ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

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プロットに肉付けしているとどんどん文字数が増えていく不思議(そして予定通りに進まない)。フェンリル戦はやりたかったんだけどなー

ちなみにここのフェンリルは原作のような雑魚ではなくガチにヤバいフェンリルです。イッセーの全力ならともかくリアスたちでは傷一つつけられません


青龍の介入

【蒼枒side】

 

ロキがオーディンと護衛するオカ研らが出会う少し前。彼らの上空では結界が張られ、その中で俺は黒歌を横抱きにしながら監視していた

 

蒼「・・・よくもまあ遊んでいられるものだ」

 

欧州担当の白虎からオーディンのことを噂程度で聞いていた。その内容は自身からしたら考えられないものだった

 

蒼「自分の仕事は他人に押し付け、自分は遊んでいる。その上お金はすべて経費で払うか」

 

余りにも酷い。組織のトップがあれでは下の者たちの苦労は計り知れないあろう。正直あれが自身の上司だったら即刻切り伏せている所だ

 

黒「蒼枒、夜食の準備ができたにゃん」

 

小さな転移陣をいくつも展開し、結界の上におにぎりやお茶を取り出し置いていく。急須から湯気が立っていることから今入れたばかりなのだろう

 

蒼「ん、じゃあいただくか」

 

黒「蒼枒、あ~ん」

 

手を合わせ食材と作ってくれた黒歌に感謝すると黒歌がおにぎりをもって食べさせようとする。俺はそれを頬張った

 

蒼「うん、うまいな。いつも黒歌が作る料理はおいしいな」

 

黒「うれしいにゃ~」

 

照れるように片手を頬に当て目を細める。そんな黒歌が可愛くて自然と頭を撫でていた

 

黒「にゃ~。気持ちいけど今はご飯を食べてほしいにゃ~」

 

再び差し出されるおにぎりをいただき、逆に俺が黒歌に食べさせる。互いに食べさせ終え、お茶を飲みながらゆっくりしていると見ている一帯から人がいなくなり、逆に護衛対象のオーディン様に近づく者がいた

 

蒼「・・・いくぞ、黒歌」

 

黒「せっかく心地よかったのに・・・」

 

撫でられていた黒歌が残念そうに呟く。俺も撫でていたいが仕事は仕事だ

 

蒼「続きはまた後でな」

 

俺と黒歌はオーディン様たちの前に降り立った

 

絶「蒼枒さんと黒歌さん!?」

 

ゼ「いつの間に現れたんだ!?」

 

絶斗とゼノヴィアが驚き、悪魔たちも集まってくるが俺はそれを無視。刀の柄に手をかけ(つば)を鞘から押し出し、いつでも抜ける状態にする

 

ロ「オーディン、こんな大人数を引き連れ何をしている?諸君、お初にお目にかかる。我は北欧神話のトリックスター、ロキ!」

 

スサノヲ様と同様、トリックスターであるロキ様が姿を現した。アザゼルが冷静に問いをかける

 

アザ「これはこれはロキ殿。こんなところで奇遇ですな。何か用ですかな?ここには北欧の主神オーディン殿がおられている。それを周知の上での行動だろうか?」

 

ロキ「いやなに、我らの主神が、我らが神話系を抜け出して、我ら以外の神話体系に接触していくのが耐えがたい苦痛でね」

 

アザ「そのためにわざわざここまで来たってのか」

 

ロキ「その通りだ」

 

喧嘩腰のロキ様にアザゼルが舌打ちする

 

アザ「チッ、面倒な。・・・1つ聞く。この時期にこの行動。まさか禍の団(テロリスト)と繋がってるわけじゃねぇだろうな?律儀に答える義理もないだろうが」

 

アザゼルの質問にロキ様は不快そうに表情を歪めた。疑う気持ちは分かる。俺たちが怪しまれているだろうからな

。少々疑心暗鬼になっているのかも知れない

 

ロキ「あのような下賤な輩と同一視されるのは不快の極みだな。私のは自分の意志でここに居る。そこに彼奴らの意志はない」

 

その答えにアザゼルは肩の力を僅かに抜いた。これだから研究者は!

 

アザ「これが北欧の問題か?まったく面倒だぜ」

 

ロセ「ロキ様!これは越権行為です!主神に牙をむくなどと!許されることではありません!しかるべき公正な場で異を唱えるべきです!」

 

ロキ「一介の戦乙女が我の邪魔をしないでくれたまえ。オーディンはともかくお前とは争いたくないのでな」

 

ロキ様が警戒するほどの力を持っているのか。それも主神以上に

 

ロキ「さてオーディンよ、まだこのような北欧神話を超えたおこないを続けるおつもりなのか?」

 

オ「そうじゃよ。少なくともお主よりもサ-ゼクスやアザゼルと話していたほうが万倍も楽しいわい。日本の神道を知りたくての。あちらはこちらのユクドラシルに興味を持っていたようでな。和議を果たしたらお互い大使を招いて、異文化交流しようと思っただけじゃよ」

 

オーディン様は平然と答える。が、それを聞いたロキ様は苦笑した

 

ロキ「・・・認識した。なんと愚かなことか。これでは黄昏(ラグナロク)を行うのも吝かではないな」

 

アザ「それは、宣戦布告と受け取って良いんだな?」

 

ロキ「如何にも」

 

自らの宣言にロキ様から殺気と濃密なオーラが感じられる。流石は北欧の神。加減は不要だ。俺は過重符を剥すと同時にオーディン様の周りと黒歌以外の下に蔦を這わせた

 

