受験勉強はキツかったですが、大学生活もそこそこきついものになりそうです。主に通学で。
……朝5時半過ぎに起きてそこから電車に乗るって……睡眠不足になることは確定ですねはい。
それと、今回活動報告出してからこれをあげるのに時間がかかかったのには二つ理由があります。一つ目は……ゲームをバカみたいにしまくってた僕の責任ですかね。
携帯買ってからと言うもの、スマホゲーム→PSVita→スマホゲームとサイクルしてたものですから。
二つ目は、今までiPodで執筆していたのですが、そのデータが……完全に吹っ飛びまして。今まで暇なときに書いてたオリジナル作品も完璧に消えました。あれは投稿しないつもりだったのでよかったのですが……、途中まで書いてた癒術師と憑依者のが消えたのが痛かったです……。
これからはなるべく、できるだけ早く投稿するように努力します。
長々と話してしまってすみません。
では、本編へどうぞ。
コミュニティ"ペルセウス"と交渉が決裂して三日、飛鳥と耀の二人は本拠の廊下を歩いていた。
「あの二人、本当にどこに行ったんだろうね?」
「全く……何かするなら私たちも誘ってくれてもいいはずなのに……。どうしてなのかしら」
「私たちじゃ力不足……だから?」
「それは……まあないことはないけど」
彼女達は"ペルセウス"との交渉以来、謹慎処分となっている黒ウサギの部屋へと向かいなが愚痴をこぼしていた。
耀の言う通り、交渉した夜から英太、十六夜の二人が行方不明となっており、コミュニティの誰もその居場所を知らない。
その事実にため息を吐いた飛鳥は前から来る気配に顔を上げる。とそこには欠伸をしながら歩いてくる司がいた。
「あら、司くんじゃない。どうしたのこんなところで」
「黒ウサギを鑑s………見g………見舞いに」
「あなた結構口滑らせたわよね?しかも、その文面だと誰かに黒ウサギを見舞うとなって、黒ウサギで誰かを攻撃するみたいになるのだけれど」
「………ぶっちゃけ本心は?」
「単なる暇つぶし」
「「だよね、分かってた」」
二人と目的が被っていた司は同行し、黒ウサギの部屋の前に着く。
飛鳥が控えめなノックをして部屋の中にいる黒ウサギに問いかける。
「黒ウサギ、いるかしら?」
『この部屋には何もいませんし、それに鍵もかかってますし、黒ウサギというウサギもいませんよ〜』
「これ入ってきていいってことよね?」
「そうじゃないかな」
「なら…………ってあら、本当に鍵がかかってるわね」
「うーん、どうしよう……これ」
飛鳥がガチャガチャとドアノブを回す。が、鍵がかかっているため扉はビクともしない。
司はイヤな予感がして二人を止めようとするがーーー
『分かりました分かりました、今開けますから。もう、二人も女性なのですから少しはオブラートにーーー』
「なら突き破るしかないわね」
「そうだね、遠慮なくやっちゃおう」
耀が足を振り上げてドアを蹴ると、轟音とともにドアがくの字に折れ曲り、黒ウサギの前に着地する。
「オブラァァァァァァァァトッ!!」
「「黒ウサギ煩い」」
「はぁ………やっぱりこうなるか」
目に見えたことが現実になり頭を抱える司は二人に続いて部屋の中に入る。
黒ウサギの部屋の中は意外と整理整頓されており、少々女の子らしい部屋だった。
「司、何キョロキョロしてるの?」
「え、あ、いや別に」
耀が首を傾げて問うが、そっぽを向いて何でもなさそうに答える司。
耀はそれが気になり、どうにかして問い詰めようとしたのだが、
「それで、こんなバイオレンスな登場の仕方をしたのですから何か用があるのですよねなければこんなことしませんもんね!」
(……言えない、俺はただの暇つぶしできたなんて言えない)
内心焦りながら素知らぬ風に装うが、さすがは問題児でーーー
「「そこの司君は暇つぶしできたそうです」」
「売りやがったなこの悪女共!!」
「「〜〜〜〜♪」」
司が抗議の目を向けるが、明後日の方向を向いて口笛を吹き始める二人。飛鳥に至っては口笛と呼べるかどうか怪しいものになっている。
司は顔をそらしている二人にどうにかして糾弾するため、一歩踏み出したところで肩に手が置かれる。
「………本当なんですか司さん?」
「へ…………?」
「ホントウナンデスカ?」
(あぁ……これは終わったな)
黒ウサギ(激怒)を前に逃げたり言い逃れはできないだろうと悟った司は、がっくりと肩を落とした。
