる範囲ではこいしのことが大好きだよ。そういうこと」
いつもの伸ばす口調もなりを潜めて、いつもと違う本当の笑みで答えた真也に、こいしは驚きが止まらないようで動きが止まってしまっている。
博麗はその表情から嘘なんて1つもないのだと察する。
少しして復活したこいしが口にしたのは、またも博麗を驚かせるものだった。
こいし「びっくりだよ!私も同じ事考えてた!」
長く一緒にいると思考が似るという話があるが、この2人に関してはややそれを通り越している。
しかし、2人の関係は通り越すには十分過ぎた。むしろ、似るという程度では足りなかったようだ。
博麗「ふむ、2人の仲の良さには感服しますね。私にもそんなことを思えるような人が現れないものか…」
どことなく悲しそうな雰囲気を漂わせるが、自ら苦笑でそれを吹き飛ばした。
博麗「それで、この商店街以外にはなにがありますか?」
真也「さっき言った地霊殿とー、後は喧嘩とかなんかするときのための荒れ地みたいなのかなー」
聞かれた問いに間を空けずに返答する真也。博麗は何か考えるような素振りを見せ、口を再度開く。
博麗「一応荒れ地も見てみたいですね」
その言葉に了承し、2人がまた歩き出す。
一方博麗はまだ立ち止まっており、黒い笑みを浮かべる。
博麗「(そろそろ仕掛けてみるか。真也の方が得体の知れない何かがあって、興味がある。狙うはあいつだな)」
腰に携えた獲物を軽く触り、前を歩く2人に追いつくように歩き出した。
◆
荒れ地に着き、立ち止まった2人。
そこに後ろから博麗があるいてくる。
真也「さてとー。これで一通りかなー?」
こいし「地霊殿は?まだだよね…………しゃがんで!」
いきなりの事に驚く真也だが、すぐにしゃがみ込む。その場でしゃがんだために、何が起きたのか。なぜしゃがまないといけなかったのか、考える暇もなかった。
しゃがんですぐに、後ろから何かのぶつかり合う音が聞こえた。
振り向いてみればこいしがナイフを横にし、振り下ろされた木刀を受け止めていた。
その木刀の持ち主は────博麗。
こいし「どういうつもり?返答によっては怪我じゃすまさないよ」
危惧していたとおりに襲ってきた博麗に対し、こいしはその瞳に強い怒りを持って睨みつける。
振り下ろした木刀を見て、何か納得したように鼻を鳴らす博麗。その目には何も感情がこもっていないように見える。
よく見た目だと、こいしは頭の中で呟く。
後ろにいる恋人の、怒ったときになる目によく似ている。しかし、2人には決定的な差があった。
それは、それがふりであるか。
真也の場合、一度感情を無くしているため、こもっていないようではなく、こもっていない。
それに対して博麗は、そんな経験をしてきたわけではないと見える。それではいないようでしかない。
博麗「どういうつもりも、手が滑っちゃっただけですよ。急に木刀を振りたくなっただけです。その先に彼がいるとは思ってませんでしたよ。私、素振りをしてるときは周りが見えないんです」
長々と吐かれた台詞は胡散臭さしかなく、まるでとってつけたようにしか思えないが、当の本人は本気で言っている。もしこいしが心が読めたなら、それが嘘ではないと分かっただろう。あいにく、こいしはまだ完全には開いてはいないので読むことはできないが。
こいし「そんな分かりやすい嘘で突き通せるわけ無いでしょ」
博麗「嘘じゃないんです。本当ですよ?」
明らかに悪意のある笑みを浮かべるが、それすら本当か嘘か分からない。
こいしは再度真偽を問おうとした。
しかし、それを立ち上がった真也が止める。
真也「あー、うん。大丈夫だよこいし。博麗は嘘ついてないよ」
その言葉に驚いたのはこいしだけではなかった。博麗もそんなバカなと言った顔になるが、すぐさま平静を装う。
