妖精世界の竜神 作:妖精さん
宴に疲れた我は眠りについていた。とくに我はユキノの胸に顔を埋めて寝ていたのだが、爆音と悲鳴が響いて起きた。
「あ、やっと起きてくれましたね」
「?」
周りを見ると、宿が炎に包まれていた。ユキノが守っていてくれたみたい。とりあえず、炎を吹き飛ばす。
「随分とぐっすりと眠っていましたね。皆で必死に起こそうとしたんですが……」
「ん、なにごと?」
「エクリプスの扉が開いてドラゴンが沢山出てきたそうです。それで、今はみなさんが倒しに向かっています」
「我も……ぐっ⁉」
『竜よ、俺に従え。我は竜の支配者である』
頭の中に気持ち悪い声が鳴り響く。つい頭を抱えて蹲る。
「どうしましたか!?」
『従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え、従え』
「うるさいっ、うるさいっ!」
「オーフィスさん!?」
「ちょっと、大丈夫!」
「ミラさん、オーフィスさんが……」
「うがぁああああああああぁぁぁァァァァァァァァっ!!」
身体が龍へと変化していく。
「ビーストソウル? いえ、ドラゴンソウルかしら……って、不味いわね!」
龍へと変化して声の元へと向かう。
『む、あれは……』
『やばいぞ!』
『邪魔ァァァァァッ!』
飛んでいた岩の竜と黒の竜を喰らいついて飲み込む。体の至る所にヒレのようなものを生やしている竜と額と顎に角を生やしており、名前の通り鋏のような形状をしている竜にたいしてブレスを吐く。すると消し飛んで空の空が光った。
「なんだあいつは?」
「てめぇのとこの……いや、あれってオーフィスか?」
「奴と知り合いか。アレに狙われたら終わりだ」
「ふはははは、どこに隠れていたかは知らないが、その龍を操れば俺に死逆らう奴は……」
「馬鹿、やめておけ。お前ではコントロールできん」
『五月蠅いっ、五月蠅いっ、死ねぇ!』
身体の中にある憎悪の声と共にブレスを巻き散らかす。余波で山は消し飛び、王都の半分は巨大なクレーターへと変わる。
「マジかよ。めちゃつよじゃねえか!」
「ば、馬鹿なっ、何故コントロールできん!」
わめく男をドラゴンごと噛み砕いてやる。これで五月蠅いのが消えた。残りは……
『おい、これって暴走してるんじゃないか?』
「やべえ?」
「ちょっと、どうすんのよ! なんか、調子のったボスの前にラスボスが現れた感じなんだけど」
「グルルルルルル」
赴くままに全てを破壊する。
「殴って止めるしかねえか」
「絶対に死ぬわよ!」
「コラー! 何をしているんですか! めっ! ですよ! めっ!」
「初代!?」
ぺちぺちと頭を叩かれて混濁していた意識がはっきりしてくる。竜化を解除する。
「むぅ」
「全く、どうするんですか、この被害!」
「我、知らない……全部、あいつのせい」
「……そうですね! 全部アイツのせいですね! 私達フェアリーテイルは助けただけで知った事じゃありませんね!」
「ん!」
「いや、ダメでしょう」
「でもよ、いったいいくらになるんだろうな」
「あー」
良く見れば城も一部消し飛んでいる。このままお金を支払わないようにしよう。