東方無集録   作:キイカ

68 / 87
はーいどーも生きる死神です

真也「今回は七夕のお話ー」

こいし「7月7日だから合わせて投稿したみたいだよ」

間に合うか心配だった……

真也「お疲れ様ー」

こいし「よく頑張ったね」

うぅ、2人の優しさが身に染みる……

真也「今回は9500文字ちょっとあるから見るときは気をつけてねーいつもより長いよー」

こいし「それじゃあそろそろね」

はい、それでは

「「「スタート」」」


特別編!七夕と夏祭り、夜空に咲く光の華

 

 

 

 

 

 

地上の空も暗くなってくる夜の7時頃

 

真也「んー、こいしはまだかなー」

 

いつもの黒いズボンに白いシャツ灰色のカーディガンではなく、濃いめの青地に黒色の薔薇が幾つか描かれた浴衣を着た真也は地霊殿の玄関で待っていた

 

今日は7月7日、外の世界では七夕なのだが、幻想郷でも博霊神社で夏祭りが行われていると、数日前に地上に遊びに行ったときにフランに言われたのだ

 

真也「いやー、夏祭りなんて僕には縁のないものだと思ってたなー。こっちに来てほんっとーに変わったなー」

 

自分の来ている浴衣の袖の中にあるペンダントを少し弄くる

 

真也「(それもこれも全部こいしのおかげ。こいしは地上の祭りは初めてらしいから、ちゃんと迷子にならないようにしないとね!)」

 

自身の想い人を迷子にさせないように、しっかりしないと、そんなことを考えていると

 

 

 

 

こいし「ごめんね。待たせちゃったかな?」

 

真也「んー?大丈夫だよー、そんなに待ってな……」

 

やってきたこいしに本音で待ってないよと言おうとして振り返った真也は、息をのんだ

 

真也「……」

 

こいし「……変、かなぁ?真也は、どう思う?」

 

いつもの服装から今日のためにこいしは、淡いグリーンに少し暗めの青い薔薇がいくつも描かれた浴衣を来ていた。そして髪型は、真也が渡した髪飾りで髪を首もとで纏めて左肩から流していた(サイドダウンと言うらしい)

 

いつもの活発で元気いっぱいの姿はどこへやら、そこにいたのはお淑やかに不安げな表情のこいしだった

 

真也が何も言わないことに不安を覚えるこいしは、少し俯き、それから顔を上げて上目遣いにか細い声で呟く

 

こいし「……お姉ちゃんは似合ってるって言ってたけど、真也がどう思ってるか聞きたいなぁ」

 

真也「……あ、っと、えと、あのね?」

 

とりあえず言葉を発した真也に、こいしはじーっと視線を送る

 

真也「……言うのがすっごい恥ずかしいんだけど、うん、似合ってる。いつも可愛いけど、今日はいつも以上に可愛いよ。なんだか今日は大人っぽい感じがするしね」

 

顔を赤くしながら少し視線を泳がせていた真也は、少し間を空けてしっかりとこいしの目を見てそう答えた

 

その答えにこいしは、言葉ではなく、行動で返す

 

こいし「嬉しいっ!」

 

真也「わっ!こいし?」

 

ぴょんと飛んで抱きついたこいしに真也は驚いて受け止めるも少しよろめく

 

こいし「……真也が似合わないって言ったら、私、郷外に出るのやめてたかも……」

 

しっかりと抱き締めて離さないこいしは弱々しくそう呟いた

 

そんなこいしに真也は優しく頭を撫でてあげることで安心させようとする

 

真也「僕は、こいしが何を着てても似合うと思うしどんなこいしでも大好きだから。似合わないだなんて、言わないから」

 

こいし「真也……ありがと……」

 

抱き締める力さらに強くして、こいしは感謝の言葉を述べた

 

そして、ふっと真也から離れてくるりと後ろを向いて浴衣を直すと

 

こいし「よしっ。じゃ、いこっか!」

 

振り向いて手を差し出した

 

その顔はいつも以上にキラキラと輝いていて、真也は頬が熱くなるのを感じながらその手を取って地上に向かった

 

