問題児たち+αが異世界から来るそうですよ?   作:桜崎暁乃

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連続投稿です。

プロットとかないので悪しからず。


性別は聞かなきゃ分からないようですよ?

 

黒ウサギの案内で、彼ら問題児達は箱庭の街へとやってきた。

辿り着いた先──つまり街の入り口には、階段に座り込んで何かを考えている、ローブを来た少年の姿があった。

 

 

「ジン坊ちゃーん! 新しい方を連れてきましたよー!」

 

 

はっと顔を上げるジンと呼ばれた少年。

 

 

「お帰り、黒ウサギ。それでそちらの女性三人が?」

 

「はいな、こちらの御四名様が────」

 

 

クルリ、と振り返る黒ウサギ。

 

カチン、と固まる黒ウサギ。

 

 

「・・・・え、あれ?もう一人・・・いえ、もう二人いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から〝俺問題児!〟ってオーラを出してる殿方と、小柄で目がパッチリしていて、女性にしか見えないのに中身はそれなりに紳士の殿方が。」

 

 

まあ、出会い頭に耳は鷲掴みにされましたけど、と小さな声で付け足す黒ウサギ。

 

 

「ああ、十六夜君と中里さんのこと?十六夜君なら〝ちょっと世界の果てを見てくるぜ!〟といって駆け出して行ったわ。あっちの方に。」

 

 

あっちと言って指差すのは上空から見た断崖絶壁。

 

 

「それで中里さんだけど、それならここにいるじゃない。」

 

 

そういって、飛鳥は後ろに立っていた少女を前に押し出す。

 

 

「へ?だって中里さんは殿方─────」

 

「ふーん?誰も男だなんて言ってないのにね。」

 

 

少女は黒ウサギをスッと細めた目で射抜く。

黒ウサギはこの感覚に覚えがあった。

 

 

「まさか・・・。貴女が中里さん・・・?」

 

「ははは。いいよ真尋で。あとね、一応()は女で間違いないよ。ちなみにこっちが本来の私服ね。・・・・何なら中見る?」

 

 

一瞬真尋の発した言葉の意味を理解できずに考える黒ウサギであったが、すぐさま理解したのか顔を朱に染める。

 

 

「け、結構なのでございますよ!」

 

「冗談だからマジにならないの。って言うか黒ウサギ、逆廻見に行かなくていいの?」

 

 

黒ウサギははっとしたような顔になる。

 

 

「そ、そうでした!すみませんジン坊ちゃん!皆さんを箱庭にご案内をおねがいします。私は十六夜さんを探しに、一刻ほどで戻ります!」

 

 

直後、黒ウサギの髪と尻尾は桃色に染まった。

 

 

「箱庭の貴族と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやるのですよ!」

 

 

全力で跳躍したらしき黒ウサギのスピードはさながら弾丸の如く。あっという間に見えなくなってしまった。

 

 

「・・・・・・。箱庭の兎は随分速く跳べるのね」

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り大丈夫なはずです」

 

「幻獣?」

 

「ギフトを持った獣を指す言葉です。特に〝世界の果て〟付近には強力なギフトを持ったものがいて、出くわせば最後、とても人間では太刀打ち出来ません・・・・・・間に合うといいのですが」

 

「逆廻なら大丈夫だとは思うけどね。」

 

 

真尋は暢気にそう言った。

 

 

「ところで中里さん。」

 

「うん?何かな飛鳥さん?」

 

「本当はどっちなの?」

 

「え、なに?飛鳥さんも見たいの?」

 

「い、いえ。遠慮しておくわ。」

 

 

飛鳥が気を取り直してジンのほうへと向き直る。

 

 

「まあ黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、御言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がしてくださるのかしら?」

 

「え、あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。皆さんの名前は?」

 

「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱き抱えているのが」

 

「春日部耀。」

 

「それでそこでニコニコしてるのが」

 

「中里真尋。男のふりしてたけど、正真正銘の女子高生です♪」

 

 

そう言って優しげかつ可愛らしい笑みを見せる真尋。

さっきまで男のフリをしていたとは思えないほどだ。

 

 

「さ、それじゃあ箱庭に入りましょうか。まずは・・軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいかな?」

 

 

最強の問題児を除いた問題児三名とジン=ラッセルの四人は箱庭の門をくぐった。

 

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 

皆さんは真尋の服がどこから出てきたものが気になるかもしれないので(気になっていない人はすみません)少し補足を入れておこうと思う。

 

・真尋は基本男物の服を着ている。

 

・真尋は鞄を持ってこの世界に飛んでいた。

 

