セカンド スタート   作:ぽぽぽ

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第46話

 

 夜になり、明かりがついた屋敷を少し離れた木の上から観察していた。雲に隠れた月のせいで辺りは暗いが、屋敷から漏れる光は庭園にある桜の桃色を強調している。客を迎えるあの大部屋が明るいということは、魔法使いのガキは既に長へと親書を渡してしまったと考えていいだろう。

 

「……千草の姉ちゃん。これからどうするんや」   

 

 横にいるぼろぼろの格好をした小太郎が、低めの声でウチに尋ねる。その声からは、このまま終わるつもりはないで、という意思を感じた。あのガキにやられっぱなしではいられないのだろう。

 

「……本山のまともな戦力が明日の夕方には戻ってくる。それまでが勝負やな」  

 

 現在関西呪術協会は人手不足で、実力者はほとんどここに残っていない。この期をむざむざと逃す気もないし、当然このまま終わる気もなかった。  

 親書が渡ったことが協会全体へ正式に伝えられてしまえば手は出しにくいが、その通達はまだ来ていない。それに、親書を渡したというタイミングでその使者に危害を与えられれば、東も怒らずにはいられない筈だ。東と西でいがみ合う展開の方が、今後も動きやすい。それだけでも、行動する価値はあるように思える。

 

「なら、夜に攻め込むんか?」

 

「総本山は結界が張ってあるし、長もおるから今は無闇に手は出せん。月詠はん、なんかいい案あるか?」 

 

「そうですねぇ〜」    

 

 他の木の枝の上に座っている月詠はんが、調子よく語尾を伸ばしながら、んー、と子供っぽく考える仕草をする。

 

「……うちじゃ結界は何とか壊せても長とあの吸血鬼を相手にはできまへんなぁ〜。フェイト君がおれば大分戦局はましやったんやけど、彼はどこいったんですかぁ? 」

 

「…………あいつなら、もう抜けよったわ」  

 

 苦々しい思いで吐いた言葉に、そうなんやぁ、と月詠はんはさして興味もなさそうに相槌を打った。  

 

 昨日の夜、新入りは闇の福音をどうにかすると言って出ていった後、おめおめと右手を凍らせて帰ってきた。そんな状態なのに顔はいつも通り無表情だったので、なんや結局やられたんかい、と軽口を叩いて挑発したが、新入りはそれでも能面のままに頷いて肯定した。

 

 しかしまぁさして期待もしていなかったので、そのまま次の作戦を考えようと新入りから視線を離した時に、奴は想定していなかった言葉を溢した。

 

「…………僕は、この件から手を引かせてもらうよ」

 

「……はぁ?」  

 

 みしりと、部屋の空気が重くなる。これでもかというくらい力強く奴を睨み、殺気を当てた。が、奴は表情を変えない。闇の福音にやられてひよったのかは知らんが、今更そんなことが許せる筈がない事は新入りも分かっているだろう。  

 それでも、奴は意見を変える気はないようだった。

 

「他に優先すべきことが出来たんだ」

 

「この世界で、そんな勝手がまかり通ると思っとるんか」

 

「……さぁね。でも、君には何も出来ないだろう? それじゃ、残った金は好きにしていいよ。計画も他に漏らすつもりはないから」

 

「ふざけ―――!」  

 

 ウチの殺気をものともせず淡々と述べて、ウチが言葉を吐き終える前に奴は姿を消した。腹立つくらい、見事な移動術だった。

 

 

 

「なら、総本山に匿っている限り明日になるまで手は出せんってことかいな」  

 

 新入りのことを思い出して苛々したウチの横で、小太郎が退屈そうにため息を吐いて視線を下にした。

 

「せやな。とりあえず、明日の準備をしておこうやないか」  

 

 屋敷の光を見つめながら、二人に言う。笑い声が響くことから、中では随分と楽しくやっているらしい。  

 

 ウチらが行動して、お嬢様へと手を出したことや東の大使に襲撃したことは、もう長の耳へと入っているだろう。当然、犯人として自分の名が上がっていないなどと、楽観的には考えていない。  

