炎の憑依者も異世界から来るそうですよ?   作:夜明けの月

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いやぁ、お久しぶりですね。何ヶ月ぶりだろう………。
試験勉強の合間に書いてたんですが、なんか前と書き方違うような気がするんですよね。気のせいですかね?

では、前書きはこの辺りにして、本編をお楽しみください!


規格外達が殴り込みに行くそうですよ?

レティシアを攫われたのを目の前で目撃した"ノーネーム"の一行は、攫っていったコミュニティ"ペルセウス"のリーダーが"サウザンドアイズ"の幹部と聞いて殴り込みに行っていた(向かっていた)

 

「で、先輩置いてきてよかったんですか?」

 

「いや、あんな怪我人連れて行けるわけねぇだろ。それに、司のことだ。あの金髪美少女を連れ去った奴らとまともに話できるはずがない」

 

司のことを今のところ一番よく知る英太が真顔で言うと、それに納得したように頷く。

 

それを聞くと十六夜はへぇ、と声をあげる。

 

「司ってそんなに正義強いのか?」

 

「……いやぁ、正義強いというかなんというか……。道理にかなってないことやるやつには容赦ないというか……」

 

「沸きらねぇな。具体的に言うとなんなんだ?」

 

「……………愛里紗頼む。俺は言いたくねぇ、というか思い出したくねぇ………」

 

十六夜に問われると顔色を悪くして十六夜から視線をそらす英太。それを見てため息をついて仕方なくといったように愛里紗は答える。

 

「わかりやすく言うとですね、鬼神が降臨します」

 

「は?」

 

「だから、そこに鬼神が現れるんです。極悪非道な悪魔でもお顔真っ青の」

 

「…………すまん、よく分からんのだが」

 

「一緒のコミュニティにいるならいつか見ることできますよ」

 

愛里紗がそう言って話を切り上げると、十六夜と黒ウサギにとって見覚えのある建物が見えてきた。

 

そこ、"サウザンドアイズ"の支店の軒先には先日、黒ウサギ達の入店を断った割烹着を着た女性が立っていた。

 

「お待ちしておりました皆さん」

 

十六夜達が彼女の前まで来ると、割烹着の女性は丁寧な口調でお辞儀をしてくる。先日との態度の変わりように黒ウサギは内心で小首を傾げる。

 

「先日と対応が全く違うのですが」

 

「……今は状況が違いますから」

 

よく見ると、女性は少々げっそりしており、以前みたいなことを言うような余力は残っていないらしい。

 

「中にお入りください。おそらく、あなた方が探している人がいるはずです」

 

「すんなり通すんだな」

 

「さっきも言ったように状況が違います。………後はお願いします」

 

力なく頭を下げる割烹着の女性を一瞥して一行は中に入っていった。

 

 

 

 

******

 

 

 

 

「うわぉ!月の兎じゃん!初めて見たよ」

 

白夜叉の部屋へと行くと、そこには金髪でチャラそうな男があぐらをかいて座っていた。黒ウサギを見て下品な笑みを浮かべる男を見るや否や、愛里紗の目つきが鋭くなり、目の前の男を敵とみなしてペンダントを銃に変換して構えようとするが、英太がそれを諌める。

 

「なんじゃおんしら。こやつに何か用なのか?」

 

「はい。少しばかり用がありまして」

 

白夜叉が神妙な顔で発した問いに黒ウサギば淡々と答える。

 

その後、白夜叉に言われ、一行は金髪の男の目の前に並んで座る。

 

「こやつは"ペルセウス"のリーダーであるルイオス・ペルセウスだ。知らんと思ったからとりあえず行っておくぞ」

 

白谷者がそう言った途端、愛里紗と黒ウサギの目つきが鋭利になる。だが、そんなことはどこ吹く風、ルイオスは黒ウサギの全身を見ながら、

 

「君可愛いね。"ノーネーム"なんかじゃ肩身がせまいでしょ?うちに来なよ。そしたら三食首輪付きで可愛がってあげるぜ?」

 

下卑た笑みを浮かべながら女性陣にとっては最低最悪の言葉を投げかけるルイオス。

 

当然、そんなことが受け入れられるわけもなく、

 

「お断りです。礼節も知らぬ殿方に肌を見せる気はございません」

 

そっぽを向いて黒ウサギは拒否する。それに続いて十六夜と英太が声を上げる。

 

「残念だったな。黒ウサギは俺たちの愛玩動物(もの)だ」

 

「そうですそうです。黒ウサギは十六夜さんたちの………って何かおかしくありませんか!?」

 

「そうだ。黒ウサギの足やら諸々は司のものだ」

 

「そうですそうです。黒ウサギの足やら諸々は司さんのってなに言わせるんですか!?」

 

十六夜のふざけた受け答えに英太が真剣な表情で連続でボケをかましていく。それに続いて白夜叉ですらもボケていく。

 

「よかろう。それらすべて言い値で買おう!」

 

「売・り・ま・せ・ん!!真剣な話をしに来たはずなのに、なぜ黒ウサギがこんなに怒らなければならないのですか!」

 

「馬鹿だなぁ。怒らせてんだよ」

 

「このお馬鹿様ぁぁぁぁああああ!!」

 

スパパァーン!と凄まじい音を立てながら十六夜と英太の頭を叩いていく黒ウサギ。それをルイオスは爆笑しながら見ていた。

 

