真也「今回は大神 龍さんとのコラボだよー」
こいし「 東方存在録 から 薙浪迅真 に来てもらったよ!」
実は存在録の前作である種変録の時に一度コラボに参加してるので一度あったことになってます
真也「気になる方は見てねー」
こいし「今回は10000ちょっと越えてる長めだから注意してね!」
それでは
「「「スタート」」」
良く晴れた幻想郷の夏のある日、地上を飛び回っている真也とこいしの姿があった
真也「んー、今日はどこに行くー?」
こいし「そーだねぇ。この前はどこ行ったっけ」
2人はふわふわと空をゆっくり飛びながら話し合っていた
内容は、どこに行くか
うーん、と悩むこいしは腕を組んでいる
こいし「あっ、今日は紅魔館にしよう!フランと遊ぼうよ!」
真也「あれー?この前行ったようなー」
ぽん、と手を叩いたこいしが出した案に真也は少し首を傾げる
半目でじーっと見つめるこいしは、じゃあどこに行くのと言いたげだった
その視線に気付いた真也は、少し考えるそぶりをすると
真也「……んー?誰かいるー……!」
ふと見た先にあまり見かけないような、ただ、真也からしたらまた別のことを思い出す人物がいた
こいし「え?あー、誰かいるね。誰だろ……って、真也!?」
真也の見ていた方向を見たこいしもその人物に気付き、疑問の声を出して隣を見るとそこには誰もいなかった
再度前を見るとそこにはいつの間にか真也がその人物に近寄っていた
こいし「ちょっ、知らない人じゃなかったの!?」
慌ててこいしもその人物に近付いていくのであった
真也「まさか、君が生きてるとはね。驚いたよー」
?「まあな。俺もさすがに死んだかと思ったが、ルーミアを置いては死ねないからな」
後からやってきたこいしが到着する頃には、真也と謎の人物ーーYシャツにジーンズを履いた黒髪黒目の男ーーは普通に話していた
こいしが近付いてきたことに気付いた真也は振り向くと申し訳なさそうな顔をする
真也「あっ。ごめんねー。置いてっちゃってー」
こいし「いや、それはいいんだけどさぁ。その人だぁれ?」
気にした様子もなくこいしが真也に訪ねると、真也ではなくその男が答える
?「俺は薙浪迅真。まあ、別の所であった真也の友達だ」
こいし「迅真ね。私は古明地こいし、こいしでいいよ」
その男ーー迅真ーーは、不思議そうな顔でこいしを見つめる
その視線にこいしが首を傾げる
迅真「2人って付き合ってんのか?」
こいし「……っん!?」
真也「えーっと、何を思ってそんなことを言ったのかなー?」
ずるっと転んでしまいそうなこいしを支えながら真也は苦笑いを浮かべつつ問い返す
頭を掻きながらその様子を少し見ていた迅真は口を開く
迅真「いやな、前見たときに真也が付けてたペンダントの色違いを付けてるからな。そういうことかと思ってな。まあ、今のお前らの感じからしても間違いではないだろ」
真也「君の観察力がすごいのか記憶力がすごいのか僕には分からないよー。『前会ったときは覚えてらんねぇ!?』とか言ってたのにー」
こいし「(やっぱり分かりやすいものなの!?)」
当時を思い出すように迅真は話したが、その時に言っていたことを真也も引っ張り出して答え、苦笑いを浮かべた
しかしこいしは時々なる赤面フリーズ状態になっており全く上の空
そんな様子のこいしに何となく察した真也はとりあえず体制を整えて立たせておく
真也「それにしてもさー、こっちで会うとは思ってなかったよー。何かあったのー?」
迅真「いや、俺にも分からん。紫に日頃の恨みから落とされたのか、ルーミアにいたずらされたのか。それかまあ、なんかあったんだろ」
横目でこいしが話を聞いてないと確認しつつ真也は疑問を口にした
