発音だとかは難しいんですけど、実践とかなんとかで他人と話すのって楽しいんですよね………。
とまぁ、そんなどうでもいい話はさておき、今回で一章は終了ですね。あと駄文注意です。
では、本編へどうぞ。
「「「「「それじゃあ、よろしくメイドさん」」」」」
「「……………は?」」
ゲームが終わってコミュニティの本拠に帰るや否や、司、黒ウサギ、満以外の五人が言い放った。その言い放った先はもちろん、今回のゲームで無事に"ノーネーム"に帰って来るのことのできたレティシア=ドラクレアだった。
「むぅ……、メイド………。私に給仕をしろ、と?」
「そりゃそうだろ。当然の報酬ってやつだ」
「欲しかったのよね、金髪のメイドさんって」
「そもそもメイドがいなかったから、そういうのがあってもいいと思う」
「そもそもゲームにまともに参加できず、挙げ句の果てには囮をずっと頑張ってたんですから、これぐらいの報酬があってもいいと思うんです!」
「まぁ、ぶっちゃけ楽しけりゃなんでもいい!」
「何をおっしゃってるのですが皆様!?」
「……………………諦めろ、黒ウサギ。こうなったこいつらは梃子でも意見を変える気はない」
司は諦めるようにため息を吐き、その様子を見た黒ウサギは前のめりに項垂れる。
当のレティシアはというと一瞬悩むようなそぶりを見せ、問題児たちの頼みを聞き入れるかのように頷く。
「仕方ない。みんなが給仕もとい、メイドをしろというのであれば喜んでしようじゃないか」
「ドラクレア嬢、みんなじゃなくて他に呼び方あるでしょう?」
「…………英太、だったか。その呼び方はやめてくれ。むず痒い」
「んじゃ、レティシア嬢でいいか。んなこた、どうだっていい。それよりメイドならもっと相応しい呼び方があるだろ」
「呼び、方…………………ご主人、様?」
「そうそう、それだよそれ!」
「先輩、そう呼ばれて喜んでるのは正直言ってキモいです」
「酷くね!?」
英太と愛里紗が言い争いを始めたところで、今の今まで何も話をせず、後ろで佇んでいた満が今回のゲームを勝利に導いた要因の一つであることを尋ねる。
「それよりも、神野先輩が出していたあの剣はなんなんですか?」
「そうだぜ司。ありゃなんだ?」
「お前さっきまでレティシアの件で話してたんじゃ…………」
「こればっかりは知りたかったんでな。大丈夫だ、聞き終えたらまた弄り…………楽しみに行くさ」
「言い直せてないし手遅れだからな?」
司の咎めるような視線に臆することもなく、十六夜は誤魔化すようにヤハハと笑う。
満はそれらを完全にスルーし、司が生成した剣のことについて切り出す。
「それで、本当になんなんですか、あれ」
「満には言ってなかったな。俺のギフトに"等価錬成"ってのがあってだな。それを使ったのさ。おかげでかなり強い武具が作れた」
「あの和装ロリが言ってたやつか。でも、それって対価が必要なんじゃなかったのか?」
「対価は支払ったさ。…………………まあ、割とやばめなギフトを対価にしちゃったが」
「……?何か言いましたか?」
「いや、なんでもない。気にするな」
「ならいいのですが……」
司は笑顔で誤魔化し、満の問いを即座に終わらせる。
だが、司が気づくことはなかった。十六夜が訝しむような視線を司に投げかけていたことに。
******
SIDE 司
十六夜と満に説明している間に、何故か歓迎会なるものをすると決まったらしく、場所は変わって本拠の外………ではなく、俺はキッチンで黙々と料理を作っていた。
………いや、省かれてるとか虐められているとかいうことじゃないのよ?歓迎会にはそこそこの量の料理が必要なことは明確だし、それを子供達に作らせるというのも気がひけるから自分が請け負っただけなんだよ?………本当だからな。
「司さん、手伝ってくださってありがとうございます!」
「んぁ?いや、別に。料理するのは趣味なんでね」
忙しなくパタパタと狐耳と尻尾を振る少女、リリの満面の笑みに和んだところで、気にするなと意味を込めて言いながら頭を撫でてやる。
すると気持ちよさそうに目を細めて律儀に撫でられてくれる。
うん、かわいい。これだから子供の相手をするのは楽しいのだ。
こう、ほとんど何をしてもいい笑顔を見せてくれるからな。
そうやって子供と接していると、ふと思い出す。早朝から上に飛び乗ってくる元気で小さな子供とそれを見ながら微笑む頼りない少女の姿を。
そう思いを馳せていると、ダイニングルームとキッチンに黒ウサギが入ってきた。
「司さーん、そろそろ皆さんとご飯を食べ…………どうかしたのですか?」
「……なにが?」
「いえ、何か懐かしむような顔をしていましたので」
「……まぁ、少しばかりな。元の世界にいる家族のことをね」
そういうや否や、黒ウサギの表情が一瞬申し訳なさそうに歪む。
………別に、そういう顔をして欲しくて言ったわけじゃないんだけど。
「誰も、ここに召喚されたのが嫌だったとは言ってないだろ。それに、これは俺があの手紙を開いたからこうなったんだ。自業自得だって」
「で、でも、不意打ちみたいにやってしまったのに………怒らないんですか?その……、家族は恋しくないんですか………?」
恋しいか恋しくないかと問われれば、断然前者だろう。でも、だからと言って戻りたいとは思わない。
