バカと魔導師たちと召喚獣   作:ソルレイン

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戦争の引き金

「なのは、フェイト、はやて…?」

そんな呟きが、どこからか俺の耳に入ってきた…。

 

ん?お前は誰だ、だと?俺の名前は坂本雄二、一応このFクラスの代表をやっている男だ。

…おい、誰だ、今なんだあの赤ゴリラかってふざけたこと言ったやつは。どいつだ、出てきやがれ。

ゴホン、まぁいい、とりあえず話を戻そう。

 

その声は悪友といっていいあいつの、あのバカの声だが、その声は付き合いの長い俺でさえ

聞いたこともない声音だった。

 

そして、そいつの、明久のほうを見ると、あいつはその顔を驚愕に染め、

自分ではわかっていないようだが、ポロポロと涙まで流していた。

 

「あ、あれ?」

 

ようやく涙を流していることに気づいたようで、涙を止めようとしているようだが、

うまく止めることができていない。

 

「久しぶり、明久君」

 

「久し振りだね、明久」

 

「6年ぶり、ぐらいかなアキ君」

 

そんな明久に、自己紹介していた3人、高町とハラオウン、八神が微笑みながら声を掛けた…

あいつら、知り合いなのか?

 

「う、ん…久し振りだね、なのは、フェイト、はやて」

 

ようやく涙を止めた明久は、今まで見せたことのない笑顔で3人に話しかけていた。

 

「おい、明久、お前とその3人はどんな関け」

 

『諸君、ここはどこだ』

 

『『『最後の審判を下す法廷だ』』』

 

『異端者には?』

 

『『『死の鉄槌を!』』』

 

『男とは』

 

『『『愛を捨て、哀に生きるもの!』』』

 

『宜しい。これより、FFF団による異端審問会を開催する』

 

「吉井、あの3人とはどんな関係なのよ!」

 

俺が聞こうとしたその瞬間、クラスの奴らが一瞬で仮装し、明久を異端審問会にかけようと

動き始めていたり、島田が明久に対してものすごい勢いで問い詰めていた。

 

「落ち着かんか、貴様ら!」

 

一瞬でカオスになった教室だが、鉄人が一喝して騒ぎになるのを抑えた。

…一喝だけでFクラスの奴らを止めるって…本当にこいつ、人間か?

そんな風に思うのは俺だけか?

 

「その辺の話は後にしろ。高町、ハラオウン、八神の席は吉井の周りだ」

 

『『『わかりました』』』

 

そう言って、高町たちが明久の周りの席に座った。

 

「さて、最後に坂本。お前の自己紹介を始めろ。」

 

正直、明久に色々と聞きたいことがあるとか、この空気の中でどうやって試召戦争を

持ちかけらればいいんだとか、言いたいことはあるが、それは抑えるとしよう。

 

そして、俺は席を立ち、教卓の前まで歩いて向かいクラスの奴ら全員を真正面に捉えて、

こう言った。

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。代表でも坂本でも好きなように呼んでくれ。

そして、皆に1つ聞きたいことがある…

 

Aクラスはシステムデスク、リクライニングシートといった超豪華待遇の中で

勉強できるらしいが……

 

不満はないか?」

 

『『『『『大ありじゃあッ!!!』』』』』

 

俺の言葉に、Fクラスのやつらは反応し、大声で叫んだ。

そして、俺は、

 

「そこで代表としての提案だがFクラスはAクラスに対して、

『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う!」

 

と続けて言った。

 

しかし、俺が事前に予想していた通り、試験召喚戦争のことを話すと、Fクラスのやつらの勢いは一気に沈黙した…。こんなところだけ予想通りにならなくてもいいだろうに…。

 

「そんなの勝てるわけがないだろ?」

 

「これ以上設備が落ちたらどうなるんだ」

 

「姫路さんがいたら何もいらない」

 

「高町さん、好きです!」

 

「ハラオウンさん、結婚して下さい!」

 

「八神さん、踏んでください!」

 

などと言い出した。

 

「「すみません、好きな人がいるので無理です」」

 

「嫌や!」

 

「…今、なのはたちに告白した3人、見つけ出したら…(ボソリ)」

 

…とりあえず明久の小声のはずの声が教室の中に聞こえて、そのあと凄まじい悪寒が走ったのは

高町たち3人を除くFクラスの生徒全員だっただろう。あいつ、告ったやつらを見つけ出したら何する気なんだ…?よく見たら、鉄人のやつまで冷や汗を流していやがるし…。

 

「そんな事はない、必ず勝てる。いや俺が勝たせて見せる」

 

俺は、カオスな状況になりつつある流れを無視して話を続ける。

 

「無理に決まってるじゃねーか」

 

「そう言われても何の根拠もないしなぁ・・・」

 

いつまでも弱気なFクラスのやつらに、俺は言った。

 

