バカと魔導師たちと召喚獣   作:ソルレイン

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初見さんは初めまして、見てくれていた人はお久しぶり、どうもソルレインです。

ちょっと2ヶ月ほど諸用が重なったり、スランプったり、地球防衛軍4にハマっていたたり(ぉぃ していて更新ができませんでした。本当にすみませんでした。

夏休みに入ったのでこれからは間が開かない……と思いたい。

……と、とりあえず本編をお楽しみください。それでは。


学園長とのお話……決してOHANASHIではありません

「アキ君に坂本っち。ちょっとええかな?」

 

 帰りのHRも終わり迎えた放課後。帰る準備が終わったので帰ろうとしていたら、はやてに声を掛けられた。

 

「あん? 何か用か、八神」

 

「実はちょっと2人に頼みたいことがあるんや」

 

「頼みたいこと?」

 

僕だけならまだしも雄二も一緒に? 一体なんだろう?

 

「せや。私らのクラスの出し物、執事喫茶に決まってFクラスの教室ですることになったのは覚えとるやろ?」

 

 はやてが確認するように聞いてきたので僕らは頷く。あの後行われた多数決で僕たちFクラスの出し物は執事喫茶に決定した。そのことは意識を取り戻したときに僕が話したので雄二も知っている。

 

「それで何か問題ないか、色々と調べてみたんやけど……どうも畳のほとんどが腐ってるみたいでな? 知り合いの保険医に連絡してそのままの状態で出し物をしても大丈夫か聞いてみたら、『衛生上良くないのですぐに学園側に直訴して変えてもらってください! 喫茶店? そんなの論外です!』って言われたんや」

 

 酷い酷いとは思っていたけど、専門家にそこまで言われるほどだったのか……それにしてもはやての知り合いの保険医? ……あ、シャマルさんか。

 

「なるほど、つまり俺たちに学園側に改修するための許可を貰ってきて欲しい、ということだな?」

 

 とそこまで話を聞いた雄二がはやての言いたいことが分かったらしく、そんなことを問いかけた。

 

「話が早くて助かるわ。坂本っちの言った通り、2人には学園長に直訴してきて欲しいんや……ホントなら私が行かなアカンのやろうけど、今からなのはちゃんたちと衣装について打ち合わせせなならんのや。やから、お願いできるかな?」

 

 そう言って頼んでくるはやて。その頼みに対し僕らは、

 

「それぐらいだったら構わねぇ。明久はどうする?」

 

「僕も行くよ」

 

 と二つ返事で了承した。帰りが遅くなるってことはメールで伝えればいいしね。

 

「2人共おおきに! この御礼はいつかさせてもらうで」

 

「気にするな。それじゃ早速行くか、明久」

 

「了解。それじゃはやて、アリサたちに帰りが遅くなるかもしれないって伝えておいて」

 

「オッケーや。それじゃ任せたで~」

 

 そうして僕たち2人ははやてに見送られながら学園長室へと向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

『……商品の……として隠し……』

 

『……こそ……勝手に……如月ハイランドに……』

 

 学園長室の前まで辿り着くと、扉の向こうから言い争っている声が聞こえた。お、どうやら学園長は部屋の中にいるみたいだね。アポ無しだからいなかったら出直そうと思っていたけど、これなら二度足を踏まなくて良さそうだ。

 

「失礼します」

 

 雄二はその部屋の扉をノックし――返事を待たずにずかずかと中へ入って行った。いや返事は待とうよ。

 

「失礼なガキだね。普通は返事を待つもんだよ」

 

 憮然とした表情で文句を言う学園長。本当にすいません。

 

「やれやれ。取り込み中だというのに、とんだ来客ですね。これでは話を続けることもできません……まさか貴女の差し金ですか?」

 

 そう言って話し相手だった教頭の竹原先生が学園長を睨む。その鋭い目つきとクールな態度が一部の女子生徒に人気らしい……僕にはそれがどうしても生徒を見下したようにしか感じられないので、この先生のことはあまり好きではないのだが。

 

「ハッ、どうしてアタシがそんなセコい手を使わなきゃいけないのさ。負い目があるというわけでもないのに」

 

「それはどうでしょう。学園長は隠し事がお得意のようですからね」

 

「さっきから言ってるだろう。隠し事なんて無い、アンタの見当違いだってね」

 