「ま、そりゃ恋しいけどさ。あいつらなら、俺がいなくてもなんとかやってるって思ってる。だからまぁ、なんとかなるだろ」
「そ、そうなのですか………」
「だからそんな顔すんなっての。まったく…………。リリ、黒ウサギを先に外に連れて行ってくれるか?あと一品だけ作ったら俺も行くから」
「わかりました!行こう、黒ウサギのお姉ちゃん!」
「え、ちょ、私は司さんを呼びにきたのであって、ってわわっ!リリ、引っ張らないでください〜!」
そのまま、なすすべもなくリリに引っ張れて行く黒ウサギを見送ると、俺は最後の品を作るために腕まくりをし、気合いを入れるのであった。
SIDE 司 OUT
******
「司、遅いね……」
「何をやっているのかしらね」
「全くだ。あの大イベントは調理を止めてみることにも値しただろうに」
耀、飛鳥、十六夜が司が作った料理に舌鼓を打ちながらボヤく。その近くでいた英太は苦笑いを浮かべて言った。
「ま、あいつらしいって言えばあいつらしいが」
「料理好きここに極まれり、ですもんね司先輩は」
「料理と外出を対比したら、確実に料理を取りそうですよね神野先輩は」
「み、皆さん……そこまでにしてあげては……」
「そうだな。本人がいないところで言っても仕方ないしな」
「本人がいる方がダメな気がするのですが……」
そう黒ウサギがつっこんだところで、コミュニティの子供達が料理を食べている方で一際大きな歓声が上がる。
子供達から離れて食べていた十六夜達は、なんだ?と疑問に思い、そこへと向かうと、そこには先ほどまでキッチンにいたはずの司が子供達に囲まれていた。そして、机の上に置かれていたのは、市販で売っているものよりもふた回りほど大きいホールのケーキが二つあった。
「…………どういう状況です?」
「あ、黒ウサギのお姉ちゃん!凄いんだよ!司お兄ちゃんが作ってくれたの!」
「こ、これを…………ってこれオーブンの大きさより大きいですよね!?」
「そこはまぁ、俺の能力でどうにでもなるし」
「お前のギフトの使い方、本当にそれでいいのか?」
「趣味が捗るなら別に構わん。それにレパートリーも増えそうだから、かなり楽しくなりそうなんだよな、これが」
「…………何よりも生き生きとしてますね、先輩」
ほくほく顔で語る司を微妙な表情で見る周りの問題児達。
黒ウサギはその状況を気遣ってか、さっさと切り分けましょう!と切り出す。
ケーキを全て切り分け、子供達が美味しいと頬張る中、十六夜達は司を引き連れて先ほどの場所へと戻ってきていた。
「で、話ってなんだ?」
「とっておきの話だぜ。見なかったのを後悔する可能性があるほどのな」
ニヤリと十六夜が笑えば、各々その光景を思い出す。
「ふーん………お前がそこまで言うのか。なら聞く価値はあるな」
「じゃあ、面白おかしく語るとするか。ま、そんなに長くはならねえからよ」
こうして夜は更けて行く。子供達の騒ぐ声、談笑する声、悔しがる声、それを見て笑う声など、様々な声を閑散とした本拠に響かせながら。
******
木々が並び立つ森の中、煙が立つところがある。
そこには焚き火を囲む二つの影があった。
「今度は手を貸さなかったんだ」
「………そんなに手を貸すように見える?」
「少なくとも、僕にはね」
焚き火の火に照らされているにもかかわらず、その顔と表情は来ているローブに覆い隠されており、全く見えないが、片方のローブからは髪が垂れ下がっており、それが少女と思わしき影が動くとともに揺れている。
「それより、その髪しまわなくていいのかい?身バレするから、と言ってしまっておくとかなんとか言ってたじゃないか」
「二人でいる時ぐらいいいでしょ〜。それに森の中だし。あと、あれめんどいの」
「ただゴムでくくるだけだろうに」
「……それができたら苦労しない」
「なら君には何ができるって言うんだい……」
「…………………………?」
「そこで首を傾げられても、僕が答えられるわけないんだけど………」
明るい声のローブを被ったであろう少女に困り果てた声で返す。
が、それを気にした様子もなく欠伸をしながら寝転がる。
「とりあえず、今回は様子見だよ。今回は、ね」
「まるで次は手を出すかのように思えるけど……」
「それもこれも彼次第。私から自発的に動くことはないよ」
「つまり、彼が何かを起こさなければ自分は何もしないと?例え、
「誰もそこまでは言ってないでしょ。限度を超えたらそりゃ手助けぐらいするって」
「……………………本当に?」
「その疑った声音が物凄く腹立たしいけど、今は我慢してあげる」
「………それじゃあ、彼が何かしでかすまでは監視だけで良いね」
「うん、それでいいよ。…………まぁ、あいつに限って何かするってことはないと思うけど」
「何か言った?」
「別に〜」
少女は手をヒラヒラと振り、なんでもないと返す。
その二人の声は、焚き火が消えるまで辺りに響いていた。
これで第一章は終了です。次は第二章、と行きたいところなのですがその前にコラボをしたいと申し出てくださった方がいたので、先にそちらをします。(こんな若輩駄文作成主とコラボしてくださりありがとうございます!)
基本的にコラボ話は二、三話を予定しております。
ということで、本編はそれらが終わってから投稿再開しますので、ご了承ください。
では、次回もお楽しみに。
感想、評価、指摘などもお待ちしております。