それに対して迅真も考えられる要因を挙げたが、そこまで気にしていない様子であった
迅真「とりあえずなんか来たからふらついてたらお前らに見つかったわけだ」
真也「なんとも幸運なのか不運なのかー、よく分からないねー」
楽観的な迅真に苦笑いを浮かべて返した真也
ここで迅真は唐突に話題を変える
迅真「そうだ。前会ったときに思ってたんだが、真也と一度戦ってみたかったんだよな。前回はそんな余裕もなくやられちまったし。今度会えるかは分かんないしな」
真也「んー、良いけどー」
迅真「なら物理ありでも良いか?俺弾幕ごっこは苦手なんだよ」
真也「えっ、物理?僕あんまり物理は……」
獲物を狩るような目で真也を見ている迅真は、真也の答えに楽しそうに笑った後、真也が驚く発言をした
言葉を濁した真也の頭の中には、忌々しい過去の中で出来る限りやらないと思っていたことを思い出す
脳裏に浮かぶのは、振るわれる暴力とそれを受けることしかできない自分。その時はまだ能力の制御が完璧に出来ておらず、痛みを無くすことも出来なかった。今となっては遠い昔のようでもあるが、その時に自分から拳を上げたり脚で蹴ることなどはしなくなった
苦い過去を思い出し少し真面目な顔になる真也、その様子を不思議に思った迅真だったが、笑顔が消えたことから何かしら都合が悪いのだろうと察した
迅真「……うーん、物理は良くなさそうだな。悪いな、苦手だが弾幕ごっこでやるか。それでいい……って、真也?」
真也「いやー、別に物理ありでいいよー。僕もちょっと護身とかこいしを守るために覚えとこうかなってー」
迅真の気遣いを断った真也の顔はただ笑っていた
頭の中では、やらないと決めていたことと決別して、自分の大事な人のために力を手に入れることを決めていた
先程とは変わった様子の真也に微妙な顔をする迅真だが、本人に言われてはどうにもならないので諦めた
迅真「まあ、真也が良いなら良いが、何を使うんだ?大体のもんなら俺が創ってやるよ」
真也「迅真の能力っていったいなんなんだかー。んーじゃあーナイフと日本刀、それとー……うーん、鎌、とかー」
創ると言った迅真に疑問をぶつけつつ、試しにいくつかの武器を答えた真也。最後の1つがどこから思いついたのかは分からないが、本人はそこまで気にしていなかったので迅真も気にしないことにした
真也に言われたものを創りながら自身の能力を説明し始める迅真
迅真「俺の能力は元は「ありとあらゆる生物の力を操る程度の能力」だったんだが、見事にやられて剣に吸い込まれてる間になんかいろいろあってな、今は「存在を司る程度の能力」になったんだよ。まあ、簡単に能力の説明をすると存在にいろんなことが出来る、ざっくりしてるがそういうことだ。おかけで、まあ、こうやって武器も創れるし、わりと楽に生活出来てるな」
真也「へぇー、存在ねー。おー、ありがとねー」
説明が終わると武器は全て完成し、真也は1つずつ手に持って軽く振ってみる
ナイフ、日本刀、大鎌。全てを一度は持って試し振りをした真也はナイフを再度持って振り始めた
そして、大鎌をもう一度振ってから口を開く
真也「なんとなーくねー、ナイフと鎌なら扱える気がするー。日本刀は無理かもー」
迅真「どういう基準なんだか。まあ、それで良いなら良いぜ。その2つはやるよ。日本刀は閉まっとくか」
受け取った日本刀をどこからか取り出したバッグに放り込む。どう見ても日本刀が入るような大きさではないのに、跡形もなく消えたことを不思議に思う真也
まあ、そこまで気にしてるわけではないが
迅真「さて、と。早速やるか」
そう言うとバッグから札のようなものを取り出し、親指を切って出した血を染み込ませた
その札は結界札と言うらしく、この中で死んでも結界から弾き出されるだけで影響はないとか
