ハリーポッターと妖精の翼   作:ファルドゥン

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後編です

とりあえずどうぞ


第三話 魔法界との初接触~ホグワーツ特急~ 後編

 

かぼちゃパイを食べながら会話を楽しんでいると突然響くノックの音。

 

「ごめんね。僕のヒキガエル、見なかった?」

 

「見ていないですね。少なくともここには来てないと思いますよ」

 

「そっか…あいつ、僕から逃げてばっかりいるんだよ」

 

それは、ちゃんと見張っていないこの少年にも非があるんじゃないかなって。

 

「きっとすぐ見つかるよ」

 

「そうだと良いんだけれどね…もし、見かけたら…」

 

そういって少年は出て行った。ヒキガエルをペットにかぁ…連れて帰ったところでチルノちゃんが凍らしているイメージしか湧かないかな。

 

「僕ならヒキガエルなんてさっさとなくしちゃいたいけどなぁ。まあスキャバーズを持ってきた僕も人のこと言えないけれど」

 

確かにこのネズミ、スキャバーズと言ったか、は全くと言っていいほど動かない、というか寝ている。

こいつは確かに楽しくはないね、少しは動いたらいいのに。

 

「ちょっとは面白くしてみようか…見てて」

 

ロンさんが杖を取り出す、スキャバーズを面白くする魔法ですと?…ワクワク。

とそこに

 

「誰かヒキガエルを見なかった?ネビルのがいなくなったの」

 

女の子が突然入ってきた。フサフサの栗色髪の毛。それと前歯が特徴的かな。

 

「あら、魔法をかけるの?それじゃ、見せてもらうわ」

 

「あー…いいよ」

 

一度咳ばらいをしてから、ロンさんが何とも言えない呪文を唱える。

 

…何にも変化なし。スキャバーズはぐっすりスヤスヤのままだ。

あ~あ、魔法が見れると思ったのに…ガッカリしちゃう。

 

「その呪文、間違ってないの?あんまりうまくいったとは言えないわね。私も練習のつもりで簡単な呪文を試してみたことがあるけど、みんなうまくいったわ。私の家族に魔法族は誰もいないのだけれど、だからこそ、手紙をもらった時驚いたわ。でももちろんうれしかったし、だって最高の魔法学校だって聞いているもの…教科書は全部暗記したわ。それだけじゃなくて、参考書もいくつか読んだけれど、これで足りるかしら。私、ハーマイオニー・グレンジャー。あなた方は?」

 

なるほど、スキャバーズより全然面白い子だってことが分かったよ。

一息でこれだけ喋るなんて、話好きなのか、なんなのか。

それと教科書丸暗記。暇だったととはいえ、私もさすがにそれは出来ていないし、私にできる気もしない。する気もないけどね。

グレンジャーさん、これはしばらく観察対象にしよう。どちらかと言えば珍獣的な意味で

 

「僕、ロン・ウィーズリー」

 

「大妖精というものです。よろしくお願いします」

 

「ダイヨーセイ?それってヨーロッパの言葉じゃないわよね。多分アジアね。中国語…とは少し違うかしら。どこの国の言葉なの?気になるわ」

 

「日本語だと思います、が…その、私は両親にあったことがありませんので詳しいことはわからないのです。ごめんなさいね」

 

という設定で押し通すのよ、とはアリスさんの言葉。

ちょっぴり言いにくそうに表情を歪めてあげるのがポイントね。気分は演技派女優。

 

「そうなの…変なこと聞いてごめんなさいね。気を取り直して、あなたは?」

 

「ハリーポッター」

 

「ほんとに?私、あなたのことなら全部知ってるわ。参考書にも、確か『近代魔法氏』『黒魔術の栄枯盛衰』『二十世紀の魔法大事件』なんかに出てるわね。…まあ、知らなかったの?もし私があなただったらできるだけ全部調べるけど。三人はどの寮に入るか分かってる?私はグリフィンドールに入りたいわ。絶対一番いいみたい。でも、レイブンクローも悪くないかもね……とにかく、もう行くわ。ネビルのヒキガエルを探さなきゃ。三人とも着替えたほうがいいわ。もうすぐ着くはずだから」

 

そう言ってグレンジャーさんは出て行った。

 

「寮はあの子のいないとこがいいな」

 

とはロンさん。分かってないなぁ、とても面白いじゃない。人間観察的な意味で。

 

「みなさんはどの寮がいいとかは決めているんですか?私は特に決めてはいませんけど」

 

「うちの家族はみんなグリフィンドールなんだ。兄弟が多いって話はしただろ?僕だけグリフィンドールじゃなかったらなんて言われるか…」

 

「僕も同じで、どの寮がいいとか決めてはいないかな。分からないからっていうのもあるけど」

 

寮って一体なにが違うのかも分からないのに決めようがないよね。

成り行きに任せよう。テストとかだったらいやだなぁ。

 

「そうだ。ロンの大きいお兄さんは卒業してから何しているの?」

 

「チャーリーはドラゴンの研究。ビルはグリンゴッツの仕事をしてるよ。あ、そういえば聞いた?グリンゴッツのこと。特別警戒の金庫を荒らそうとした人がいたらしいよ」

 

こりゃまた大それたことをしようとした人がいたもんですねぇ。

グリンゴッツってダイアゴン横丁にあった銀行でしょ?