「……そうですか。そこまで否定されるならこの場はそういうことにしておきましょう」

 

 そう告げると竹原先生は部屋の隅に置いてある観葉植物へと一瞬視線を送り、

 

「それでは、失礼します」

 

 踵を返し出て行った。なんであんなところに視線を……あぁ、そういうことか。

 

「んで、アンタらは何の用だい?」

 

「今日は学園長にお願いがあってやって来ました……と申し遅れましたが俺は2年F組代表の坂本雄二、こっちが2年F組の吉井明久です」

 

 雄二が僕を示し、紹介する。

 

「ほぅ、一応礼儀って言うものはちょっとは知ってるみたいだね……それでお願いっていうのは?」

 

「はい。今日は学園長にFクラスの設備の改修を頼みたくやって来ました」

 

「ハッ、答えのわかりきったことをわざわざ聞きに来るようなやつがいるなんて思わなかったよ」

 

 珍しく敬語の雄二が語り出した内容につまらなさそうな表情で遠回しに無理だと口汚く罵倒する学園長。

 

「それが専門家からすぐにでも改修をしろ、と言われていてもですか?」

 

「……どういうことだい?」

 

 しかし雄二が続けて言った言葉を聞き表情を真剣なものに変える。

 

「そのままの意味だ。今のFクラスの教室は窓がひび割れている上に敷かれている畳の大半が腐っている。その状態を見たうちのクラスの実行委員が知り合いの保険医に連絡したところ、『健康に害を及ぼす可能性が非常に高いのですぐに学校側に連絡して改修してもらえ』と言われたらしい」

 

「そんな報告、私はされて……ッ」

 

 途中で言葉を切って何か心あたりがあるのか思案顔になり黙りこむ学園長。こんな反応をするってことはあの設備は学園長が意図していたものではない?

 

「……わかった。さすがにそんなに酷い設備で誰か倒れられたりしたら私らとしても溜まったもんじゃないからね。明日にでもFクラスの設備の改修を手配しようじゃないかい。ただその頼みを聞く代わりにこちらからも頼みがある」

 

 学園長は顎に手を当ててそんなことを言い出した。

 

「頼み……だと?」

 

「あぁ、そうだよ。清涼祭で行われる召喚大会は知ってるだろう? その優勝商品として正賞の『白金の腕輪』と副賞の『如月ハイランド』のプレオープンプレミアムチケットが優勝者に送られるのさ」

 

 プレオープンチケットという言葉に雄二がピクッと反応する。どうしたんだろ? っとそんなことよりも、

 

「実は――」

 

「学園長、ちょっと待って下さい」

 

「――なんだい? いきなり待ったをかけるなんて……」

 

 話の出鼻を挫かれ、不機嫌そうに言う学園長と雄二を尻目に先程教頭が視線を向けていた観葉植物に近寄り――蹴り壊した。

 

「なっ、明久!?」

 

「一体なにしてんだい、アンタは!?」

 

 突然の僕の行動に驚く2人だが、僕はそれを無視して目的のものを探す……これか。

 探し当てたそれを摘み上げ、二人に見えるように掲げる。

 

「ッ!」

 

「? 明久、それはなんだ?」

 

 それを一目見た学園長はなんであるかに気づき体を強張らせるが、雄二はわからなかったようで僕にそれの正体を聞いてきた。まぁこんなのがわかる一般人、それも学生はいないよね……康太? あれは一般人じゃなくて寡黙なる性識者(ムッツリーニ)

 

「盗聴器だよ」

 

 雄二の問いに何でもないかのように答えると同時に盗聴器を落として踏み砕く。

 

「なに!? なんでそんなものが……? というかなんでお前は仕掛けられてることがわかったんだ?」

 

「雄二、今はそんな些細なことは置いといて学園長の話を聞こうよ」

 

 雄二のもっともな疑問をサラッと流し、強引に話を戻す。職業柄、なんて言えるわけないじゃん。

 

「不本意だけど私もそこの糞ガキと同意見なんだけど……まぁいいさね」

 

 そう言うと学園長は気を取り直し、説明を再開した。

 

「話を戻すけど今度の清陵祭のとき、召喚大会があって優勝者には商品が送られるってとこまでは話したね?」

 

 学園長の問いかけに僕らは頷きを返す。それを見た学園長は話を続ける。

 

