もう闇に埋もれたような感じでいっぱいですね。
スミマセン。
仕事やプライベートで色々困ったことでいっぱいで……
優先順位がだいぶ下がってしまいました。
ようやくです。
ようやく四人が出会うことになりました。
そして次の回は、ちょっとだけ時間を遡ることになります。
「―――ノエル。随分と可愛らしい名前ね。貴方のガールフレンドかしら?」
ヴェズーヴァの問いに、ノーラは小さな笑みを浮かべたまま問い返す。
「いいや。容姿だけなら是非お願いしてェところだが、食費で首括ることになっちまうからナ」
茶化したように言うヴェズーヴァのその言葉が気に入ったのか、クスクスと笑い声を隠さないノーラ。それは暫くの間続き、その場に和やかな空気を生み出すこととなった。
「そうなの、面白そうな人ね。美味しそうに食事をする人、私は好きよ」
「まァ、メシの時間にあんなに楽しそうな奴ァ、世界中探してもアイツくらいなモンだろうナ」
誉めているのか揶揄しているのか曖昧な言葉を返し、ヴェズーヴァは頬を掻いた。
「フフ、ガールフレンドじゃないにしても、仲は悪くなさそうなのね。―――でも、期待に沿えず申し訳ないのだけれど、ちょっとその名前に聞き覚えはないわ」
自分は知らない。そう答えた直後に、ふとある疑問がノーラの中に生まれた。
「ところでヴェズーヴァさん、貴方はどうして私がその子を知ってると思ったの?」
そもそも、ノーラはこの時代に生まれた人間ではない。故にノーラのことを知る者は、基本的には戦前のノーラの知人か、もしくはノーラと出会った者だけである。例外的にノエルはノーラのことを知っているが、その逆はありえない。
「類は友を呼ぶってェ諺があンだろ、ノーラ。……オレの格好を見てみろ、コイツをどう思う?」
言いながら、ヴェズーヴァは両足を曲げることなく揃え、前に傾く姿勢を取った。通常なら言うまでもなくそのまま前に倒れる姿勢であったが、手摺りの柱に足先を引っ掛けて、器用にそのバランスを保っている。
そして埃まみれではあったが、ヴェズーヴァの服装は白のスーツ上下。
「すごく……マイケル・ジャクソンね。私が小さい頃、近所のお爺さんが大ファンだったのよ。ホロテープも持ってたわ」
でもそれがどうして、と首をかしげるノーラに、ヴェズーヴァは身を起こして答えを返した。
「だから類は友を、ってコトだ。アイツはこう言うポップ・カルチャーが好きでナ、そういうのに詳しい奴がいないかって、ええと誰だったか……そうだ、ハンコックって男からアンタの事を聞いたってワケだ」
「それで私を追ってこんな危険地帯まで?まあ……そいつはヘヴィーね」
「重さは関係ねェだろ?」
まさに数日前、ノエルとコズワースの交わしたやり取りと全く同じものを見せる二人。一瞬の沈黙の後に、二人はほぼ同時に吹き出していた。
「……プッ、フフ、貴方面白い人ね、ヴェズーヴァさん。気に入ったわ、うちに来て―――」
「いや待てノーラ、アンタがそれを言うのはマズいだろ」
思わず静止に入ったヴェズーヴァに、不思議そうに小首を傾げ、あら残念、と漏らすノーラ。
「まあ冗談はともかく、そういうのが好きな子なら喜んで飛びつきそうな話題、知ってるわよ」
「恋人のために生卵を飲むボクサーがいるだなんて言うんじゃないだろうナ?」
茶化して言うヴェズーヴァの言葉に、まさか、と肩をすくめて、ノーラが否定する。
「居るなら会ってみたいけれどね、その人。でも違うわよ、私が言いたいのは……コレよ」
言いながら、ノーラが左腕に着けたPip-Boyを操作する。数度画面が切り替わり、やがてその画面が落ち着くと、同時にそこから軽快な音楽が流れ始める。
内蔵されたラジオの流す音楽を耳にすると、ヴェズーヴァの顔が怪訝に歪んだ。
「―――オイ、コイツは……」
「ええ、レイ・パーカー・ジュニアよ」
ヴェズーヴァが皆まで言う前に、さらりと答えを告げるノーラ。彼女の口にした名前はその曲のアーティストのそれであったのだが、その名前が重要なのではない。
本当に重要なのは、『それ』が使用された場面にあり、それは曲が終わった後のDJのトークにより、明らかになる。
『マーレイ博士、エイクロイド博士、ライミス博士の三人は、ゴースト退治の協力者を募っているそうです―――』
それを耳にしたヴェズーヴァの顔が、今度こそはっきりと、呆れたような表情を形作った。
「…………マジかヨ」
「世の中、予想もしないことって起きるものなのよね。……それで、どうする?」
ノーラの問いに、ヴェズーヴァは深くため息をついた後、頷いた。
「まァ、行くしかねェだろ。ゴーストでもなんでもぶっ倒してりゃァ、いつかアイツが出てくるかも知れねェ」
「あら、気乗りしなさそうな顔ね。……じゃあ、ひとついい事、教えてあげるわよ」