魔法界で銀行強盗なんて、後先考えずに、それをやってしまう勇気がすごいと思うの。

 

「その人は捕まったんですよね。何を盗もうとしていたんですか?」

 

「なーんにも盗まれなかった。だからこそ大ニュースなんだけど、まだその人は捕まっていないんだ。グリンゴッツに忍び込めるなんて、きっと犯人は強力な闇の魔法使いに違いない、ってパパは言ってた」

 

まだ見つかっていない、となるともしかしたらこれが異変の中の一つなのかな?

紫さんが言うには1年ごとに何かしら起こるらしいし、このことはアリスさんにも後で伝えておこう。

あ、なんだかこれ異変解決者っぽいね。

ステキ。

 

ロンとハリーはクィディッチについて話している。

たしか魔法界のスポーツだったはずだ。

男の子はやっぱりスポーツ好きだなぁなんて考えていると、またコンパートメントの扉が開いた。ヒキガエルを探してあげている人多くない?

 

「このコンパートメントにハリーポッターがいるって聞いたけど、君なのか?」

 

ヒキガエル関係なさそうだけど、ハリーの人気には驚くものがあるね。

きっとモテ期ってやつだ。あとで助言してあげよう。

 

「そうだよ」

 

「こいつらはクラップとゴイル。そして僕がマルフォイだ。ドラコ・マルフォイ」

 

クラップさんにゴイルさんにマルフォイさん。…うーん、そろそろ覚えきれなくなってきた。

マルフォイさんはロンさんをちらりと見ると

 

「ポッター君。君はもう少し、友達を選んだほうがいい。赤毛にそばかす、パパが言ってたウィーズリー家そのままだ。魔法使いにも、家柄のいい魔法使いと、そうでない魔法使いがいるんだよ」

 

魔法使いにも、やっぱり家柄とかあるのか。

その辺は妖精の私にはわからない。

生まれたときから親なんかいなくて、いるのは同じ妖精だけ。みんな等しく楽しんでいるだけだ。

逆に、人の価値観である()()ってものにはちょっとだけ興味がある。

 

「あの、マルフォイさんの家はいい家柄で、ロンさんの家はよくない家柄だとして、何が違うんですか?」

 

純粋な疑問をぶつけてみたり。

その声を聞いて、マルフォイさんが私の方を初めて向く。

すると一転、その顔は驚きの表情に変わった。どうしたんだろう。

 

「あ、ああ、そうさ。血筋の上ではウィーズリーもなかなかだが、純血の誇りをまるで持っていない。おまけに貧乏だし、同じ魔法族として恥ずかしいよ」

 

意外と素直に教えてくれるマルフォイさん。

血筋とか純血とかはいまいちピンと来ていないけれど、貧乏そうってのは分からなくもないかな。さっき魔法を使うときに使っていた杖も、なんか端から白い毛がはみ出していたし。

まあ、大体の事情は分かった。とりあえず教えてくれたことに対して感謝しておこう。

 

「そういう事情だったんですか。教えてくれてありがとうございます」

 

少しばかりの会釈も忘れない。礼節はきちんとしなきゃ。

 

「あー…君の名前、なんなのかな?」

 

「大妖精と言います。よろしくお願いします」

 

「あぁ、ダイ・ヨーセイ、よろしく。それで…わかっただろう?ウィーズリーと関わったところでろくなことにならないとさ。これから、ハリーポッターと一緒に僕らのコンパートメントにこないか?君もあまり魔法界のことには詳しくないようだし、僕が教えてあげよう」

 

そういって私に手を差し伸べてくるマルフォイさん。

魔法界のことに詳しくないのは事実だし、その申し出自体はありがたいけれど…

 

「あの、おそらくですけれど、もうそろそろホグワーツに着くと思うんです。窓の外も暗くなってきましたし。私たちはまだローブに着替えていないので、そのお誘いには乗れません。ごめんなさいね」

 

「そうか…残念だ。ではまたホグワーツで。ほら、行くぞクラップ、ゴイル」

 

そう言って立ち去るマルフォイはなんだか体調が悪そうだ。熱でもあるのかな、ちょっとだけ心配。

 

「マルフォイの家ってあんまりいい話聞かないし、気を付けた方がいいよ。パパもそう言ってたし」

 

とはロンさん。

まあ、偉そうな子だなぁとは思う。

でもそんなことより早くローブに着替えないとホグワーツに着いちゃう。

 

「え~っと、それよりも、早くローブに着替えた方がいいと思うのです。それでなんですけど、ちょっとの間外に出ていてくれませんか?なるべく急ぎますんで」

 

「ああわかったよ。僕らも着替えなきゃいけないし、急いでね」

 

「はい、分かりました」

 

車内に響き渡るもうすぐ到着だと告げる声。伝統ある魔法学校はもう目と鼻の先だ。

この場所で私は何を成し遂げることが出来るだろうか。

いつもの服を脱ぎながら私はそんなことを考えていた。

 

 




読んでくださりありがとうございます
今回のホグワーツ特急編、初めての前後編でしたが、後編の文字数が少し4000文字に届いていないのです。
前回、前々回よりはすこしボリューム面で劣ることになってしまいました
8000文字近くの文章を一つにまとめるのもなんか変だと思うので、こういう形にしましたが今後もこの方針で行くかどうかは反応を聞きたかったりもします

前編の内容も含めて、多少解説も入れる予定だったのですが、一晩寝て忘れてしまいました
てへぺろ

感想で聞いていただければ多分思い出すはずですので、ご気軽にどうぞ

ではこの辺で
次回は組み分けですが…まあ、明日どうするか考えよう
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