「では、今からAクラス対Fクラスの試召戦争を行います」
あれから時間があっという間に過ぎ、今は放課後、いよいよ試召戦争が始まろうとしています。
こういうときに確か『キング・クリムゾン!!』って言うんだったっけ?
…あ、申し遅れました。私、高町なのはと言います。明久君が意識を取り戻すまでの間、
私視点で描かれるらしいです…あれ?私、誰に説明してるんだろ…?
「それでは一人目の方、どうぞ」
おっとどうやら始まるようです、集中しないと…
「Aクラスからは私が出るわ」
「Fクラスからは私が出ます」
そう言って、Aクラスからは木下さんが、Fクラスからは私が前に出る。
「教科はどうしますか?」
「数学でお願いします」
「わかりました。それでは召喚獣を召喚してください」
「「試獣召喚!!」」
Fクラス 高町なのは VS Aクラス 木下優子
数学 794点 VS 412点
お互いの召喚獣が召喚され、その上に点数が表示される。
あー……800点は超えなかったかぁ……自信あったんだけどなぁ……
「く!すごいわね……その点数、担当教諭を超えているわよ?」
「得意科目だからね。それに将来の仕事は数学関連のことをやりたいから、そのために頑張ってるんだ」
木下さんの称賛の声に、私はそう答える。本当はもう就職してるんだけどね…
「それじゃ始まったばかりで悪いけど、すぐに終わらせるよ!」
「いくら点数が2倍近くあるからと言って、簡単には私は倒せないわよ!」
そう言い放ち、召喚獣にランスを掲げさせて突撃してくる。
「プロテクション!」
『Protection』
ガキン!
「!?」
それを私はプロテクションを使うことによって完全に受け止める。
いきなり目の前に現れた魔法陣とその魔法陣によって攻撃が完全に受け止められたのを見て、驚愕の声を上げる木下さん。
「レストリックロック!」
『Restrict Lock』
「!危ない!」
さらにレストリックロックで動きを止めようとするが、何かを感じ取ったのか、木下さんがすぐにその場を離れたことにより、不発に終わってしまう。
「まさか、完全に攻撃を止められるなんてね…それに、その光の輪もなんだか危険そうだし…長期戦は不利ね」
一筋の汗を流しながらそう分析する木下さんを見ながらも、次にどうやって攻撃するかを考える。
うーん……やっぱりここは、
「これで行こうかな。アクセルシューター!」
『Accel Shooter』
私はBクラス戦で見せたアクセルシューターを使うが、Bクラス戦のときとは数が違う。
前見せたときは8つだったが、今は12個、今の私が使える最大の数を出し、さらにそれを維持したままで空中に浮かび上がる。
「な!?」
「シュート!」
召喚獣が空を飛んだことに驚愕している木下さんに向かって、私はアクセルシューターをすべて撃ち出す。
「っ!!」
木下さんは少しの間だけ動きを止めていたがすぐに躱し始める、が、躱しても躱しても追ってくる攻撃にどんどんと追い詰められていく。被弾はまだしていないが、当たるのも時間の内だろう、そう考えていると、
「く!こうなったら……腕輪発動!!」
「!!」
腕輪を発動させた木下さんの召喚獣が光に包まれ始め、加速し始める。それによってアクセルシューターを振り切り、空中に静止している私の召喚獣目掛けて突進してきた。
「っと!!」
辛うじて躱したが、木下さんの召喚獣は軽く弧を描きながら、再度こちらに突進しようとしてくる。
躱してもまた突進してくるんだったら……迎え撃つ!
私はアクセルシューターを消し、召喚獣が持つレイジングハートをエクセリオンモードに切り替えてチャージを開始する。ちょうどそのチャージを終えたとき、木下さんの召喚獣が再度私の召喚獣に向かってきた!
「エクセリオンバスター!ブレイクシューーート!!」
『Excellion Buster』
私はその召喚獣目掛けて、エクセリオンバスターを放った。が、
「行っ……けえぇぇぇ!!」
ダメージを食らいながらも、木下さんの召喚獣はエクセリオンバスターの中を突き進み、そして、
ズシュッ!!
私の召喚獣の右肺にあたるところに、そのランスを突き刺した。
「……っ!!こ、ここは……?」
「あ、明久、ようやく起きた?もう試合始まってるよ?」
ようやくアリサたちのOHANASHIから回復し、意識を取り戻した僕が目を開けると、そこには
フェイトの顔が…見えなかった。…なんだろう、この2つの山は?
まだ完全に目が覚めていなかった僕は、無意識のうちにそれに触った。うん、柔らかい。
「ひゃ、ひゃん!?あ、明久!?」
またフェイトの声が聞こえるが、その声にはさっきまでなかった恥じらいが多分に入っていた……って、
ガバッ!!
