たとえ全てを忘れても 作:五朗
その日、その時、多くの人が、獣が、モンスターが、そして神が、空を仰いだ。
高く、遠く、空へと昇る黄金の光。
天と地を繋ぐ柱のようにも見えるその光を見た人々は、それが神が送還されたのだと、いや、新たなる神が降り立ったのだと口にし。
言葉を持たぬ獣は、己の心を震わせる情動のまま高らかに咆哮を上げ。
世界に散ったモンスターは、その心身をざわつかせる輝きを振り払うかのように吠え暴れ猛り狂った。
そして神々は、それが神が携わったものではないことを知っているからこそ、
様々な思惑思考行動情動が溢れ乱れ混沌とする中、唯一共通するものは―――。
それを見る者は、全てその輝きに心を奪われていた。
目映く輝いているにも関わらず、その光は柔らかく何時までも見ていられ。
圧倒される威を感じるのに、何故か近寄りがたいとは思えない。
知らないはずなのに、何処か知っているかのような。
その輝きに。
モンスターでさえ目を離せずにいた。
その日、一人の英雄が生まれた。
誰も、神々でさえ知り得ぬ中、生まれた英雄。
何時か、全てが忘れ去られたとしても、その輝きによって刻まれた世界だけは忘れない。
その日、その時、確かに新たなる
第一部 新たなる
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其れは、始まりから狂っていた
望みはなく
希望はなく
願いを受ける聖杯すらなく
ただ狂った呼び声に泥に堕ちたナニカが応え
起き上がったのは5つの器
7つに足りず
器も揃わず
主もいない
五騎の英霊
真なる暗殺者は真白の世界に惑い
偽なる暗殺者は死合を求め
燻る槍兵は燃え尽きる事を望み
堕ちた剣士は見定めるために
狂った大英雄は問いかけるため
現れたるは5つの器
願いを叶えたる聖杯はなく
されど英霊はそこにあり
行われるは英霊による争い
5度の戦争
勝利者に得るものはなく
最後に立つものが見るものは
其れは狂った聖杯戦争
外れて、狂った、歪な聖杯戦争
続いているようで続いてはおらず
始まりではなく、既に終わっている
故にそれは外れた物語
外典たる聖杯戦争
たとえ全てを忘れても
第二部 外典 聖杯戦争 編
第一章 現れたるモノ へ続く
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