蒼「ここで闘われてはマズいのでな」

 

ロキ「なにっ!?」

 

蔦が勢いよくしなり上がるとその上にいたものたちを全て上空へ打ち出された

 

「「「「うぉあああああああぁぁぁぁぁ!!?(きゃあああああぁぁぁぁぁ!!?)」」」」

 

悲鳴を上げながら飛ばされるオカ研たち。悲鳴を上げないのはロキ様やアザゼル、絶斗とゼノヴィアだけだ。次第に速度が弱まり空中に一時的に止まるとその瞬間、真下に1km四方の立方体の結界が張られ、彼らは結界内に閉じ込た

 

蒼「黒歌。きついかもしれないけど頑張って」

 

黒「うん。頑張るにゃ!」

 

この結界を張ったのは勿論黒歌だ。角の8点と各辺の中間に1人ずつ配置し、強固な結界を張っている。が、神同士の戦いだと強度が心もとない

 

ロキ「ふむ、結界に閉じ込められたか。まあいいだろう」

 

結界内に入るとロキ様が浮遊し、オカ研等と距離を取っていた

 

イ「部長!女王に昇格します!!」

 

リ「いいわ!いきなさい、イッセー!」

 

変態が紅い鎧を纏ってロキ様に突貫した。その背から生えているのはドラゴンの翼だ。悪魔の羽根はどうした?

 

ド『相棒、飛行をこちらに任せろ!全力で行け!』

 

イ「あぁっ!」

 

『JET!!』とドライグだったか?アザゼルからそんな名前を聞いたが、あの変態と一緒にいるらしい変なドラゴンの声がする。もしかして飛んでいるのは変ドラのおかげか?とりあえず空中戦を可能にしているがそれだけだ

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

ロキ「赤龍帝か!順調に力を上げていっているようだな。しかし・・・」

 

イ「喰らえ!!ドラゴンショッッッットォォォオオオオオ!!!」

 

変態の渾身の一撃がロキ様に放たれる。煙に包まれるロキ様。当たったことに浮かれる変態にその取り巻き達。本当に愚かだよな。この程度で主神級が死ぬならとっくに世界から神は消えている

 

ロキ「まだ神を相手にするほどではない!」

 

煙が晴れるとそこには魔法による防壁を張るロキ様の姿が。その身は着ているローブすら傷1つついてなかった

 

リ「そんな。イッセーの一撃を喰らって無傷なんて」

 

ロキ「こんなものだろう。とは言え流石に防御もなしに受けるのは我とてマズい。青龍に堕天使総督も出てくれば無傷では済まないな」

 

アザ「なら、降参でもするか?」

 

ロキ「まさか!だがこちらも増援を呼ばせてもらおう。来い!我が息子よ!」

 

ロキ様が指を鳴らすと空間が歪み、亀裂できる。中から現れたのは灰にも銀にも見える長い髪の男が現れた

 

イ「・・・またイケメンか」

 

何故か変態が恨めしそうにしていた

 

フェ「私の出番はないと思ってましたが?」

 

ロキ「有象無象なら問題ないが流石に青龍と堕天使総督相手では無傷ではすまないのでな」

 

フェ「なるほど」

 

ロキ様の息子と言うと有名なのはフェンリルだろうか?

 

フェ「皆さま初めまして。私はフェンリル。我が父、ロキから生まれた神を喰らう狼です。以後お見知りおきを」

 

礼をしながら圧をかけるフェンリルに対し、オカ研は蛇に睨まれた蛙の如く体が震えていた

 

ド『相棒、アレはヤバい!奴の攻撃は絶対に避けろ!』

 

イ「どういうことだよドライグ!アレがヤバいってのはなんとなくわかるけど」

 

アザ「イッセー!そいつは最悪最大の魔物の一匹だ!絶対には手を出すな!」

 

声を荒げるアザゼルに対し変態は訳が分からず困惑した声で問う

 

イ「な、なんで?」

 

アザ「アレは神喰狼だ!神を確実に殺せる牙を持っている!そいつに噛まれたら、いくらその鎧でも保たないぞ!」

 

脂汗を滲ませて警告するアザゼルに取り巻きが息を呑む

 

アザ「アレは、俺がやる」

 

イ「先生!いくら何でも無茶です」

 

リ「そうよ!私たち皆でやらないと」

 

蒼「いや、お前達では力不足だ」

 

流石に蹂躙するのは計画に支障が出る。俺が相手をするしかない。変態たちよりも前に達、俺はフェンリルと対峙する

 

イ「お前ッ!」

 

アザ「・・・勝てるのか?」

 

蒼「さあな。少なくともこの中では勝算が一番高いだろう」

 

フェンリルを見ると人の姿から人狼へと変化していた。そして片足をトントンと結界を突っついていると次の瞬間には姿が消え

 

ガキンッ!!

 

リ「っ!?」

 

フェンリルが赤い髪の悪魔に爪を振り下ろそうとしているのを青龍刀で受け止めた

 

蒼「反応出来た奴、どれぐらいいる?」

 

そう聞くが槍を構えていたのはアザゼルのみ。絶斗とゼノヴィアが次点で他は論外だ。音が鳴ってから気付いたな

 

蒼「そんなわけだ。俺が相手だ」

 

ギリギリと擦れる音が青龍刀から聞こえるが残る手から木を勢いよく生やしこの場から離れる。この程度で負傷などないはずだ。宙を駆け近づけばあちらも同様に近づいてくる。俺とフェンリルの見えない戦いが始まった


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