・真尋が公園にいる時点で、彼女は一度家に戻っている。

 

・真尋はサプライズが大好きである。

 

 

結論・・・真尋の服は自前であり、鞄の中に入っていたものである。

 

 

ちなみに真尋の服装、上は白のブラウスに半そでの黒いベスト、下は濃紺の膝上プリーツスカート。

 

 

 

何はともあれ真尋は女子ですので悪しからず。

 

 

 

◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

 

 

 

──箱庭二一〇五三八〇外門、内壁

 

 

 

ついに箱庭へと足を踏み入れた問題児一行。

 

 

「天幕があるのに太陽の光は通るんだね。」

 

 

天幕が存在していたはずなのに、中から空を見上げてもそれらしいものは存在していない。

つまり、天幕の下にいながら、青空を見上げることが出来るといった不思議仕様であった。

 

直接太陽の光を浴びられない種族──吸血鬼などの種族のための仕組みというわけである。

 

四人は手近にあった『六本傷』の旗を掲げているカフェテラスに座る。

注文を取るために店の奥から素早く猫耳の少女が飛び出てきた。

 

 

「いらっしゃいませー。御注文はどうしますか?」

 

「えーと、紅茶を三つと緑茶を一つ。あと軽食にコレとコレとコレ───」

 

『ネコマンマを!』

 

「ネコマンマ!?そんなものあるの!?」

 

 

つい真尋は突っ込む。

突っ込んでからしまったと思った。

が、誰からも突っ込まれないところを見て、安心した。

 

 

「はいはーい。ティーセット四つにネコマンマですね?」

 

 

・・・・・ん?と飛鳥とジンが不可解そうに首を傾げる。

しかしそれ以上に驚いていたのが春日部耀だった。

信じられないものを見るような眼で猫耳の店員を問いただす。

 

 

「三毛猫の言葉、分かるの?」

 

「そりゃ分かりますよー私は猫族なんですから。そちらの貴女も分かってますよねー?それはともかく、お歳のわりに随分と綺麗な毛並みの旦那さんですし、ここはちょっぴりサービスさせてもらいますよー。」

 

『ねーちゃんも可愛い猫耳に鉤尻尾やな。今度機会があったら甘噛みしに行くわ。』

 

(何言ってるんだろうこの猫さん・・・。)

 

 

真尋は思うが口にはしない。

 

 

「やだもーお客さんったらお上手なんだから♪」

 

 

猫耳娘は長い鉤尻尾をフリフリ揺らしながら店内に戻る。

なんだか満更でもないようだ。

 

その後姿を見送った耀は嬉しそうに笑って三毛猫を撫でた。

 

 

「・・・・箱庭ってすごいね、三毛猫。私以外に三毛猫の言葉が分かる人がいたよ。」

 

『来てよかったなお嬢。』

 

「ちょ、ちょっと待って。中里さんもさっきネコマンマに反応してたけど、貴女たちもしかして猫と会話ができるの?」

 

 

うげっ、と内心真尋はドキッとする。

 

 

「え、ええと・・。私はこの三毛猫さんのように人に慣れた動物となら会話というか一種の意思疎通は出来ますけど・・・。」

 

 

耀も驚いたような顔をしている。

 

つづいて動揺した顔のまま飛鳥は耀のほうを見る。

 

耀はそれにこくりと頷き、肯定の意を示す。

 

 

「もしかして猫以外にも意思疎通は可能ですか?」

 

「うん。生きているなら誰とでも話は出来る。」

 

 

トンデモ発言をしている耀に対し、驚き続けるほか三名。

 

 

話を一通り聞いた飛鳥が口を開く。

 

 

「そう・・・・春日部さんは素敵な力があるのね。羨ましいわ。」

 

 

笑いかけられると、困ったように頭を掻く耀。

対照的に飛鳥は憂鬱そうな声と表情で呟く。

耀と飛鳥は出会って数時間の間柄だが、それでも飛鳥の表情が彼女らしくないと感じた。

 

 

「久遠さんは」

 

「飛鳥でいいわ。よろしくね春日部さん。」

 

「う、うん。でも、飛鳥も鳥達と話してた。」

 

「ああ、あれ?あれは違うのよ。だって───」

 

 

「おんやぁ?誰かと思えば東区画の最底辺コミュ〝名無しの権兵衛〟のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

 

そこへ2mを超える巨躯を持った男が現れた。

 

 

 

 

 

 

 






次回からもしかすると真尋の視点になるかもです。

まあその場合、それについて触れておきますのでよろしくお願いします。
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