不思議そうに見つめる真也に、札を投げて張り終えた迅真は少し悪い考えが閃く
迅真「あ、そうだ。真也に質問だ」
真也「なにー?」
迅真「もし真也が自分と同等かそれ以上の敵に会って、且つ戦闘になったとして、引き金がそこのフリーズしてる彼女だとしたら、守りきる自信はあるか?」
考えを行動に移すために迅真は悪い笑みを浮かべながら真也に質問を投げかける
いつもの笑みを消して無表情で考え込む真也を傍目に迅真は、1つ行動を起こして真也からの答えを待たずに口を開く
迅真「例えば……こうやって人質みたくなってたとしたら」
こいし「ふぇ?」
真也「……どういうつもりかな?」
いつの間にかこいしを捕らえて人質のようにしている迅真。その顔は悪役そのものだ
さっきまでフリーズしていた上に唐突に状況が変わり何も分からないこいしは気の抜けた声をあげた
いつもの笑みを辛うじて保ったまま鋭い視線をぶつける真也
2人の間に険悪な空気が流れる
なんとなく空気を察したこいしも固唾を飲んでその場の流れが良くなることを祈る
そして、どこからか聞こえてきた小鳥の鳴き声にこいしが気を取られているうちに、迅真としてはほんの一瞬何も起きないだろうと安心した瞬間
真也「……まあ、答えとしては、上だろうがなんだろうが、そんな人、ぜーんぶ無くせば終わりなんだし。さらに言うとね、迅真、もう少し意識をしとかないと人質も意味無いよ?」
こいし「え?」
迅真「……さすがに無意識は違うな。どんだけ意識しようとしても隙が出来ちまう」
人質のように捕まっていたこいしはすでに真也の腕の中(なぜかお姫様だっこ)
一瞬呆気に取られていたこいしも今度はすぐに理解して、というか今の自分の状況が恥ずかしくてすぐに下ろしてもらった
せっかく思いついた考えはものの見事に失敗して笑うしかない迅真は乾いた笑い声をあげた
真也「まあ、誰であろうとこいしを傷つけるって言うなら、容赦ないよ。例えそれが友達だとしても。迅真であってもね」
迅真「ふんっ。その顔なら物理が出来なかろうが少しはやれそうだな!」
そう言った迅真はバッグから再度日本刀を取り出し素振りをする
迅真「ちょっとした手加減だとでも思ってくれたらいい。まだナイフの扱いにも慣れてないだろうしな」
真也「その慢心で負けても知らないからね」
そう言うと2人は獲物を構えて対峙する。片やナイフ、片や日本刀と、明らかにリーチに差があり優劣も決まっているように見える。その上ナイフを使う真也は初心者。迅真は武器は使い慣れているように見える
この時点で既に差があるように見えるが、迅真は違うことを考えていた
迅真「(初心者だとしても真也の感じだと適当にやってたら一瞬で首を狩られるな)」
こいしに安全なところに行くように話している真也から、なんとなく得体の知れない雰囲気を感じていた
ある程度こいしが離れたことを確認した真也は顔を迅真に向ける
真也「よーし、やるとしようかー」
迅真「それはいいが、彼女を離して良かったのか?もしかしたら俺が狙うかもしれないぞ……!?」
またも意地の悪い顔で少しこいしに視線を向けた迅真の頬を何かが通った
直ぐに視線を前に向ければそこにいるはずの真也の姿は無く、後ろから感じる先ほどの雰囲気に目を向ければそこには消えた真也の姿があった
そして頬を一撫でしてみれば、赤い液体が垂れているのが分かった
真也「僕の前でそんなことしてたら、どうなるか分かんないよ?無意識だし」
迅真「おいおい、随分便利な無意識だな。さすがに速すぎるだろ」
ナイフを片手に砕けた笑みを浮かべる真也の姿はたどことなく狂気的なものを感じる
口ではそう言った迅真だが、内心少し焦っていた
