「ただいま~。あ、明久君!起きたんだね!私勝ったよ!」
「うん、途中からだけど見てたからね。お疲れ様、なのは」
戻ってきたなのはは僕が起きてるのにいち早く反応してこちらにやってきて、手をあげた。
僕はそれの意味を察して同じように手を上げ、ハイタッチをした。
「なのはちゃん、おつかれや。なのはちゃんの召喚獣の腕輪、なのはちゃんにぴったしの能力やったなー」
「あはは…ありがと、はやてちゃん」
はやてもなのはに労いの言葉をかける。なのははそれに応えた後、フェイトがいないことに気づき僕に聞いてきた。
「ねぇねぇ、明久君。フェイトちゃんがいないみたいだけど…どこに行ったの?」
「あー…ちょっと色々あって向こうのほうで震えてるよ(なのはが優子さんの召喚獣の四肢をバインドで固定して、身動きが取れないところにアレを撃とうとしているのを見てるうちに、トラウマを思い出しちゃったみたいでね…)」
「あ、あはは…なるほどね」
僕の念話での話を聞いて、苦笑しながらも理解した様子のなのは。
「まぁ2戦目が終わる頃には、いつもどおりに戻ってるはずだから待っておこう」
そう言って僕は話を締めた。
「では、2戦目を始めます。次の方どうぞ」
「Aクラスからはボクが行きま~す」
「…俺が行こう」
2試合目、Fクラスからは康太が、Aクラスからは色の薄い髪をショートカットにした女の子が前に出てきた。見たことがない顔だけど…転入生かな?
「ボクは1年の終わりに転入してきた工藤愛子って言うんだ。よろしくね♪」
やっぱり転入生だったようだ。外見はボーイッシュで少年と間違われていそうだ。
「教科はどうしますか?」
「えーと、ムッツリーニくんだったっけ?君が選んでいいよ」
「…それじゃ保健体育を」
Aクラスの番なのに、科目の選択を譲ってくる工藤さん。康太はそれを使って保健体育を選択する。
「へー、やっぱりそれを選ぶんだね。実は、ボクも保健体育が一番得意なんだよ…キミと違って、実技が、ね♪」
「…っ!!(ブシャァァ!)」
工藤さんの発言を聞いた康太は何かを想像したのか、突然鼻血を吹いた!
…どうせR18指定のことでも考えたんだろうなぁ、康太。
「そっちのキミ、吉井くんだっけ?キミにも保健体育教えてあげようか?もちろん、実技で」
僕やその周りを見てそんなことを聞いてくる工藤さん。
「残念だけど、僕は…」
「吉井にはそんな機会、永遠に来ないから要らないわよ!」
「そそそそ、そういうことはこんなところで簡単に決めちゃダメです!」
僕の返事を途中で遮って、そんなことを言う島田さんと姫路さん。姫路さんの発言はこの場としては適切?だからいいけど、島田さんの発言にはさすがにちょっと腹が立った。
『『(あ、明久(アキ)君)』』
若干不機嫌になっていると、なのはとはやてが念話で話しかけてきた。
「(何?)」
『『(わ、私で良ければ…///(ゴニョゴニョゴニョ))』』
そして念話なのに口ごもる2人…顔を見ると2人とも同じように頬を赤く染めていた。
「それじゃ、私はアキくんに保健体育を教えてもらおうかな?もちろん、実技で♪」
「す、すずか!?アンタ、いきなり何言い出すの!?」
「いいねー、それ!私もアキに保健体育教えてもらお~。もちろん実技で」
「アリシアまで!?アンタたち、そういうのは人がいないところで言いなさい!!」
「「だったらアリサ(ちゃん)は好きな人に、人がいないところでそんなことを言うんだね?」」
「な、ななな何言い出すのよアンタたち!?わ、私は明久にそんなこと言わないわよ!!」
「「アリサ(ちゃん)、好きな人とは言ったけど別に私はアキ(くん)とは
言ってないけど(よ)?(ニヤニヤ)」」
「~~~~////!!!!(ボンッ)」
Aクラスの方からそんなやり取りが聞こえた後、何かが爆発したような音が聞こえた。どうやらアリシアとすずかがアリサをからかっていたらしい…おぉ、アリサの顔がまるで燃えてるように真っ赤になってて湯気もかなり出てる。エクス、後でからかうために画像と動画を撮って記録しておいて。
『(…わかりました(久しぶりの登場なのにこんな役回りなんですね…))』
こらエクス、メタるんじゃない。
「吉井、どういうことか説明してもらえないかしら?」
どこからか取り出した釘バットを手に、島田さんがそう聞いてくる…気にしないようにしてたけど、A・Fクラスの男子ほぼ全員からの視線(殺意70%、嫉妬・羨望30%)がすごいや、中には死神のローブを着て鎌を持ち出しているやつや血涙を流している人もいるし…ってあれって久保君?何故か彼の視線からは物凄く嫌な予感しかしないんだけど。
「「島田さん?何しようとしてるの(しとるん)かな(や)?」」
「え!?た、ただウチは吉井に説明を…」
「「説明を聞くんだったら、釘バットはいらないよね(いらんよな)?
