炎の憑依者も異世界から来るそうですよ?   作:夜明けの月

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サブタイトルと本文があってるかよくわかりません。

それはさておき、大学生活始まりました。
もう通学がきついのなんの……。駅からは自転車通学に変えたのですが……学校が山だから坂道を押して登るのがきついですし……慣れるまでずっと疲れそうです……。
なので、おそらく更新速度は上がります。電車に乗ってる時間が1時間くらいあるので。
これが結構捗るんですよね……。

とまあ長話は置いておきまして。本編へどうぞ!



ゲーム開始はやはりカオスになってしまうそうですよ?

司達は英太達が帰って来て、コミュニティ"ペルセウス"へのゲームの参加権とされる水晶のようなものを持ってルイオスの元へと向かった。

 

その結果、ルイオスはその挑戦を受けざるを得ない状況になり、ゲームへの参加を渋々といった風に承諾した。

 

そして、司達はルイオスが用意したゲーム盤の白亜の宮殿の前にいた。

 

「はぁ……でっかいな……」

 

「ほぇぇ……そうですねぇ……」

 

「おいそこ二人、見惚れてないでさっさと作戦会議するぞ」

 

あまりにも巨大な宮殿を前に、司と黒ウサギは感嘆の息を漏らす。それを見咎めた英太はあろうことか真面目な表情で『作戦会議』と言い始めた。

 

「手始めにギフトゲーム内容を確認するとするか」

 

『ギフトゲーム名 "FAIRYTALE in PERSEUS

 

・プレイヤー一覧

逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

神野 司

篠宮 英太

九條 愛里紗

雪城 満

 

・"ノーネーム"ゲームマスター ジン=ラッセル

・"ペルセウス"ゲームマスター ルイオス=ペルセウス

 

・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒

・敗北条件 プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。

プレイヤー側のゲームマスターの失格。

プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

・舞台詳細・ルール

*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。

*ホスト側の参加者は最奥には入ってはならない。

*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはならない(・・・・・・・・・・・)

*姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。

*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行することはできる。

*"ペルセウス"側のゲームマスターが承諾した時のみ、第三者の介入を許可する。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。

  "ペルセウス"印』

 

"契約書類"に目を通す司達だったが、ある項目で全員の目が止まる。

 

「……おいこれどう考えても不平等だよな」

 

「ジン君的にはどうなのかしら?」

 

「………限りなく黒に近いグレーですね。でも結局、僕らはルールの決定権を丸投げしてしまったわけですから」

 

「英太があんなことさえ言わなけりゃ、な……」

 

「本当にそうですよ。なにが『どんなゲームでもテメェみたいな七光りに負けるかよバーカ』ですか。とんでもない条件つけられてるじゃないですか」

 

「お、俺だってこんなのが着くとは思ってなかったんだよ!!」

 

「今はこんなのを心配している場合じゃない。必要なのは作戦」

 

一つの項目に注目しすぎて話が進んでいなかった一同に耀が軌道修正を促す。

が、作戦を組むにもあのルールがあるだけで作戦を立てるのが困難だと司は気づいているので、どうするかと悩んだ時だった。

今まで沈黙を貫いて来た十六夜が唐突に言い出した。

 

「お嬢様とお姫様は囮役、春日部と英太はあるであろう不可視のギフトの確保役、んで、俺と司、満がボス戦役ってのでどうだ?」

 

「ほぉ……、何で俺がギフト確保なのか理由を述べてもらおうか」

 

「春日部は耳がいい……ってだけじゃないだろ。おそらく五感全部がいいはずだ。それを利用する。で、英太の場合は前に"ノーネーム"の本拠に"ペルセウス"の連中が来てる時にお前は『見える』と言った。違うか?」

 

「確かに言ったが……ああ、そゆこと」

 

「一体全体どういうことなんですか?」

 

愛里紗と黒うさぎが首を傾げているが、その他のメンバーは先ほどの話の顛末が理解できたのか、なにも聞かず、その配役が妥当だと感じている。約1名ほど納得いっていない者もいるようだが。

 

「簡単にいうとだな、おそらく透明化であるギフトを相手が使っているかもしれないということだ」

 

「肉眼じゃ不可視になってたら、こっちは気づく間も無くゲームオーバーってこと」

 

「なるほどです。……なら能力的にその配役がベストですね。満なら司先輩とでしたらコンビネーションは取れますし」

 