「実は副賞のチケットなんだけど……どうも良からぬ噂を聞いてね。なんでも如月ハイランドにプレミアムチケットを使ってやって来たカップルをジンクス作りの為に結婚までコーディネートするつもりみたいなんだよ。企業として多少強引な手段を用いてもね」

 

「なんだと!?」

 

「そしてそのカップルを出す候補として目をつけられたのが、我が文月学園ってわけさ」

 

「くそ! うちの学校は何故か美人揃いだし、試験召喚システムというものもあって話題性もあるからな。学生から結婚まで行けばジンクスとしては申し分ない……だがこれは不味い、不味いぞ……!」

 

 頭を抱える雄二。さっきから様子がおかしいけどどうしたんだ? ……あ、今度は目を虚ろにさせて何か呟き始めた。

 

「……絶対にアイツは大会に参加する……しかも優勝を獲る確率を上げるために学年主任クラスの成績を誇るバニングスたちの誰かと組んで……行ったら企業の力で強制的に結婚、行かなくても『約束を破ったから』といって結婚……そうなったら俺は……い、嫌だ! 首輪を付けられて生活する将来なんて、俺は絶対に……!」

 

 ふむ、話を聞く限りだと霧島さんと『チケットが手に入ったら一緒に行く』とでも安請け合いしてしまったのだろう。そしてその約束を破ったらペナルティを科される、こんなところか。確証はないから本当かどうかはわからないけど……一応鎌掛けてみるか。

 

「雄二、もしかしたら印鑑が必要になるかもしれないね」

 

「……明久、笑えない冗談はやめてくれ……」

 

 軽い感じに聞いた僕の言葉に顔を蒼白にさせる雄二。この様子だとさっきの僕の予想は当たりみたいだ。

 

「ま、そんなワケで、本人たちの意思を無視した計画が気に入らないのさ」

 

「つまり、学園長の頼みというのは――」

 

「『召喚大会の商品』の回収。それが出来たなら、Fクラスの教室の設備も多少は向上させてやってやろうじゃないか。ただし、アンタら2人がちゃんと優勝して手に入れたやつじゃないとこの話は無しだからね」

 

「ほぅ……俺たちとしては喜ばしいが、いいのか? そんなにしても」

 

「本来なら駄目なんだろうけどね……今回は私らに非があるから多少のサービスはさせてもらうさ……まぁさすがに外部に漏れたら不味いから表向きは清涼祭で得た利益で設備を変更したってことにするけどね」

 

「……わかった。この話、引き受けよう。ただし、こちらからも提案がある」

 

 雄二はそう言って学園長に提案を持ちかけた。

 

「提案? 言ってみな」

 

「召喚大会は2対2のタッグマッチ、そして形式はトーナメント制で試合ごとに使用される教科は変わって進行されると聞いている」

 

「そうだよ。せっかくの大会なのに消耗した点数でやり合っても面白みに欠けるからね……それがどうかしたのかい?」

 

 あ、やっぱり試合ごとに別の科目に変えるのってそういうことだったんだね。

 

「その科目の指定、対戦表が決まったら俺たちにやらせて貰いたい」

 

「ふむ……いいだろう。点数の水増しなら却下したけど、それくらいなら協力してやろうじゃないかい」

 

「……感謝する」

 

「礼は要らないよ。こっちも考えがあってアンタの提案を飲んだだけだからね……それよりもここまで協力するんだ。当然大会は優勝できるんだろうね?」

 

 雄二の礼を不要と言い切り、念を押してくる学園長。ここまで言うってことは余程その【商品】を回収したいらしいね。

 

「無論だ。俺たちを誰だと思っている?」

 

「まぁやるからには全力でやりますよ」

 

 その学園長の問いかけに対し、雄二は不敵な笑みを浮かべながら、僕は薄っすらと笑みを浮かべながら答える。

 

「そうかい、それじゃあ任せたよ」

 

「おうよ!」

 

「任せてください」

 

 こうして、僕たち2人は学園長との取引により召喚大会へ参加することが決まった。




 そいえば1章の最後にバカテスト集を追加しました。そちらも見てくれるとありがたいです。

 さらに活動報告に前々から言われていたアンケートを出しました。よければそちらも読んでみてください。

8/17 一部修正。
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