「おはよう、秀吉に康太」
「おはようなのじゃ、明久」
「…おはよう」
朝からちょっとしたハプニングがあったものの、その後は特に何事も無く登校することができた…
まぁはやての機嫌を治すのに今度、2人で出かけるという約束をしてしまうことになってしまったが…。
ちなみに登校するときは、途中までは3人と一緒に来ていたが、
ある程度学校に近くなったときに、3人に先を行くといって僕だけ先に登校させてもらった。
3人も、昨日のクラスの様子を思い出したのか、苦笑しながら許してくれた。
もしも、少しの間とはいえ、3人の美少女と同棲してるなんてことがクラスの奴らにバレたら…
試召戦争どころの話じゃなくなるだろうなぁ…。
「ウッス、おはよう」
そんなことを考えていると、雄二が僕達に挨拶してきた。
「あ、おはよう、雄二」
「おはようなのじゃ」
「…おはよう」
そんな雄二に僕たちは挨拶を返した。
「どうやら全員いるみてぇだな…、っと明久、お前の幼馴染たちはまだ来てないのか?」
「多分もうそろそろ来ると思うよ…でも、できれば幼馴染ということを
バラさないで欲しかったかなぁ」
それまで何事も無く談笑して、こちらの話を聞いていなかったはずのFクラスの奴らが、
雄二の幼馴染という発言に瞬時に反応、僕に向かってカッターナイフ、ボールペン、さらにはどこから持ってきたのか、釘バットなんてものまでいつでも投げられるように構えていた…。
「おっと、それはすまなかったな」
そう言いながらも、ニヤニヤと笑っている雄二…こいつ、確信犯か。
昔ほど頻繁ではないが、たまにこういう風に僕を追い詰めようとしてくるのが
こいつの悪い癖だ…。ん? 頻度? 今はだいたい週に1、2日、昔は週に5日程度だよ?
「おい、お前たち、今は大事な戦争前だ。やるならAクラスとの戦争が終わってからにしろ」
その雄二の言葉に、渋々引き下がるFクラス…、あれ?でも今のって
結局問題の先延ばしにしかなってない気がするんだけど…。
『(その通りですよ、マスター)』
エクスも僕の考えを肯定している。…まぁいいか、どうせこいつらのことだから、
他の話題が出たらすぐに忘れるだろう…。
『(マスター、今フラグを…(ボソ))』
ん?エクスがなにか言っているけど、なんだろ?フラグ…旗がどうかしたんだろうか?
『(いえ、気にしないでください)』
エクスが僕に別に気にしないでくれと言ってくる。
気になるけど、エクスがそう言うなら、別にいいか…。
その後、なのはたち3人やまだ教室に来ていなかったクラスメイトたちが
全員集まり、HRが始まった。
「――――ということだ。これでHRを終了する。」
そう言って教室から出て行く西村先生。そしてすぐに、雄二が教壇の上に向かった。
「Dクラスとの戦争は、13:00から開戦だ。よって今から、Dクラス戦のための
補充試験を行いたいと思うが、これは強制じゃない。受けたい奴だけ手を上げてくれ」
そう言って、補充試験を受ける人の人数を確認するために、手を上げさせる。
手を上げたのは僕の他に、なのは、フェイト、はやて、そして姫路さんの5人だけだった。
…さすが、Fクラス、自分の興味ないこと、面倒なことに対しては欠片もやる気を出さないようだ。だが、秀吉、康太、君たち2人はなんで手を上げない。こら、視線を逸らすんじゃない。
「5人か…。わかった、それじゃ補充を行う教科を言ってくれ」
雄二は予想できていたのか、それをスルーして、補充試験の教科を聞いてくる。
「僕は、数学と日本史、あとは世界史の3つで」
開戦時刻を考えると、その3つだけかな。まだそこまでやる気もないし。
「「「私は全教科を」」」
「あ、あの、私も全教科でお願いします…」
そう言って、残りの4人は、すべての教科を受けると言った。
姫路さんはわかるけど、なんでみんなも全部するんだろ?