「根拠ならあるぞ。このクラスには…試召戦争で勝つことのできる要素が揃っているからだ」

 

 

 

 

 

「根拠ならあるぞ。このクラスには…試召戦争で勝つことのできる要素が揃っているからだ」

雄二が教卓の前で、そんなことを言っている。そしてその言葉に周囲はざわついたが、僕には

それに反応出来るだけの余裕がなかった。

 

「(なんで、なのはたちが文月学園に? 考えられるとしたら…試験召喚システムが目的なのかな?)」

 

『(おそらくそうだと思われます)』

僕の考えに、エクスが賛同する。

 

『(あのシステムは、管理局から見たら管理外世界でロストロギアを使ってるように見えなくもありません。それで、その技術、もしくはロストロギアを調査するためにあの3人が調査員として送られてきたのではないでしょうか?)』

 

「(でも、それならなんで3人も来たんだろう?調査するぐらいなら

1人でも充分出来る程度だと思うんだけど…)」

 

『(おそらく…この学園を事前調査したときに、マスターがこの学園にいることが判明したのでしょう。そして、誰かがマスターとの関わりが深いあの3人に任務を送ったのでしょう)』

 

「(なるほど…それなら納得だね…)」

 

『(まぁ、マスターにはそんなことを考える暇なんてすぐになくなるでしょうが…)』

 

「(え? エクス、それってどういうこと?)」

エクスとの念話の最中、エクスがそんなことを言い出したので、

それに疑問を持ち、そのことについて聞こうとしたとき、

 

「それに、吉井明久もいる!」

 

僕の名前が呼ばれたことにより、エクスとの念話を中断し、

その声の主、雄二のほうに視線を向けた。

 

『誰だ? 吉井明久って?』

 

『いや、知らねぇな』

 

こいつらは…自己紹介したばかりだというのにもう忘れてるし…。

 

「そうか、知らないなら教えてやる。そこにいるやつが吉井明久で、

 

学園史上初の観察処分者だ!」

 

雄二は僕を指さして、言わなくてもいいことまで言った。

 

『それってバカの代名詞だよな』

 

「あぁ、確かに観察処分者はバカの代名詞だ」

 

そう言って肯定する雄二だが、

 

「だが観察処分者は、教師の雑用を召喚獣を使ってやっている。

だから明久は、俺たち2年生の中でも操縦技術はおそらく学年トップだろう」

 

と、利点も上げた。

 

『それってすごいのか?』

 

「あぁ、細かい操作ができるからいろんなことができる。

まぁ、役に立たなかったら、そのときはいざというときのための盾として使えるだろ」

 

雄二は僕の本当の成績がどの程度か知らないから言ってるんだろうけど、

それでもそんな風に言われると腹が立つなぁ…。

 

『(ねぇねぇ)』

そんなことを考えている僕に、なのはが念話をしてきた。

 

「(どうしたの、なのは?)」

 

『(明久くんって、頭良かったよね? なんで観察処分者になったの?)』

 

『(あ、それは私も思ったよ)』

 

『(私もやー)』

 

そのなのはの質問に、フェイトとはやても乗っかってくる。

うぅ…、あのことはあまり言いたくないんだけどな…。

 

「(簡単に言うと、持ち物検査の時に認識阻害をかけ忘れて、

エクスを持っていかれちゃったんだよ…)」

 

『(あはは…それは)』

 

『(明久らしいと言えば明久らしいけど…)』

 

『(アキ君、昔もどっか抜けとったからなぁ)』

 

そう言って苦笑するなのはたち。

 

「(あのときは焦ってたからね…。

後先考えずに行動して、その結果が観察処分者ということだよ)」

 

まぁそれでもエクスを取り戻すことができたから、よかったんだけどね。

 

「これだけの有名人が揃っているんだ。お前ら、勝って当然だとは思わないか?」

 

『そうだ! これだけの人物がいるんだ! 絶対勝てるぞ!』

 

『もしかしたら打倒Aクラスも夢じゃないぜ!』

 

『そうだ! 俺たちに必要なのは座布団じゃない! リクライニングシートだ!』

 

そんな話をなのはたちとしていたが、Fクラスの連中が何か

騒いでいたので、そちらに視線を向けた。

 

「ならまずは俺たちの力の証明としてDクラスを征服したい。

皆、この境遇には大いに不満だろ!?」

 

『『当然だ!!』』

 

「ならば全員筆を執れ! 出陣の準備だ!!」

 

『『おぉぉぉぉぉっ!!』』

 

「俺達に必要なのは、ちゃぶ台なんかじゃねぇ! Aクラスのシステムデスクだ!」

 

『『『ウオォォォォォォォォッ!!!』』』

 

「お、おー・・・・・」

 

そんな雰囲気に押され、姫路さんも小さく拳を挙げているのが見えた。

さて…おもしろくなってきたかな…

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