【絶斗side】
護衛開始から数日が経ったある日の夜。オカ研のみんなとバラキエルさんはオーディン様の護衛をしていた。ぞろぞろと全員が傍にいるわけにもいかないので数名を残し、他は少し離れたところから護衛を行っていた。予定ではオーディン様が連れてきた8本足の馬『スレイプニル』と牽引する馬車で空を移動するはずだったのだが・・・
~~~~~回想~~~~~
イ「すっげーでけーー!!!」
オ「ホッホッホ。これがわしの馬、『スレイプニル』じゃ」
俺たちの目の前には巨大な8本足の馬が馬車に繋がれていた。今から俺たちは空を移動するオーディン様が乗る馬車を護衛しなければならない
ゼ「なあ絶斗。私たちはどうすればいいのだろうか?」
絶「そうだなぁ」
リ「あら?どうしたの?」
ここで俺とゼノヴィアに問題が起きた。他のオカ研のみんなは天使化したイリナを含み全員飛べるのだ。それぞれ上手・下手はあれど飛ぶ経験はある。しかしずっと剣ばかりを磨いてきた俺とゼノヴィアにはそれがない。悩む俺たちのもとに部長がやってきた
絶「部長。いや、俺とゼノヴィアは飛んだ経験が全くないものでして」
リ「折角悪魔になって羽根もあるのに飛ぼうと思わなかったの?」
絶「飛ぶよりも剣のみをやってきてたので飛んだことがないんです」
リ「何をやっているの全く」
ゼ「ですから基本は馬車の屋根の上で待機。斬撃で攻撃するしかないと考えます」
リ「そうね。無理して落ちたらそれに人員も割かなきゃならないものね」
とりあえず基本方針も決まったが
ゼ「また大雑把か。変に癖をつけたくないのだがな」
ゼノヴィアはあまり乗る気じゃなかった
スレイプニルが宙を駆け夜の空へと上がったところで俺たちの前に蒼枒さんが待ち構えていた
絶・ゼ「蒼枒さん!?」
イ「お前!なんでこんなところにいるんだよ!護衛を頼まれたんだろ!!」
蒼「・・・オーディン様。これが用意していたものですか?」
イッセーの叫びを無視して蒼枒さんが尋ねる。その様子にイッセーを慕う者たちも機嫌を悪くしていった
オ「そうじゃが、何か問題あるかの?」
蒼「問題大ありです。今!すぐ!地上に降りてください!」
リ「地上に居たら護衛しづらいじゃない!それに戦闘が起きた場合周りを巻き込むことになるのよ!」
蒼「上空ならその心配もないってか?考えが足りないな。飛行機やヘリを存在を何故考えない?」
蒼枒さんに言われてから初めて気づいた。上空には何もないと思われていたがそんなことはない。数は少ないが空には確かに飛んでいるのだ
蒼「衝突した場合、間違いなく墜落するだろう。ならそのときどういう対応するのだろうな?もみ消すのは無理があるぞ」
オ「・・・・・・」
オーディン様も考えていなかったようで考え込んでいる様子。今日は降りるしかないだろう
蒼「今許可を取っている最中だ。早くても数日は地上を移動してもらう。従ってもらえなければ強制的に落とすことになる。早々に降りることを勧める」
それだけ言うと蒼枒さんはその場から姿を消してしまった
アザ「・・・ということらしいが、どうするんだ?俺としちゃ従った方が身のためだと思うぜ」
一緒に護衛をしていたアザゼルさんがオーディン様に指示を仰ぐ。俺もアザゼル先生と同じ意見だが果たして
オ「しょうがないのぅ。この国には郷に入っては郷に従えという言葉もあるしここは従っておこうかのぅ。少し待てば空の移動も可能になるようだからの」
そう言ってスレイプニルを操り地上に降りて行った。終始無視されていたイッセーはやはり憤っていたがまあ無駄だろう
~~~~~回想終了~~~~~
と言うのがあったのが数日前。まあ護衛と言っても結局は未成年が入れない店に行くのが目的なのだから地上で一般人に扮して行動したほうが目立たない
ゼ「ようやく帰路についたか。今日も無事に終わりそうだな」
絶「まだ油断はできないぞ。終わるまで何があるかわからないからな」
というものの時間も時間なので人も少なくなってきているし。・・・あれ?確かに人は少ないが少なすぎやしないか?途中で来た道を戻っている者や細い路地に入ろうとする者まで。そしてついに人が見当たらなくなった
絶「マズい!オーディン様の近くに行くぞ」
頷くゼノヴィアと一緒にオーディン様の傍に控える。俺たちに反応してかオカ研のみんなも集まってきた。それよりも先にオーディン様の前に一瞬で現れたのは
絶「蒼枒さんと黒歌さん!?」
ゼ「いつの間に現れたんだ!?」
突如現れた黒歌さんはオーディン様の歩みを止めさせ、蒼枒さんは刀に手を掛けていた。そして
ロ「オーディン、こんな大人数を引き連れ何をしている?諸君、お初にお目にかかる。我は北欧神話のトリックスター、ロキ!」
黒いローブを着込んだ、目つきの鋭いイケメンが現れた