 ここまで作戦が上手くいかなかったのは、あの化け物が相手に居たせいだ。奴が相手の戦力として存在している限り、元の作戦はほぼ崩壊したと言ってもいい。なにしろ、スクナでも勝てるか分からない相手なのだ。  

 ……だが、だからといって尻尾を巻いて逃げる訳にはいかない。名前がばれている以上、このまま何もしなかった所でウチらの両手にお縄がつくのは目に見えている。  

 

 

 ―――ならば。  

 

 

 口角が、ゆっくりと上がる。欠けた金色の月を隠していた雲が退けていき、月明かりが不穏に辺りを照らした。  

 

 

 

 

 

 

 ―――せめて、派手にやってやろうやないか。  

 

 

 

 

 

 

 

 ○

 

 

 

 

「…………はい。……いえ、明日の午前中には戻ると思います。……分かりました。ご迷惑をお掛けしました。はい、それでは」  

 

 プツン、と糸が途切れるような音と共に、新田先生の耳が痛くなるような怒号も消えた。私が携帯を下ろす仕草を、皆は恐る恐ると言った感じで見ている。

 

「……どう? 新田、ムカ着火ファイヤー?」

 

「……ああ。これはもう、えー、激昂ぷんぷん丸だな」

 

「ひぇー。激昂はあかんなぁ」

 

「激おこぷんぷん丸な。知らねぇなら無理して使うなよ」  

 

 それと激おこはムカ着火の前段階な、と長谷川さんが私のミスを訂正する。朝倉に乗っかって最近皆が使っている言葉を真似てみたが、間違っていたらしい。うろ覚えで慣れぬことはするものじゃないな、と私が恥ずかしい思いをしていると、横で私と同じように携帯を耳に当てていたあやかもそれを下ろした。

 

「クラスの皆にも、私達が宿に戻らないことは告げておきましたわ。ザジさんは千鶴に捕まって私達の班の部屋にいるようです」  

 

 あやかが苦笑しながら言った。ザジには、随分と迷惑を掛けてしまっている。前日に、今日の私達の予定も軽く話してはいたのだが、ザジは他の生徒と京都の街を見て回る約束があると、別行動していた。しかし私達が宿に戻らなかったということについては、後でしっかり謝らなければならない。

 

「しっかし、いいのかね。私達だけ近衛の実家に泊まるなんて」

 

「えー。このかの家の料理は美味しいしお風呂も素敵だし、私は文句なんて何もないけど」

 

「そーゆう問題じゃねーよ。修学旅行中にこんなことしていいのかって話だよ」  

 

 楽天的な明日菜の言葉に、長谷川さんは呆れながら返す。長谷川さんの言うことは尤もなのだが、木乃香の父にあんな風に言われてしまったら、ここから帰る訳にもいかなかった。

 

 

 先程、木乃香の父に会い、ネギ先生が親書を手渡した所で彼の任務は終えることができたのだが、外にはまだ敵がいる可能性があるため今帰るのはやめた方がいいと言われたのだ。夜道は危険であるし、今夜は泊まっていったらどうだ、とまで言われた。

 

 彼が私達を心配してくれてるのは分かるのだが、当然素直にお願いします、とは言えなかった。私達は今修学旅行中であり、他の生徒も先生も心配する。このように勝手な行動など許されないだろう。  

 そう思い私が断ろうとした所で、エヴァンジェリンと刹那は私を説得した。

 

「夜道が狙われる確率が高いのは事実である以上、無理に宿に戻ることは得策ではない」

 

「……私のせいなのですが、これだけの人数を守りながら移動するのは少し厳しいです。ここは長の言葉に従って、今晩はここで過ごすのが正解かと」  

 

 身の危険について語られてしまったら、それを無視することなど出来る訳がない。私だけならともかく、他の子に危険が及ぶようなことは、確かに避けるべきだ。  

 仕方なく承諾して、私達はクラスメイトと先生に事情を告げることにした。代わりに札で私達の分身を作ることも出来るとは言われたが、そこは拒否させてもらった。あとで面倒なことになるのは目に見えていたからだ。  

