ファンキル学園の臨時講師でもあるマスターが、本来の武官の任務で深い森の奥に、数名のキル姫を連れて調査に出掛けていた。

その同行しているメンバーはシタとロンギヌスとカドケウスとケーリュケイオンの4名で、仲の良い彼女らは楽しげにその任務をこなしていた。

そして幸運にもその任務の道中で露天風呂を発見して、キル姫達はそこで身体を休める事になる。

しかしその露天風呂でキル姫達が入浴中に、突如異族が襲って来たのであった。

丸裸で丸腰の彼女らの運命はいかに?



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スマホゲーム・ファントムオブキルの二次創作作品の第2作目になります。

カドケウスとケーリュケイオンにスポットを当てたくて筆をとりました。
ですがシタとロンギヌスもなかなか良い味を出してくれてます。

少し物語が長くなってしまったので前編後編に分けてみました。

物語に興味を持ってもらって、どちらも読んでくれたら嬉しいです。




露天風呂で危機一髪 前編

{露天風呂 発見♪の巻}

 

マスター(ファンキル学園臨時講師兼任)率いる異族調査隊が森の中の峠道に差し掛かった時だった。

「ん?」

マスターは何かに腕をとられた気がしてその歩みを止めて周囲を見回した。

 

「ねえ、マスター。お弁当は?」

下の方から声が聞こえてきたのでそっちに目を向けると、いつの間にかそばに来ていたカドケウスが、マスターの服のそでもとを引っ張りながら訊ねてきていたのだった。

 

マスターは自分の腰あたりにあるカドケウスの顔を見おろして、大きなため息をつきつつ答えた。

「お前なあ。さっきご飯にしたばっかだろう?」

「ちぇ」

カドケウスは口を尖らせてそう言うと、スタスタとリボンを揺らしながら隊列の前の方に歩いていった。

 

そしてそのままロンギヌスの横を通りすぎると思いきや、いきなり彼女の脇腹にちょっかいを出し始めた。

隊の前方でシタと談笑しながら歩いていたロンギヌスは、大きな悲鳴をあげて逃げまどっている。

 

マスターは呆れたようにそのカドケウス達の後ろ姿を見つめながら思った。

まったく、あいつめ……俺がせっかく割烹着まで着て苦労しながら昼メシを作ってやったというのに、もう全部胃の中で消化しやがったか。あれは木の実をトンカチで割るのがえらい大変なんだぞ……。

あいつはいま成長期なんかな。ま、しょうがない。

 

マスターはそう思いながら、一旦ここいらで休憩しようかと考えた。

さて、どこかいい場所はないかなと辺りを見回しながら歩いていると、道の向こう側から馬が駆けてくる音が聞こえてきた。

 

マスターは少し警戒しながらその道の先を見ていると、こっちに向かってくる一頭の馬が見えてきた。だが馬を操る騎手の姿が見えない……と訝しげに思っていると馬の頭に隠れて真っ赤なリボンがゆらゆらと風になびいて動いているのが分かった。

 

マスターは緊張をといた。

先行して調査をさせていたケーリュケイオンが帰って来ただけだと分かったのだ。

ケーリュケイオンは見事な手綱捌きでマスターの目の前に馬を止め、特に疲れた様子も見せずに馬上でマスターに報告をしてきた。

「ただいまマスター。この街道の先に異族の姿はまだ見えないわ。とりあえず1キロ先までは探ってきたよ」

 

マスターは頷いて答えた。

「ありがとうケーリュ。ご苦労様。ああ、そう言えば少し隊を休めようと思うんだが、どこかこの先で休めそうな場所を見かけなかったか?」

 

ケーリュケイオンはその質問に目を輝かした。

「あら、マスターは休憩場所をご所望?それならとても良い場所があったわよ。でもこの情報は何かご褒美をもらわないとね~♪」

マスターは顔をしかめながらケーリュケイオンを見つめた。

「なんだ?対価を求めるってか」

ケーリュケイオンは楽しげな顔でコクコクと頷いている。

 

マスターは諦め顔で肩をすくめた。

「まあ、いいや。それじゃ今度お前の好きなドルル煎餅を買ってきてやるよ」

ケーリュケイオンは首を傾げて言い換えてきた。

「限定パララ饅頭(技風味)ね」

マスターは眉を寄せて少し嫌そうな顔をしたが、しぶしぶ頷いた。

「……分かった。パラ饅な」

ケーリュケイオンはすかさず言い足した。

「この隊みんなの分もね」

 

