ハリーポッターと妖精の翼   作:ファルドゥン

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ふむ、約一日か
調子がいい時は半日ですむことを考えると、多少は執筆スピードが落ちてるけど問題にするほどでもない…か


まあ、どうぞ


第二十二話 ゴーストパーティーの後に

 

 

「絶命日パーティー…ですか?」

 

「うん、ニックに招待されたんだ」

 

十月にも入りまして、そろそろハロウィーンの季節だなーなんて思っていたころにそんな話が舞い込んできた。

絶命日…これって喜ぶところかな?祝っていいの?

 

「なんというか、ニックは『首無し狩』って名前の会に参加したかったみたいなんだけど、出来なくて。僕に推薦してもらいたいみたいなんだ」

 

「それでパーティーにご招待ってわけね。―—いいじゃない!生きたまま招かれる人なんてそう多くないはずだわ!」

 

「自分の死んだ日を祝うなんてどうかしてるぜ。よけい落ち込みそうじゃないか…」

 

それは言えてるけど、まぁいいんじゃないかな?

形は違えど命日を祈るのは世界共通、当人たちにとってはお祭りになることもなんとなくわかる気がする

 

「それで、パーティーはいつなんですか?」

 

「それが、ハロウィーンの日なんだよね」

 

えっまさかの日にち被りですかい。

 

「…私、ハロウィーンパーティーの方が行きたいんですけど」

 

「そうは言っても、もう行くって伝えちゃったんだよ…ごめんね」

 

「いえ、全く興味が無いってわけじゃないんで…」

 

あぁ…でもハロウィーンパーティー行きたかったなぁ…

…いやいや、切り替えていくべき。私は今、とっても「ほとんど首無しニック」の絶命日パーティーに行きたがっている。よし、行きたい行きたい。

 

 

 

 

と、自分で自分を説得してみても、やっぱりハロウィーンパーティーへの未練を捨てきれないまま当日、私含めたいつもの四人はきらびやかな装飾が施された大広間を完全にスルーして、じめじめした地下牢に向かっていた。

 

いや、装飾が無いわけではないよ、うん。長細い真っ黒なロウソクが青い炎を出してたりするし。あと、だんだん温度が下がっていくのは地下に向かっているからなんだろうね。帰りたい。

 

「もうあからさまにおどろおどろしいですね…ホントに行きますか?」

 

「ここまで来て引き返すわけないでしょ…覚悟を決めなさい」

 

「…うわ!何だこの音、頭がキンキンするぜ」

 

そう、しばらく前からこの、なんというか頭が揺らされるような、黒板をひっかいたような音が聞こえてくる。やっとみんなの耳にも届いたんだね。帰りたい。

 

「僕が返事をしちゃったからだ…その、ごめん」

 

「謝られても…別に悪いことをしたわけじゃないですよ。適当なタイミングを見計らって、私たちは抜けさせてもらいましょ?」

 

「それが落としどころかしらね…ほら、見えてきたわよ」

 

廊下の角を曲がった先から光が多少漏れ出している。角を曲がるとそこには「ほとんど首無しニック」が立っていた。

 

「これはこれは…このたびはどうぞおいでくださいました…」

 

あっ、一応命日だから静か目に行くのね。

 

 

招かれるように中に入ると面白い光景が広がっていた。

真珠色に揺らめく半透明のゴーストたちが何百と漂い、それぞれがワルツを踊っている。壇上ではオーケストラと思わしき奴らがのこぎり約30本で不協和音を奏でていた。この音の原因これか…あたまいたい。

頭上を見上げると黒いロウソクがフロアを群青色に染めていた。全体として、やっぱり死者たちのパーティー感があるね。あと、寒い。なんでなんだろ…?

