ハリーポッターと妖精の翼   作:ファルドゥン

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ちょっぴり久々の投稿です
と言ってもそこまで空いているわけではないんですが、普段のペースよりは少し遅れました。
いつもよりも投稿が遅いなぁと思われる方がいましたら、私が活動報告のところで何かしら言っていると思いますのでそちらを確認していただければ進展状況なんかが分かるかと思います

ではどうぞ


第十五話 帰宅

…あぁ、空気感でもう分かるね、久しぶりの幻想郷だ。

 

「大妖精にとって、久しぶりの幻想郷よね。私はちょくちょく帰っていたけれど」

 

スキマを通って後ろからアリスさんが来る。

 

「そうですね。この感じ懐かしいなぁ、空気がおいしいです」

 

「空気がおいしいって言っても、ホグワーツも環境はいいんでしょう?」

 

「はい、確かに良いんですけど、ここと比べるとさすがに違いますよ。なんというか…そう、力があふれてくるような感じですよ」

 

「…ふーん。まぁ妖精にしか分からないことなのかしらね」

 

「お二人さん、お話はそれくらいにしてね。いくつかやることがあるんだから」

 

あっ紫さんだ。私たちが通ってきたスキマからぬるりと出てくる。

 

「やること、ですか?」

 

「えぇ。と言っても大したことではないのだけれどね。これから紅魔館にアリスと二人で行って来てもらいます」

 

「それは別にいいのだけれど…大妖精の荷物をどこかに置いておきたいわね」

 

確かにそうだね。ホグワーツからこっちずーっと持ちっぱなしだし、ナチュルちゃんだっている。地味な仕事ばっかりしていたけど、少しは羽を伸ばさせてあげたい。

 

「荷物は私が運んでおくわ。と言ってもスキマに落とすだけだけど」

 

「優しくお願いしますよ?割れ物だってありますし、ナチュルちゃんだっていますから」

 

「善処するわ…とりあえず、紅魔館に送るわね。事情は向こうに伝えてあるから」

 

「わかりましたぁあぁぁぁ………」

 

…何も話してる途中で落とすことないじゃないの…

 

と思ったら固い地面に不時着した。お尻が痛いよ…

…周囲にこれだけ本棚があるなら、多分図書館だね。ということは…

 

「急に落ちてこられたらびっくりするじゃない」

 

落ちた先には、ピンクの服に気だるげな眼をした女の人がいました。

こりゃあ間違いないね。

 

「私たちに悪気はないんですよ、パチュリーさん」

 

「いたた…そろそろあのスキマどうしてやろうかしら。落とし方もう少し工夫してほしいものだわ」

 

「何してやっても私は何も言わないけど、図書館ではやめてね。…とりあえず奥にどうぞ。小悪魔、お茶の準備」

 

パチュリーさんに促されるままに図書館の奥に向かう。

ホグワーツの図書室も中々凄かったけど、改めて見ると紅魔館の図書館ってとんでもない規模なんだってことが分かるね。

 

「すごい本の数ですよねここ…今度本を読みに来てもいいですか?」

 

「大妖精って本、読んでたかしら?」

 

「あーいえ、最近です。ホグワーツの空き時間って意外と多くて」

 

「…ここに来て読む分には構わないわ。どんな本が読みたいかを小悪魔に言ってくれたら持ってきてくれるから」

 

やった!これで夏休みの楽しみが一つ増えたよ!

 

 

「その辺の椅子に座ってもらって構わないわ」

 

言われたままに座る。

 

「お茶が入りましたよー。あ、アリスさん久しぶりです」

 

ぱたぱたふわふわと飛びながら小悪魔さんがお茶を持ってきてくれた。

 

「久しぶりね。お茶頂くわ」

 

「大ちゃんもどうぞ!」

 

「あっ、ありがとうございます」

 

…う~ん、やっぱりここの紅茶は美味しいなぁ。

どう考えてもいつも私が飲んでいる紅茶よりも茶葉がいいよねこれ。

 

「うん…お茶は美味しいのだけれど、ところで私たちは何をしたらいいのかしら?」

 

「…紫から何も聞いていないの?」

 

「なーんにも聞いてませんよ。事情は向こうに伝えてあるとかなんとか」

 

「つまり初めから説明しなきゃいけないのね…正直めんどくさいけれど、仕方ないわね」

 

パチュリーさんが体をよじって話す体制になった。少し長めの話なのかな。

 