 

 ならば学校の方へはネギ先生と木乃香の父からも連絡しておく、とは言っていたが、新田先生の意外と心配性な性格から考えて、生徒の方からも報告するべきだと思ったのだ。  

 

 内容としては、自由行動ということで木乃香の実家に寄ってしまい、気付いたら外は暗く帰るには危険と判断したため、泊まらせて頂くことにした。という如何にも怒られそうなものとなった。  

 ……その結果、新田先生からはこっぴどく叱られたのだが。明日宿に戻ったら皆で正座をする準備をしておこう、と彼女達に伝えると、ひぃ、と短い悲鳴をあげた。  

 

 

「てかさ、七海とエヴァちゃんと茶々丸さんは何しにここに向かってたの?」  

 

 朝倉が部屋一面に敷かれた布団に胡座で座りながら私に尋ねる。着ている浴衣は屋敷の人に用意してもらったもので、胡座をかくため妙に際どい格好になっているが全く気にした様子はない。それが、A組女子の男勝りな性格のせいなのか、この場に異性がいないという安心感から来るものなのかは判断できない。

 

「…………あー、それはだな」  

 

 エヴァンジェリンと刹那に助けを求めようとしたが、今彼女達はこの場にいなかった。彼女達とネギ先生は、別部屋で長と一緒に話をしているのだ。

 

「七海、うちの御屋敷をなんか有名なもんと間違えたんちゃう? うちの家大きくて目立つから、たまにそういう観光客おるんやよなぁ」

 

「……そうなんだ。立派な建物だから、気になってしまってな」  

 

 思わぬ所からの助け船に、私はすぐさま乗っかった。木乃香は、やっぱりなぁ、と答えが当たったことににんまり笑った。

 

 

 彼女達に、魔法やら狙われていたやらという話を私からするつもりは全くない。桜咲が今まで必死に隠していたことを言うべきでない、というのもあるが、それ以上に彼女達を余計なゴタゴタに巻き込みたくなかった。私は、彼女達に純粋に旅行を楽しんで欲しがった。  

 

 なにせ、この修学旅行は中学生活最後のものなのだ。  

 

 A組の皆がそのことを意識しているかは分からないが、もうこのメンバーでこのように旅行に行ける機会はないかもしれない。同じメンバーで行く機会があっても、学校行事という独特のこの雰囲気は、二度と味わえないだろう。だからこそ、3年間一緒に過ごした仲間との最後の修学旅行は、楽しかった、という思い出で過ごして欲しいのだ。

 色々あったけど良かったね、と笑って思い出せる経験にして欲しい。  

 

 ……残念なことに、もう既に少し巻き込んでしまっているかもしれないが。  

 

 

 

 想いに耽る私の横で、明日菜が座ったままぐっとこのかに近寄った。他の子達も皆浴衣姿なのだが、あまり気にした様子はない。この三日間ほどで浴衣を着る機会が多かったので慣れたのかもしれない。

 

「そういやさ! このかは結局桜咲さんと仲良く出来たの? さっきはちょっと仲良さそうに話してたけど」

 

「んー。いつもより話せたけど、あんましっかり時間はとれんかったなぁ。せっちゃん急にうちをここまで運んでくんやもん」  

 

 びっくりしたわぁ、と変わらず穏やかな笑みで木乃香続ける。木乃香が言うと何か緩い雰囲気があり、あまり驚いた様には見えないのはいつものことである。

 

「貴方を抱えて跳んでいく桜咲さんを見たときには驚きましたわ。流石の体力ですわね」

 

「……あの動きを流石の体力で終わらせていいのか?」  

 

 感心と尊敬の意を込めてうんうんと頷くあやかに、長谷川さんは苦い顔をしていた。

 

「ハルナも言ってたけど、二人にはビミョーに怪しい感じがするねぇ。ラブ臭っていうか。どうなの! そこんとこ! 」

 

