「第3試合を始めます。次の方は前へどうぞ」
「それでは、Fクラスからは私が行きます」
そう言って前に出たのは、ようやく復活したフェイトだった。
「それじゃあ、Aクラスからは私が行きまーす」
相手のクラスからは、アリシアが出てきた……これは教科次第ではフェイトでも厳しいかもしれない……
「え……アリシアさんが2人……?」
「もしかして姉妹なのか?」
Aクラスの人たちが瓜二つの2人を見てざわめいている中、僕はそんなことを考えていた。
「アリシアさんって言うのか……いい名前だなぁ」
「あぁ……フェイトさんのストレートもいいけど、ポニーテールのアリシアさんもいいよな…」
「アリシアさぁーーーん!付き合ってくれーーー!!」
「「「異端者発見!即刻処刑を…」」」
「あ、ごめん、無理。何年も前から好きな人がいるから、他の男の人には興味ないや」
「「「「チクショーーーー―!!」」」」
ちなみに今のはFクラスのやつら。初対面で告白って……しかも振られて地面叩いてるし……あ、Aクラスの男子も今の話を聞いて何人か地面叩いてる。
「教科は何にしますか?」
「物理でお願いします」
物理……確かアリシアが一番得意としている教科だったはず……フェイトも得意ではあるけど、分が悪いかもしれない……
「「試獣召喚!!」」
Fクラス フェイト・T・ハラオウン VS Aクラス アリシア・T・ハラオウン
物理 589点 VS 716点
「「「「おぉ!!」」」」
2人が召喚獣を召喚し、その点数が表示されるとお互いのクラスから驚嘆の声が上がる。
アリシアは700点超えかぁ…厳しいな…
アリシアの召喚獣は、彼女のデバイスでもある剣『デュランダル』を
違っているのは、白いスカート部分が太ももの当たりまであることと、胸当てをつけていることぐらいかな?
「すごい点数だね、フェイト」
「ありがと。でもそういう姉さんは私よりも高いね」
「物理は私の一番得意な教科だからね」
敵同士であるのにそんな軽口を叩き合う2人、しかし、その目は笑っておらず、お互いに隙を探している。もし隙を見つけたら、躊躇なく斬りかかるだろう。
「それじゃ行くよ!ブリッツアクション!!」
『Blitz Action』
先に攻勢に出たのは、アリシアだった。ブリッツアクションを使ったアリシアの召喚獣は一瞬で姿を消し、フェイトの召喚獣の後ろに姿を現す。しかし、それを予想していたフェイトは、振り下ろされるデュランダルを危なげなく躱し、ハーケンフォームに切り替えたバルディッシュで反撃する。
「おわっと!?」
慌てて避けるアリシアだが、まだ操作に慣れていないのか、完全に躱すことができなかったようで少し点数を減らしている。
Fクラス フェイト・T・ハラオウン VS Aクラス アリシア・T・ハラオウン
物理 589点 VS 667点
「うわー……ちょっと掠っただけで40点も減らされるのかー……気をつけないと」
「普通なら、掠っただけでももっと点数を減らせるんだけど…100点以上点数差があるのはやっぱり辛いかな……」
一旦動きを止めて話をする2人。もちろん相手の動きを警戒するのは忘れていない。
「このままだとどんどん点数減らされちゃいそうだし、本気でいくよ。腕輪発動!」
「! 腕輪発動!」
両者が腕輪を発動した直後、フェイトの召喚獣の持つバルディッシュからは雷撃が、アリシアの召喚獣のデュランダルからは冷気が流れだす。これは/……彼女たちが使うレアスキルと同じ能力か。
「今度はこっちから行くよ!プラズマスマッシャー!」
『Plasma Smasher』
フェイトの召喚獣が、プラズマスマッシャーを撃ち出す。Bクラス戦でも見せた技だが、そのときとは威力も速度も段違いに高い。なるほど、どうやらフェイトの召喚獣の腕輪の能力は召喚獣が使う技の威力を上げることができるのか。とすると、それと同じような能力のアリシアも……
「アイシクルスマッシャー!」
『Icicle Smasher』
ガガァン!!
お互いの召喚獣の攻撃がぶつかり合い、それによって爆発が起き、煙が巻き起こる。強化されたプラズマスマッシャーを相殺するほどの威力……やっぱりアリシアの召喚獣の能力もフェイトと同じ能力のようだ。
ギギィン!