『(明久(アキ)君と一緒のクラスになるように、点数を調整したからだよ(や))』
そのことについて念話で聞くと、そう返してくれた。
「全教科か…わかった、なら今回の戦争は高町とハラオウン、八神の3人は参戦せずに
補充試験に集中しておいてくれ。姫路には、途中で抜けてもらうかもしれんが構わないか?」
「「「わかった(よ)」」」
「あ、はい、分かりました」
「それじゃ補充試験の申告に行ってくる。頑張れよ、5人とも」
雄二の問いに、4人は返事を返し、それを聞いた雄二は、すぐに補充試験の申告に行った。
さて、それじゃ期待に添えることができるように、ほどほどに頑張りますかね…。
そう言って、僕は補充試験が始まるまでに時間を使い、教科の見直しを始めた。
――――――3時間後――――――
「終わったー…」
「お疲れ様じゃ、明久」
「…おつかれさま」
補充試験を終え、机に突っ伏す僕に、2人が声をかけてくる。
「ありがと、秀吉、康太」
僕はそんな2人にそう返事をする。そして、購買に行っていたのか、
大量のパンを持つ雄二がこちらにやってきていた。
「おう、どうやら補充試験が終わったようだな、お疲れさん、明久。そんじゃ飯を食おうぜ」
雄二は僕の様子を見て、最初に労いの言葉をかけてきて、
その後お昼を一緒に食べようと言ってくる。
「あ、明久君たちも今からお昼?」
「だったら私達も一緒食べてもいいかな?」
「別にかまへんよね?」
補充試験をある程度終えたなのはたちが、僕達がお昼を食べるという話を聞いていたようで、
自分たちもいいかと聞いてくる。
「別に構わねぇが…、この人数だと手狭になるな。屋上に行くか」
「うん、そうしようか」
雄二が人数を確認して屋上に行くことを提案し、僕がそれに同意する。
他の人達もそれでいいようで、僕たちは移動を始めた。
途中で島田さんと姫路さんも一緒にお昼をとることになり、屋上に行くのが9人になった。
「そういえば疑問に思ったことがあるんだが…明久」
「ん、何?雄二」
屋上に着き、敷物の上に座った僕に、雄二が話を振ってくる。
「お前、何も持ってないみたいだが、今日は昼飯は食わないのか?」
あー…なるほど、そのことか。僕は雄二に何も持っていない理由を
答えようとしたが、その答えは他の人がした。
「ちゃうで、アキ君の弁当はここや」
そう言って、はやてが僕、なのは、フェイトの順に弁当を渡してくれた。
「吉井、なんであんた八神さんから弁当をもらっているのよ!」
僕が弁当をもらったことに島田さんが噛み付いてきた。よく見ると姫路さんも
島田さんのように噛み付いてはこないが、理由を聞きたそうにしている。
「それは私達が提案したんだよ」
説明しようと口を開くが、またもや言おうとしたことを今度はなのはに言われてしまう。
「どういうこと?」
「私たち3人は、一緒に住んでてね。1週間交代でお弁当を作ってるんだけど、3人も4人も
大して作る手間が変わらないっていうことで明久のお弁当も私達が作るのを提案したんだよ。」
「まぁ、アキ君は最後まで遠慮しとったけど、最後には折れて、自分も当番にいれるっ
ちゅうことを条件に提案を飲んでくれたんや」
「だから何も持ってなかったのか」
「なるほどのぅ…それなら納得なのじゃ」
「…幼馴染の手料理…少し羨ましい」
「そ、そういうことなら仕方ないわね…」
「そうなんですか…」
フェイトとはやての説明を聞き、納得する一同。島田さんは納得できていないような
顔をしていたようだが、それに僕は気づかず、はやてのお弁当を開ける。
「「「「「おぉ(わぁ)」」」」」
そして、そのお弁当の中身をみた皆(僕となのはたち4人を除く)が声をこぼす。
「これは…うまそうだな」
「うむ…見ただけで食欲をそそられるのじゃ」
「…美味そう」
「うぅ…料理には自信あったけどこれには負けるわね…」
「わぁ~…おいしそうです」
5人はそれぞれ称賛の声をあげる。その声を聞いて、はやては少し胸を張っていた。
…こら、康太。君はどこを見ているんだい? …まぁいい、そのことについては後でじっくり聞くとしよう。
それよりもお弁当を食べようと思い、箸を使っておかずを掴み、それを口にいれる。
「ど、どうや? アキ君」
はやてが感想を聞きたいのか、少し緊張しながら僕に聞いてくる。
「うん…おいしいよ、はやて」
「そ、そか、そんならよかったわ」
僕の感想を聞いたはやては少し嬉しそうに表情を変えた後、すぐに自分の分を食べ始める。
そんなはやてに、なのはとフェイトは羨ましそうな視線を向けていたが、
「明久君、私のお弁当も楽しみにしててね」
「私のお弁当もだよ、明久」
すぐに視線を僕に向け、そう言ってきた。
「おい、どう思うあの3人の明久に対するあの態度?(ボソボソ)」
「うむ、多分間違いなかろう(ボソボソ)」
「…本当に羨ましい(ボソボソ)」
ん? 何か雄二たちが話をしているけど…一体何を話してるんだろう?
そんなことを思ったが、教えてくれそうになかったので、すぐに弁当を食べるのに
意識を切り替えた。
その後は、姫路さんが今度お弁当を作ってくるので皆で食べてほしい、というお願いをされることがあったが、それ以外は特に何事も無くお昼を食べていた。
ただ、なのはたちの姫路さんを見る目が何かを警戒するかのような目だったのは気のせいかな?
「そういえば、雄二。一つ気になっておったんじゃが、どうしてDクラスなんじゃ?
段階を踏むならEクラスだろうし、勝負に出るならAクラスに仕掛ける。」
「あぁ、それはな…」
秀吉の質問に雄二はそう返し、
「ふむ、俺が言うのもいいかもしれんが…明久」
「ん?なに?」
「今お前の回りにいるメンツを見て、説明してみろ」
いきなり僕に話を振ってきたので、僕は、
「えーっと…美少女1人に悪友が1人、見た目が男の娘の友人が1人に、
将来捕まらないか心配な友人が1人、女子が1人と…」
周りのメンツをある程度説明し、そこで一旦言葉を区切り、なのはたちを見る。
自分たちが呼ばれていないことを不思議に思っている3人を眺めながら、僕は口を開き、
「親友以上恋人未満ぐらいの信頼関係がある幼馴染が3人、かな」
爆弾を、落とした。
どうも、ソルレインです。
ようやくDクラス戦前まで、話を書くことができました…。
考えはまとまっていたのですが、文章にするのに手こずりました…。
それでは次話をお楽しみください。