ハリーポッターと妖精の翼   作:ファルドゥン

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第二十七話 決闘クラブ

 

 

 

散歩を終えてから、私はマルフォイさんとの会話の内容をみんなに伝えるために三階女子トイレに向かった。

そろそろポリジュース薬に本格的に取り掛かるんだってハーマイオニーさんが昨日言ってたし、見つからないためには多分ここだろうと予想して来てみたら、どうやら当たりだったようで。

そこで石化被害者が増えたことを告げられた。

 

「そんな……ついに人の被害者が……」

 

「昨日の夜中にダンブルドア先生が見つけたんだ。僕はその時間、痛みで目が覚めていたから盗み聞きしてた」

 

「ますますマルフォイから情報を聞き出さないとな」

 

「あ、そのことで話が」

 

そういうと三人共が私の方を向いた。

 

「今日の朝、マルフォイさんと話してきました。無事仲直りできましたよ」

 

「……そこは喜ぶべきところかしら?」

 

「何言ってるんですか、私はとっても安心しましたよ!」

 

「まぁヨーセイがそういうなら……」

 

やっぱりマルフォイさんと三人の間には大きな溝があるなぁ。

正直これが埋まる気はあんまりしてないから、もうここは放置でもいいかもね。

 

「それで、少しですが『秘密の部屋』についても聞けました」

 

「語るに落ちたな。これならマルフォイで確定だ」

 

「いえ、おそらくマルフォイさんではないと思います。というか、そもそもこの事件にはそこまで関心がないようでしたよ」

 

「そんなばかな!ミセス・ノリスの時もノリノリでマグルを差別していたじゃないか!」

 

「あれは、まぁ本人もそこまで反省してなかったですが、私に対しては謝ってくれましたよ」

 

「そもそもスリザリンにだって純血ばかりが集まっているわけではないですから、スリザリン内部でも全員が好意的に受け入れているわけではないようです。勿論表面上は強がってますが」

 

「……それだけでは信用しづらいわ」

 

 

「マルフォイさんが知っていたことは以前にも『部屋』が開かれたことがあること、その時死人が出たこと、犯人が捕まったことの三つでした。以前にも『部屋』が開かれたことがある、に関しては私とハリーさんで裏が取れています」

 

これにはハリーさんも頷いて、ドビーの事について軽く説明を入れてくれた。

 

「部屋が開かれたなんて情報は殆どの人が知らないことです。ですがそれでも知っていたのは、マルフォイさんのお父さんがこのことに詳しいからだそうで。ただ、詳しいことについて知りすぎていると疑われるから話してくれないそうですが」

 

「かなり重要な情報を正しく伝えてくれたことは事実ですから、少なくとも他二つの情報を確認してから疑ってかかるべきだと思います……私は違うと思いますが」

 

「ヨーセイがそこまで言うなら……でも一応確認のためにポリジュース薬は作らせてもらうわよ」

 

 

 

 

 

ポリジュース薬の作成は、スネイプ先生の薬棚から材料を盗み出すためにひと騒ぎ起こしたこと以外は順調に進んでいた。

そんなある時、掲示板に一つの張り紙がされているのを発見した。

 

「『決闘クラブ』……魔法使い同士の決闘ですか、興味はありますが」

 

「何かの役に立つかもね」

 

「今夜開催って書いてあるけど、僕たちも行こうか?」

 

ハリーさんの提案に三人ともが乗っかる形で、私たちは夜八時に決闘クラブが開催される大広間に向かった。大広間には既に多くの生徒が「決闘クラブ」の開催を待っているようだった。

 

「誰が先生だと思う?」

 

「フリットウィック先生が若いころ決闘チャンピオンだったって聞いたわ。きっと彼じゃないかしら」

 

「決闘が強い先生と言ってもあまり思いつきませんしね」

 

「まぁ、誰だっていいよ。あいつでなければ……」

 

そこまで話したあたりで壇上に見覚えのある先生が上ってきた。

 

「皆さん集まって!私がよく見えますか?結構!今回、ダンブルドア校長先生からこの小さな決闘クラブを始めるお許しをいただきました。自らを護る必要が生じた際に備えて、皆さんをしっかり鍛え上げるためにです――詳しくは、私の著書を読んでください」