僕は直ぐ様起き上がり、フェイトの方を見る。
「う、うぅぅ…」
フェイトは、耳まで真っ赤にして胸を抑えている…や、やっぱりさっき僕が触ったのって…
「ご、ごめんフェイト!!」
僕は謝罪の言葉とともに土下座をする。
「気、気にしないでいいよ…明久、寝ぼけてたんでしょ?」
そう言うフェイトだが、その顔は未だに真っ赤なままだ。
「アキ君~?何してるんかな?いや、ナニしてるんかな?」
さらに謝罪の言葉を続けようとした僕だが、後ろから掛けられたその声の冷たさに固まってしまう。
そして、壊れたロボットのようなぎこちない動きで後ろを振り向くと、そこには、
「アキ君、ちょ~と後でお話OHANASHIしたいことがあるんやけど…ええよな?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
笑顔でありながらも後ろに般若を背負った夜天の主が、そこにいた。
「……1回」
「んー?」
「あとで、なんでも1回言うことを聞くから、許してもらえません?」
なんとかそれだけを振り絞って言う。
「なんでもって、なんでも?」
「なんでもは、なんでも」
「ふーん…」
それを聞いたはやてはしばし思案顔だったが、
「よしゃ、それやったら幼馴染6人全員の言うことを聞くんやったら許したるわ」
笑顔で頷きながらそんなことを言った。え…なんで他の5人も…?
「私だけの言うことを聞いたら、後で確実にアキ君が大変な目に遭うからや♪」
……今回は何も言ってないはずなんだけど。
「顔に出てたで♪」
上機嫌にそんなことを言うはやて。…そうですか。
「ほんじゃま、今なのはちゃんの試合があってるからそれの応え「エクセリオンバスター! ブレイクシューーート!!」ん……」
続けてはやてが何かを言おうとしたが、なのはの声によって遮られてしまう。
なのはの声が聞こえてきた方に視線を向けるとそこには、
「「「!!」」」
いたる所に傷を負っている優子さんの召喚獣が持つランスで、急所を刺されたなのはの召喚獣の姿があった。
「な、なのはちゃんが…やられた?」
「そ、そんな…」
驚愕の余り呆ける2人、だけど、
「まだだよ」
「「え?」」
「まだ終わっていないよ」
僕はそんな様子の2人にそう言った。
「な、なんで?」
「せ、せや。いくらなのはちゃんの召喚獣が強くても、急所に当たるところをやられたら…」
フェイトが疑問を投げかけ、はやてが何かを言おうとするが、
「なのはの眼をよく見て。あれはまだ何かしようとしている眼だよ」
僕がそれを途中で遮りそう言った、直後、
「な、何これ!?光の輪…!まさか!!」
優子さんの召喚獣の四肢を光の輪、なのはの召喚獣のレストリックロックが優子捕まえていた。
「ふぅ~…危なかったー、腕輪を使ってなかったら終わっていたよ」
Fクラス 高町なのは VS Aクラス 木下優子
数学 334点 VS 89点
召喚獣の点数を見ると、なのはの点数は当初聞いていた点数の半分程度になっていたが、その召喚獣はしっかりと左手でレイジングハートを握り、立っていた。
「私の腕輪の能力は、自分の半分の点数を使うことによって1度だけ戦死するほどの攻撃を
受けたとしても、腕輪を使った時の半分の点数でまた戦うことができる能力なんだ」
自分の召喚獣の腕輪の能力を喋るなのは。なるほど…確かになのはにピッタリの能力だ。
「能力に名を付けるなら『不屈』、かな?」
「「なのは(ちゃん)にピッタリだ(や)ね、能力も腕輪の名前も」」
僕がそう言うと、隣の2人も頷きながら同意してくれた。
「それじゃぁ、これで決めるよ!!」
なのはの召喚獣が距離を取って、チャージを始める。が、先ほど撃ったエクセリオンバスターよりもさらに巨大な魔法陣が眼の前に現れ、その中央にどんどんとエネルギーが集まっていく……間違いない、アレはなのはが使う魔法の中で一番強力な、アレだ。
「ま、まずい!躱さないと!!」
その様子を見て必死に逃げ出そうとする優子さん、しかし、大幅に点数を減らした今の召喚獣では、バインドを破壊して逃げることができないようだ。
そして、ついになのはの召喚獣はチャージを終わらせた。なのはの召喚獣の目の前には、巨大な魔法陣とその中央に巨大なエネルギー球がとどまっていた。そしてレイジングハートを振り上げ、
「全力全開!! スターライトォォォーーーー!!」
『Starlight Breaker』
「ブレイカァァァーーーー!!」
最後の詠唱を言い、目の前の巨大な魔法陣の中に留まっているエネルギー球目掛け振り下ろした!
キュイィィィィ……ズガァァァァン!!
その直後、スターライトブレイカーが優子さんの召喚獣目掛けて発射され、動きを止められていた優子さんの召喚獣はその攻撃をまともに食らった。……そして、スターライトブレイカーが収まった後には、
Fクラス 高町なのは VS Aクラス 木下優子
数学 134点 VS 0点
戦死した優子さんの召喚獣がボロボロの姿でその場に横たわっていた。そして――
「1戦目、勝負の結果はFクラスの勝利です」
高橋先生のその宣言により、Aクラスとの初戦はFクラスの勝利という結果で幕を開けた。
どうも、ソルレインです。
今回はなのはと優子の試合でした。
当初はなのはの圧勝を予定していたのですが、「あれ?それだとなのはの腕輪出せなくね?」と思い、今回のような話になりました。
ちなみに腕輪を使う前にアクセルシューター(5×12点消費)とエクセリオンバスター(70点消費)を使っていたため、半分になったときのなのはの点数が試合開始当初の点数の半分よりも少なくなっているのはそれが原因です。
そして、今話の中盤でようやく
いきなりラッキースケベをやっていましたが、これに気づいたのははやてだけで、
他の人たちは試合の観戦に集中していたため、気づいておりません。
膝枕のときにまな板が