迅真「(真也の無意識は気付けないとどうしようもない。その上今の一瞬で切りつけられるんだから、それがもっと長くなると考えると……ははっ。面白くなってきたぜ)」
無意識の内に出来る無数の切り傷を予想して少し寒気を覚える迅真。しかしそれすらも面白いと感じる彼の感性もまた狂っているだろう
だらりと下げた右手に日本刀を持ち全体の雰囲気が緩んでいる迅真。それと反対に顔は獰猛な笑みを浮かべていた
最初に動いたのは真也
手に持つナイフではなく弾幕を10個程産み出し、迅真の周囲に向けて放つ。弾速は遅く、余裕で避けれそうである
さらに放ってからすぐに今度は50個ほど弾幕を産み出しレーザーを放つ。狙いを定めずただ乱射した
迅真「おいおい、こんなんで俺を落とせるとでも思ってるのか?」
呆れた表情で笑った迅真はゆっくりと飛んでくる弾幕を追い抜いたレーザー軽々と避ける
その際に大きなミスを犯して
レーザー避けた後、まだやってこない弾幕を見て真也を見ようとした
が
そこには真也はいなかった
ここで迅真はやってしまったことに気付いた
迅真「ちっ!目を離した隙に無意識になりやがったか。こいつは面倒だな」
なんとか真也を見つけ出そうとする迅真の周りに弾幕が飛んでくる。避ける必要もないので無視する
弾幕が通り過ぎた
真也「いつまで探してるのさー。僕は君の後ろにいるよー?」
間延びした口調が後ろから聞こえ振り返ってみればにこにこ笑う真也の姿が目に入る
やられた。そう思いつつ振り向く迅真の右肩に痛みが走る
迅真「ぐっ!?なんだ?」
真也「ほらー。ちゃんと意識しないと傷すら気付けないよー?」
痛みの発生源を見てみれば深々と切り裂かれていることに気付く
流れ出す血は滴り地面に落ちていく
すぐに能力で治した迅真は豪快に笑いながら鋭い視線で真也を睨む
迅真「はっ。この程度じゃまだまだ届かないぞ?」
真也「まー、1つじゃあねー。今度はもっと行くよー?」
挑発するような言動に、ならばと言い返した真也は笑みを深めた。そしてナイフを迅真に向けてスペカを取り出し
真也「君は、自分の無意識をどこまで意識出来る?《無符「無意識の傷」》」
そう言った真也は今度は全方位に弾幕とレーザーを飛ばすとその場から消えた
飛んでくるレーザーや弾幕の速度はバラバラで、速いのもあれば遅いのもある
その上、定期的にどこからか産み出されるため減る様子が無い
迅真「ふんっ。さっきと同じじゃあ芸がないな」
そう言うとポケットからスペカを取り出した
迅真「たまには合わせてみるのも面白そうだ。《火矢「
先制されると同時に全方位に打ち出される炎の矢
本来それは対象を前後左右から狙うものだが、その対象を捉えられていないため、ただ全方位にばらまかれている
迅真「まじか、無意識に狙えなくなってるってことか。厄介なこと極まりないな」
ばらまかれる自身のスペルを見て驚く迅真だが、これだけ打っていればそうそう攻撃などこないだろうと考えていた
産み出されるレーザーと弾幕を迅真が創り出す炎の矢がぶつかり打ち消しあう
体感的には10秒程したところ
いつまで立っても当たる様子のない攻撃に少しイラッとした迅真は、最初に言われた真也の言葉を思い出す
迅真「そういえば俺の無意識を意識出来るかとか言ってたな。無意識……意識……ん?」
閃いた迅真は能力を発動する
迅真「『俺の無意識』に『意識』の存在を付加」
そう言うと正面からナイフを振り上げて襲ってくる真也が見えた
慌てて回避した迅真に驚いた表情をするとともに、やっとか、といった顔をする真也
避けられた真也が止まり迅真と対峙したところでどちらもスペルが終了する
真也「やっと気付いたねー。随分時間がかかったねー」
迅真「分かりにくかったんだからしょうがないだろ?まあ、相変わらず変化はなさそうだから問題な……ごふっ!?」
