Fallout:Funfiction   作:いまさと

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1週間の熊本出張も終わり、ようやく執筆できそう……と思ったところで
交通事故起こしてしまいましたorz
相手がおらず、私も怪我がなかったことがまあ不幸中の幸いといったところですか……

ようやくノーラさん出ました。
デフォルトのノーラさんのイメージに似た人がモデルになってる可能性も……


18日目:シルバー・シュラウドと白い騎士 Part2

悪がボストンの街中に蔓延る時、一人の男が、影の中に身を潜める。

無実なる者を守り、罪人を裁く。その守護者の名は……シルバー・シュラウド。

今回のエピソードは……

 

『シルバー・シュラウドと白い騎士』

 

 

 

階上のシンジンに向けて派手な挑発をたたきつけたヴェズーヴァは、すぐ横に並ぶシュラウドの姿に視線を送った。緩くウエーブのかかったセミロングの黒髪。視線に気付いたシュラウドがちら、とヴェズーヴァの方を向くと、揺れるセミロングの奥は目鼻立ちのくっきりとした、まごう事なき美人であった。

「白き騎士よ、礼を言おう。奴らに正義の裁きを下す、君のその手助けに」

だが、ヴェズーヴァに向けて放たれたシュラウドの言葉は、シンジンに向けたものと同じ、やはり芝居がかったものであった。出鼻を挫かれたようにヴェズーヴァは頬を掻き、言葉を返す。

「え、続けンのかそれ……まァいいわ。アンタにちと訊きたいことがあンだが、ソイツはミートパイを作ってからにするわ」

「ケントを必ず生きて帰すことが、何よりも重要だ。そして、そのための道は私が切り開こう」

ヴェズーヴァとシュラウドの会話は、シンジンの目には入っていたが、その耳には届かなかった。だがシンジンはその会話自体には全く興味を持たず、代わりに向けられたのは、アサルトライフルの銃口である。

「墓の注文の相談は終わったか?3つだぞ。じゃあ始めようか、ヒーローさん」

一方的な状況に、シンジンの口から冗句も漏れる。それも当然のことで、地形的な面も人数面も、あらゆる状況はすべて二人に不利な様相であった。

とはいえ、それで怯むようなヴェズーヴァではなく、むしろその顔には笑みが浮かんでいたが、余裕を浮かべていたのはヴェズーヴァのみでなく、その傍らにいたシュラウドも同じであった。

ヴェズーヴァが身を低くし、シンジンの元へ『跳ぶ』構えを見せた瞬間、それは起こった。

「―――『V.A.T.S.』」

それは、シュラウドの放った呟きであった。そうしてそれを耳にしたのはヴェズーヴァのみであった。

 

―――そして次の瞬間、『それ』は起こっていた。

シンジンのアサルトライフルを構えた右腕から、赤い血飛沫が上がる。奥からヴェズーヴァたち二人を狙っていた左右のレイダーの顔面に、赤い花が咲く。シンジンの傍らにいた側近と思しきレイダーが身に纏った頑丈そうな鎧に、いくつもの弾痕が生まれる。

すべては、その場に居た者の認識の外で起こり、そして完結していた。悲鳴も上げる間すらなく、左右のレイダーは命を散らし、地面に崩れる。

「…………ぐ、あぁッ!?」

遅れて、シンジンのくぐもった呻き声。アサルトライフルを手放しこそしなかったものの、痛みにその腕を押さえる。その光景は、例えるならば『時間が止まった』かのようで、あまりの状況に他の者が反応できずに居る中、シュラウドはそっとヴェズーヴァに声をかけた。

「『切り開いた』わよ」

それこそが彼女の本当の姿なのだろう、その声は先ほどまでのシュラウドと違い、落ち着きのある静かな声で。ヴェズーヴァは当然驚きもあったが、努めて平然な素振りでそれに応えた。

「そんな面白ェモン見せられちゃ、オレもちィと本気出さねェとナ」

腰を落とし、脚に溜めていた筋力を開放するヴェズーヴァ。先のシュラウドとはまた違う意味で、『次の瞬間』、ヴェズーヴァはシンジンの目の前に跳んでいた。

「クソ、いったい何者だテメエら―――!」

それでもシンジンは並のレイダーとは違い、瞬時に姿を現したヴェズーヴァへ向けて、アサルトライフルを放つ。

その弾丸は狙い違わず、ヴェズーヴァの額へと吸い込まれ、そして穴を空ける……はずだった。少なくとも、シンジンの想像ではそうだった。

だが、現実はその弾丸はヴェズーヴァ自身の右手によって行く先を失い、コツンと小さな音とともに床に落下した。シンジンはさらに二発、三発と弾丸を重ねていくが、それら全てがヴェズーヴァの手によって阻まれていく。

「おゥ、どうした、銃に頼らなきゃァなんもできねェのか、アンタは?」

余裕の表情を浮かべ、シンジンへ一歩近づくヴェズーヴァ。その姿に向けて、階下の無事なレイダーも銃を向けようとする……が、それはシュラウドのマシンガンが牽制している。

「クソッ、クソッ!このシンジンを舐めてんじゃねえ!!」

もはやこの距離ではアサルトライフルは役に立たないと悟ったのか、シンジンは得物を大振りのナイフに替えて、ヴェズーヴァへと迫る。

しかし、その選択はシンジンにとっては失策以外の何物でもなかった。おそらく、シンジンがもう少し冷静であったならきっと気付いたであろう。自身がナイフに持ち替えたとき、目の前の男の表情が嬉々とした歪みを浮かべていたことに。

