がっこうぐらし!グレート文化祭にてあったらしいめぐねぇとみーくんが夢の中で会うというもしもを自分なりに考えて投稿させて頂きました。
写真を見せて貰っているという設定から少しアニメよりの設定で書いてます。


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頼りになる先生と頼りたい私と

私は学園生活部という部活に所属している。

部長の若狭悠里先輩、部員の恵飛須沢胡桃先輩と丈槍由紀先輩に私、直樹美紀の計四人。

そして顧問の佐倉慈先生を加えて、五人の部活だ。

様々な出来事があって、顧問の先生とはまだ会うことが出来ていない。会えることももうないのだろう。

けれど、佐倉先生がどの様な人なのかは分かる気がする。

先輩達は揃ってめぐねぇと呼び、口を揃えて優しい先生だったと言う。佐倉先生の事を教えてくれた悠里先輩は頼りがいのあるいつも先輩達の事を第一に考えてくれる先生だったと、何処か涙を堪えている様な表情で教えてくれた。

その語気からは頼り過ぎていたという後悔の叫びが聴こえてくる様で、何と声を掛けたらいいのか分からなかった。

胡桃先輩は、宿題の多い先生だったと苦笑した。

けれどすぐにもっと宿題やるから帰ってきてくれないかなぁと呟いていたのが頭に鮮明に残っている。

由紀先輩は大好きな先生だよ、と笑顔で言う。

みーくんはどう思うの?と聞かれて、すぐには答えられなかったからか、咄嗟に

「考えたこと無かったですね……明日までには考えておきます」

と返してしまった。

 

佐倉先生には会ったことが無いが、写真で外見は知っている。先輩達に写真を見せて貰う機会があったからだ。

おっとりしていそうで、本当ならこんな事態に巻き込まれたら真っ先にパニックになりそうな、そんな雰囲気が感じられてきっと沢山無理をしていたんだろうなと思った。

先生と生徒という関係か、はたまた大人と子供という関係なのか。佐倉先生が頼られる側の人間だった事は間違いない。

頼った側が悪いという話では無いのだが、先生が頼る相手は居なかったのだろう。それは負担になったのだと思う。

由紀先輩に答えると言った手前、寝る前に佐倉先生について考えていると急に眠気が強く襲ってきた。

 

目を開くと、そこは学園生活部の部室だった。

だが、普段と違う所が一つある。

見えていた。

普段由紀先輩が喋っている座席に、一人の女性が座っている。

だがすぐに頭の中で目の前で起きている事が現実ではない事を把握する。既にこの世にいない人と出会うすべは現実には無い。

そう、佐倉先生が学園生活部の部室で座ってこちらを見ていた。

「直樹、美紀さん?」

佐倉先生が口を開く。訪ねられた事にどう反応していいか戸惑いつつ、はいと答えた。

「そう、良かった。一度会ってみたかったの」

「はい、私も!めぐね……佐倉先生に一度でいいから会ってお話してみたかったんです!」

目の前の状況を夢だと片付けるのは容易い事だが、今はそれよりも話がしたかった。先輩達は知っていて、私だけが知らない学園生活部にとって欠かせないけれど欠けてしまった存在。由紀先輩がずっと頼りにしていて好きだと言い切る「めぐねぇ」の事がもっと知りたかった。

「そうかぁ……丈槍さんにも後輩が出来たのね。きっと彼女、大喜びしてるんだろうな」

ふふ、っと微笑む佐倉先生の姿は儚さが見え隠れしていて、今にも消えてしまいそうだ。それはきっと私が佐倉先生の事を写真と先輩達の言葉だけで想像しているからなのだろう。ただ何故か、声だけは明瞭に聴こえた。

もしかしたら学校で聴いたことがあったのかもしれない。

「先輩はいっつも私の事をみーくんって言って先輩オーラを出してくるんですよ」

「何だか簡単に想像できちゃうな」

そう言うと少し唸った後、指を立てながらこんな事を言い始めた。

「例えば、丈槍さんが先輩っていう響きに魅了されたり?」

「はい、その通りでちょっと気持ち悪かったです」

「美紀さんって結構ストレートなのね」

その後も私と由紀先輩、はたまた胡桃先輩や悠里先輩に至るまで、次々と起こった出来事、シチュエーションを言い当てて行く佐倉先生に実はこの先生は私達のことをずっと見てたんじゃないか、ずっと一緒に居たかったんじゃ無いのかと思う始めるがそれこそただの夢だ。

夢の中だからこそ先生も私が知っている事は全て知っているだろうし、私の知っている事以上の事を夢の中の佐倉先生は知らないはずだ。

だから、聴いても仕方ない事は分かっているけれど、聞いておきたい。

「佐倉先生はーーめぐねぇは、辛く無かったんですか?」

「もう美紀さんまで!?めぐねぇじゃなくて佐倉先生です!」

一瞬笑顔をみせてこちらにその台詞を言った佐倉先生の姿は、会ったことはないのに不思議と落ち着くものだった。

もう何度も目の前で見てきたような。

でも、その表情はすぐに暗いものへと変化する。

「辛い、かぁ・・・辛かった、のかな。勿論あんな環境だったから辛かったのは事実だけど、それ以上に彼女達が先生として頼ってくれていたから辛くは無かったのかも」

頼られることは負担だけでは無いんだよ、と教えられているようだった。佐倉先生がただただ辛い日々を送っていたのでは無いのだと分かって、少し胸のわだかまりが消えた気がする。

その感覚と共に、徐々に学園生活部の部室が薄くなっていく。夢が終わるのだろうか。

もっともっとめぐねぇと喋りたい。聴きたい事も沢山ある。けれど、それはもう叶わない。

「じゃあ、みんなの事をよろしくね」

その一言と共に、意識が途切れた。

 

翌朝、朝ご飯を食べていると突然由紀先輩が犬のようにご飯を掻き込む手を止めてこちらを向いてきた。

「みーくん、昨日の答え考えた?」

「昨日の……あぁ、考えましたよ」

「教えて教えて!」

昨日の質問、佐倉先生についてどう思うか。

気が付けば由紀先輩の言葉に手を止めた他のふたりがこちらを見ている。

普段なら言い留まってしまうような質問だけど、すぐに答えが出てきた。

「頼りたい……先生ですかね」

「頼りたいなら頼れば良いのに。変なみーくん」

「いいんです!それよりご飯冷めちゃいますよ、早く食べないと勿体無いです先輩」

「ふ、ふ、ふ。それがもう既に食べてしまっているのだよ」

自信満々に宣言する由紀先輩に半ば呆れながら、空席をちらりと見る。由紀先輩がいつもめぐねぇが座っていると言っている席だ。

ふと昨日の夢を思い出して、佐倉先生が本当に伝えたかった事が何かが分かった気がした。

「先輩、食べ物はちゃんと噛んで食べましょうよ」

「みーくんは先輩に対して失礼だよ!噛んで食べてるもん!」

「先輩の事頼りにしてるんですから、もう少し見本になる先輩で居てくださいよ」

「お、美紀が由紀に頼りにしてるって言うなんて珍しい事もあるもんだな」

「由紀ちゃん、先輩なんだから美紀さんの模範となる先輩にならないとダメよ?」

「私はすっごく頼りになる先輩だもん、もっと頼ってくれていいんだよ?」

えっへん、と胸をはる由紀先輩を見て皆が笑う。

これが先生の伝えたかった事かは分からないけれど、この答えの答え合わせはきっとこれからの私達がして行くのだろう。


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