孤物語   作:星乃椿

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お気に入りが500突破してた・・・。本当にありがとうございます。
そして話進めなくてごめんなさい。
本当はエピソード達まで話進めたかったけどキリが悪くなるので繋ぎ回になっちゃいました。本当にごめんなさい。
今回もとっても短いです。

そして補足なのですが、当分は型月要素は登場しません。早く型月要素ぶち込みてぇ・・・。

120連してもアンリマユが出ませんでした。フレポ0。


009

 実年齢はBBAとはいえ、吸血鬼とはいえ、人外とはいえ、あどけない幼女の姿で泣かれてしまうと罪悪感が半端ない。

 とにかく撫でた。膝にのせて。腕を回しながら。

 変態じゃねーよ。お兄ちゃんスキルだって言ってんだろ。そんなスキルがあるか知らんが、ともかくやらしい気持ちは微塵にもない。ただあやしているだけなのだ。

 

 撫でているうちにすっかり気分が良くなったのか、鼻歌をするくらい上機嫌になっている。機嫌をよくした彼女によれば、吸血鬼にとっては、頭を撫でる行為が服従の証なのだそうだ。

 普通逆なんじゃねーかな。とも思ったが、仮に主君がゴリゴリマッチョのおっさんだったら、確かに服従してでもない限りできない行為だと考え付いた。絵面的にも生理的にも精神的にもソレはきつい。

 

 まぁ、でも撫でるのが服従の証なら一生従僕でいいんだけどな。Mではないことをここに強く明記しておく。気持ち的には兄の心境なのだ。

 

 「うぬが物分かりの良い従僕で良かったぞ。まあ、よき主にはよき従僕がつくものじゃな」

 

 さりげなく自分を褒めちぎる我が主様だった。なんとなくおままごとやってる気分になってくる。幼稚園で一度やったときは“そこら辺歩いてる人”だったけど。一人だけ。

 

 「ところで従僕よ」

 

 彼女の真剣な声で現実へと帰ってきた。先ほどまでの暢気さは何処へ。見た目通りに、人外らしく、風見鶏のように安定しない。それが見ていて楽しいと感じるはなぜだろうか。もしや、これが父性というものなのだろうか。そういえば、キスショットに“父親”という存在はいるのだろうか。

 

 「おい、聞いておるのか?」

 「聞いてる聞いてる」

 「まぁよい。儂はうぬには命を助けられた。無様を晒す儂をうぬは救ってくれた。じゃから儂は特別にうぬの無礼な態度も許すし、特別にキスショットと呼ぶことを許してやった」

 

 じゃが。と彼女は続ける。

 

 「じゃからといって調子に乗るなよ、従僕。本来、従僕たるうぬが儂に奉仕するのは当たり前のことなのじゃからな? うぬは儂が頭を撫でろと言えば、いつでもどこでも、忠実に撫でねばならないのじゃ」

 

 そういってご主人様は胸を張る。シリアスかと思ったらやっぱりシリアルだった。本当にこの齢にして父性に目覚めそうで怖い。

 

 「うわ。なんじゃその気味の悪い笑いは。久方ぶりに悪寒が走ったぞ。大体、何がおかしいのじゃ。確かに、この身体は見かけだけで中身はスカスカじゃ。じゃが、500年生きておる儂と、生まれたてのうぬとでは吸血鬼としての格が違うのだぞ。格がの。というか、言ったそばから見下しておらんか?」

 「・・・別に、見下してるわけじゃねぇよ」

 

 それと、気味悪いは余計だ。突っ込んでないけど内心傷付いてるんだからな。というか、人外にまで悪寒走らせる俺の笑顔ってなに? ヴァンパイアハンターにでも転職すっかな。あ、専業主夫やるから無理だわ。

 

 「というか、500年も生きてんのかよ」

 「正確には598歳と11カ月じゃがな」

 「100年単位でサバ読むな!!」

 

 それもう600歳だろうが。というか、500年生きてるとかBBAとか合法とかってレベルじゃないだろ。これが本当のロリBBAってやつか。改めてこの子が、いや彼女が人外なのだと実感する。そして、その眷属たる俺も等しくバケモノなのだろう。・・・600年以上も生きるの?

 

 これ以上考えると深みに嵌りそうなので、とりあえず頭を撫でながら話を戻す。

 

 「で。大分話が逸れたが、俺はお前にどうやって奉仕すりゃいいんだ? まさか頭撫でるだけじゃねーんだろ?」

 

 むしろそれだけであってほしい。が、そんなわけがない。ありえない。「不便この上ない」と愚痴を零していたのだから。

 つまり。

 

 「察しが良いのう。流石は儂の従僕じゃ。褒めてつかわすぞ」

 

 彼女は凄惨な笑みを浮かべて命じた。

 彼女の。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの身体を、奪われた四肢を集めて来いと。彼女の力を取り戻せと。

 そう命じたのだった。

 




投稿して上下する評価。ニーズに応えられているのだろうか。否。本当に書きたいシーンに行けない・・・。

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