――何故こうなったのか?
今日の分を書き終えた日記を閉じ、ふと考える。
この幻想郷に来て早や5年。振り返れば、いろいろな事があった。
雨風を凌げる場所を求めて妖怪を殺して住処の洞窟と山を奪った。
奪った山の頂上に建てた屋敷で、いつの間にか住み着いていたゆっくりをコンポストとして飼い、野良ゆっくりを虐待して楽しんでいた日々。
屋敷に不法侵入して飼いゆっくり達と遊んだ挙句、俺が入っている風呂に突撃してきて、要石を乱発してきた。屋敷の外へ誘ってくれた青髪絶壁の不良天人。
彼女の手を取って外に出たのが、幻想郷巡りの始まりだった。
博霊神社、香霖堂、白玉楼、命蓮寺、永遠亭、人里、地底、紅魔館、守矢神社と幻想郷の主な場所は大体行ったと思う。
ああ霧の湖と太陽の畑、三途の川には定期的に行ってたな。
主に昼寝のために。
「あの頃は良かった……」
自分でも爺臭いこと言ってるなぁ、と苦笑する。
だがこれは本音だ。あのときは平和で、楽しかった。飼いゆっくりと野良虐待に癒され、たまに会う幻想郷の面々と話したり、弾幕ごっこが出来ないことを悔しがったり、商取引して儲けたりしながら。幻想郷の一員として生きていた、あの日々。
そこまで思い出し、自嘲する。
(その楽しい日々を壊したのは俺自身だろうが)
引き金を引いたのは自分だ。引かざろう得ない状況まで引きずり込んだのは向こうだが、それでも引くことを決心したのは自分自身だ。
――弁明などない。謝罪などするわけがない。この戦争を起こしたのは、お前達だ。
あの場所で彼女達に突きつけた。幻想郷の敵は、悪はお前達だと。
机の引き出しの中からリモコンを手にとって、テレビを点ける。ちょうどいい番組がやっていた。
『さて、本日が内戦終結から1年経った日です。かつての戦禍が未だに残っている地もあるなか、我々は無事に今日も生きています』
『あの内戦は多くのものを我々から、この幻想郷から奪っていきました』
『そんな状況を救ってくれたのは、言わずと知れたあの御方です。今回、我々は軍部と掛け合い調印式の映像を入手しました』
2人の司会が画面から消え、代わりに映像が映し出される。古い映像なのか、所々ボケている。
『こちらが飛行戦艦大和甲板にて行われた降伏文書調印式の映像です』
その映像には黒の戦闘服とバラクラバを着けた男――幻想郷平和維持軍元帥兼首相荒川日立丸と机を挟んで八雲紫、古明地さとり、レミリア・スカーレット、八意永淋、比那名居天子、豊聡耳神子が映っていた。
次回更新は未定。