「そうだな。じゃあ、一つ懸念はあるがゲーム始めるか」

 

作戦会議が終わり、九人は白亜の宮殿の入り口を見る。が、そこにはドアノブもなにもなく、ただ門が閉じているだけだった。

 

「それにしてもこれ、ドアノブないですね。どうやって開けるんだろ?」

 

「九條、それは多分先輩らが知ってると思うよ」

 

「はへ?」

 

愛里紗が門から背後に視線を移すと、そこには何かやらかす気満々の笑みで笑う十六夜がいた。

 

「門って割と開けるのは簡単なんだぜ?」

 

「へ、へぇ……。じゃ、じゃあ参考までに見せてもらっても……?」

 

「そんなのーーーーーー」

 

門の前で立ち止まり、十六夜は構えを取る。すると、十六夜の拳が輝き始め、幾何学的な模様を腕に宿す。

そこで、司は血相を変えて叫ぶ。

 

「二人とも、そこ離れろ!」

 

「「え?」」

 

「ぶっ壊すに決まってんだろうが!!」

 

十六夜は拳を振りかぶり、門を殴りつける。その瞬間、門全体に魔法陣のようなものが浮かび上がり眩い光が満ちたと思えば、凄まじい轟音が鳴り響く。

その光が収まる頃には、門のあった場所は円形にくり抜かれ、その一直線上はなにもなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、ななな…………」

 

「……………」

 

「う、嘘ぉ………」

 

「これは……また派手にやったわね」

 

「……十六夜らしいね」

 

「……うん、与えた身で言うのおかしいと思うんだけどさ、敢えて言わせてもらう。与える魔法間違えたわこれ」

 

「ちなみに何を?」

 

「えーっと……極壊魔法ってやつ。破壊系の魔法の詰め合わせみないな……」

 

「……これ今から起きるのって一方的な虐殺劇なんじゃ」

 

「言うな。俺自身後悔してんだよ」

 

三者三様な反応を取る八人だったが、それを気にせず十六夜は上機嫌で高笑いする。

 

「ヤハハハハ!最高だねこの感覚!そんじゃ、作戦通り行くか!」

 

『この状況で作戦通り行くとでも!?』

 

始めて十六夜以外のメンバーの心が一つになった瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「というか、逆廻先輩」

 

「なんだ?」

 

「お姫様って私のことですか?」

 

「あー……、まあなんとなくお前の態度が我儘なお姫様に見えたんでな。あんま気にすんな」

 

「あ、いえ……別に気にしてはないですけど」

 

「ん?なんか言ったか?」

 

「いえ、別に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE 飛鳥

 

私としては不服なこのゲームでの配役の囮をしているのだけれどーーーー

 

「貴女強すぎるのよ……」

 

「へ?」

 

くるりと振り返るのは九條愛里紗さん。実を言うと、十六夜君が起こした轟音できた衛兵らの全てを彼女が倒してしまった。

私はと言うと、危なっかしい彼女の戦い方にハラハラしながら彼女を襲わんとする攻撃から守った程度。不服だと言うのにもかかわらず、なんの役にもたってないという体たらくぶり。

正直言わせてもらうと、私がここにいる意味がないと思う。

そう思ってくるとかなり凹む。あの似非紳士の時だって、結局は春日部さんのおかげで勝てたようなものだし。

 

「あの……久遠さんって何歳なんです?」

 

「………唐突に何かしら」

 

「いえ、何か雰囲気が似てたような気がしたので。もしかして同い年かと思いまして」

 

「今は14……だったはずよ」

 

「なら同じくらいですね!あ……同い年に敬語使うのはおかしいか」

 

「そこら辺は気にしないから好きに呼んでくれて構わないわよ」

 

「なら、改めてよろしく飛鳥ちゃん!」

 

ニッと笑みを飛鳥に見せる愛里紗さんに私は罪悪感が募る。こんな足手まといがいてもいいのだろうか、と。

すると彼女は私の隣で腰を下ろす。ゲーム中に休むのはおかしいが、おそらくほとんどの敵を倒したためこのフロアには敵がいない。

だからと言って警戒心を完全になくすわけにはいかないけれど。

 

「飛鳥ちゃん……いや、あーちゃんってさ」

 

「あ、あーちゃん……?」

 

「飛鳥だからあーちゃん、でしょ?」

 

「……もうそれでいいわ」

 