「あはは、なにいっとるんー。せっちゃんは格好いいし素敵やけど、女の子やしなぁー」

 

「うむむ、禁断の恋には後一歩か」

 

「なに聞いてんのよあんたは」  

 

 コツン、と明日菜のチョップが朝倉の頭に当たり、いい音が鳴る。

 

「よし、せっかくだから修学旅行らしく恋ばなしようよ!」    

 

 懲りずに、朝倉は浴衣の中からノートとメモ帳を取り出して私達の顔を見渡した。その様子を見て、全員が呆れぎみにため息を溢す。

 

「そんな風にしてるあんたに誰が情報を言うのよ」

 

「それに、私達は昨日同じような会話をしてしまいましたわ」

 

「うん、別に明日菜といいんちょはどうでもいいや。皆興味ないだろうし。私は長谷川さんとか七海から話を聞きたいんだよ!」  

 

 朝倉の言葉に、なんでよ! と明日菜とあやかが抗議の声をあげ、枕を投げつけた。

 

 ストレートに跳んだ枕はぼふりと朝倉の顔面に直撃し、ぐは、と悲鳴を上げる。顔に当たっため速度の行き場を無くし止まった枕が、次は重力に従いぼとりと朝倉の膝の上に落ちた。朝倉は一瞬ぽかんとしてからすぐにニヤリと笑い、その枕を勢いよく投げ返す。すると、それは見事に長谷川さんの頭にヒットした。長谷川さんはずれ落ちそうに なった眼鏡を手で支えてからジロリと朝倉を睨み、枕を投げる。  

 

 それから、流石A組の生徒と言うべきか、部屋の宙に幾つもの枕が舞うまでに時間はかからなかった。  

 

「何をしているんだ、貴様らは」  

 

 突然始まった枕投げを、いつの間にか襖を開けていたエヴァンジェリンと茶々丸が冷ややかな目線で見る。

 

「エヴァちゃん! エヴァちゃんも七海の恋ばなに興味あるよね!」

 

「なぬっ! 七海、お前想い人がいるのか!?」

 

「……エヴァンジェリン、落ち着け」  

 

 エヴァンジェリンは私の側に来て、誰なんだ! と叫びながら肩を掴んで揺らしてくるので、視界が揺れる。

 

 その時、ぼふんとエヴァンジェリンの後頭部に枕が当たった。

 

 

「―――あ、エヴァちゃんごめん」

 

「…………」

 

「……だ、大丈夫か?」  

 

 エヴァンジェリンは枕により一瞬頭を揺さぶられた後、私の言葉を無視して沈黙した。視線を下にして顔に影を作るが、眼の妙な光だけが見える。それから、くつくつと肩を震わせ初め、ゆっくりと、明日菜の方へと振り返った。

 

「……ふふ、ふふふふ。神楽坂明日菜。私に、この私に、喧嘩を売ったな。いいだろう、貴様には人生最大の後悔とやらを与えてやろう」

 

 怪しい笑みを浮かべたエヴァンジェリンは私の肩から手を離し、ゆらりと体を揺らしながら両手に枕を持った。眼には不穏な光が宿り、口元は歪んでいる。彼女の本気らしい態度に、枕投げくらいで大袈裟すぎる、と私は苦笑せずにはいられなかった。

 

「くらえっ! 」

 

「―――え? っぐへは! 」

 

「ああ! 明日菜が避けるから千雨ちゃんが!」

 

「……駄目だ。完全に延びてる…………」

 

「高級羽毛に包まれてるはずなのに、なんて威力の枕…………。これは…………」

 

「…………一対一ではとても敵いませんわ」

 

「ふふふふふふ。貧弱な奴等め。そうだ、どうせならまとめてかかって来い。貴様ら全員に、真の絶望を与えてやろう」

 

 

「―――いいんちょ、朝倉」

「……ええ、ここは協力して」 

「……うん。やるしかないね」

 

「……ふふ、こんなときは頼りになるわね。……私達は、絶望なんかに、負けない。行くわよ!」

 

