あくまで投稿者の妄想の産物なので過度な期待はしないように。
突っ込みはスルーします。
こんな感じの話が読みたいんだよというアバウトな感じのやつ。
短いぶつ切れ。
それでもよければ
リンゴさんマーニさんの出会い編的な
俺は、赤が嫌いだった
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(人が死ぬときはいつも赤い)
リンゴは安らかな人間の死など久しく見 ていなかった。彼が見る死とは、赤だった。血にまみれた死体だった。
(赤は嫌いだ。誰が死んだ事しか思い出せ ない)
戦いに明け暮れる日々で、人の死に直面しないことは奇跡に近い。それでもリンゴが 戦い続けるのは太陽仔であるというただ その一点からくる、使命感ともなんとも言い難い感情に動かされていたからだった。
彼の父親も太陽仔だった。だった、というのも、彼の父親はすでに亡くなっている。リンゴがまだ小さな子供のころに見も知らぬ子供を庇って死んだ。遺品はどれもぼろぼろで、血によって赤く染まっていた。
(家族をほったらかしにして死んだ。最後まで家族の為なんて言葉なかったんだろうな)
ほとんど家に居なかった父親が、リンゴ は嫌いだった。周りの大人からみれば、ろくに会えない、会えても疲れて遊んでもらえない寂しさからの強がりだったのだが。
(何思い出してるんだろうな)
小さく息を吐いて立ち上がる。
(仕事、しよう)
荷物を手にして、独り歩き出した。
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「生きる意味とか、そういうのが解らな いんだ」
自分ではない誰かのためにひたすら戦い 続ける日々。酒を飲んでも何も忘れられ ない目の前の男に、それでもマスターは 酒を出す。それしかできないことをマス ターはよくわかっているつもりだった。
声をかけてやりたいが彼の気持ちがわからない。そもそも彼の気持ちを理解でき る人間がこの世界に何人居るのだろうか? 彼と同じ悩みをもつ人間がこの世界に何人残っているのだろうか?そんな風に考え出したところで思考を止めた。
「俺が戦うのを止めたらどうなるだろう な…」
その言葉に、酒場のマスターがコップを拭くのを止めた。何か言いたげに口を開くも言葉は出てこない。
「冗談だよ。笑ってくれ…」
リンゴはカウンターに突っ伏して笑って いる。
「どうせ俺は戦うのを止められない。親 父と同じように戦場でしか生きられない んだよ」
血塗られた道を歩くしかないんだよと 、リンゴは淡々と続けた。
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『お父さんがどうして赤いマフラーをし てるかわかるか?』
その時父親がどんな表情をしていたか、 リンゴは覚えていない。
『…わからない』
『じゃあリンゴ、赤って何だと思う?』 『…血の色』
『そうだ、血の色だ。生きてる証』
違う、と呟く。
『…死んだ証だ』
大量の血液は死んだ証。
『血が出なければみんな死ななかった』
血で染まらなければ、死ななかったのだ 。
『赤は、死の色だ』
ひたすらに赤い風景。
『…俺はお前に戦う術しか教えなかったが 、そうだな、たまにはそれ以外のことも 教えないとな』
頭にのせられた手が小さく感じた。
『リンゴ、赤は血の色だけどな、このマ フラーの紅はやっぱり生きてる証なんだ 。俺達太陽仔の生きる意味、そして戦う 意味を教えてくれる』
『…わからないよ…』
『お前にはまだ難しいかもな。だけどい つか必ずわかる日がくるさ』
それが父親の最後の言葉だった。
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「…っ!大丈夫か!?怪我は…!」
「…大丈夫です」
リンゴはフードをとった彼女をみた。紫 色の短めの髪に白い髪飾りが栄えてとて も綺麗だった。整った顔で一際目を引く のは、赤い瞳だった。
(…俺と、同じ)
無論リンゴの瞳は赤くない。彼女の生 気のない、まるで死んでしまったかのような生きていない瞳をみてそう思ったのだ。彼女はリンゴの視線に気付き、目を そらした。
「…月光仔なんです」
「!」
(滅びたかと思ってた)
「それより貴方こそなぜこんな場所に」
「俺は、太陽仔なんだ」
彼女は驚いたようだったがすぐに表情は 消えた。
「…ここにはもう守るべき人間なんて居ま せんよ」
「君がいた」
「私に守る価値なんてありません」
「価値があるかは重要じゃない」
「…じゃあなぜ貴方は戦うの?価値のない 人間を守ってどうするの?」
彼女は生気のない瞳でリンゴをみた。リ ンゴは生気のない瞳で彼女をみた。
「…太陽仔だから」
いつもリンゴが口にする言葉だった。何 かに立ち向かうときも、何かから逃げる ときも。
「太陽仔だから?」
彼女は眉をひそめた。
(俺は)
「人を守ることが太陽仔としての使命だ からだ」
(俺は俺がわからない)
太陽仔だから戦わなければならない。太 陽仔だから守らなきゃいけない。太陽仔だから。
「価値があるから守るとかじゃないんだ 。ただ、太陽仔だから戦うんだ俺は」
(そこに俺の意思はあるのか?)
「…太陽仔じゃない。貴方の意思はないん ですか」
「っ!」
リンゴは嫌な汗をかき始めていた。
「俺、は…俺は」
「さっきから貴方は自分の事なんて何一 つ言ってません」
リンゴは動けなかった。喉が渇く。彼女 から目をそらせない。
「俺は、太陽仔だから」
その言葉でだれもが納得した。太陽仔だ から戦う。太陽仔だから守る。太陽仔だ から。
(そう、いつだって必要なのは太陽仔とし ての俺だ。人間としての俺を、誰が見て いた?)
「貴方も、立場に甘えて逃げてるだけじ ゃないですか」
「…何も知らないあんたに俺の何が解るん だ?」
(俺は、太陽仔じゃない俺は、誰かに必要 とされるのか?太陽仔じゃなくなったら俺 は…)
「知らなくても解るほど貴方も私と同じ なんですよ」
「…やめろ」
目があう。何にもない、空っぽの瞳。
(やめてくれ…!俺を使命を果たそうとする 太陽仔でいさせてくれ)
「運命の流れに逆らえずに流されること でしか生きられない」
「やめろって言ってるだろ!」
「貴方も私も、同じです。貴方は太陽仔 であって、貴方じゃない。」
私も月光仔であって、私じゃないんです 。彼女はそう言った。
(俺は)
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いつもの酒場に、酷い顔色のリンゴが入 ってきた。マスターが飛んでいく。
「どうした!?ケガか!?」
体が冷たい。簡単な目視で、出血等は見 られないが表情は虚ろだ。
「誰か医者をよんでくれ!」
ちょっとした騒ぎになったのは、言うま でも無かった。
工