 

「助手のスネイプ先生です。どうやら少しばかり決闘についてご存じらしい。短い模範演技をするのに手伝ってくれるということです」

 

あー、またロックハートか……このパターン何度目だろう。私自身が避けていたからそこまで多いわけでもないけど、一回一回が疲れるんだよなぁ。

うわ、スネイプ先生凄い顔。決闘とはいえ心配だ……主にロックハートの生き死にが。

 

 

 

二人の先生が壇上の上で互いに向き合う。

 

「三つ数えて、最初の術をかけます。勿論お互いに殺すつもりはありませんよ」

 

「1―—2―—3―—」

 

「エクスペリア―ムス!」

 

瞬間、スネイプ先生に武装解除の呪文を盛大に食らったロックハートは後ろ向きに吹っ飛んで壁に激突した。一瞬の出来事で、呪文のスピードもそうだけど武装解除の呪文ってこんなに吹っ飛ぶものだったっけ……スネイプ先生が上手いんだと思うけど、すごい威力だ。

私、武装解除の呪文ですら上手くいかないときがあるしなぁ、練習しなきゃうまくいくわけが無いからこういう機会で覚えていきたいけど。

 

「模範演技はここまでにして、これから二人ずつ組を作ります」

 

二人の教師は生徒の群れから二人組を作っていった。私はハーマイオニーさんと、ロンさんはルームメイトのフィネガンさんと、ハリーさんはスネイプ先生に無理矢理マルフォイさんと組まされていた。

 

「あまりこういう呪文は得意ではないのですが……」

 

「確かに、闇の魔術に対する防衛術とか、他と比べてあんまり成績良くないものね」

 

「でもまぁ……頑張ります。えっと、会釈するのが決闘の礼儀でしたっけ?」

 

軽く会釈する。普段から一緒にいるハーマイオニーさんに改めてやるのは少し恥ずかしいけどね。

 

「私が3つ数えたら、相手の武器を取り上げる術をかけなさい。いいですか――1―—2―—3―—」

 

3と同時に杖を構え、ほぼ同時にお互いが叫んだ。

 

「「エクスペリア―ムス!」」

 

二人同時に発動された術は――あれ?私の魔法が発動してない……あっちょっと待ってハーマイオニーさんの魔法が目の前に――

 

「ひゃあ!」

 

……どうやら避けられたみたいだ。最初からその気で待ってたら別だけど、打ち消しあう気満々だったからタイミングギリギリだったなぁ。

 

「ちょっとヨーセイ!後ろ大変な事になってるわよ!」

 

後ろ?後ろがどうしたって……

 

「うわ!ネビルさん大丈夫ですか!?」

 

そう、ネビルさんが壁に吹っ飛んでいたのだ。え、でもなんで?ネビルさんの相方の人がかなりの手練れだったの?

 

「ヨーセイが避けた私の魔法がそのまま後ろにいたネビルにぶつかって、私のところにネビルの杖が飛んできてから向こうの相方の魔法が当たったのよ。杖がない状態で武装解除の呪文を受けなんてしたら……」

 

「えっと、どうやら私のせいのようで」

 

「いや……大丈夫だよ。こういうのには、んっ!……慣れてるからさ」

 

凄くフラフラしてるけど……後でなにか埋め合わせしてあげよう。

 

「あー、ミス・ヨーセイ。この人の多さで魔法を避けられると他の生徒に当たってしまいますよ」

 

「すみません、ほとんど癖でして。なんとなく向かってくるものは避けたくなるのです」

 

「癖と言われてもですね……まぁいいです。では、ヨーセイの後ろは壁になるように位置を変更してくださいね。私ならまだしも、生徒では不意打ちに対抗できないでしょうから」

 

「分かりました」

 

多分ロックハートも不意打ちには対抗できそうにないけど、内容に関しては全くその通りなんで素直に従っておこう。

 

 

 

 

その後も武装解除の呪文が綺麗に発動することは殆どないまま、ハーマイオニーさんの発動した魔法を避け続ける時間が続いた。

 

