この作品は以前まで投稿していた作品のリメイク版となります。
あらすじにもありますように、多少の改変があるかと思われますが、ご了承ください。
リメイク版を出す経緯としては、前のままでは進行が危うかったからです。
最後に、こんな駄作者ですみませんが、これからもよろしくお願いします。
それでは、本編をお楽しみください。
異世界に召喚されたようですよ?
「おー、桜満開じゃねえか」
春一番に吹かれながら河川敷を歩く少年、
舞い散る桜の花びらを身体中に受けつつ歩みを進めていく。
「…………眠い」
春の心地よい日差しと暖かい風に吹かれて眠気が誘発される。日頃、睡眠を十分にとっている司でさえそれには抗えなかった。
司は河川敷に生い茂っている芝生の上に寝転がり、眠そうに欠伸をする。
「少し寝るか」
そう呟いて目を閉じる。現在、ここには人っ子一人おらず、閑散としていた。そのため、司は大胆にもこうして寝ようとしているのだ。司は、人がいるのに寝転がるような非常識的な人ではない。かといって、出来た人間でもないが。
「あー………平和だ」
心底リラックスしているのか、気持ち良さそうな顔で呟く。
司の意識が微睡みの中に埋もれ、睡魔に身を任せて本格的に寝ようとしていた時だった。
パサリ、と司の顔に何かが落ちてきた。
「んぁ?」
司は顔に被さった物を手で持ち上げ、上体を起こす。
落ちてきた物を確認すると、それは封書だった。表には何も書かれておらず、裏に達筆な字で『神野司様』と書かれてあった。
「これは……俺宛?一体誰から」
司は入念に封書を確認するが、司の氏名以外は何も書かれていなかった。
訝しそうにどこかから落ちてきたであろう封書を見ながら、司は首を傾げる。
「これはなんだ、気になるなら中身を見ろってことか?」
うん、そうに違いないと結論付けて封書の封を切った。
だが、それが新たな世界への入り口だと、司は知らない。
封を開けて出てきたのは一枚の紙だった。そこには、世にも奇妙な文章が書かれていた。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』
「あ?どういう事だこれ」
意味不明な文面に顔を顰める司。誰でもこんな文面の手紙がいきなり送りつけられでもしたら、司みたいな反応をするだろう。
司は何かあるとは思っていたが、全く何も起きないため溜息をついてその手紙を放り投げようとしていた。
川に向かって手紙を投げようとしたその瞬間、手紙から眩い光が放たれる。
「な、なんだ!?」
突然の事に狼狽える司。その光は衰える事なく、徐々に強さを増していく。そして司の視界を眩い白色で染め上げる。
光が収まった時には、河川敷にいたはずの司は、荷物だけを残して跡形もなく消えていた。
*****
side 神野司
皆様どうも、神野司です。俺は先程、物凄く怪しい手紙を受け取りました。その手紙の中身が気になったのでとりあえず封を切って手紙の内容を読みました。するとどうでしょう。辺り一帯は光が満ちて視界が奪われたのです。
まあそんな事は置いておこう。それよりも、だ。
「どうしてこうなった………」
俺は、感じた事もない浮遊感と豪風を受けつつそんな事を呟く。
さっきの話の最終的な結果を言おう。光が収まったと思ったら上空数千メートルのところに放り出されました。
……とりあえずここに俺たちを召喚したやつ見つけたら一発ぐらい殴ってやろう。
投げやりになった俺は、下に見える湖に着水する前に周りを見る。すると、俺と同じ境遇の少年少女が俺を除いて三人、あとバタバタと手足をせわしなく動かしている猫が一匹。何故そうなっているかは俺と同じ理由だろう。
そして、それを確認した直後、ドボンというなんとも綺麗?な音を立てて着水する。その際、何か膜のような物にぶつかった様な気がした。衝撃を吸収した様な、そんな感じの。
兎も角、あの数千メートルの位置から落下して生きているのだ。それだけでも十分だろう。だが、
「………ここはどこだ」
俺は湖の水面に顔を出して呟く。
全く知らない土地、生い茂る木々、透き通った湖。こんな場所は日本には、いや世界にはなかった様な気がする。こんないかにも理想的な自然というものはそうそうお目にはかかれない。それに、温暖化が進む地球でこんな場所があるとは思えない。
という事は、あれか。ライトノベルとかにもよくある"異世界召喚"ってやつか。
俺はとりあえず、いつまでも水に浸かっていては仕方がないので地上へと上がる。
すでに上がっていた他の三人は服を絞ったりしていた。
「全く信じられないわ。いきなり上空に放り出すなんて」
「右同じだくそったれ。一歩間違えたらゲームオーバーだぜこれ。石の中の方がまだマシだ」
「…………い、いえ、石の中では動けないでしょう?」
「俺は動ける」
「そう、身勝手ね」
金髪のヘッドホン学ラン少年と清楚そうな黒髪ロングの少女は何故か睨み合っていた。背後に虎と龍が見えるのは気のせいだろう。
一方、そんなものを気にする事もなく、猫を撫でている茶髪ノースリーブ少女がいた。いたって無表情で猫を撫で回している。
この場にいる奴ら全員を表現できるいい言葉がある。
自由。もうただそれだけだった。
というかお前らはこんな所にいきなり召び出された事に驚かないのか。………まあ俺も驚いてないけど。
兎に角、あの二人の言い争いが終わらないと話が進みそうにないので、俺は服の水分を絞り出す作業に移った。
木々が生い茂っている方にある、茂みの中から視線を感じながら。
とりあえず、言い争いが終わったら言ってみるか。
side 神野司 out
*****
池から岸へと上がった四人を茂みから見ている人物がいた。
頭には耳を生やし、バニーガールの様な服装を身につけている少女だった。
その少女は四人を見て顔を引きつらせていた。
「な、なんですかあのフリーダム四人衆は……。本当にあの方々が人類最高のギフト保持者なのでしょうか……?」
そんな不安を脳裏によぎらせつつ、少女の視線は一人の少年へと向ける。
地面に座り込み、二人の男女の言い合いを呆然と見ている紺のパーカーを着た黒髪の少年だった。
少女は、その少年にどこか見覚えがあった。何時、何処で、と問われれば答える事はできないが。
(あの男の人……何処かで見た事がある様な………、まあそんなはずありませんよね)
そう脳内で結論付けて、少女は未だ自由にしている四人の観察を続けるのだった。
すみません、前と書き方が違うかもしれません。
少しの間はこの書き方で行かせていただこうと思います。
それでは。
感想、評価、指摘などもお待ちしております。