 

 

 

 

 

 

博霊神社に着いた2人はまずその人の多さに驚いた

 

真也「うわぁー、ここってこんなに人が来ることあるんだねー。宴会の時以外でも人来るんだねー」

 

こいし「たまに見に来るといっつもすっからかんなのに、祭り事の日はさすがに来るんだね。これなら賽銭くれくれ巫女さんも今日は静かそうだね」

 

驚いた割には話の内容がどちらかというと馬鹿にしているような感じである2人

 

すると

 

霊夢「だぁーれが賽銭くれくれ巫女だ、このバカップルが」

 

真也「あたっ」

 

こいし「いてっ」

 

どこからともなく現れたいつも通りの巫女服の霊夢が大幣で2人は軽く叩く

 

霊夢「さすがにお祭りの日くらいは参拝客も来るわよ。……まあ、出店やってるのは妖怪の方が多いんだけどね」

 

真也「さすがは妖怪神社ー……いたっ」

 

こいし「それにしてもいきなりどうしたの?妖怪が暴れないように見張ってるの?それとも暇なの?」

 

霊夢「あんたも叩かれたいのかしら?」

 

呆れ顔で言った霊夢は、自身が呟いたことにツッコミを入れた不届きもの(真也)に制裁(大幣)を食らわし、苦笑いと呆れ顔の混じった何とも言えない表情でこいしの質問に返答する

 

霊夢「まあ、どっちも同じくらいね。実際暴れないようにってのもあるけど、何もしてないと暇なのよ。祭りも回れて暇もつぶせる、一石二鳥よ」

 

真也「そのうち祭りを回ることが主にー……ごめん、その力の入った大幣を降ろしてそろそろ頭痛い」

 

こいし「真也……。まあ、霊夢の事情はわかったよ。私達は普通に回るから、また今度ね?」

 

返した返答に訂正を入れてこようとした阿呆(真也)に前の2回よりも力の込めた大幣を振り上げて、にっこりと笑っていた霊夢だが、こいしがそろそろと言ったところで溜め息をつきながら力を抜いて降ろした

 

霊夢「はぁ……面倒事を持ってこなかったらお茶くらいは出してあげるわ。あと、あんたの連れが余計なこと言わなかったら」

 

立ち去り際、ふんと鼻を鳴らしながら人混みに消えていく霊夢はこいしの隣にジト目で視線を送って消えていった

 

こいし「もぅ、煽りすぎは良くないよ?これから回るんだから怪我なんてしないでよねっ」

 

真也「はい、ちょっと遊びすぎちゃった。反省したからそろそろ行こっかー」

 

腰に両手を当て、やれやれと首を振りながらこいしはそう言うと、真也も少し真面目な表情で返した

 

行こうと言った真也が手を出すと、ふふふと笑ったこいしはその手を取って祭りの人混みに入っていった

 

 

 

 

 

 

こいし「あー!あれも食べたいっ!」

 

真也「こ、こいしー、まずは持ってるもの食べてからねー?」

 

こいし「えー?食べたいよー!」

 

出店を回り始めて早1時間、こいしの左手には綿飴(早苗達が作ってた)が、真也の右手には焼きそば(なぜか鈴仙1人作っていた)とお好み焼き(勇儀と鬼達が作ってた)が1つずつ入った袋を持っていた

 

ちなみに、こいしの右手と真也の左手は回り始めてから一度も離れていない

 

(どこかから「さすがかよ!」と言う声が聞こえた)

 

そんな手持ちがいっぱいな状態で今度はこいしはあれーーリンゴ飴(静葉と穣子が作ってた)ーーが食べたいというのだ

 

さすがに手が足りない真也はどうしようかと悩んでいたのだが

 

こいし「ほら!手は空いたよ!だから買って良いよね!?」

 

真也「そんなすぐに手が空くわけー……ってほんとに空いてるー!?」

 

悩んでいるうちにかけられた声で、こいしの手を見ると本当にさっきまで持っていた綿飴が消えているのだ

 

リンゴ飴を買いに行くこいしについて行きつついつ食べたんだろうと考えていると

 