安堵していた迅真は唐突に込み上がってきた何かを口から吐き出す
それは真っ赤で、一目で血だと分かった。すぐに全身を見回すと身体中至る所に切り傷があった。しかも何カ所かは刺されたようにも見える
やってくれたな。そんな顔で真也を睨みすぐに治した
真也「だから言ったじゃーん。こんなに見つけるのに時間がかかるともっと増えちゃうよー?」
わざとらしく首を傾げて笑みを浮かべた真也にさすがにもう少し力を出さないと一方的にやられると思った迅真はスペカを取り出した
迅真「なら今度はなられる前にやってやるさ。《血禍「ダーインスレイブ」》!」
宣誓と共に持っていた日本刀はどこかに消え、現れたのは真っ黒な何かに覆われた黒い日本刀のようなだが刃が太く見える剣
迅真「んー、これならもうちょいやれるか!」
真也「んぁ!?」
現れた剣を手に一気に近付き振り下ろしてくる迅真に、真也は驚きつつもナイフで抑えようと横にしてぶつける
だが、獲物の大きさも力も負けているので段々と刃は近付いてくる
真也「さすがにナイフで受け止めるのは無理ー。だーかーらー……」
じりじりと寄ってくる刃を見て空いている左手に弾幕を創り出す
そして、それを思いっきり殴るように振りかぶり、唐突に出て来た黒いもやのようなものにぶつかる
迅真「苦し紛れの一撃を止めちゃったが、どうするんだ?このまま斬っても良いんだが」
真也「苦し紛れとか笑わせないでよー。周りを見なきゃねー」
その言葉に疑問を抱き真也を視界に納めつつその後ろを見てみれば、いつの間にか現れた弾幕
真也の後ろだけですでに数10個ほど小型の弾幕があった。つまり、2人の周りにはもっと多くあるのが容易に想像できた
弾幕はこちらに向けて動き出す
それを見て舌打ちをした迅真は、にこにこと笑みを浮かべている真也の空いている横っ腹に左足で蹴りを入れて吹き飛ばし、後ろの弾幕を切り裂いて脱出する
真也「ごほごほ。いきなり蹴りは酷いよー」
迅真「そんなこと言われてもな。勝負なんだから、我慢してくれ」
そう言うと手に持つ剣を空でなんども振りかぶる。そこに弾幕が現れいくつか真也を狙う弾幕と共に飛んでいく
それを見た真也はにっこりと笑うとスペカを取り出し
真也「今度は僕を見つけれるかなー?《無符「無意識な犯行」》」
宣誓した真也はその場をくるっと一回転しながら姿を消した
そして、それと同時に周囲から小型の弾幕が辺りを飛び交う。真也を狙った弾幕も消えた瞬間真っ直ぐに飛んでいき飛び交う弾幕にぶつかった
さっきと同じだと思った迅真が再度自身に能力を使うが現れない。理由が分からず混乱する迅真に、唐突に痛みが走る
すぐに真也のナイフだと察し、切られたらしい左肩を見れば血が流れ出ている
しかし、真也の姿は見当たらない
迅真「今度はなんだ?さっきとは違うみたいだが」
とりあえず剣振り回し時々向かってくる小型弾幕を打ち消し、後に現れる弾幕でさらに打ち消す
それでもまた痛みが走る。今度は右足の太股辺り
先程よりも早く剣を振り回す
それでも新たな痛みが増える
いくら振っても切られるこの状況にさすがに頭に血が上った迅真は、さらにスペカを取り出す
迅真「あぁもう面倒くせぇ!《模倣「ゲート・オブ・バビロン」》!!」
宣誓すると辺りに大小さまざまな大きさの武器ーーナイフ、日本刀、槍、鎌、大剣、矢などーーが現れ全方位に飛んでいく
辺りを飛び交っていた弾幕を貫き突き進むそれは速度も変えながら周りの空間を一掃する
一掃されながらもまだまだ止まることを知らない真也の弾幕は辺りを飛び交い場を埋めようとする
辺りを埋めようとしているだけの真也の弾幕を、全方位に放っている迅真の弾幕は容赦なく削っていき
