河川敷を車で走っている時に後ろを走っていた車の中でタバコを吸っていた女性がモデルです。

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一服アラサー

今日も疲れた、とタバコを手にとって一服を始めた。前の彼氏に勧められもう9年近く吸い続けている。

 

仕事帰りの車の中は1日の内最も落ち着く時間だ。

 

日本一長い川沿いの裏道はかなり細いものの街から街をつないで何十キロと続いている。この裏道で30分程かけて会社へ通っている。ちょうど春と冬の狭間。川沿いがすべて夕焼け色に淡く赤付いていた。ふぅと煙を吐き、ハンドルを離し指で挟んだタバコを口に含んで煙をため、ふぅとまた吐いた。

 

 

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私はもう今年で30だ。

 

 

6年付き合った彼氏と3年前別れてからそういうものに使う気力が全く出ない。ポッカリと穴があいて、自分から動く気になれない。

 

 

あの頃は、ただ楽しければそれでよかった。

誘われては街に繰り出して飲み会をしていた。何も考えていなかった訳ではないが、そう思われていただろう。若い今しか楽しめないと思って楽しむだけ楽しんだ。

 

 

ふとメールの着信音が鳴った。先月の結婚式で久しぶりに会ったその頃の友達からだった。はっきり言って全く興味も気力も湧かなかった。

 

 

人生の目標はないし、でも深くは考えない。

税金と友達の御祝儀代を乗り越え、毎日会社に行き、お茶を出したりパソコンに向かってメールを返信し、週末には友達と遊び仲良くしている。

 

 

仕事もある。友達もいる。充足しているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が目に入ったので目を外にやった。

草木がそよぐ河川敷が夕焼け色に染まりながら川はキラキラとさらさらと下流へ流される。

 

 

 

きれーだなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと涙がポロポロ落ちた。

 

 

正直、彼には私をもらって欲しかった。先のことを考えない私への仕返しかもしれない。

 

 

 

海行こって言われて連れてってもらったなー。

 

 

本当楽しかったなー。だって本当に好きだったもんなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボロボロと涙が出てどうしようもない思いがグルグルと、同じ思考を繰り返した。本当にどうしようもなかった。

 

 

 

 

河川敷の公園の駐車場はほぼ人通りがない。そこで小一時間泣いた。半年ぶりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一通り泣いた後2本目のタバコに火をつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも悲観しすぎるのは損で、

良いことばかりではないけれど、良いこともあるだろうとは思っていてとにかく今を楽しむことが大切だと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

車を出して空気を入れ替えるため窓を開けた。

河川敷を滑り上がった風が涼しく心地よく、その風を受けながら、吸い切れそうなタバコの最後を吸った。ふぅと吐き出し吸い殻入れに捨て、夕日でまだキラキラしている川沿いから左折して住宅街へと降りていった。

 

 

 

 

 

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