ぬえ「これいつまで持ってればいいのよ」

 

真也「あれー?ぬえいたのー?」

 

いつからいたのか分からないが黒地に赤と青の不思議な模様(なんだかUFOっぽい)の入った浴衣を着たぬえが現れた

 

真也の反応にひどい!と憤慨しつつその手に持ったものを少しかじる

 

真也「んー?それってもしかしてー」

 

ぬえ「これ?これはこいしに持っててって言われてるから持ってるのよ。あの子私を荷物持ちかと考えてないでしょうね……もぐもぐ、甘いなー」

 

だから手が空いていたのかと納得した真也

 

少し小言を呟きながらその手の綿飴をまたかじると

 

こいし「買ってきたよ!ありがとね、ぬえ……って、食べてるし!」

 

ぬえ「ぬえぇっ!?」

 

食べているところを買って戻ってきたこいしにばっちり見られる

 

変な声が出たぬえはなんだか良い笑顔を浮かべているこいしに謝る

 

ぬえ「ご、ごめんね、ちょっと食べたくなっちゃったの!」

 

こいし「もー、それなら行く前に言ってよね!ほら、ぬえの分もあるからさ!」

 

ちゃんと謝ったぬえにちょっとだけ怒った表情を見せると、すぐに笑顔に切り替えてリンゴ飴を渡す

 

え?と言った顔のぬえは感謝しつつそれを受け取る

 

真也「そういえばさー、ぬえっていつからいたのー?」

 

ぬえ「それまた掘り返す?」

 

こいし「あー、綿飴をどうしようかと悩んでたら来たんだよ。ちょうど良いから持っててもらってね!」

 

最初の疑問を掘り返すとぬえがしょぼくれた顔をする

 

そしていたのは真也が悩んでいるときからだったらしく、気付いていなかった真也はどれだけ手を空けることを考えていたのかと2人に笑われることになった

 

それから、綿飴をこいしとぬえは仲良く(ぬえは最初申し訳なさそうだったけど途中から普通に食べ始めた)分け合ったあとリンゴ飴を食べている時

 

ぬえ「あ、マミゾウだ」

 

こいし「まみぞう?」

 

真也「ーー♪(リンゴ飴食べてる)」

 

知り合いを見つけたらしいぬえが、その名を出すがこいしは聞き覚えがないのでよく分からなかった

 

(真也はリンゴ飴に夢中)

 

ぬえ「まあ、最近来たやつで外にいたときの知り合いみたいなもんかしら」

 

こいし「へー、外の世界ねー」

 

2人の関係を聞いたこいしは少し興味を持つが、隣の真也のことを考えそこまで露骨には表さなかった

 

ぬえ「私、あいつと話してくるわ。リンゴ飴ありがとね。今度なにかあげるわ。それじゃ、またね、お熱いお2人さん」

 

こいし「あ、うん、またね。一応期待してるね」

 

離れていくぬえを見送ると、未だにリンゴ飴を美味しそうに食べている真也の袖をつつく

 

真也「んー?」

 

こいし「ねぇ、どこかに座って買ったもの食べよ?」

 

リンゴ飴を食べつつ少し考えていたが、縦に1つ頷くとどこかに歩き出すした

 

 

 

 

 

 

こいし「あー、お腹いっぱい」

 

真也「以外と買ってきたものだけでお腹いっぱいなっちゃったねー」

 

2人は祭りの会場から近いところにある森の中の岩に座っていた

 

買ってきたものを食べ終わり(食べさせ合いもしていた)、少し休憩して祭りの様子を眺めていると

 

天子「あれ?こんなところで何してるの?」

 

真也「あ、天子ー」

 

こいし「んー、休憩かな?天子は?」

 

どちらかというと2人の左側、神社の本殿側から天子が現れた

 

天子「私?私はねー……えーっとね、その、ねぇ」

 

こいしの質問に対して歯切れの悪い天子に、真也とこいしは顔を見合わせもしかしてと思い

 

真也「もしかしてさー、迷い子になっちゃったのー?」

 

こいし「衣玖とはぐれちゃったのかな?」

 