(少年説教中……)
「結局、飛鳥さんたちのせいじゃないですか!!」
「「ふっ、騙された方が悪い」」
「お二人は後で覚悟しておいてください」
「「えー………」」
「イ イ デ ス ネ ?」
「「い、イエス……マム」」
一通り説教が終わると、司からの事情を聞いて最終的に一番の悪がわかった黒ウサギは矛先を司から飛鳥と耀に向ける。
それから数分後、ようやく怒りが収まったのか興奮して桃色になっていた髪の毛やウサ耳はすっかり薄い青色になっている。
「それで、ここにきた本当の理由は何なのですか?司さんはいいとして、お二方には聞いてないのですが」
「ここに来る原因となったのはこれよ」
飛鳥がある一点を指差す。そこにはどこから出したのか、薄いピンク色の小さな小包があった。
「年長の子達がね、『これで黒ウサギのお姉ちゃんと仲直りしてください!』って頼んできたのよ」
「……こっちが決めかねてると、半泣きになって……もう断れるという雰囲気ではなかった」
「あれを断れるのは鬼か悪魔くらいだわ」
「……そんなことがあったのですか」
「といっても、私たちは黒ウサギとは喧嘩なんてしていないもの。でも、あの場で断ったらあの子達が泣き出してたはずだから」
「こうしてここにきたってわけ」
やれやれ、と首を横に降る二人から司は目をそらす。つい先ほど喧嘩をしていないと言ったくせに、喧嘩になるような火種もとい説教の元を生み出したことに。
黒ウサギはそんなことをおそらく気にせず、バツが悪そうに顔が曇る。
「あの子達には心配をかけさせましたね……。でも、黒ウサギは大丈夫です」
来た時よりも穏やかになったように見える表情で微笑む。飛鳥と耀もそれを見て満足そうに顔を見合わせる。
「レティシア様を取り戻す機会はまだありますから!あ、でももう自分を売るような真似はしませんよ?今度はもっと正攻法でーーー」
「「黒ウサギ、何を言ってるの?」」
「はぇ?」
黒ウサギが拳を握り、自分を犠牲にせずに戦うことを決意したにも関わらず、二人して何を言っているのかわかりませんと言いたげな顔で首を傾げる。呆気にとられた黒ウサギは気の抜けた声を出して固まる。
二人がこんなところでレティシアを諦めるとは思ってはいない司だったが、数%でも可能性がないとは言い切れない。一体どういうことか聞こうとすると、
「「誰が一旦引き下がるなんて言ったの?」」
「……え、いや、え!?」
案の定、諦めていない飛鳥と耀を見てホッとする。司も愛里紗から話を聞き、黒ウサギを交換条件に持って来たことに憤りを感じていた。
「二人の意見には賛成だ。そもそも、そんなクズを許すほどを俺は出来た人間じゃない」
「さすが司、分かってる」
「英太君に鬼、悪魔って呼ばれるだけはあるわね」
「あいつ……んなこと言ってたのか……」
あとで締めてやろうか、と考える司を尻目に飛鳥達は話を進める。
「諦めないとは言ったものの、どうやってレティシアを取り返しましょうか」
「まぁ、その辺の知識は全然ないからね私たち」
「そうね。そこで貴女の出番よ、黒ウサギ」
「ほぇ?なぜ黒ウサギなのです?」
いきなり矛先を向けられて目を点にする黒ウサギ。司は大体の魂胆を理解し、呆れる。
「なるほどね……だからここに来たと」
「流石は司、理解が早い」
「誰でもわかるっての」
「な、何をそちらで理解しているのですか!黒ウサギにもわかるように教えてください!」
「簡単にいうと、『知識のある黒ウサギを頼ろうぜ!』ってこと」
「なぁんだそんなこと………って結局人任せじゃないですか!!」
「「気にしない気にしない」」
「ええそうですね!ってなるわけないでしょう!」
黒ウサギも本調子まで戻ったらしく、二人と騒いでいる光景を司は苦笑いで眺める。
だが、『ペルセウス』の逸話は司も知ってはいるのだが、どうギフトゲームを挑んでよいかは分からず、飛鳥達を叱っている黒ウサギに声をかけようとした時、
「せ、先輩〜……どこですか〜……」
どこか疲れたような声が遠くから聞こえて来た。おそらくそこそこ大きな声を出しているのだろうが、黒ウサギの声に打ち消され、かすかに聞こえる程度の声量になっている。
司は疑問に思い、廊下に出ようとした。
「「破壊は芸術だァァァァ!!」」
だが、突如としてドアの横の壁が
