Lがデスノートを拾った世界   作:梅酒24

47 / 59
47.5冊:青山なんとかは死神の生みの親

 

「一応っていうことは会えないかもとかってことですか?実は僕も会えないかも知れない相手で実は顔も連絡先も分からないのですよ」

 

「ええええっ私と一緒だぁー私も連絡先も顔も分からない相手を待っているんですよ」

 

 

「それ僕のことではないですか?」

 

「えっ新手のナンパですか?」

 

「いえ、顔も連絡先も知らないと言ってましたが、名前の事は言ってませんでした……そしてさっきツキクンモと言ってましたが、僕の名前を知っていたのではないですか?僕は月と書いてライトと読むのですが僕のことを知らないのならつきと呼んでも納得できるので」

青山の街角は、まるで物語の迷路のようだった。

 

ウィッグの下の髪が少し汗ばんで、視界に映る人々は全部、秘密を抱えているように見える。

ミサはふと自分の心臓の音に気づく。ドキリ、ドキリ、と、まるで鼓動までが探偵ごっこの演出のようだ。

 

「一応……」

 

その言葉がひっかかった。何かを隠している。そう直感する。

 

(何を隠してるのかな……?)

 

胸の奥が小さくざわついた。探偵ごっこの面白いところは、相手の嘘や秘密を嗅ぎ取る瞬間にある。

誰かを観察して、推理して、わくわくする。ドキドキする。

 

「一応っていうことは会えないかもとか……?」

 

月の声は柔らかい。だが、どこかきらりと光る探究心を帯びていた。

「実は僕も会えないかも知れない相手で、顔も連絡先も分からないんですよ」

 

ミサは思わず笑った。

「えええっ、私と一緒だぁー! 私も連絡先も顔も分からない相手を待っているんですよ」

 

 

「それ僕のことではないですか?」

 

ミサの視線が跳ねた。

「えっ、新手のナンパですか?」

 

月は首をかしげる。

「いえ、名前のことです。さっき『ツキクンモ』と言いましたが、僕の名前は『月』、ライトと読みます。もし僕のことを知らないのなら、つきと呼んでも納得できます」

 

ミサは少し赤くなった。

「えっと違います。あとライト君と読むのですね、すみません」

 

 

「僕の待ち合わせは、実はキラ事件に関する人なんです」

 

「えっ?」

 

 

月は冗談めかして聞く。

「テレビの青山、ノートをキーワードにブルーノートにキラが来るとか思ったんですか? 実はお姉さんがキラとか、そんな感じですか?」

 

ミサは小さく頷き、声を震わせた。

「えっ、えっ……そうです……キラに会えるかなぁと思って来たのですよ」

 

胸の奥がわくわくする。

探偵ごっこの謎が、少しだけ現実になった瞬間。

 

『ミサ、あまり余計なことを話さない方がいいんじゃないか?』

レムの声が頭の中に響く。

 

(そうだね……名前は分かったし、最悪また会いに行けばいい)

(ここでばいばいしても……大丈夫)

 

「ありがとうございます。私はそろそろ帰ります」

 

ミサは静かに言い残すと、青山の街に溶けていった。

金色の髪の一本が、宙でひらりと舞った。

 

その夜、ミサはパソコンの前に座った。

夜神月のことを調べる。

中学2、3年生でテニスの全国大会に出場していたこと。

東京大学をトップで合格していたこと。

 

(すごく優しかったなぁ……)

胸がぎゅっと熱くなる。

手を握られたときの力強さ、引っ張られたときの確かさ、若くてかっこいい姿。

 

(お礼を言いに行きたいな……キラにも会いたいけど……ライト君にもっと会いたいな)

 

ミサは決めた。

月の家に行く。

 

理由はひとつじゃない。

キラを崇拝したのは、あのストーカー事件のとき――心臓麻痺で相手が死んだこと。

そのとき、キラが助けてくれたと思っていた。

 

でもレムの言葉で、救ったのはジェラスという死神だったことを知った。

 

(なるほど……)

盲信する理由は小さくなった。

でも、今目の前にいる、手を握ってくれたイケメン――月――に対する興味は、確かに現実で生まれたものだった。

 

青山の街角に残る、謎めいたわくわくとドキドキ。

ミサの心は、探偵ごっこの延長のように、甘く、熱く、そして少しだけ危険に満ちていた。

「えっと違います。あとライト君と読むのですね、すみません」

 

 

「僕の待ち合わせなのは実はキラ事件に関する人なんですよね」

 

「えっ」

 

 

「テレビの青山 ノートをキーワードにブルーノートにキラが来るとか思ったとか実はお姉さんがキラであるかとかそんな感じですか?」

 

月は冗談っぽく聞いてみた。

 

「えっえっ……そうです……キラに会えるかなぁと思ってきたのですよ」

 

『ミサ、あまり余計なことを話さない方がいいんじゃないか?』

レムは心配していた。会話しているときに余計な口を挟まないで欲しいとは言われていだけどこの男は何か探りを入れているような雰囲気を感じ取っていた。

 

(そうだよね……名前は分かったし最悪また会いに行けばいいしここでばいばいする)

 

「ありがとうございます。私はそろそろ帰ります」

 

そういうと彼女は青山から姿を消した。金色の髪が1本ひらりと宙を舞った。

 

 

ミサはパソコンを利用して夜神月の情報を調べていた。

すると中学2,3年生でテニスの全国大会を行っていることや東京大学を1位合格していることなを知った。

 

「すごく優しかったなぁ……あんな風に強く手も握られ引っ張られたし若くてイケメンだし……お礼をしにいきたいな……キラにも会いたいけどライト君の方が会いたいな」

 

ミサは月の家に行くことを決意した。その理由のひとつにキラを崇拝する理由の一つがストーカーに殺されそうになったときにその相手が心臓麻痺で死亡した。このときミサはキラがしてくれたと思っていた。しかし、レムから死神の殺し方を聞いたときに自分の命を救ってくれたのはジェノスという死神であるということだった。そういう意味でキラに対する盲信は小さくなり、それよりも現実の世界で触れ合い会話をしたイケメンの月に対して興味を持っていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。