「来い!虫けらども!」  

 

 

 

 …………ぎゃーぎゃーと、騒がしさを倍増させて枕投げが継続した。私と木乃香と茶々丸は、被害が及ばないような部屋の端でその様子を微笑ましく見守っていた。近所迷惑にならないか、と木乃香に確認したが、全然大丈夫やよ、と彼女が笑って許してくれたので私はそのままにしておいた。

 

 

「…………お嬢様」  

 

 後ろの襖を開け、桜咲が静かに木乃香を呼んだ。その雰囲気は、真剣な様子だった。

 目の前で行われている枕投げとは、明らかな温度差がある。  

 木乃香もその空気を感じ取ったのか、表情を少し固くして、どうしたん、と訊く。

 

 

「…………少しの間だけ、時間を頂いてもよろしいでしょうか」  

 

 

 重々しく呼び掛けるその眼には、不安と怯え、だが、それに打ち勝とうとする決意が、確かにあるように私には見える。  

 

 木乃香は目を閉じて、ふぅ、と息を吐いて、私と茶々丸を見た。

 

「ほな、うち、ちょっとせっちゃんとお話してくるな」  

 

 木乃香は私達に笑いかけながらそう言って、二人揃って部屋を出ていった。    

 

 

 どんな会話が行われるかは、私には分からない。だが、悩みに悩んだ二人が、意を決して話し合うのだ。どうか上手くいって、二人が仲良くなってくれるようにと、私は祈った。

 

 

 

 








小ネタ
『枕投げ』




「くらえ!」

「なんの! それ!」

「当たるか馬鹿が!しねぃ!」

「ちょっと! 枕投げで死ねはおかしいでしょ! っよっと!」

「明日菜さん! あんまりぴょんぴょん跳ねないでくださいまし! ぶつかりますわ!」

「あんたこそ! もっと優雅によけてよ! 」



「……なぁ茶々丸」

「はい。なんでしょうか七海さん」

「これはいつまで続くんだろうか」

「すみません私にもわかりません」

「というか、枕投げに終わりはあるのか」

「そうですね、競技用枕投げでは、チームの大将が枕にヒット、もしくは制限時間後にアウトの人数が少ないチームの勝ちになります」

「…競技用、あるんだな」

「一般的に言えば、先生が見回りに来た、というタイミングで終わるのが多いかもしれませんね」

「ああ、それは納得できる。しかし、エヴァンジェリンが圧勝かと思ったら、意外と三人も戦えてるのな」

「そうですね。まず、マスターは何人に枕を投げられようが当たることはありませんが、投げる方にはある程度セーブしているようです。強く投げすぎたら枕の中身が途中で出てしまいますから。そのおかげで彼女たちはかろうじてよけられてるようです」

「セーブ? あれで? 長谷川さんはあんな目にあったのに?」

「それと、人数の差も出ていますね。枕の数は決まってますから、投げた枕はある程度回収しなければなりません。そうすると、数が多い方が枕の回収に集中できる人もいて有利ですね。意外と奥が深いゲームですね」

「……そうか?」

「ただ、そうですね、多分マスターがそのうち……」




「あぁ! じれったいやつらめ!」

「ん?エヴァちゃん枕を置いた…? へぶ!」「ぐへ!」「ひえ!」





「……飽きて直接手を下すかと」

「ふははは私の勝ちだ! まいったか貴様ら!! これに懲りたら二度と歯向かってくるんじゃないぞ! 」

「エヴァンジェリン……君ってやつは……」

「な、ななみ。違う、そんな呆れた顔をするな。軽く気絶させただけだ。そ、その、ほらそろそろこいつらも寝る時間だと思ってな」

「そういう寝かしつけ方もあるんですね」

「寝るというか布団の上でみんなダウンしてるだけだ」

「そしてそんな部屋の真ん中で勝利を叫ぶマスター」

「なんだかんだ一番子供っぽいとこがあるよなエヴァンジェリンは……」

「や、やめろー! やめてくれ! そんな憐れんだ目で私を見るなー!」




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