「じゃ、話し続けるよ。あーちゃん、推測で言うけど、自分の力に自信持ってないでしょ」

 

つい先ほど思っていたことを言われ、ドキッとするが、内心の焦りを悟られないようになんでもなさそうに答える。

 

「そんなこと、思ってないわよ」

 

「さっきだって、私に戦闘を任せて補助に回ってた。その後反撃すればいいのにせずに、私の補助ばかりをし続けた。で、自分は足手まといだとか勝手に決めつけてる。違う?」

 

「うぐっ………」

 

痛いところを突かれ、言葉に詰まるしかない私を、愛里紗さんはため息まじりに半眼になってこちらを見てくる。

 

「それって完全に間違ってるからね」

 

「え……?」

 

予想外の言葉に声が漏れる。あんなに強い愛里紗さんにそう言われると思っていなかった私は驚くしかなかった。

 

「そりゃ、私だって最初は弱かったよ。今の能力だって全然使いこなせてない。むしろ今のあーちゃん以下……いや、比べるまでもなく下だった」

 

「そ、そんなに……?」

 

「うん。私は司先輩に言われるまで全然強くなかった。でも、先輩はそんな私を支え続けてくれた。手を差し伸べてくれた。……だから、私はこうなれたんだ」

 

「支え、続けて……」

 

「だから私は一人の力でこうなってるんじゃないの。あの馬鹿だけど、でも、いざという時頼りになる先輩がいてくれたおかげで、私はこうなれたんだよ。だからねあーちゃん、自分をあまり卑下しちゃダメ。なんだったら私が付き合うから。あーちゃんが、あの先輩たちが驚くぐらい強くなるまででもね」

 

「愛里紗さん……」

 

「だ、だからね……私のことも少しは砕けた呼び方でもいいかなぁって」

 

その時だった。奥の方からドタドタと何かが近づいてくる音が響いてくる。

 

「あー、もう!なんでこんないい時で降りて来ちゃうかなぁ!!」

 

愛里紗さんは怒りの形相で足音が響く方向を睨みつける。

 

もし、愛里紗さんが言うように強くなれたら………あの人達を驚かせられるほどの存在になれたら…………

 

 

 

それはーーーー凄く楽しそうではないかしら?

 

 

 

「………えぇ、本当にいいところできたわね」

 

「ったく、少しぐらい空気読んでくれてもいいのに……」

 

「なら、さっさと片付けましょうりーさん(・・・・)

 

「そだね。ちゃちゃっと終わらせてーーーーーって、え?」

 

なかなかいいあだ名だと思ったのだけれど、愛里紗さん否、りーさんはポカンとして固まっている。

それが少しだけ面白くて笑ってしまう。

あの人達もそんな顔をするのかしら、と思うと楽しくて仕方ない。

だから私はりーさんに手を差し出す。

 

「なら、私に付き合ってもらえるかしら。もちろん、最後まで付き合ってもらうけれど」

 

「………っ!うんっ、了解だよ!」

 

「それじゃあ、手始めに」

 

「あれ、片付けよっか!」

 

私たちはお互いの手を取りながら、迫ってきているであろう敵を見据える。闘志をたぎらせた強い瞳で。

 

SIDE 飛鳥 OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛鳥と愛里紗と別れた司と十六夜、満、ジンの四人は物陰に身を隠していた。

不可視の敵に見つからないため、隠れておく必要があるのだ。

英太と耀は不可視の敵が見えているような動きで、相手が視認する前に敵を沈めている。

 

「もはや……人間業じゃねえな」

 

「ヤハハ、あの程度なら英太はやってみせるだろうよ。でも、春日部の方は意外だったな」

 

「ええ、まさか篠宮先輩についていけるとは思いませんでしたが」

 

「あの二人、かなりの手練れという言葉では表しきれませんね……。もはや人間じゃないですよ」

 

四人が感嘆するほどに二人の動きは人間離れしていた。

耀は動物たちからもらった友達の印であるここの動物の力を駆使し、英太はなれた様子で魔法を使いこなしながら敵の数を減らしていく。

数刻すると立っているものは英太と耀だけになっていた。

 

「ほれよ、全員一応被っとけ」

 

「人数分は絶対に足りると思う」

 

英太と耀が2個ずつ古代西洋のような兜を渡してくる。

十六夜が即座にそれをかぶると、十六夜の姿は完全に見えなくなった。

 