迷子かと尋ねると、その通りだったのか天子は帽子を深くかぶり無言で小さく頷く

 

真也「んー、ここで少し待ってればー?その内こっちにも来ると思うよー?」

 

こいし「下手に探しに行ってもすれ違うかもしれないしね」

 

2人の言葉にうんうんと頷き、2人の座っている岩に腰掛ける(岩は以外と大きく3人くらいは余裕で座れる)

 

真也「そう言えば天子も浴衣着てるねー」

 

こいし「とっても似合ってるよ!」

 

天子「そ、そう?ありがと!」

 

ふと話題にした天子の浴衣。いつもの服ではなく黄色の星のような模様の入った水色の浴衣を着ていた

 

髪も結んで上げて、簪で止めているのでよく見るといつもとは違う雰囲気があった

 

天子「たまにはちゃんと着てくださいって、衣玖に怒られちゃってね。似合ってるなら着て良かったかも」

 

こいし「うんうん!似合ってるよ!真也もそう思うよね?」

 

真也「うんー。とっても似合ってるー。雰囲気も大人っぽいー」

 

2人から褒められ顔を赤くしながらも嬉しそうな天子

 

それに対してこいしは少しむくれていた

 

こいし「へーんだ。私は子供っぽいですよーだ」

 

天子「あれ?もしかして、こいし、嫉妬してる?」

 

わざとらしく子供っぽい口調で話すこいしに、天子はストレートに疑問をぶつける

 

少し戸惑ったがふん!と強がりを見せるこいしに真也が耳元で何かを言うと

 

こいし「……」

 

真也「~~♪」

 

ぼんっ、とでも言うようにこいしが顔を真っ赤になり、真也はとても機嫌が良さそうに鼻歌を歌い始める

 

そんな2人に置いてかれる天子だが

 

天子「ふふっ、ほんと仲良いんだから」

 

ニコッと笑みを浮かべながらそう言うと少し周りを見渡す

 

すると

 

天子「あっ、あそこにいるの衣玖っぽい!」

 

真也「おー、行ってきなー。僕たちはもう少しここにいるからー」

 

見渡した先に衣玖がいたのか天子は岩からぴょんと降りる

 

天子「2人ともありがとね!また今度遊ぼうね!じゃあ、2人とも楽しんでね!」

 

そう言うと天子は走り去っていく

 

それを見送り未だに横でトマトのように顔を赤くしているこいしの頭を撫でて

 

真也「そろそろ行けるかなー?」

 

こいし「う、うん」

 

そう聞き、頷きながら答えられたので岩から降りてこいしが降りてくるのを待ち、降りてきたところで手を取ってまた2人は祭りの人混みに入っていった

 

 

 

 

 

 

 

こいし「あ、御守り売ってる」

 

真也「ほんとだー。お祭りです御守りってあんまり見ないよーな……って、売ってるの雛だー」

 

雛「あら、2人とも。いらっしゃいな。厄神特製の厄除けの御守りはいるかしら?」

 

なんとなく気になった御守りの店をよく見ると雛がやっていた

 

近付いて売っている御守りを見ていると

 

雛「うーん、2人は私ともよく話してくれるしちょっと特別なものをあげようかしら」

 

真也「特別なものー?」

 

こいし「いいの?」

 

少し考えていた雛はそう言うと、真也達からは見えないところで作業を始める

 

雛「少し時間かかるから他のやつを見てて」

 

そう言われた2人はまた御守りを見てあーだこーだと話し始める

 

そして、数分後

 

雛「はい、これでいいかしら」

 

真也「これはー?」

 

こいし「なんだろ」

 

2人に手渡されたのは、見た目は一般的な御守り

 

雛「私の売ってる御守りは私の能力を少し付与して作ってるから御守りが厄を取ってくれてるんだけど、今作ったのは特製で厄を集めるだけでなくその厄を浄化するのよ」

 

真也「浄化ー?」

 

こいし「どういうこと?」

 

渡された御守りの説明を聞いて、少し分からないところがある2人

 