なのに、なんでそんなもの持ってるのかな(持っとるんや)?」」
「こ、これは…」
僕に詰め寄ろうとしてた島田さんは、幼馴染2人の正論攻撃によりたじたじになっている。それを見たFFF団のやつらもお話のことを思い出したのか、それまでの怪しい動きを止めた。
「吉井くんの周りはなかなかおもしろいことになってるみたいだし、やっぱりボクが保健体育を教えるのはやめておくよ♪」
「…本当に羨ましい」
「いいから早く召喚して試合を始めてください」
混沌とした状況だったにもかかわらず、何事もなかったように試合を進めようとする高橋先生。
「わかりました~、試獣召喚!!」
「…試獣召喚!!」
Fクラス 土屋康太 VS Aクラス 工藤愛子
保健体育 572点 VS 446点
高橋先生に促され、召喚をする2人。点数は康太が勝っているけど、油断はできない。
「…加速」
康太は試合が始まった瞬間、直ぐ様腕輪を使う。それにより康太の召喚獣の姿がブレて、姿を消す。康太のやつ、一気に試合を決める気だ!
「っ!腕輪発動!!」
康太の召喚獣が消えたのを見て、対抗するように工藤さんも腕輪を発動させる。
「…加速終了」
康太がそう呟いたとき、工藤さんの召喚獣の後ろに康太の召喚獣が現れ、それと同時に工藤さんの召喚獣も膝をつく。しかし、
「…な!」
Fクラス 土屋康太 VS Aクラス 工藤愛子
保健体育 0点 VS 34点
康太が驚愕の声をあげるが、無理もないだろう。攻撃を食らっていないはずの康太の召喚獣が、前からメッタ斬りにされたような傷を負って戦死しているのだから。確かに工藤さんも腕輪は使っていたけど…姿が見えない召喚獣にどうやって当てたんだ?
「ふふ、どうやら何があったのかさっぱりわからないみたいだね?ボクの腕輪の能力は『鎌鼬』。
ムッツリーニ君の召喚獣が姿を消したと同時に、不可視の風の刃を全方位に作って打ち出していたんだよ。まぁそれでも戦死するまでのわずかな時間で私の召喚獣に攻撃を加えて、ここまで点数を減らすから驚いたよ」
どうして戦死したのかが理解できていない僕たちに、工藤さんが今あったことを説明してくれた。なるほど…確かにそれなら姿が見えなくても攻撃は当てられる。
「点数では負けちゃったけど、召喚獣の勝負は勝てたから引き分け、かな。ね、ムッツリーニ君♪」
「…次は勝つ!」
「2戦目の試合は、Aクラスの勝利です」
これで戦績は1勝1敗。しかし、科目を選択できるのがFクラスは
あと2回しかないのに比べて、Aクラスは3回。これがどう転ぶのか…
どうも、ソルレインです。
今回は2試合目、工藤とムッツリーニの試合でした。
少し短かったかな?とは思いましたが、楽しんでいただけると助かります。
そして、この前も言っていたのですが、次話から更新速度が遅くなります。
理由は短期のバイトが始まり、執筆時間が今までよりも減るからです。そのため、
更新は2、3日に1回ぐらいの頻度になると思われます。
どうかご了承くださいm(_ _)m