真也「君さ、心から騙せば嘘もバレないと思ってるでしょ。確かにそれは間違ってないけどさ、それって無意識に本音を隠してるようなものだよ?心が騙されていようが、結局ボロは見つかるよ」
ナイフをおろさせこいしの前に出た真也は、いきなり空間を作りだし、右手をつっこんだ。
その先で何かを掴んで引っ張り出す。つかみ取ったのは、博麗の木刀。
真也「あとね?こんなただの木刀で僕のこと殺せるだなんて思わないでよ。こんなんじゃ痛みも感じないよ?どうせならねー、うん、こんなのとか」
薄ら笑いを浮かべ、冷たい光を瞳に灯し再度空間に手を突っ込む。
今度は日本刀が出てくる。
真也「これでようやく血が流れるね。まあ、それでも僕を殺すには足りないよ」
そう言って木刀を博麗に放り投げる。
投げられたらそれを受け取った博麗は、表面上冷静に見えた。内心がどうかは知らないが。
博麗「はぁ、ご忠告どうも。でも、これでも殺すことは出来ると思いますよ?打ち所が悪ければね」
真也「そうじゃないんだよ」
少し殺意を込めた視線を飛ばす博麗に、真也はやれやれと手を振り日本刀を自身に向ける。
真也「見てなよ。君じゃ僕は殺せない」
向けた日本刀をそのまま何のためらいもなく突き刺す。貫通した腹からは血がとめどなく流れてくる。
後ろで息をのむのが聞こえたが、聞こえないふりをして日本刀を引き抜き、話を再会する。
真也「君の能力が何かは知らないけど、僕をどうにかするには全く足りないよ。今出来たこの傷だって、もう無くしたから」
そう言った時には本当に腹にあった傷は跡形もなく消えていた。流れた血が残っていることから嘘ではないと分かる。
博麗「なかなか人間離れしてますね。普通そんなことしませんよ?」
乾いた笑いとともに少し後ずさった博麗。
逆に真也は当然といった顔。そして、一歩前に出て、その顔に狂気を張り付けた。
真也「君の普通は僕の普通じゃなかったって事。まあ、僕自身人間なのか怪しい気がしてるけどね」
そう言って笑うと手を握りしめる。
何事かと博麗が周りを見ると、すぐ後ろに謎の黒い空間らしきものが出来ていた。
真也「それを通れば帰れるよ。大丈夫、変なところには飛ばさないから。そんなことしても意味無いしね」
再度真也の方を見れば、会ったときの表情を浮かべていた。後ろのこいしはまだ怒りが消えていないが、彼にはどうでもよかった。
博麗「そうですか。それではここらで帰らせていただきましょう。また会うとは思いませんが、縁が会えばまた」
そう言って中に入っていった。
空間が閉じ、辺りに音がなくなったところでこいしが正面に回り込んでくる。
こいし「どうしてお腹に日本刀なんて刺すの!」
行き場のない怒りというか、無茶なことをする真也に妥当な怒号が飛んでくる。
聞かれた真也は頭を掻きながら苦笑いを浮かべる。
真也「いやまああれが一番効果的かなって思ってねー。大丈夫だよ、なんともないからさー」
そうしゃないと憤慨するこいしだが、どれだけ言っても彼にはどうしようもないのが分かっているので、諦めてため息を一つ。そして、腕にしがみつく。
こいし「こういう危ないことはやっちゃだめ。分かった?」
上目遣いに聞く彼女に、真也は少し焦りつつもお茶を濁して浮き始める。
さらに長いため息がこぼれたが、聞かないことにして真也は地霊殿に戻っていった。
どうでしたかね。
真也「血がぁー」
こいし「レバー食べる?」
のんびりしてんなぁこいつら。
シリアス希望でしたが、ちょっとお砂糖入りました。
箸休めだ。うん。
次回は通常の、そろそろ最後の一人を出そうかなと。
それと、活動報告ちゃんと読んでくださいね?
見てなかったなんて知りませんよ?
それでは次回まで
「「「ばいばーい」」」