雛「えっとね、今売ってる御守りは厄を集めるにも限度があってねそれを越えるともう使い物にならなくなるの。でも、2人に渡したのはその限度に達する前に自動で集めた厄を浄化できるの。要は無くしたりしない限りは厄を集め続けてくれるわ」

 

真也「えっ!そんなものもらってもいいのー?」

 

こいし「これかなり高いでしょ?」

 

細かい説明を聞いた2人は驚いて本当にもらっていいのかと聞くが、雛は笑顔でいいのよと頷く

 

雛「あなた達は誰も話しかけてくれない私に話しかけてくれたからね。あなた達と話すの楽しいしね。いいのよ、お金なんてこれは私からのプレゼントよ」

 

真也「雛……ありがとねー」

 

こいし「ありがとっ!」

 

嬉しい理由に2人は感謝する

 

真也「あー、普通の御守りも買ってくねー。地霊殿のみんなにもあげたいしー」

 

こいし「そうだね。雛!これ5つ頂戴!」

 

雛「あら、買ってくれるのね。ありがとね、はい、どうぞ」

 

ちょっとしたお土産として御守りを5つ買っていく2人

 

2人はまたねと声をかけてまだまだ祭りを回る

 

 

 

 

 

 

真也「んー?あそこにいるのフランじゃないー?」

 

こいし「あ、確かに。それに隣にいるのは魔里沙だ。2人で何してるんだろ」

 

雛の出店から離れて祭りを回っていると、フランと魔里沙の2人組を見つけて

 

フランは黒い百合の花の描かれた赤地の浴衣、魔里沙は白い三日月の描かれた黄色地の浴衣を着ていた

 

向こうも気付いたららしく近付いてくる

 

フラン「こんばんわっ!2人とも浴衣似合ってるね!」

 

こいし「フランありがと!フランも似合ってるよ!」

 

魔里沙「お前らも来てたのか」

 

真也「いちゃ悪いのかなー」

 

フランとこいしは2人でわいわいと話し始める

 

真也は魔里沙と少し険悪になるが話し始める

 

魔里沙「いや、そんな訳じゃないんだぜ。地底のやつらもこの祭りのことを知ってるんだなと思ってな」

 

真也「あー、そういうことねー。僕たちはフランから聞いたんだー。勇儀とかはたぶん他の友達に聞いたんじゃないー?」

 

実際、回っている間に、ヤマメ、キスメ、パルスィ、お燐、お空はいた

 

さとりがいないのは大方第三の目を気にしてるからだろう

 

魔里沙「ふーん。あいつらにも地上の知り合いがいるんだな」

 

真也「さぁねー。僕は良く知らないよー」

 

2人がまったりと話していると

 

フラン「ねえねえ!向こうで短冊ってものに願い事を書くところがあるからこいしと真也行ってきなよ!まだ行ってないでしょ?」

 

真也「んー?短冊ー?」

 

こっちでは聞かないような言葉に聞き返してしまう真也

 

魔里沙「あぁ、あれか。たぶん紫のやつが面白そうだからってまあ外で調べてきたんだろ。私達はもう書いたし行ってきたらどうだぜ?」

 

真也「ふーん、そうなんだー。こいしー、どうするー?」

 

こいし「いこっ!」

 

間違いではなかったので、紫はなんでもやるなぁと思いつつこいしに聞くと即答で返ってきた

 

2人はフランと魔里沙に別れを告げ2人から聞いた場所に向かった

 

 

 

 

 

 

真也「ここみたいだねー」

 

こいし「ねー。んー、人がいっぱい……」

 

2人は言われたところにつくと、またも人の多さに驚いた

 

祭りの会場の入り口もそこから見える中の様子で人が多いのを確信していたが、短冊を書くための会場は単純な人口密度ではこちらの方が上回っていた

 

なんとか短冊とペンを手に入れた2人はどこかに書ける場所がないかと探す

 

すると

 

誰かがこちらに向けて手を振っているのに気付く

 

その人のところから見える特徴的なものに2人は誰か振っているのか気づきそこに向かう

 

そこにいたのは

 

小傘「やぁやぁ!2人も短冊書くの?」

 