 

「…じゃあ、見て回ろうか?」

 

「そうですね…せっかく来たんですし、なにか得るものが無いと私ホントに悲しくなってきます」

 

ダンスフロアの端っこを沿うように回り込みながら歩く。なんというか、ありとあらゆるゴーストを詰め込みました!みたいな感じだ。陰気そうな修道女の御一行に鎖を巻き付けた男、血まみれなんだけど全体的に真珠色だからなんだかよく分かんないやつ…とよく見たらこれはスリザリンのゴーストであるところの「血みどろ男爵」だね。よく見たら知ってるゴーストも多い。矢が刺さってる男と話してるのはハッフルパフのところの…「太った修道士」だっけ?他にも遠くの方にピーブズがいるっぽいし、意外と大集合だ。

 

「もしかして…『嘆きのマートル』もいるのかしら…」

 

「『嘆きのマートル』…あー、三階女子トイレにいるゴーストでしたっけ?」

 

「そうよ、私得意じゃないわ…あの子がかんしゃくをおこしていつだってあのトイレは水浸し。誰も寄り付かないもの。もっとも、水浸しじゃなかったって行かないと思うけど」

 

「物事を決めつけるのはハーマイオニーの悪い癖ですよ。私は話したことが無いですけど、よくよくお互いに知り合えばいい子だって可能性だって……多分ありますよ」

 

「だいぶ言いよどんだわね…」

 

「見て!食べ物だ」

 

食べ物ですと!?

 

 

…期待した私がバカみたいだ。全ての料理がゴースト用、そりゃまともなわけが無かった…

まず、腐ってる。いやいや、前提が不味すぎるでしょ。もう『まず』とか付けなくてもこの一点だけで生きてる私たち的にはアウトだよ。

あと、虫が湧いてる。うん、ダメだこれ以上語る必要が無いや。これは食べられないやつ。

 

うーん…こんなにゴーストって浮世離れした人たちだっただろうか…?

幻想郷の幽霊に知り合いはいないけど、確か演奏する三人組とか、庭師の人とか、それの主人とかが幽霊じゃなかったっけ。別に普通に飲んだり食べたりしてたけど…死生観の違い?割と思い込みが重要そうだよね…精神だけあるみたいなもんだし。

 

これを見てこの場を立ち去ろうとすると机の下からにゅるりと立ちふさがるように出てきたのは、パーティー用の帽子を付けたり、やたらと全身に色味のあるポルターガイスト…まぁ、ピーブズが目の前に現れた。

 

「お一ついかが?」

 

やたら甘ったるい声で深皿に入ったカビだらけのピーナッツを進められた。

 

「なかなかふざけてるじゃないの。これを勧めてきたってことは喧嘩うってんですかって話ですわ」

 

いえ、遠慮しておきます。生きている人には合わなそうなんで…

 

…ん?

 

「…ヨーセイもそんなこと言うことあるのね」

 

「なかなかロックだね、僕はいいと思うよ」

 

あらあら、思ったことをつい口走ってしまいましたわ…

 

「…忘れてくださいね?」

 

「しっかり覚えておくよぉ」

 

「ピーブズは黙れ」

 

「…うい」

 

「…まぁ、忘れてあげるわ」

 

「ありがとうございます!」

 

よしよし、上手く誤魔化せた。ごり押し感凄いけど私が何の問題もないと思っているのだから大丈夫。

 

改めて、この場を立ち去ろうとすると今度は主催者の「ほとんど首無しニック」がこっちに人ごみ(ゴーストごみ?)をかき分けてやってきた。

 

「楽しんでいますか?」

 

「…それなりに」

 

「それは良かった」

 

「ずいぶん、集まってくれましたよ。そろそろ私のスピーチの時間なのですが…」

 

そのタイミングで音楽と言えるかも怪しい不協和音が鳴りやみ、角笛を吹きながら十二騎の馬に乗った騎士が飛び出してきた。どうやら人気らしく、熱狂的な拍手が送られている。

先頭の大柄なゴーストが首を抱えながら、こっちにやってきた。つまりはこの人たちが「首無し狩り」の人なんだろう。

 

「元気かね!首はまだそこに繋がっているのか?」

 

「ようこそパトリック」

 

うわ、冷たい言い方。そんなに入りたい会なのか?

