続かないと思います。
「SAVE」をプレイされた方はより楽しんで読めると思います。というかしないと分かりにくい部分があります。
一応説明は入っていますが、やっぱり実際に「SAVE」をプレイされたほうがいいと思います。
おそらく続きません。
――――『彼』が目覚めたようだ。私は急いで家からとある田舎町まで全力疾走する。
私は『ニャルラトホテプ』。という神の、分身だ。
なぜか私にはそこら辺の神話生物とあまり変わらない力しか与えられず、この世界に送り込まれた。ここはフリーゲーム『SAVE』の世界。そして私は、黒服の男という、主人公に怪しげなアイテムを与える役目を持った分身だ。
私の仕事は、ござを敷いて、いわゆるドーピング用アイテムを主人公である『彼』に売りつけること。ただそれだけだ。
今まで、何度もこの世界を体験してきた。最初のうちは、『彼』、または『彼女』の前に登場するタイミングを間違え、3日も待つことになったり、逆にもう隣町まで行ってしまった後に、私が来ることもあった。
一回前の世界でも、登場する場所を間違え、主人公がラスボスを倒した後も、私に気づかず、そのままENDを迎えてしまうということがあった。
今回こそは、ミスはするまい。まず、主人公が出てくる家のある、田舎町に到着し、主人公の家の前で息を整え、服の汚れを払い、髪を直し、深呼吸し、笑顔を顔に貼り付ける。住人からの視線が半端ないが、気にしない。私のメンタルは鍛えられているのだ。
来た。彼が扉を開けると同時にゆっくりと歩きだし、さも音に反応したかのように扉から出てきた『彼』を見る。
「おや? ……うふふ。」
『彼』がこちらに視線を向けたことを確認。同時にこちらも距離を詰め、まじかに迫る。
「はじめまして。私は……まあ、好きにお呼びください。
「私はしがない商人でして……。なかなか物が売れず、非常に困っていたのです。
「よろしければ、■■■■■さん。
「お得意様になっていただけませんか?」
返事は2択。「消えうせろ」か、「どこかへ行け」だ。どっちを言われてもそれなりに傷つくのだが、どれほど体験しても返事はこの2択だ。悲しい。
「ついてこい」
……………………………………………………ん?
「ついてこい」
…………………………え?
「ついてこい」
あれ? ちょ、なんで襟掴まれてるの私? え? 待って、おかしい。ここで主人公が話すのは必ず――
「いくぞ」
ちょ、ちょっと待って、やめて。引っ張らないで!
「お、おやおや、困りましたね。そんな荒く扱われては、私でも傷ついてしまいますよ?」
私の口が、自動でセリフを紡ぐ。長年の体験の成果である。これでなんとか――
「ついてこい」
いや、ダメだから。確かに後半、黒服の男が仲間に加わる場合があるけど、それ私とは別の分身だから。役割違うから!
「な、なぜです? 私は、ただ、商品を売りたく――――」
「一人でも戦力が欲しい。お前でいい。」
なんでだよ! 通りすがりの人間を復讐に連れていくとかおかしいだろ! ちゃんと仲間できるからそれでいいだろ!
だ、誰か! 私を助けてくださいー!