真也「そうだよー。小傘も書いてたのかなー?」

 

こいし「傘のおかげですぐに分かったね」

 

にこにこと笑みを浮かべる小傘だった

 

やってきた2人が書くというので自分がいたところを空ける

 

2人は小傘に感謝しつつ先にこいしが書き始める

 

小傘「私はもう書いたよ」

 

真也「何書いたのー?」

 

こいしが書き終わるのを待ち続け雑談をする2人

 

小傘「私はね、『もっと驚いてもらえますように』ってね!」

 

真也「あー、小傘らしいねー」

 

こいし「書けたから真也も書いてー」

 

小傘の書いた願い事に苦笑いしつつこいしにはーいと答えた真也が、こいしと場所を入れ替えて書き始める

 

こいし「それにしてもよく私達に気付いたね」

 

小傘「あー、書き終わって周りを見てたらなんだか見たことのある2人組が見えてね。手を振ってみたら案の定真也とこいしだったわけ」

 

それじゃ違う人だったらどうするのというこいしの問いに、知らんぷりすると答えた小傘

 

2人は笑い合って雑談を続ける

 

2分ほどして真也も書き終わる

 

真也「これってどこに吊すのー?」

 

小傘「あそこみたいだよ」

 

こいし「うわぁー、大きいね」

 

真也の質問に小傘が指差した先にはかなり大きな(神社を超える、鳥居と同じかそれ以上)笹のようなものがあった

 

真也「これは一体どこから持ってきたのかなー」

 

小傘「さぁね。あの妖怪の賢者がどこからか持ってきたんでしょ」

 

こいし「それにしては大きすぎるでしょ」

 

明らかにサイズのおかしいそれに真也とこいしは呆然としつつも書いた短冊を吊す

 

真也「こいしはなんて書いたのー?」

 

こいし「えー、真也のも教えてよ」

 

小傘「あーっと、もう少ししたら花火ってのもあるらしいからねー。じゃあ、またね」

 

2人が2人の世界に入り出すと察した小傘は、最後にちょっとした情報を伝えて人混みに紛れていった

 

真也「(花火かー)じゃあー、一緒に言おうよー」

 

こいし「いいよー。せーの」

 

真也こいし「「『『こいし(真也)とこの先も一緒にいれますように』』」」

 

小傘の言っていたことを頭の片隅に起きつつ、真也はこいしと合わせて書いた内容を言った

 

そして、その内容が全く同じことに2人は笑い出す

 

真也「あはははは、同じこと考えてたみたいだねー」

 

こいし「ふふふっ、無意識に同じこと書いちゃったのかな?」

 

2人とも満面の笑顔で笑い合う

 

(周りは「うわ、あっつ!しかも甘っ!」ってなったらしい)

 

そして、真也はこいしの手を引いてどこかへ歩き出す

 

こいし「どこに行くの?」

 

真也「ひーみーつー」

 

そう言うとにこにこと笑って歩き出した

 

 

 

 

 

真也「んー、ここかなー」

 

こいし「ここは?」

 

手を繋いで2人がやってきたのは神社の境内の方から森に入ったところの開けたところ

 

真也「ここならたぶん花火がよく見えるんじゃないかなー」

 

こいし「そうなの?」

 

振り返ってみるとそこから境内までは木が生えていて鬱蒼としているが、2人のいる位置から正面は遮るものがほとんどないのだ

 

そして、2人が雑談をしていると腹部に響く鈍い音が空気を伝わって聞こえてくる

 

空を見上げてみればそこには色とりどりに咲き誇る鮮やかな光の華

 

その光景は、2人の脳裏に焼き付き記憶にしっかりと残る

 

真也「うん、ここで正解だったね。綺麗な花火だね」

 

こいし「弾幕ごっこも綺麗だけど、この花火っていうのもとっても綺麗だね」

 

次々とあがる赤、青、黄、緑、はたまた白や紫など外の世界でも見れないような色の花火が見るものを飽きさせない

 

真也「ん、こいし?」

 

ふと気がつくとこいしが近くにいて、頭をこてんと真也の腕に預けていた

 