 

「なんと!生きてる連中だ!」

 

そう言ってこのゴーストは大げさに驚き、自分の首が転げ落ちた。湧き上がる笑い。なるほど、確かに面白い。

 

「あの――」

 

ハリーさんがニックをフォローしてあげようとしているのを尻目に、こっそり私たちは外に逃げ出した。ハリーさんが可愛そうだからゆっくりと歩いて追いつけるようにしてるけどね。

 

「急いで帰ったら、まだデザートが残ってるかもしれない」

 

「残っていると良いですけどね…あ、ハリーさん追いついたんですね」

 

「待って!何か聞こえる…」

 

「聞こえる?私には…何も聞こえないわね、ロンは?」

 

「さっぱりだね、きっと気のせいだよ」

 

「私もちっともですね、何が聞こえてるんですか?」

 

「ちょっと黙ってて…今も聞こえてる…」

 

…本当に?辺りは静寂に包まれている。それにここは地下牢に繋がっているだけの階段で、別に生徒がいるとかそういうこともない。

 

「ほら!聞こえる…殺してやるって……こっちだ!行こう!」

 

「あっ、ちょっと、待ちなさいよ!」

 

ハリーさんがどんどん階段を駆け上がる。大広間から漏れ出した談笑の声を聞きながら、そのまま二階、三階まで。

 

「ハリー、一体僕たち何を…」

 

「静かに!……誰かを殺すつもりだ!」

 

「ハリーさん、一度落ち着いたら…」

 

あっ、走って行っちゃう。とりあえず追いかけよう…後で事情はしっかり聞かないと…

 

誰もいない廊下に着いたとき、ハリーさんの足が止まった。

 

「ハリー、一体どうしたんだい?僕には何にも聞こえなかった…」

 

「見て!」

 

指さす先には

 

 

秘密の部屋は開かれたり

継承者の敵よ、気を付けよ

 

 

と血で書いたような文字が塗りつけられていた。

床には大きな水たまりが出来ている。足場に注意しながら慎重に近づくと…

 

「……ミセス・ノリス…?」

 

管理人のフィルチが飼っている猫、ミセス・ノリスが松明に尻尾を絡ませてぶら下がっていた。死んだように動かない…目は見開いたままだ。

 

しばらくの硬直ののち、ロンさんが言い放った。

 

「ここから離れよう」

 

「ミセス・ノリスを助けるべきじゃないかな」

 

「僕の言うとおりにして。この場を見られるのは非常にまずい」

 

「…もう遅いですよ、足音が聞こえます。すぐに、何百という生徒に囲まれるでしょうね」

 

「それじゃあ…」

 

次の瞬間、廊下に生徒が一斉にやってきた。その光景を見た生徒から、次々とおしゃべりや笑い声が消えていき、辺りはしんと静まり返ったと思ったとたん、そのおぞましい光景を見ようと押し合いへし合いが始まった。

 

立ち尽くす私たち四人。ふと人ごみの中に見慣れた人影を見つけた。

 

「マルフォイさん…」

 

「………」

 

マルフォイさんは一瞬苦しそうな顔を見せ、その後こう続けた。

 

「継承者の敵よ、気を付けろ!次はお前らの番だぞ、『穢れた血』め!」

 

 

 

 

 




はい、そんなこんなで二十二話でした

まぁ、暑くてしんどいだけでしょう。エアコンのリモコンが壊れていて扇風機で耐えてるってのもあるかも。
いつもより気持ち少なめな分量ですが、話を切るとなるとこんな感じに。
構成上仕方ないかな。


執筆中、「庭師の人」と打ち込もうとして三回も「イワシの人」になりました。
イワシの人が頭から離れません。

いやー夏休みですね。毎日だらだらの日々は素晴らしいです
虫姫様で被弾しまくって、妖々夢でほっとして、シャドウバースのフリーバトルで冥府使うやつに中指立てて、ポケモンゲットしに行くのもいいですが、課題があるお兄ちゃんはしっかり予定を立てて計画的に進めましょうね!
私は課題もないので、たまにゲーセンでチュウニズム練習しながら酒飲みながらの高みの見物です、ビールうめぇ


感想その他もろもろ、じゃきじゃき待っています!
最近、誤字が凄いのでいつもの報告してくれる人には頭が上がりません!
ありがとうございます!


では、今回はこの辺で
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