「………………………は?」
流石の奇想天外な光景に司や他の三人の動きが完全に止まる。
爆発の余波で立ち込めていた土煙は次第に晴れ、晴れた先に立っていたのは、
「よっ、なんだ女子会か?」
「十六夜よ。それなら司も女子ということになるぞ?」
「四捨五入すりゃ女みたいなもんだろ司は」
「なら仕方ないな!」
「「ヤハハハハハハ!!」」
司は酷い頭痛に襲われた気がして頭を押さえる。
「……いやもう皆まで聞く気は無いけどさ……、もうちょっとマシな登場の仕方があるだろうが」
「なら吹き飛ばせばよかったか?」
「いや、十六夜違う違う。消し飛ばした方が面白いだろう!」
「それだっ!」
「……うんもうね、俺がお前らのおめでたい頭を消し飛ばしたいよホント」
怒りを通り越して呆れさえ覚える司は、まともに相手をするのも疲れると感じ、早々に話を切り上げる。
二人が奇天烈な登場を果たしてすぐ後に血相を変えた愛里紗が部屋に飛び込んでくる。
「ふ、二人共何やってるんですか!?」
「「爆発四散」」
「本当に何やってんです!?」
「……とりあえず愛里紗落ち着け。話がややこしくなる」
肩で息をしながら混乱する愛里紗の肩を押さえてなんとか落ち着かせる。
ちなみに、飛鳥と耀は思考回路が回復したようで、いつものように振る舞っているが、黒ウサギはしくしくと泣いている。
愛里紗は息が整うと、大きく息を吐いて問題児二人を半眼で睨む。
「あなた達は何がしたいんですか全く……」
「この世をカオスで染め上げる」
「それは違うな英太。この世を
「なるほど……!」
「「とりあえず一旦落ち着いて正座してくれる(ます)?」」
「冗談だよ冗談。だからそんな物騒なものはしまってくれるとありがたいなぁ……と思うんですけど」
「銃弾やナイフくらいなら避けれるぞ」
「十六夜よ、俺は避けられんのだが?」
「南無三」
「あれ、死ぬこと前提!?」
「茶番やってないでさっさと話してくれるかしら?」
二人の演技に飽き始めたのか、飛鳥は少々イラついた表情で言う。耀に至ってはうたた寝をし始めている。
やれやれ、といった様子で十六夜と英太は何かを床に放り投げる。
それは、風呂敷包みだった。
「なに……これ?」
「戦利品。まあ、開ければわかるぜ」
「黒ウサギあたりは腰抜かすんじゃねえの?」
「あなた達の登場の仕方で腰を抜かすどころでは無いのですが!?」
髪が緋色になり、早口でまくしたてる黒ウサギ。どうやら完全に堪忍袋の尾が切れたようだ。
黒ウサギが十六夜達を叱っているのをよそ目に、飛鳥は放り投げられた風呂敷包みを開く。
そこには赤と青の球体があった。
「……なんなのかしら。水晶?」
「……ん、紋様みたいなのがある」
眠そうに目を開ける耀が指差した場所には瞳のような紋様が刻まれてあった。
二人を叱っていた黒ウサギは、ハッとしてその球体に目を移す。
「こ、これは……ペルセウスへの挑戦権!?一体どこで!?」
「ん、これか?イカとババア倒したら手に入ったぜ」
「イカは十六夜が圧殺、ババアに至っては登場した瞬間に消し炭になってもらった」
「そ、そんな……並大抵の人間じゃクリアできないはずなのに……」
黒ウサギは戦慄する。自分はこんな規格外な人間を呼んでしまったのかと。そして、同時に期待する。この人たちならば……、自分の願いを叶えてくれるのではないか、と。
「そんなものがあったの?」
「あぁ、意外に楽しかったぜ」
「へぇ……そうなの」
飛鳥は不意に立ち上がり、英太の頰をつねる。
「いっ!?」
「なら今度からは私たちも誘いなさい。いいわね?」
「わ、分かった!分かったから離せ!地味に痛い!」
「……反省するまでは離さないから」
拗ねたような、イラついたように取れる口調で言い放ちながら英太の頬をつねることをやめない飛鳥。
十六夜と耀はニヤニヤと笑いながらその光景を眺め、黒ウサギは呆然としている。
それらを見ながら司は
(こんなんで勝てんのか……)
と不安を感じるのであった。
いつもに増して文が酷いのは……結構長い期間をあけたのでご容赦ください。
これから元の位置まで戻ればいいのですが……戻りますかねぇ……。
何はともかく、これからもよろしくお願いします。
では、次回もお楽しみに!
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