「ハハッ!何お前ら、お笑いコミュニティでも目指してるの?」

 

「そうではありません!それに今日はこんな話をしに来たのではありません!」

 

「へぇ、じゃあどんな話?」

 

黒ウサギの言葉に目を細めニヤリと口角を歪めるルイオスに、黒ウサギは本題を切り出した。

 

「あなたが捉えている私たちの元同志、レティシア様を取り返したいのです」

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

コミュニティに残されていた司は、爆音が鳴り響いた時に過度に反応して体を動かしたため、その痛みで動けずに黒ウサギにおいて行かれていた。そして黒ウサギ達が"サウザンドアイズ"目指して出発した頃、静かに寝息を立てていたのだが、足音が聞こえ、司は目をさます。誰かが部屋の近くに来たのだろう、ともう一眠りしようとしたところに声がかかる。

 

「……司君、大丈夫?」

 

「…………………」

 

声が聞こえた方を見るとそこには心配そうに司を見る飛鳥と申し訳なさそうな耀がいた。

 

「………あぁ、飛鳥と耀か。大丈夫大丈夫、ちょっと全身が痛いだけだから」

 

「それって大丈夫じゃないわよね?」

 

「まぁ、そんなことは置いておくとして、さっきの爆音はなんなんだ?」

 

「私たちも知らないわ。その代わりと言ってはなんだけど、黒ウサギ達がいなくなってるということだけは分かるのよね」

 

それを聞くや否や、司はある程度推測する。黒ウサギや十六夜ですら雨後なければならないような事態に見舞われてしまったのだと。

 

司がそう推測し終わったその時、部屋に入ってきて一言も喋らなかった耀が口を開いた。

 

「…………ごめん、司」

 

「何が?」

 

「その………この前の…………」

 

司の問いに消え入るような声で答える耀。『この前』というフレーズで、その時のことか、と司は思い至った。

 

「あの時のことは気にしなくていいぞ。俺が勝手にやったことだし」

 

「でもっ……!私のせいで、司は……司は…………っ!」

 

俯いて湿った声を絞り出す。垂れ下がった髪の隙間から光る雫が床に落ちる。

 

飛鳥はどうすればいいかよくわからず、オロオロと狼狽えている。司は真剣な顔で耀に言った。

 

「なら、別に気にしろとは言わない。だけど、それはお前のせいだけじゃない。俺にも至らないとこもあったし、あれ以外に案が思い浮かばなかったのもこっちに非がある」

 

「そんなことないっ!私がもっと考えていれば………!」

 

「考えたとしてもいずれは誰かが囮にならなきゃ全滅してた。まぁ、消去法で俺が囮になったってわけだが」

 

「だったら私がしても良かったじゃない!」

 

「女の子を囮にして一人残して逃げるような人間には俺はなりたくないな」

 

「でも……でも………っ!!」

 

「……………はぁ、埒があかない。もうこの問題は終わりだ!異論は認めん!」

 

「納得いかない!」

 

「納得しろ!……だからって無条件というわけじゃない。条件がある」

 

「条件?」

 

「貸し一つ、それでこの話は終わりだ。いいな?」

 

「………………………うん」

 

腑に落ちないといったように口をつぐむ耀。話がひと段落して、司はため息を吐く。耀が話し始めた瞬間から蚊帳の外だった飛鳥は不機嫌そうだが、咳払いして切り替え、話を変える。

 

「で、話が終わったのならいいのだけど、私たちはどうしたらいいのかしら?」

 

「そうは言われましてもねぇ……。黒ウサギも十六夜もいないんだろ?ならあいつら帰ってくるまで待たなきゃいけないんじゃないのか?」

 

「……うん、そうだね。英太もいないしね」

 

「そうね。あと久城さんと雪城君もいないし」

 

耀と飛鳥の発言に司は顔をしかめる。聞き覚えのある名前が三つも出てきて、かつこの世界にいるはずのない人の名前が出てきたらそうなるだろう。

 

「ちょっと待て。誰だそいつら」

 

「あぁ、司君が気を失ってる時だったものね、私たちが彼らと会ったの」

 

「司なら知ってると思う。篠宮英太って人とその後輩らしいんだけどーーー」

 

『篠宮英太』と聞いた途端、司の脳裏にはある顔が浮かんだ。何があっても飄々としており、楽しいこと大好きの快楽主義者の顔が。

 

そして、それに続いて司の後輩である先輩に向かって平気に毒舌を吐く少女と寡黙な少年の顔も浮かび上がってくる。

 

その次の瞬間、司は無意識のうちにベッドを降りようと体を起こしていた。それを察したのか、耀が傷口が開かない程度の力で押さえつける。

 

「司、寝てなきゃだめっ!」

 

「ーーーーーはっ!?あ、ああ、すまん………」

 

「どうしたの司君。ものすごい間抜けの顔をしてたわよ?」

 

「そうなのか……」

 

飛鳥の毒舌に似たような言葉に空返事を返す。

 

司は、まともな返事ができないほど、ある疑問に思考の全てを奪われていた。

 

『なぜ、あいつがここにいるのか?』

 

おそらく予想できる答えではないと想定し、顔をしかめながらため息をつくのだった。

 

 

 




いつになったら一章を終えられるのか………。
とりあえず、これからは勉強の合間に適度に書いていきます。

では、次回もお楽しみに!

感想、評価、指摘などお待ちしております。
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