小説家になろうに投下したものを書き直した作品です。
童話調の書き方+テスト投稿兼ねてます。
とある町外れの森の奥深くに見た目は人間と大差のない、青年のような魔王が住んでいました。
魔王はとても寂しがりやでした。
その昔、彼は人間と仲良くしようと町に出かけましたが町の人達から恐がられ、彼は誰とも仲良くする事が出来ませんでした。
「町外れの森に住む魔王は恐ろしい。いつかこの世界を支配するつもりだぞ」
町の皆にそう怖がられ、魔王はいつもひとりぼっちでした。
「ただ仲良くしたいだけなのに」
ですが魔王に会いに来る人は一人もいません。
けれどある日魔王にお手紙が届きました。
『まおうさまへ。にわのはながもうすこしでさくのでせかいせいふくはもうちょっとまってください』
手紙の内容は可愛いらしいお願いごと。
「しかたないなぁ」
魔王はそういいました。
そして月日が流れて翌々年。丁度この時期に手紙が来た事を魔王はふと思い出しました。
「そういえば庭の花は綺麗に咲いたのだろうか」
そして次の日、魔王に手紙が届きました。
『魔王様、庭のお花で綺麗な冠を作りたいので世界制服はもう少し待ってください』
「しかたないなぁ」
魔王は言いました。
そして毎年その時期になると魔王の元には一通の手紙が来るようになりました。
『花飾りのドレスが作りたいのです』
『花で綺麗なブーケが作りたいのです』
その度に魔王は言いました。
「仕方ないなぁ」
けれどある年、魔王の元に手紙は来ませんでした。
魔王は首をかしげていいました。
「おかしいなぁ」
次の年も、その次の年も、そのまた次の年にも手紙は届きません。
「私の事が恐ろしくなったのだろうか」
「かなしいなぁ」
誰も好きになってくれないのならこんな世界は滅ぼしてしまおうか。
その時です。トントン、と誰かが魔王の家の扉をノックしました。
いったい誰だろうと魔王が扉を開けるとそこに立っていたのはとても美しい娘でした。
花の冠、花飾りのドレス、花束を手に持ち、美しい娘はいいました。
「魔王様、あなたが好きになってしまいました。世界征服などやめて私をあなたのお嫁さんにしてくださいな」
魔王様はとっても驚きました。
が、やがていつものように笑って彼はいいました。
「しかたないなぁ」
そうして二人は末長く幸せに暮らしましたとさ。