「今回の外の世界で起きることが予想されている異変は、今のところ大妖精とアリスしか動いていないけれど実際問題として、幻想郷全体に広がる危険性があるものよ。本来もっと多くの人数を割いてもいいのだけれど、死の危険がある分、矢面に立てるのは現状大妖精だけよね?」

 

「はい、そのように紫さんから聞いています」

 

「でも正直に聞くけれど、大妖精とサポートのアリスだけで全て上手くいく保証はないわよね?」

 

「…そうですね。そもそも私がそんなに強くないですし」

 

「そこで、緊急事態になったときに増援が行けるように幻想郷内で情報を共有しておきたいのよ。とりあえず、ここでは一番魔法の知識がある私が、情報をまとめることになったのよ。一年間でどんなことがあったのか、知りたいわけ」

 

「そういうことなら、あったことを話すわ。と言っても私から話せることは殆どないのだけどね。事件はほぼ全て、ホグワーツの中で起きたわ」

 

「外で起きたのってグリンゴッツへの侵入程度でしたよね」

 

「…グリンゴッツに侵入した?確か、魔法界の銀行よね。よくは覚えていないけど」

 

「そうですね、警備はかなり厳重だそうですよ」

 

「魔法使いとして、中々の実力ね」

 

「結局侵入したのはヴォルデモートという魔法使いに操られたクィレルというホグワーツの教師だったわ」

 

「このヴォルデモートがおそらく今回の異変のラスボスです」

 

「そのヴォルデモートは何が目的だったの?」

 

「賢者の石を使うことで自身の力を復活させることが目的だったようですよ。結局は私の友人が退けましたが」

 

「賢者の石ですって?アレを作れる魔法使いが外にもいるなんて知らなかったわ」

 

「私はよく分かってないんですけど、賢者の石ってやっぱり作ることが難しいんですか?」

 

「さすがに錬金術の最終目標だけあって難しいのだけれど、私にとってはあくまで賢者の石は手段だわ。目標じゃないのよ」

 

「…もしかして杖を使った魔法では作りにくいとか、そういうのがあるのですか?」

 

「杖を使った魔法体系とそれ以外に根本的な違いはないのだけれど、細かい変化や特殊な魔法は杖魔法の方が優れている場合が多いわね。向き不向きがあって、例えば変身術は杖魔法の方が進んでいるけれど、単純に火を出すとかならその限りではないわ。杖魔法は目先のテクニックを追及して満足している節があって、どちらかと言うと原始的な魔法に対して伸び悩んでいるのよ。賢者の石を目標として見るか、あくまでそれを使って何をするかという意識の差が如実に出ているわ」

 

「魔法にも微妙な違いがあるんですね」

 

「私は種族魔法使いだから、本来あるままの魔法を学んできたのよ。属性魔法の研究をしているときに賢者の石が必要になったことがあって、その時に作ってしまったってわけ」

 

こういう話を聞くと本当に賢者の石が手段なんだなって実感しますねぇ。

 

「ちなみにアリスさんは得意な魔法とかはあるんですか?」

 

「私の場合は後天的な種族魔法使いだから、それこそいろんな魔法を学んできたわ。人間だったときは杖魔法、魔界にいたときは属性魔法を学んだから今は大体何でもこなせるわよ。そのかわり、特に得意な魔法とかはないけれどね」

 

「……脱線してしまったわね、話を戻すわ。ヴォルデモート自体の脅威はどれくらいか分かるかしら?」

 

「それに関しては私の方ね。ヴォルデモートは10年と少し前に活躍した所謂闇の魔法使いよ。膨大な魔法力と人を引き付けるカリスマ性から死食い人(デスイーター)という集団を作り出し、ヨーロッパの魔法界を混乱に陥れたわ。ハリーポッターという赤ん坊に敗れ、そこで力の大半を失ったけれど、今は復活の手段を探しているという感じね」

 

「赤ん坊に敗れた?理由とか分かるかしら?」

 

「それは謎です。本人に聞いたんですけど、よく分からないそうですよ。ただクィレルにすら謎の力が働いたらしいので、闇の魔法使いに対する特殊な能力でも持っているんじゃないかって今は考えています」

 

「その件はしばらく調査を続けておいてね。話を戻して…ヴォルデモートの得意な魔法とか分かるかしら?」

 

「なんせ最近の出来事で、まだ終わっていないと考えている人もいるから詳しい資料が中々見つからないのだけれど、どうやら許されざる呪文はどれも得意だったみたいよ」

 