「おま……!」

マスターはそれはぼったくりだろうと思ったが、目の前で微笑むケーリュケイオンの顔を見て、はっと気が付き、すぐに思い直した。

 

そうこれはケーリュケイオンのもたらす情報なのだ。

彼女が持ってくる情報に嘘偽りはなく、情報の対価に対して彼女はいつも真摯な姿勢を貫くので、その要求はかなり正当なものなのだろうと推測出来る。

 

マスターは今の財布の中身と今後のお金のやりくりを考えながら言った。

「分かったよ。その情報、言い値で買おう」

しかし、あれは結構高価なので4人分はかなりの出費だ。

ケーリュケイオンは飛びっきりの笑顔を見せた。

「毎度あり♪それじゃ情報ね。うふふ」

 

ケーリュケイオンは何かすごいもったいぶっている。

「この先にある身体を休める絶好の場所。それが何かと言うと……」

ためにためて彼女はズバリと言った。

「露天風呂よ。この先に大きな温泉が湧いているの」

 

……な、何だって~!?

マスターは驚きのあまり言葉が出なかった。

これはまるで自分がずっと欲しがっていたお宝がコロンとひとりでに懐に転がり込んで来たようなものだ。

しかし、なんという幸運だろう。

この調査の旅はもう3日目に入り、ずっと野営が続いていたので、隊の姫達はだいぶ体が気持ち悪いだろうと、かなり気になっていたのだ。

 

マスターは気が急いてしまう自分を何とか落ち着かせてケーリュケイオンに向かって言った。

「……よし、ではそこに案内してくれ」

「了~解♪」ケーリュケイオンは弾む声でそれに応えた。

 

街道をさらに奥へと進み、途中で狭い脇道を曲がった。

その道をしばらく進むと、その先に小高い岩壁がそびえ立っているのが見えてきた。

そこに近付いて行くと、崖の下に木々の空間がぽっかりと広く空いていて、その崖の中腹からお湯がかなりの量で湧き出していた。

そのお湯は地面に溜まって泉の形となり、その泉は水面にうっすらと温かそうな白い湯気を漂わせている。これはまさしく温泉だった。

水質はかなり澄んだ無色透明の水で、底がはっきり見える程だ。その深さは浅い所でも膝くらいはあり、広さとしても10人くらいがゆうに入れるほどで、かなり立派な大きさの露天風呂となっていた。

 

キル姫達は黄色い歓声をあげてその温泉に駆け寄ろうとした。

だがマスターが皆を一旦留め、先に自分が湯に手を触れて一応大丈夫かどうかの確認をする事にした。

 

マスターがちゃぷりと湯に手をつけた。

……うん、湯温的にも良い温度だ。泉質的には弱アルカリ性かな。手がすべすべする。特に問題は無さそうだが。

今度は手で少し湯を汲んで匂いをかぎ、試しに口に含んでみた。

……うん。変な匂いも味もないし、これは入っても大丈夫そうだな。

 

マスターが振り返ってキル姫達にオーケーサインを出すと皆跳び跳ねて喜んだ。

すぐさま皆が入りそうな勢いだったが、マスターはそれを何とか落ち着かせて隊を二組に分けた。

一度に皆が丸腰になるのは安全面からいっても、やはり危険だと判断したからだ。

先に入る第1組はシタとロンギヌスの二人で、次の組がカドケウスとケーリュケイオンの二人と決めた。

 

キル姫達は素直にマスターの言葉に従って、順番に入るようにした。

 

さっそく第1組目が茂みの向こう側で服を脱ぎ始めている。

シタがいち早く服を脱ぎ終えて全裸になると、真っ直ぐ湯には向かわずに茂みから頭だけをひょいと出してきた。

そしてマスターをいたずらっぽく見て言った。

「覗いちゃダメですよ」

マスターは俺がそんな事をする訳がないだろと笑いながら手を振って答えた。

シタはふふっと笑って頭を引っ込めた。だがあまり信じてはくれていない感じがする。

 

