遅れて本当に申し訳ありません。
不定期と言うか亀更新は明記しているので、お願いします。
真尋が・・・・・・。
後悔はしていませんが。
遠い目をしている真尋に白夜叉は耳打ちする。
「おんし・・・。明日、時間はあるかの?」
「・・・・。」
「聞いておるのか?」
「・・あぁ。はい。大丈夫・・・だと思います。」
「なら明日。時は問わぬ。都合がついた時に来ると良い。」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
白夜叉との
その後、〝フォレス・ガロ〟のコミュニティメンバーが、彼らの本拠を訪れたりしたが、その話はこの際不要だろう。
───── 翌日
「・・・来たか。」
閉じていた目をゆっくりと開き、自らの招いた者の訪れを確認する白夜叉。
「白夜叉様、御用は?」
呼び出しに応じた真尋は凛とした声音で、白夜叉に問う。
「おんしだって分かっておるだろうに。」
「ええ。力試し、でしょうか?」
「ククッ。そんな生ぬるいものではないだろうがな」
そういうと白夜叉は懐から一枚のカードを取り出し、目の前に翳した。
「おんしを私の有するとっておきのゲーム盤に案内しよう」
刹那、周囲は輝きに満ち溢れ、光が止むとそこは荒涼とした大地と成っていた。
要はただっ広い荒地である。
「契約書類は必要かの?」
「不要です。」
「そうか。では・・・行くとするぞッ!」
その言葉を皮切りに白夜叉は十六夜レベルの速度で飛び出し、真尋の懐へと入り込んだ。
「はッ!!」
そして懐に飛び込んだ白夜叉は、躊躇い無く拳を繰り出した。
これが飛鳥や耀であれば、終わっていただろう。
それほどの一撃である。
だが
「破ッ!」
その拳にあわせ、真尋も拳を突き出していた。
拳同士の衝突により、あたりを衝撃波が蹂躙する。
続いて真尋が凄まじい勢いで廻し蹴りを繰り出す。
白夜叉はハッとした表情を作り、焦って回避行動を取る。
前髪を掠め、数本が千切れ飛ぶ。
「おんし、今私が避けなかったらどうするつもりであった?」
「避けると思いましたから。」
フッと笑いあう二人。
此処まで心躍る戦いはいつ振りだろうかと白夜叉は思う。
「埒が明きませんね。」
と、大きく後方に距離をとり、目を閉じる真尋。
「?おんし何をするつもりじゃ?」
目を開いた真尋の瞳は、蛇のそれとなっていた。
「ほう・・・。蛇眼か」
「良くご存知で。」
「それで私を石化するつもりか?」
「そんな興が冷めることはしませんよ。」
そして目の前に手を翳し、何かを握りこんだ。
「何じゃその棒は?」
「貴女は女神アテナをご存知ですか?」
「かの戦神のことか?じゃが、おんしは彼の女神ではあるまい?」
「それなら話は早いです。女神アテナ・・・いえアテナ・パレスの武具は物語では大鎌という風に相場が決まっています。」
ですから、と言葉を続ける真尋が手に持った棒切れの先端に光り輝く黄金の刃が出現した。
「此処からが第二ラウンドです。」
手を前に差し出す真尋。
彼女の着ている服の袖から四匹ばかりの蛇が現れ、白夜叉へと殺到する。
「小賢しい真似を!たかが蛇程度で、この私の動きを止められると!?」
白夜叉ははじめの一匹を左手で打ち払う。
その直後、白夜叉の体に異変が起きた。
「・・・?」
「その蛇たちは体全体から即効性の麻痺毒が分泌されています。噛まれるだけでなく体に触れただけで、体の動きを阻害し、判断力を低下させます。」
「なん・・・じゃと?」
弾き飛ばされ、主の元へと戻った蛇たちは、じゃれ付くように主の体へと巻きつく。
ちなみに子の麻痺毒が真尋に作用することは無い。
・・・・・原理は不明だが。
「はは、賢しい小娘だと思っていたが、これはこれは失礼した。さっきまで引っかかっていたつっかえが取れたようだ。」
カカ、と快活に笑う白夜叉が次第に目を細めていく。
「もう私のことに気付きましたか?」
「おんしのその力、十六夜の小僧の力にも大概驚いたが、おんしのそれは〝神格〟じゃな?」
「ご名答。まあ、少しずれているといえばずれているのかな?」
「というと??」
真尋はにっと笑って一呼吸置く。
「私は・・・
「なんと!?」
「まあ不完全とはいえ、本体の力をかなり取り込んでいますし、もう一つ、絶対的な力を取り込んでますがね。」
「もうひとつ・・じゃと?」
スッと目を細め途端に真顔になる真尋。
「今回私が話したことを全て口外しないと誓えるのなら・・・いえ、貴女にこのような念押しは失礼ですかね。あなたを信用して話をします。」
ゴクリ、と生唾を飲み込む白夜叉。
「して、その〝もう一つ〟とは」
「特にウサギには内緒なんですけど・・・。」
「うむ、御旗に誓おう。」
「アルテミス・ディアナ・セレーネ・ルナ。」
「なんと・・・。」
白夜叉は口をあんぐりと開き、言葉もないと言った様子だ。
「全て月の女神です。私の世界の史実には恐らく他のどの世界の神話にも存在し得ない話があります。」
ギリシャ神話のアルテミス・セレーネ、ローマ神話のディアナ・ルナ、彼女らは高名な月の女神であり、それぞれが優れた能力の持ち主であった。
月の女神達は全て別のものと考えられている。
しかし真尋のもつ神性で分かるように真尋のギフトでは、全て一つの女神として祀られている。
すなわち〝狩り〟〝純潔〟〝樹木〟〝性〟、そして〝月〟。
この全ての特性を持つ神性として、真尋のギフトが成り立っている。
きわめて異例のことである。
「・・ん?それならおかしい」
白夜叉が何かに気付き話し出す。
「それほどに強力な神性なら、
「ああ、そのことですか。あの時にアテナの神性を強めて一時的に神性を揉み消したんです。」
白夜叉が驚いた表情を作ったが、直後に呆れた顔を作った。
「おんしホントに人間か?・・・そんな荒業まで出来るのか・・・。」
「てへっ」
「神性二つも持ってる化け物がやっても可愛くないぞ?」
「ひ、ひどい!」
「「・・・ぷっ、あはは(カカ)!!」」
一頻り笑ったあと、ふぅ、と息をついて白夜叉が口を切る。
「まあ、この勝負は私の負けでよい。」
「よろしいので?」
「うむ。良い事も聞けたしの。」
侮れない、とひそかに思い内心苦笑する真尋。
「ついでにギフトカードを確認させてもらってもいいかの?渡したいものもちょうど出来たところじゃ。」
「ええ。かまいません。」
そういいつつ胸元からカードを取り出す真尋。
中里真尋・ギフトネーム 〝
「・・・・・。」
絶句する真尋。
「・・・・またえらいことになっとるな・・・。まあ今更か。」
一人納得する白夜叉。
そんな白夜叉を恨みがましい眼で見る真尋。
「これをこうして・・と。よし。」
そうしているあいだにも、白夜叉は作業を完了したようだ。
「ほれ。」
最後にこう付け加えられていた。
〝模造・雷霆〟〝真・
「・・・。まあありがとうございます。」
気付くと真尋は元の白夜叉の執務室にいた。
その後、白夜叉に別れを告げ何か釈然としないまま、飛鳥と耀、ジンがギフトゲームをしている〝フォレス・ガロ〟の本拠へと向かうのであった。
主要問題児達が真尋のギフトネームを知るのはかなり後になるかもしれません。