「魔法が上手く打てないのもそれはそれで問題だけれど、なんで私の魔法が一つも当たらないわけ?」

 

「自機狙い一弾程度、横に動くだけで避けられますよ。掠ると少しカッコいいです」

 

「……よく分からないわ」

 

「つまり、自分に向かってくる魔法が当たるタイミングが分かれば避けることは難しくないって話ですよ。魔法自体はかなり速いので発動してから避けるのは難しいですが、杖を振った動作とか、発動するときの声でなんとなく分かるってことです」

 

「それってかなり特殊な技術だと思うけど」

 

「そうですかね?多分みんな出来ますよ」

 

少なくとも幻想郷では、ね。弾幕ごっこは乙女の嗜みとは誰が言ったのか。

 

「あー、ストップストップ!皆さん落ち着いて……どうやら、術の防ぎ方を先に教える方がいいようですね」

 

その声で全員が魔法をかけ合うのを止めた。どうやら、私たちの組以上にどうしようもなくやりあえてない組の方が多かったらしい。

ネビルさんのグループは私の事故に関係なく二人とも横たわっていたし、ロンさんもなぜかシェーマスさんを抱きかかえて何かを謝っていた。

ハリーさんとマルフォイさんのところはまだ他と比べたらマシそうだけど、息が荒いから攻防は激しかったのかな。

 

「では、マルフォイとポッターにモデルになってもらえば良いのでは?」

 

スネイプ先生が進言する。悪い顔してるなぁ……ちょっと笑ってしまいそう。

 

「それは名案!ではお二人は中央に来て下さい!」

 

大広間の真ん中に二人のための空間が生まれる。私たちもハリーさんの姿を見るために何とか最前列を確保したよ。

 

「ハリー、ドラコが君に杖を向けたらこういうふうにしなさい」

 

こういうふうにって……なんかぶんぶん杖を振って、しかも落とすとか何を真似るんだって話だよね。ハリーさんもこれには困り顔。

一方マルフォイさんはスネイプ先生になにやら耳打ちされている。これまた悪い顔してるなぁ、そろそろ笑いのツボになってきたかも。

 

「私のやったようにやるんだよ!では、1―—2―—3―—」

 

あー、もう始めちゃったし。ハリーさん守る手段がないんだけど……。

 

「サーペンソーティア!」

 

マルフォイさんが怒鳴るように呪文を唱えると、杖先からなんと蛇が飛び出した。いやそれほとんど対処法ないんじゃ……。

 

「動くなポッター、私が追い払ってやろう……」

 

うん、追い払う気があんまりない顔だね。スネイプ先生、それでいいのか。

 

「私にお任せあれ!」

 

ロックハートがそう言って、杖を振りまわして何かしらの魔法を蛇にぶつけるが何も起きない。それどころか、刺激を受けた蛇は怒り狂って牙を剝き出しで威嚇している。いつ誰が噛みつかれてもおかしくない危険な状態に見える。

 

「危ないですね……あまり得意ではないですが、変身術で何とかするしか――」

 

その時だった。

 

「――――――――――――!!」

 

何と表現すればいいのか分からない音が辺り一面を覆った。

音の出どころは、ハリーさん。その音とともに怒り狂った蛇が急におとなしくなり、大広間に静寂が舞い降りた。

 

「これって……」

 

「……ハリーをここから連れだそう、このままじゃまずい」

 

スネイプ先生が蛇を消し去って事は収まったけど、そこら中からひそひそ話が聞こえだす。

あの音の意味は分からないけれど、それで蛇が大人しくなったということは、つまり蛇と意思疎通をしているということだよね。つまりはパーセルマウス……明日からまた大変になりそうだ。

 

 

 




遅くなりすいません、27話でした。

単純に頭痛で一日執筆がズレたからなのですが、この程度の無難な内容だったらもっと早く書けるようになりたいですね……


秘密の部屋って結構内容が濃くてあまり削れませんね。長く書きすぎはどうかと思うので、どこかで加速したいです。



感想などなど、いつでも待っています。

ではこの辺で
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