そのシタの発した言葉に、パンツを脱ごうとしていたロンギヌスの手がピタリと止まった。マスターがお風呂を覗く可能性があるかどうかをその時初めて考えたようだ。

 

しばらく考えたロンギヌスは図書室の件もあり、それはありそうだと結論を出した。

ロンギヌスはその格好のままシタと同様に茂みから顔を覗かした。

そしてマスターを少し疑わしそうな目で見てから、そのそばにいたカドケウスに向けて言った。

「カドケウスちゃん。マスターが覗きそうだったら、ちゃんと止めてね」

 

カドケウスは一瞬ポカンとしていたが、ロンギヌスとマスター両方に目を向けてから笑顔で答えた。

「うん、分かった。任せておいて」

ロンギヌスはその言葉だけでもう安心したようだ。よろしくねと言って頭を引っ込めている。

 

マスターはロンギヌスの呑気さに呆れていた。

あいつはカドケウスに何て無駄な事を頼むんだ?

カドケウスは街の風呂場ですら覗きの手引きをしようと言ってくる奴なのに。

 

マスターはため息をついて首を横に振った。

カドケウスがまあまあとマスターを励ますようにももを叩いてくる。

マスターはカドケウスのほうに目を向けた。

そしてマスターとカドケウスは顔を見合わせ何も言わないのに深く頷きあい、二人揃ってくるりと向きを変えて、シタとロンギヌスが着替えた茂みとは別の茂みに向かって早足で歩き出した。

ケーリュケイオンはその様子を笑って見送っていた。

 

マスター達はずいぶんと茂みの中を這いずりながら進み、やっと露天風呂が見える位置へとやって来た。

かなり迂回したのでけっこう時間がかかってしまった。

そしてマスターはほふく前進でずっと進んでいたので、腕がもう擦り傷だらけになっている。

覗きの為だけにえらい労力をかけていてなかなかに良い根性をした男である。

 

マスターは枝葉をそっと掻き分けて温泉のほうに目を向けた。

シタとロンギヌスがその温泉の中央で二人仲良く向かいあって湯に浸かっているのが見える。湯の深さはそれほどではないらしく、彼女らの形の良い慎ましい胸がはっきりと見えていた。

 

マスターはしばらくその彼女達の姿を眺めていたが、突然目を疑うような光景を目撃してしまった。

なんとロンギヌスが自分の胸を両手で揉みだしたのだ。

そしてシタがその様子を見て真剣な様子で何かをロンギヌスに言っている。

 

マスターはロンギヌスがいったい何を考えてそれをしているのか分からなかったが、一緒に覗いているカドケウスがそれを見てくすくすと笑っているので、その理由を訊ねてみた。

「あれはバストアップ体操だよ」

カドケウスは笑い声を抑えながら言ってきた。

 

マスターは、ああなるほどと納得がいった。

ロンギヌスは陰ながら努力をする娘だからなと思うと、自らの胸を揉むロンギヌスの裸の姿を見て、何かいやらしい気持ちになるより先に健気さが勝ってしまい、何となく暖かい気持ちになってしまった。

 

そのうちシタまでもロンギヌスの真似をして自分の胸を揉みだしてきた。マスターは二人とも頑張れと思いながら彼女らの裸を見守るような気持ちでずっと眺めていた。

 

二人ともずいぶんと長いことやるんだなあとマスターが考えだしたその時、崖の上から突如沸き上がった嫌な気配がマスターの心を激しく騒がせた。

素早くその崖の上に目をやると、なんとそこに異族の姿があるのを発見した。しかもそこには一度に5匹もの異族の姿が見えるではないか。

 

マスターは即座に心を戦闘体勢に切り替えた。

 

マスターはすぐに目の前のシタとロンギヌスに警告を発しようとしたが一足遅かった。異族が次々と温泉に飛び降りて来たのだ。激しい水音が周囲に鳴り響く。

シタとロンギヌスが一瞬で異族に囲まれてしまっていた。

二人は立ち上がり身を寄せ合いながら身構えているが、丸腰の丸裸ではどうしようもない。

 

 

後編に続く

 

 





露天風呂で戦闘って何か良いですね。
(銭湯にかけたギャグではない(笑))

後編は一応ファンキルっぽいバトルシーンを書きました(笑)。
良かったら読んで下さい。

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