こいし「もっと真也の近くで見たいの。良いよね?」

 

そう言ったこいしの目に映るのは、輝きを放つ光の華と真也だけ。答えは言うまでもなく笑顔を見せると伝わった

 

 

 

 

 

 

 

そして、2人はもう一度見つめ合うとお互い目をつぶり

 

 

 

 

 

 

花火の音を耳で聞きながら

 

 

 

 

 

 

瞼の裏で大好きな者の姿を思い描きながら

 

 

 

 

 

 

誰もいない森で、色鮮やかな空を背景に

 

 

 

 

 

 

2人は絆を深めまた1つ忘れることのない思い出を記憶に刻んだ

 

 

 

 

 

それから2人はゆっくりと離れると一言も話さず、しかしその顔は幸せそうに満たされていた

 

 

 

 

 

 

 

真也「花火、終わったね」

 

こいし「ね。綺麗だったね」

 

花火も終わり2人は未だに森の中で話していた

 

そう言って笑ったこいしの笑みにはまだほんのり赤みが残っていたが、それさえ引き立てるものにしかならないと、真也は感じていた

 

真也「さてと、そろそろ帰ろっか」

 

こいし「そうだね……いたっ!」

 

少し見とれていた真也が我に返り、帰ろうかと手を差しだし、その手を取ったこいしが歩き出すと急に悲鳴を上げたその場に立ち止まった

 

真也「えっ?どうしたの?大丈夫?」

 

こいし「えーと、そこにあった石に躓いて足首捻っちゃった……」

 

しゃがみこみ足首をさするこいしは痛そうに目を細める

 

その様子に真也はこいしが痛めたという足首に手を当て、能力を使って痛みを無くす

 

こいし「ありがと。これで歩けるかな」

 

真也「いや、僕がおぶっていくよ。またこいしが怪我するのは嫌だしね」

 

立ち上がったこいしが歩き出そうとするのを止めて真也はそう言った

 

そこまでしなくて言いよと首を横に振るこいしだが、真也がいいからいいからと背を向けて屈んでしまったので、しょうがなくその背に体を預ける

 

真也「よっ、と。大丈夫?落ちないかな?」

 

こいし「大丈夫だよ。それより重くない?」

 

しっかりとおんぶして立ち上がった真也は歩き出すとこいしの心配をする

 

心配してくれることに嬉しくなり顔がにやけそうになるが、真也からは見えないと気付き止めることなく笑みをこぼす

 

真也「僕も大丈夫だよ。それじゃ、地霊殿に帰ろっか」

 

こいし「うんっ!」

 

後ろで笑うこいしに気付かないまま真也は歩いていく

 

大好きな者の背中の暖かさと、半日歩き回りはしゃいで疲れがたまっていたこいしは夢の世界へと漕ぎ出しそうになる

 

真也「眠いなら寝てても良いからね?ついたら部屋に連れて行っとくから」

 

こいし「ありがと~真也ぁ~……すぅ……すぅ……」

 

うつらうつらとしているこいしに気付いた真也は、静かに笑みを浮かべつつそう言った

 

そんな真也の厚意を受け取りこいしは感謝の言葉を言ってすぐに夢の世界に旅立った

 

真也「……今日もありがとね。こいし。君のおかげで今日は忘れられない1日になったよ」

 

もう聞いてないであろう大好きな恋人に小さな声で感謝をする

 

その恋人は聞こえているわけではないはずだが表情は幸せそうだった

 

静まり返る道を、月明かりに照らされながら、片や幸せな笑顔を浮かべ、片や背中にかかる幸せな重みに笑みを浮かべ、ゆっくりと帰って行った




はい、どうでしたか?

真也「こいしを可愛く書こうとしたってのがなんたか分かるようなー」

こいし「恥ずかしーよー」

そりゃあ、こいし大好きだからね、あ、真也には勝てないよ?

真也「そりゃねー」

こいし「もぅ!」

さて、次回は何を書こうかな

真也「やることはやってねー」

こいし「新しいことやるのはかまわないけどねー」

ウグッ、わ、分かってるよ

では次回まで

「「「ばいばーい」」」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。