「いいコト?」
首を傾げたヴェズーヴァに向けて、ノーラは人差し指を立てて、小さく笑みを浮かべる。
「私の家。今はそのダイヤモンド・シティにあるのよ。……着いたらまず、お茶でもいかがかしら?」
「俄然やる気が出てきた」
かくして一行は薄暗い病院を後にして、新たな地へと向かうことになった。
眠らない街、ダイヤモンド・シティへと。
ミルトン・ジェネラル病院からダイヤモンド・シティまでの距離は、さほど離れているわけではない。ヴェズーヴァが最初に訪れたグッドネイバーよりもはるかに近い場所に、その街はあった。
「……街っつーか、城壁かなんかじゃねェのか、コイツは」
その入り口を目にしたヴェズーヴァの第一声がこれである。大きく開いた鉄の門と、その横をぐるりと取り囲む高い壁。一見しただけではそれと見えないその場所へ率直な意見を述べたヴェズーヴァだったが、ノーラもそれは想像していたらしく、軽く肩をすくめて答えた。
「驚くのも無理はないわね。私も初めて見た時は冗談かと思っちゃったもの」
それはダイヤモンド・シティのことだけでなく、この荒廃した世界についてもそうなのである。が、ノエルと違いこの世界についての知識を持たないヴェズーヴァは、当然ながらその言葉の真意を知る術はない。
「でも、中に入ったらもっと驚くと思うわ。いろんな意味でね」
「なンだそりゃ」
含みを持たせたようなノーラの言葉に首を傾げながらゲートをくぐるヴェズーヴァと、その横で何が楽しいのか、笑みを浮かべて並び歩くノーラ。
そして細い通路を抜け、視界が開けたとき。二人の目の前に広がる光景は、中央のグラウンドに雑然と並んだ建造物であり、それは紛れもなく街であった。
「コイツは……」
「ようこそ、ここがダイヤモンド・シティよ。宝石のじゃなくてベースボールのことだったけれど、少しがっかりさせたかしら?」
もともと球場だった場所に生まれた街だけあって、グラウンドへと降りる道は、観客席の間を縫うような細い道。さすがに在りし日の芝生は見る影もなかったが、それでも整えられた土の感触は、少なくともこの世界ではなかなか得難いものであった。
「いや、驚きはしたがナ。だが面白ェ、面白ェってことは何より重要だ」
「そうね、その意見には同意するわ。……それでヴェズーヴァさん、お望みならすぐにでも例の事務所、探すけれど」
どうする?と小首を傾げて問うノーラの仕草に、ごくわずかに笑みを浮かべつつも、ヴェズーヴァはその首を横に振った。
「いやナ、ちィとよく考えてみたんだがヨ。オレがアイツなら、まずは真っ先に向かうとこがあンじゃねェかと思ってナ」
「……?それってどういう―――あ」
ノーラの疑問は、口に出して言う前に霧散した。ここダイヤモンド・シティに来る前のヴェズーヴァとの会話で、思い当たる節があったからだ。
「そう、旨いモンだ。……っつーか、どっちかってェと旨い酒か。そう言うの出してくれるとこ、心当たりねェか?」
「お酒……ね。ええ、二箇所知ってるけれど、近い方からでいいかしら?」
提案に異論はなく、ヴェズーヴァは鷹揚に首肯し、頼むわ、と一言。それに応えてノーラが先導したのは、球場のダグアウトだった場所を利用した、その名もまたダグアウト・インと言う名の酒場であった。
狭い通路を抜けて広間に出ると、正面にバーカウンターと、右側に古びたソファ。そうして、そのソファで酒を飲んでいた人物の目がヴェズーヴァを捉えれば。
「…………ええええええええええ!?」
素っ頓狂な叫び声とともにその場の全員の視線を集めたのは、傍らに執事ロボットを連れた赤毛のポニーテールで、ヴェズーヴァの評した通り、『緊張感のない美人』。
そう、その女こそまさに、ノエルその人であった。
[クエストがアップデートされました(ノエル):TRACING "SOLE SURVIVOR"]
・[完了] コズワースと共にダイヤモンド・シティへ向かう
・ノーラと話をする
[クエストがアップデートされました(ノエル):I WANT SOMETHING QUANTUM]
・[完了]メンタスを入手する
・ジン、ウォッカ、ウイスキー、ラム酒のいずれかを入手する
・ノーラの家のケミストリー・ステーションを借りる
[クエストがアップデートされました(ヴェズーヴァ):Another Stranger]
・[完了]シルバー・シュラウドにノエルの居場所を訊ねる
・[完了]ダイヤモンド・シティでノエルを探す
・ノエルと話をする
[クエストがアップデートされました(全員):Vaultbusters???]
・3人の科学者と話し、ゴーストについての話を訊く
[クエストが完了しました(ノエル):The Disappearing Act-Retake]