とある兄妹の紡ぐ物語   作:リンク切り

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3ページ目 ペットの話

「文香。お前って犬派?猫派?」

 

「どちらも好きですよ。」

 

「お前、小学生みたいな返しするな。」

 

夕暮れ時。

俺達兄妹は2人で近所のスーパーに買い物へ来ていた。

今日の夕食の具材やらを買うためだ。

その帰り道、とぼとぼとただ歩いているのも飽きて文香へと話しかけた。

 

「お前ってさ、本当無粋だよな。こういう話題にはどっちかで答えるのが基本だぞ。」

 

「そうは言われても、両方好きなので。」

 

「そんなんじゃ、いつまで経っても友達ができないぞ。」

 

「別にいいですよ。出来なくても。」

 

「彼女自慢された時の高校生か。」

 

俗に言う、べ、別に羨ましくなんてねーし!である。

俺?

まず自慢された事も無い。

彼女とかそういうのより先に友達を作るべきだと思う。

誰がぼっちだ。

その通りだよ馬鹿野郎。

 

「兄さんは彼女なんていませんよね。」

 

「いねーよ。」

 

「そうですよね。兄さんなんかに彼女が居るはずありませんでした。」

 

「どういう意味だ、それは。」

 

「言ったとおりの意味ですよ。」

 

ふふっ、と機嫌を良くした文香は少し歩調を早めた。

待て。

俺がついていけないだろ。

 

「兄さんは、彼女を作る意味がありませんよ。」

 

「何で?」

 

「こんなに可愛い妹がいるじゃないですか。」

 

「・・・・・・お前も、彼氏なんか作るなよ。」

 

「まさか。作ろうと思っても出来ませんよ。」

 

くすっと笑う文香。

そうはいうが妹よ。

お前も学校では疎まれているが、ちゃんと整えたらそこら辺の芸能人よりは余裕で綺麗なんだからさ。

彼氏の1人や2人くらいちょろいと思われるんだが。

悪い男に引っかからないか兄ちゃん本当に心配だ。

 

 

「どっちかと言うと、猫です。」

 

「あん?」

 

「猫か犬か、の話です。」

 

「ああ、それか。」

 

「兄さんが始めたんじゃないですか、この話は。」

 

まあそうなんだが。

 

「俺も猫派だ。」

 

「誰も聞いていませんよ。」

 

「そういう流れだろ、今の。」

 

「私は、兄さんが猫好きなのを知っていますし。」

 

「まあ、言ったことあるしな。」

 

「特に黒い毛の・・・・・」

 

「そこまでは本当に聞いていません。」

 

「何でだよ。」

 

「兄さんの好きなもの語りは長いので。」

 

「ちょっと酷くない?塩対応きつくて兄ちゃん泣きそう。」

 

「兄さんは脆弱ですね。」

 

「そうだよ、メンタル豆腐だよ。悪いか美少女め。」

 

「何なんですかそれ。」

 

くすっと笑をこぼす文香。

いや、冗談のつもりではないんだけどな。

本当に。

 

「ペットと言えば、やっぱり猫か犬かが有名ですが、それ以外でもちゃんとメジャーなペットはいますよね。」

 

「例えば?」

 

「そうですね、金魚とかは買っている人も多いと思いますよ。」

 

「まあ、確かに。歯科医には七割以上の確率で水槽があるよな。」

 

「そうでしょうか?」

 

「そうそう。ファインディングなんたらとか見たことあるだろ?」

 

「もうそれほぼ全部言ってますよ。それに、決めつけは良くないです。」

 

「いや絶対そうだって。歯科医には水槽多いから。」

 

「ある所もありますけど。」

 

「わっかんないかなあ。・・・・・それで、他に有名なペットは?」

 

「ええっと、ハムスターとか?」

 

「なるほど。あんまりクラスで飼ってるなんて話は聞かないが、メジャーではあるかもな。」

 

「聞かないのは、兄さんに友達が少ないからなのでは?」

 

「そ、そんなはずはない。」

 

「どもりましたね?」

 

「うるさいな。他には?」

 

「そんなにすぐには思い浮かびませんよ。兄さんはペットが飼いたいんですか?」

 

「飼いたいって訳じゃないが、いたら可愛いかもな。」

 

「そうですね・・・・・飼うとしたら、やっぱり猫ですか?」

 

「いいや、狐だね。」

 

「狐?」

 

「そ、狐。」

 

「何で狐なんですか。狐をペットにしてるなんて、それこそ聞かないですよ?」

 

「そうだけどさ。可愛いから。」

 

「お金も、珍しいのでかなり高いですよね?」

 

「でも、可愛いから。」

 

「飼育環境とかどうするんですか。私狐のことなんて何も知りませんよ?」

 

「可愛いから大丈夫だよ。」

 

「可愛いの一点張りじゃないですか。説得下手くそですね、兄さん。」

 

「いや、本当に。可愛いから。帰ったらちょっと動画やら画像やら見せてやる。」

 

「ええ・・・・・いいですよ別に・・・・・・」

 

「一回見るだけでいいからさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

タブレットPCで動画を見せた終わった後、文香は言った。

 

「狐、飼いましょう。」

 

 

 

 

結局、金額だとか様々な要因に行く手を妨害されて狐飼育計画は失敗に終わった。

 

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