召喚獣たちが何かやっているようだが、煙のせいで中の様子が見えない……ようやく煙が晴れてフィールドの中の様子が見れるようになると、そこにはいつの間にかバルディッシュをザンバーフォームに切り替えたフェイトの召喚獣とアリシアの召喚獣が鍔迫り合いをしている姿があった。
Fクラス フェイト・T・ハラオウン VS Aクラス アリシア・T・ハラオウン
物理 398点 VS 413点
技を使ったのと、さっきの爆発でのダメージによりお互いの点数が減っている。点数の差もほとんど無くなっており、これでどちらが勝つかわからなくなってきた。
「やるね、フェイト。もうほとんど点数差がないよ」
「時間があったら先生に頼んで練習させてもらってたからね。そういう姉さんこそ、操作するのは今回が初めてでしょ?よくそれだけ動かせたね」
「ふふ、ありがと。それじゃ褒めてくれたお礼にいいことを教えてあげるよ」
「え?」
「どうやら気づいてないみたいだね。ねぇ、フェイト……
私が、いつも
「っ!?」
その言葉を聞いたフェイトが何かする前に、アリシアはデュランダルを左手だけで持ち、右手に
そうだ、アリシアはいつも2本の剣で戦っていたはず!召喚獣がデュランダルだけしか持っていなかったから、てっきり武器はそれだけだと思い込んでいたけど……そう思わせるために今まで出していなかったのか!
「くっ!」
Fクラス フェイト・T・ハラオウン VS Aクラス アリシア・T・ハラオウン
物理 239点 VS 403点
フェイトは剣が振り下ろされる直前に、咄嗟に回避を取らせていたようでなんとか戦死だけは免れていた。しかし、さっきの1撃でようやく縮めることができていた点数差がまた大きく開いてしまった。
「惜しいなー、今ので決まったと思ったのに」
「……」
フェイトは、笑いながら語りかけてくるアリシアに反応せず、どうするか考えているようだったが、すぐに意を決したようでBJをソニックフォームに似たものへと換装し、武器も僕が見たことのない双剣へと切り替えた。あれは……一体?
『(あれは、フェイトちゃんの真ソニックフォームとライオットザンバーだよ)』
『(ソニックフォーム以上の機動力とザンバーフォーム以上の攻撃力を誇るんやけど…そのために極限まで防御力を削っとるんや。やから、今のアリシアちゃんの攻撃をちょっとでも食ろうたりしたら…)』
なるほど…今のままだとジリ貧になると考えて一気に勝負に出たのか。
フェイトの召喚獣の姿を見たアリシアは、表情を一気に引き締める。そんなアリシアをよそに、フェイトはさらに召喚獣の持つ双剣を一つに合わせ、巨大な大剣にする。
「へぇ……次で決める気だね、フェイト」
「うん、このままじゃジリ貧になりそうだからね」
お互いにそう言葉を交わした後、剣を構える。フェイトの大剣には雷撃がどんどん集まっていき、アリシアのデュランダルには冷気、グラムには炎がそれぞれ集まっていく。そして、それが十分に集まったとき、2人は同時に動き出した!
「「ハァァァァ(ヤァァァァ)!!」」
ザシュ!!
2体の召喚獣は交錯し、武器を振り切った状態で動きを止める。どうなったのかを確かめるために2人の召喚獣の点数を確認しようとする、が、
「この勝負……」
「引き分け……だね」
Fクラス フェイト・T・ハラオウン VS Aクラス アリシア・T・ハラオウン
物理 0点 VS 0点
試合をしていた2人がそう言った直後、2体の召喚獣は同時に倒れこんだ。アリシアの召喚獣を見ると、右手に握っていたグラムは半ばから断ち切られ、左肩から右脇腹まで斬り傷ができていたが、左手に握られていたはずのデュランダルはどこにもなかった。そこでフェイトの召喚獣に視線を向けると、右の脇腹にデュランダルが刺さっており、これが原因で戦死したことが見て取れた。
「第3戦目は両者戦死により、引き分けです」
「引き分けかー……くやしいなぁ、折角勝ってたのにー」
「私はこれでよかったかな。グラムの存在を考えていなかったせいで、勝負に出るしかなかったし……」
高橋先生のジャッジに悔しがるアリシア。フェイトは結果に納得しているように見えるが、内心ではアリシアにうまく嵌められたことを悔しく思っているのが付き合いの長い僕たちにはわかった。
「まぁ今回は引き分けで我慢するかな。でも、次は負けないよ!フェイト!」
「いや次は私が勝たせてもらうよ、姉さん」
「ふふ、だったらもっと練習しないといけないね、お互いに」
「そうだね」
握手をしながらも、次は自分が勝つとお互いに言う2人。性格は真逆だけどこういうところは似てるんだよなぁ、2人共……負けず嫌いなところとか戦闘狂なところとか……
どうも、ソルレインです。
今回はAクラス戦3試合目、フェイト対アリシアの姉妹対決でした。
なんとか書き上げられましたが…やはり戦闘描写を書くのが難しかったです…
アリシアの詳細な設定については、また後日投稿します。
それでは次話をお楽しみに~。
3/22修正.アリシアの剣の名称を変更しました。