なににも当たらなかった弾幕は宛もなく飛んでいく
そして
そのうちの1つが
当ててはいけない人に当たってしまう
こいし「えっ、や、きゃあ!」
迅真「あ?あー、こいしに当たっちまったか。そこまで弾幕は濃くないはずなんだがな」
空中で戦っていた2人とは違い最初に真也が出来るだけ安全なところに行ってもらっていたこいしは、地上で回避していた
しかし、上から振ってくる弾幕を避けていると迅真が振る剣から出る弾幕と、全方位に放たれる武器の弾幕を避けきることが出来なかった
その結果こいしに当たった。“当ててしまった”
迅真「少し頭に血が上りすぎたか。こいしはやりたくてやってるわけでもないしな……!?」
当ててしまったことを反省して周りを見渡そうとして、正面を見た、その時
ふと見た正面に真也がいた
しかし、いつものようなぼんやりとした雰囲気など微塵もさせず、放たれるのは殺気
そして、真也が後ろを向いているため表情が見れない。放たれる雰囲気でニコニコとしていないのは予想出来る
いつの間にか真也のスペルは終わっており、時折飛んでくる迅真の弾幕を全く見ずに回避する
真也「あれ?もしかして、こいしに当てちゃった?ねえねえ、当てちゃった?」
後ろを向いたまま真也は話す。その声色には何の感情も含まれていないようである
真也「こいしを傷つける者は誰も許さないって……言ったよね?」
振り向いた真也の顔は誰が見ても青ざめるほど笑っていた。口角を三日月のごとくあげ、その目には何の色も見られない。首を少し傾げて笑みを浮かべているその様子は見る者に狂気を感じさせた
迅真「……!」
見た瞬間に背筋がゾッとした迅真に、ナイフが投げられる。その狙いは迅真の肩。一寸の狂いもなく
それを持っている剣で弾き、そして、ナイフに目がいったことを後悔する
再度真也を見ればその手には先ほどは使っていなかった大鎌があった。
大鎌を手に持ち狂ったような笑みを浮かべる真也はさながら死神のように見えた
真也「さぁ、無意識に後悔するといいよ。《無符「無意識の死神」》」
どこからか取り出したスペルを左手に持ち宣誓し、鎌を振る真也
その軌跡から黒い小型弾幕がいくつも打ち出される
迅真「ちょ、おい、いきなりかよ!」
飛んでくる弾幕に剣で打ち消しスペルで打ち消し対抗する迅真
1振り目の弾幕が終わると、真也はその場で一回転しながら鎌を振る。もちろん軌跡は現れ辺りに黒い弾幕を撒き散らす
横にしか来ない真也の弾幕を上に移動することで避け、そこから弾幕で真也を狙う
はずだったが
迅真「あ?いないだと?また無意識を使ったのか?」
円形の軌跡が残っている中心を見ても真也はいなかった
やがて、その軌跡も消えた。しかし、真也は見つからない。能力を試してみても見つからない真也
急に寒気を感じた迅真はその場を離れると、先ほどまでいた所に軌跡が現れる。そこから放たれる弾幕は迅真を狙ってくる
迅真「いったいどこにいやがるんだ!」
舌打ちをしながら叫び再度感じた寒気に移動すれば現れる軌跡。先ほどのがまだ残っているので場の弾幕が増える
その後も幾度も襲われ辺りに継続して5つ程の軌跡が残るペースで避けていた
さすがに埒があかない迅真は新しいスペルを取り出し、宣誓しようとした
迅真「こうなったら最後のスペルだ!これで終わらせて」
真也「終わっちゃったね」
しようとした迅真の耳元で聞こえた真也の声。何の感情も込められていないそれは間近で発せられたことで、迅真に普段なら感じない恐怖を思わせる
気付いたときにはもうすでに遅く
真也「僕の勝ちだね」
振り向けばそこには先ほど狂ったような笑みで鎌を振るう真也が見えた
鎌を振り終え、迅真が結界の外に出されたのを確認した真也はいつもの笑みを浮かべた