「ほぉ……ということは、これが不可視のギフトってやつか」

 

「さっさとかぶれ。いつどこから来るかわかんねえんだから」

 

今回は英太の指摘に従い、おとなしく兜をかぶる。そして、そのままルイオスの元へと向かおうとした時だった。

ゴッという鈍い音が響き、英太の体が壁まで飛ばされる。

 

「が、は……っ!?」

 

「英太!?」

 

耀はそれに駆け寄ろうとするが、その無防備な横っ腹に先ほど英太が食らったような一撃が、

 

「………っ!」

 

それを庇うように走り出た満によって阻まれた。が、満は無傷というわけにはいかなかったが、壁までは吹き飛ばされずに踏み止まる。

 

「おい……一体何が!?」

 

「まさか……本物か!」

 

「十六夜さん、どういうことですか!?」

 

「本物のハデスの兜をかぶってるやつがここにいるってことだ。くそっ、こりゃ厄介だな」

 

苦虫を潰したような表情で虚空を睨む十六夜だったが、その目には何も映らない。

流石の十六夜も焦っていたが、初撃で殴り飛ばされた英太がおぼつかない足取りで立ち上がる。

 

「……司、炎使えんなら十六夜達をお前の炎で囲め。少しは手加減するから」

 

「お、お前何を……ってそういうことか!」

 

英太が言うことに納得がいったのか、司はフロアにいるメンバーを自分が生み出した炎で覆う。

 

「痛い一撃くれやがって……。"拡炎(イクスパード)"!!」

 

腕を天井へ向けて突き出し叫ぶ。

英太の足元には直径1メートルほどの青白く、淡く光る魔法陣が浮かんでいる。その魔法陣の色が青白から燃え盛る炎のような橙へと変わる。

変わった途端、そこから炎が吹き出し、部屋中に広がり始める。

 

「(手加減したって………こんなのちっともしてないだろ……!)」

 

ほとんどギフトを使ったことのない司がギリギリで守りきれる時点でしているはずだが、少しでも気を抜いてしまえば全員火の海の中へと身を投じることになる。

それだけはしまいと、今まで以上に炎の制御に力を入れる。

それを知ってか知らずか、英太はピクッと何かに反応しそこへ向けてかける。

 

「さっきの………"撃ち落とす神の雷"(お返しだ)!!」

 

英太の右腕全体に雷が帯電される。その雷はバチバチと周りに撒き散らしながら威力を増していく。

雷を纏った英太の拳は虚空を捉えたかのように思えたが。

 

「ゴハァ……ッ!?」

 

確実に何かを捉え、力のまま壁まで殴り飛ばす。

そこには、そこそこ歳をとった男性が壁にもたれかかるようにしてぐったりしていた。

 

「………はは。私は……破れたか」

 

「あの一撃は効いたぜまったく。しかも俺の一撃食らって喋る元気はあると見える。とんだ手練れだなあんた」

 

「ふっ……お世辞はよせ。貴様らの勝ちは勝ちなのだ。貴様らには、ルイオス様に……挑戦する……権利、が………」

 

最後の方は声が小さかったが、英太と満に痛手を与えた一人の戦士がそこで意識を失った。

やれやれ、と英太は頭をガシガシと掻きながら首を振る。

 

「ま、何はともあれ勝ちだな。ってて……」

 

「大丈夫か?」

 

「うーん、こりゃちょっと休まなきゃ無理だな。あーくそ、司の勇姿(笑)を見ようと思ったんだがな〜……」

 

「おいコラ」

 

「まあ、そう怒んなって。それに、そっちの方が深刻そうだぜ?」

 

「……え?」

 

英太が指差したのは司の後ろにいる満だった。満は殴打されたであろう右腕を左手で押さえていた。

 

「……すみません、神野先輩。これでは、ゲームマスター戦は難しそうです」

 

「…………ごめん」

 

「春日部さんが悪いとは言ってませんよ。あれは僕の責任です」

 

「………英太、満を頼んだぞ」

 

「りょーかい。んじゃ、俺らの分も仇を打ってきてくれ。そうだな………とりあえずぶっ飛ばせ」

 

「任せとけ」

 

司と英太は拳をぶつけ合い、司は十六夜とジンと共にルイオスの待つ最上階へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE 耀

 

私のせいで作戦が狂った。

 

満が私を庇い、そのせいで満は負傷してしまった。

私は、やっぱり弱いのだろう。少しは強いかな、なんて慢心がこんなところで出てくるなんて思わなかった。

 

「春日部さん、そんな顔しないでください」

 

「…………?」

 

「僕は女性にそんな顔はしてほしくないんですよ」

 

「……女誑し?」

 

「そういう曲解のされ方をしても仕方ない言い方でしたけど、断じて違います」

 

私が怪訝そうな顔をすると、真顔で、しかも普通のトーンで返された。

そういう冗談はあまり通じない、のかな?