「オマエも、シュラウドも!グッドネイバーの奴らも、皆殺してやるッ!!」

間近まで迫り、手にしたナイフをヴェズーヴァへと振り下ろすシンジン。その凶刃がヴェズーヴァの体を捉えるより速く、ヴェズーヴァは大きくシンジンの方へと一歩踏み出した。

間合いの内に入り込まれれば、ヴェズーヴァの肩口に触れたのは刃ではなく、シンジンの腕であり。当然のごとく、それがヴェズーヴァを傷つけることはない。

「動きはいい、咄嗟の判断力も悪くねェ。……だが、ラスボスを名乗るにゃァ、相手がちィと悪かったナ」

ナイフを持ったシンジンの右腕を、ヴェズーヴァは己の左腕を巻きつけるようにして取った。それに抵抗するようにシンジンもナイフを振ろうとするも、その刃先はヴェズーヴァの白のスーツに綻びを作る程度に留まって。

「畜生、何をやってんだ!撃て、相手はたった―――」

「その『たった二人』に負けンだヨ、アンタは」

シンジンの耳元で囁くように言葉を紡ぎ、ヴェズーヴァは腕を取ったままシンジンの体を振り回すように、一度壁に叩きつけた。

「がっ……!」

それ自体は大した威力ではない。が、無論その衝撃はシンジンの体に伝わる。苦悶の声を漏らし、シンジンの右手からナイフが落下すれば、それは鉄製の階段に転がり、大きな音を響かせた。

「なァ、シンジンって言ったか、アンタ。最後くらい、ちょっと楽しく空を飛ばせてやンヨ」

「ふざけんな、誰が―――」

シンジンの抵抗する声は、そこで止まることとなる。ヴェズーヴァは掴んだ右の腕を強く引き、己の背中に乗せるような形で『背負い』、シンジンの体を器用に宙に舞わせた。

手摺りを越え、階下へと落下させる軌道で。

「なっ―――」

青ざめたのはシンジンである。勿論、不自由な状況で自由落下する恐怖もないわけではないが、それが原因ではない。

「……悪に裁きを下すのは、アンタの役目だぜ、ヒーローさんヨ」

そう。その自由落下の先、シンジンが最後に見る光景は―――

「正義の裁きを受けよ、シンジン……!!」

シュラウドの構える、シルバー・サブマシンガンの銃口であった。

 

 

 

シンジンという柱を失ったレイダーたちは、とても二人を倒すことができないと悟ったのか、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。そして二人もそんなレイダーたちに用事などなく、シュラウドは無事にケントを救い出すことに成功した。

「僕にも君たちみたいな力があったら、正義を続けていけるんだけどね……」

すっかり意気消沈した様子で、グッドネイバーへと戻るケントを眺めながら、先に口を開いたのはシュラウドの方だった。

「ありがとう、助かったわ白銀の騎士さん。とても通りすがりとは思えなかったけれど」

先ほどまでの芝居がかった口調がまるで嘘のように、落ち着いたものに変わっていることに、ヴェズーヴァの表情は驚きよりも、むしろどこかむず痒いのを我慢するかのような顔であった。

「……その『白銀の騎士』ってェのは何とかならねェか。柄じゃなさ過ぎて、蕁麻疹が出ちまわァナ」

「あら。そうね……じゃあ、『白馬の王子様』なんてどうかしら?」

「―――アンタ分かってて言ってるだろ」

ヴェズーヴァが苦々しげに吐き出すと、シュラウドは楽しそうにクスクス、と笑みをこぼした。

「御免なさいね、ちょっと緊張の糸が緩んじゃったみたい。私はノーラ、貴方は?」

「ヴェズーヴァだ。……いい名前じゃねェか。少なくとも、『シルバー・シュラウド』よりはヨ」

名をほめられたことに気を良くしたのか、彼女……ノーラの顔に再び笑みが生まれる。

「フフ、色男さんは女の喜ぶポイント、ちゃんと弁えてるのね。嬉しいわ」

お互いにじゃれあうような会話はそこで終わり、ノーラはその笑みは残したまま、わずか真剣な眼差しで口を開いた。

「それで、ヴェズーヴァさん。わざわざ私を探しに来たのは、一体どんな目的があってのことなのかしら?」

「まァ、そう大層な話じゃあねェがヨ。人を一人探してンだ」

そこまで口にして、ヴェズーヴァは一度言葉を止めた。普段の飄々とした態度も消え、真剣な眼差しで。

「ノエルっつー名の、緊張感のねェ美人を探してンだがヨ。アンタ、何か知らねェ?」

 

 

 

[クエストがアップデートされました(ヴェズーヴァ):The Silver Shroud]

・[完了]シルバー・シュラウドと協力し、シンジンを殺す

・[完了](オプション)ケント・コノリーを救う

 

[Perkを取得しました(ノーラ):BlackWidow ランク3]

・男性へのダメージが15%増加し、会話での説得確率が更に上昇します。

・Intimidationによる沈静化が更に成功しやすくなります

 

[Perkを取得しました(ノーラ):Silver Shroud]

・シルバー・シュラウドの衣装一式を装備しているとき、V.A.T.S.が時間停止仕様になります

・V.A.T.S.におけるAPの消費が50%軽減されます

 

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