真也「んー、ちょーっとやりすぎた気がするけどまあいいやー」
そう言うや否や結界が解かれ、真也は地上に降りて迅真のところに向かう
迅真「真也ってこんな強かったのか。鎌とかナイフもあんだけ扱えるなら普通に戦えるだろ」
真也「んー、まあこの世界では僕の方が強かっただけだよー。迅真のところだと能力が制限されてるような気がしてねー。それにー、僕は無意識に振るってるわけだからーあんまし得意じゃないよー」
苦笑いしながら言う迅真に、そんなことないと手をひらひら振りながら答える真也
無意識に振れるなら普通に出来るだろ……。 なんてことを考えていた迅真だが口には出さないでおいた
こいし「はぁ、唐突に戦闘始まるからビックリしたよもう。ちゃんと一言声かけてよね?」
2人「「はい、すいませんでした(ー)」」
お疲れ模様のこいしがジト目でそう言い、2人は平謝りしてその様子にこいしが笑い、釣られて2人も笑い出した
空気が和み、先ほどの殺伐とした空気が嘘のようであった
迅真「そうだ、さっき1つ質問したがもう1つあるんだった」
真也「んー?なにー?」
3人で談笑し始めて数分、迅真は思い出したように手を叩き口を開いた
迅真「真也、お前は今、能力を持っていることをどう思ってるか?」
思い出した質問、その内容は能力について。真也は何かを考えているのか黙り込む
質問した迅真も、その様子を見守るこいしも喋らず、場に静粛が流れる
真也「僕はねー、この能力を持っていること自体は別になんとも思ってないよー。まー、確かに能力があったからいろいろと嫌なこともあったけどねー」
そこで一旦言葉を区切った真也はこいしを横目で見て笑みを浮かべる
真也「でもねー?この能力があったから今こうやって僕の能力を気にしないような人達にも会えたんだー」
視線に気付いたこいしがニコリと笑うと笑みが輝いたように見えた
真也「僕のこの能力は普通の人から見ても、能力を持ってるこの幻想郷の人こら見ても異質で特異な物だって分かってる。だからといって、僕がこの能力を憎んでるわけじゃないよ。だって、この能力がなかったら、あの時迅真にも会ってないし、こいしにも会えなかったからね」
そう言った真也の顔は笑顔で輝き、本当に会えたことを嬉しく思っているように見えた
迅真「そうか。その能力はお前を縛っているわけではないんだな」
ニヤリと笑う迅真はそう言うと立ち上がる
迅真「それが聞けて良かったぜ。そろそろ俺も向こうに戻るとするわ。次会うときは負けないからな?」
真也「僕だってこいしの前では負けないからねー?」
お互い負けないと張り合い、そして笑った
迅真「じゃあな、真也。次会う時を楽しみにしてるぜ」
そう言って迅真は能力を使って元の世界に帰って行った
真也「次会う時も負けないからねー」
こいし「意地張りすぎだよー」
いなくなった相手に向けて言う真也にこいしは笑みを浮かべて話しかける
真也「さーて、帰ろっかー。こいしも避けることで疲れたでしょー」
こいし「うーん、まあかなり飛んできたからね。次は参戦したいなー」
それはやめて欲しいなー。 そう考えていた真也だったが、こいしがジト目で見ていることに気付き考えていることがバレたと分かると笑顔を浮かべた
2人は手を繋いで地底に帰って行った
はい、どうでしたか?
真也「無意識は万能ー」
こいし「一部無意識じゃなかったよーな」
そこらへんはまあ気になる人がいればかな
真也「次回は何するのー?」
こいし「コラボ進めなよ?」
うっす、頑張ります
今回コラボしてくれた大神 龍さん、ありがとうございました!
では、次回まで
「「「ばいばーい」」」
追記
現在活動報告にて記念話アンケートと質問募集をしてます
コメントしてもらえると嬉しいです