 

「ですが、嫌なんですよ。身近にそういう存在がいたから」

 

「身近………愛里紗のこと?」

 

「まあ、そうですかね」

 

「昔から知ってるの?」

 

「腐れ縁ってやつですよ。あいつは泣き虫でしてね。いつも泣いてました」

 

どこか懐かしむような表情で天井を見上げながら話す満の話を私は黙って聞いた。

 

「それを見てたら、何故でしょうね。誰も泣かせたくないなんて思ってしまったんですよね」

 

「………好き、なの?」

 

「それとは違いますかね。どっちかというと、応援してやりたいんです。……昔は僕の方が支えられてたのに」

 

「……そうなんだ。じゃあ、なんで私を庇ったの?」

 

「男が女性を守る、なんて常識じゃないですか」

 

「あ、そう……」

 

何を当然な、と言いたげな真顔で答える満にこれ以上聞いても何も答えてくれないだろう。

でも、もう少し理由ぐらいあってもいいと思うのは私だけではないはず。

 

「あ、一つ言い忘れてましたね」

 

「………?」

 

「春日部さんが可愛い人だったから、と付け足しておきましょう」

 

「ーーーーーーーーー!!?」

 

見事な不意打ちをくらい、仰け反ってしまう。おそらく私の顔はひどいことになっているのではないだろうか。流石にこの仕打ちはひどいと思う。

 

「ふふっ、そういう顔も可愛いですよ」

 

「………なんでそんなに恥ずかしがらずに」

 

「本当のことですから。本心を隠すのはよろしくないことですので」

 

「…………女誑し」

 

「なんとでも言ってください。僕は本心は隠さないことにしてるんです」

 

「……………むぅ」

 

優男みたいな風貌をしているのにもかかわらず、まさか中身はこんな頑固な男の子だとは思わなかった。

それにしても可愛い……可愛いか………。

………………まぁ、悪くはない、かな。

 

「ですので、別に無理に強くなくったっていいんですよ。僕だってこの有様ですしね」

 

「それとこれとは別じゃ……」

 

「それでも強くなりたいというのであれば、僕でよければ手伝いますが」

 

「………………それで強くなれるの?」

 

「保証はします」

 

まさかの保証付きだった。ギフトをみんなに明かしてない満だったが、それを抜きにしても愛里紗と同じくらいだという。

だったら答えは決まっているのではないのだろうか。

 

「お願い、手伝ってくれる?」

 

「……おや、プライドが許さないとか言われて断れると思っていたのですが」

 

「プライドなんてとうにない」

 

ガルド戦で私は無力を思い知った。なのに、プライドなんてちっぽけなものをいつまでも持っている、なんてただの馬鹿だ。

そんなプライドにすがりつくぐらいなら、苦汁を飲んででも、嫌だったとしても、他人に協力してもらう方がいいはずだ。

 

「それじゃあ、よろしく耀()

 

「よろしく、みつ………え?」

 

今、満はなんと言ったのだろうか。空耳でなければ私の名前が聞こえた気がしたんだけど……。

 

「ん?だから、耀。君の名前でしょ」

 

「……え、なんでいきなり」

 

「同い年くらいなのに敬語使ってるから、かな」

 

「それと名前で呼ぶの関係なくない?」

 

「さて、そろそろここら辺りにも敵が来るだろうし、準備でもしてようかな」

 

「ちょっと!」

 

私が糾弾しようとするが、結局のところ満は聞く耳を持たず、全く取り合おうとしなかった。

 

SIDE 耀 OUT

 

 

 

 

 

 




りーさんというが、決してが○こうぐらしからとったわけではないです。……本当ですよ?
というかあーさんだとかぶるし………(本音
僕の頭の中のカップリングとかいたカップリングがだんだん異なっていってるような気がする……。
でもまあこのまま進みます!

では、次回もお楽しみに!


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