「許されざる呪文と言いますと、服従、磔、死の呪いでしたっけ?」

 

「えぇ、特に死の呪いが厄介よ。当たれば人生ゲームオーバーなんてやってられないわ」

 

「…そのヴォルデモートが力を失ってるにもかかわらず、レミィがその脅威を予言したってことは、何も手を打たなければ復活するということよね」

 

「現状はこんな感じです。とりあえずアリスさんとは復活を止める方向で話をしているのですが」

 

「…それが無難だと思うわ。やらなくていい勝負は避けるべき」

 

やっぱそうですよね~。

聞いてる分には私が敵いっこないことは容易に想像できるし。

 

「ふぅ…このくらいでいいかしら。時間を取らせて悪かったわね」

 

「いえ、私も魔法の話とか聞けましたし、面白かったですよ!」

 

「ならよかったわ。このことは幻想郷の魔法使い及び実力者の間で後日共有しておくから。これで用事は済んだわよ」

 

「そうね…やることが終わったのなら、解散でいいかしら?」

 

「はい、私も早く家に帰って自分の荷物を確認したいです」

 

「そういえば私の荷物もか…じゃあ、私たちは帰るわ。紅茶美味しかったわよ」

 

「あっお帰りですか?今日の紅茶は上手く入ったつもりだったんですけど、どうでした?」

 

ちょうどいいタイミングで小悪魔さんが通りがかった。

 

「とても美味しかったですよ!また後日紅茶の淹れ方を教えてもらいに来ますね!」

 

「はい、お待ちしております!」

 

「あ、パチュリーさんもまた本を読みに来ますね」

 

「えぇ、私からは特におもてなしはないけど、待ってるわ」

 

 

 

紅魔館を出てしばらくして、アリスさんと別れた。

アリスさんも落ち着いて帰ってくるのは久しぶりだと言ってたし、ゆっくりしたいんだろうね。

私は…そうだなぁ、とりあえず掃除かな。一年手つかずとなると埃が凄そう。

 

 

ふぅ、着いた着いた…あれ?

あの人影は…

 

「遅いじゃん。今日帰ってくるって聞いてたのに」

 

「チルノちゃん…久しぶり」

 

家の木の下にチルノちゃんがもたれかかっていた。

もしかしなくても私の帰りを待っていてくれたのかな?

 

「ごめんね、パチュリーさんに外での出来事とか報告してたから帰るの遅くなっちゃった」

 

「ほんとに待ちつかれた!…一年寂しかったんだよ」

 

…そうか、私は新しい出会いも多くていろいろ充実していたけど、チルノちゃんにとっては友達が急に一人いなくなるに等しいよね。

紫さんが悪いんだけど、事情も伝えずに行ったのはまずかったなぁ。

 

「…まぁいいや。しばらくここにいるんでしょ?」

 

「うん、学校が休みだからね」

 

「いろいろ話したいことはあるけどさ…まずは、お帰り大ちゃん!」

 

あぁチルノちゃんはホントにもう…

 

「…うん!ただいまチルノちゃん!」

 

こうして、色々なことがあった一年間は、本当の意味で終わったのでした。

 

 




というわけで、15話でした

今回で本当に賢者の石編が終了です、と言っても話的には前回で終わっているのですがね
遠足は帰るまでと同じ理屈です


東方のキャラが一気に増えましたが、継続して出てくるわけでもないのでタグの追加は見送ります
増えてきそうなら編集しますね

今回で一章が終了いたしましたので感謝の言葉でも

私の小説を評価してくださった
ニドラーさん フィーさん ブルックさん ヘクトールさん とれんとさん lastbrutalさん 風剣さん うううさん sisarisさん スミ ネルさん ブーーちゃんさん パフェ配れさん 遠野さん イースマスさん nativeさん
本当にありがとうございます!
私自身の元気とやる気がみなぎりました!

また誤字脱字報告をしてくださった
万木サトミさん GN-XXさん 0ribeさん ヘクトールさん イースマスさん
以前はWEB小説の誤字脱字を見た際、鼻で笑っていましたがやはり多く書くといくつか出てくるものなんですね。本当に助かりました!

またお気に入り登録していただいた現在281名の方々と観覧してくださっている全ての人に感謝です!

次回の投稿も毎度のことですが、一週間に1~2回投稿を目標に頑張ります


毎回書くほどの事でもないのですが…
感想、ご意見、評価、その他もろもろ、いっぱい待っています!


ではこの辺で

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