青と赤の神造世界   作:綾宮琴葉

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 前の話か後の話に繋げようかと思ったのですが、前話に繋げると長くなり過ぎるし、後に繋げると雰囲気がおかしくなるので投稿当時の短いままにしました。(加筆しました。詳しくは後書きで)


第3話 魔法は初心者!

「よしっ! 気を取り直して制御の練習をしてみよう!」

 

 とりあえずさっきの魔法制御のページだよね。どこだったかな、ぺらぺらと巻くって~……。あったあった、このページだね。えぇっと、なになに?

 

・魔法制御編

 魔法の制御を安定させる為には、呪文詠唱から発動までの明確なイメージと精神力の強化が必要。

 魔法を使う対象をはっきりと認識する事。魔法の効果とその結果を強く思い描く事。魔法に込める魔力の流れを洗練して、効率化する事。

 

「う~ん。具体的なんだけれど、魔力が良く解って無いから、抽象的に聞こえちゃうかな~」

 

 こんな事なら、漫画をもっとちゃんと読んでおくんだったよ……。でもまさか、『ネギま!』の世界に転生するなんて夢にも思わなかったし。いまさら言ってもどうにもならないんだよねぇ。ほんと、人生何があるか分からないなぁ。う~ん、とりあえず魔力に関して、使い方とか何か書いてないかな~? RPGみたいにMPとか見えると解りやすいよねぇ。

 本を捲っていると魔力の説明ページを発見! 都合よく出てきて作為的なものを感じるけれど、分からないとどうにもならないよね。まずは読んでみないと……。

 

・魔力認識、神力認識編

 魔力には体内を循環するものと自然界に存在するものがある。体内魔力だけではなく、自然のものを効率良く取り込む事で、大きな魔力を得る事が出来る。

 神力とは神族にとって生命の循環を促すものであり、天界と世界と神核を巡る永久機関である。

 

「……神様無理です。わかりません」

 

 何だか前段階から話がずれてる感じがするな~。 そもそも、体内を循環って言われてもどうやってそれを確認するの? あっ! もしかしてこれが私の『不条理』!? 枷は外してもらったから、もう無いはずだけれど、そのせいにしたくなるくらい意味が分からないよ。うん、とりあえず人のせいにするのはやめておこう……。

 

 でも神力の意味は何となくだけど分かるような気がする。こっちは生きるためのエネルギーって事だよね? 生命の循環って書いてあるし。神力が無くなったらヤバイ感じがするけれど、永久機関って事だから……。えっ!? もしかして私って死なないのっ!? 女神様は寿命の事とか何とも言ってなかったし、これから余裕で西暦2000年まで生きるって事だよね? ……あまり深く考えない事にしよう。

 そう言えば、マッチョ神が処罰を受けて消滅って言っていたよね。つまり、悪い事をすると罰が与えられるんじゃなくて抹消されるって事!? うわ、それは怖い。悪い事だけはしない様にしないと。とりあえず私の使命っていうのを考えたら……。世界の滅亡とかにならなければ良いんだよね?

 

「それじゃ気を取り直して、魔法と言うか魔力を使えるようにしないと! やっぱりイメージかな?」

 

 これからはイメージトレーニングをやってみよう! 魔法自体は制御がダメダメでも使えていたし、ちゃんと加減出来るように頑張ろかなっ!

 

 

 

 そんな事をしている内に、あっという間に十年位が経ちました! 多分そのくらいの時間だと思うんだけどね~。カレンダーとか無いから木の枝とか小石で、地面に一月から十二月まで適当に日付を書きました!

 最初はそんな事ぜんぜん気にしてなくて、何日かしてから気付いたんだよね。だからこれって実はあんまり正確じゃなかったり。しかもうっかり雨で消えて書き直しになったよ……。それからは一週間、一月毎に木の枝を置いて目安にしました! 後はうるう年とか合ってるか分からないから、その辺はどうしようもないって事で。

 

 魔法制御の練習は、とにかく毎日毎日欠かさずにイメージトレーニングでした! 基本は防御魔法で光楯を使ったり光の障壁を使ったり、ときどき闇属性の防御魔法も使って練習をした。

 しっかりと丸い楯の形をイメージをして、どこに出すのか、どれだけ出すのかを頑張りました! とにかく何回も同じ魔法を使ってみて、魔力が流れてる感じを掴むまでが大変だったんだけどね。

 その結果、防御魔法だけなら割りと自在に使える様になりました! 頑張ったよ私!

 

「でも、これだけで天使様~って、崇められたりはしないんだろうなぁ~」

 

 崇められるって分かりやすい奇跡が必要だよね? 何が良いんだろう? 人を守る力も必要だと思うんだけど、やっぱり奇跡の生還! とか、不治の病が治った! とかかなぁ?

 今までは防御魔法ばかりで、他の魔法はぜんぜん練習してなかったんだよね。攻撃魔法もやった事はやったけど、家や森を壊しちゃうと大変だし、防御魔法で制御を身に付けるのが優先だったからね。とりあえずある程度は魔力の制御が出来るようになったから、これからはちゃんと確認しておかないと。

 

 そう言えば天使になってからお腹が空かないんだよね。ちょっと悲しいけれど、空腹で倒れないって言うのはありがたいかも。でも口が寂しいから数年前に湧き水は見つけました。どこからか解らないけど、水とお湯が出てくるバスルームよりはおいしいお水でした!

 それに今の時代だと、食事事情もあまり良く無いんじゃないかって思うんだよね。教会とかで人に出会って、美味しい料理が作れたらその辺も評価してもらえるかな!? きっと料理をするのも、とっても大変だと思うんだよね。私は魔法が使えるから良いんだけど、何も無かったら火を起こせなかったと思います!

 

 こんな事が解ったのも、食事をしたいって気持ちが我慢出来なくなった時でした。本当に時々だけど、森で野生動物を狩る事が有りました。生きてるのにごめんなさい! って必死に謝りながら狩りをして、風の魔法で斬って火の魔法で焼いて頂きました。何でも消化出来るらしいから味がしなくても良いんだけど、塩とかも無いし。

 でもね……初めて生き物を殺した時の気持ちは忘れられません……。って、本題を忘れそうになったよ!

 

「えっと、他の魔法の種類は~……っと」

 

・治療魔法

 外傷を治療する魔法。術者の魔力や技量によって治癒できる範囲は変動する。魔法具や薬草等を併用すればその限りではない。

 

・飛行魔法

 飛行の補助を行う媒体を使い、浮遊・高速移動を行う。魔力制御と運用しだいではその限りではない。

 

・強化魔法

 戦いの歌による自己の強化。全身、または体の一部に魔力を纏わせる事で、打撃力・防御力を飛躍的に上昇させる。また契約者に限り、被契約者へ魔力供給を行う事で同様の効果を得られる。

 

「……契約っ!」

 

 思わず言葉に詰まって息を呑んじゃったけど、これは良く考えてからじゃないとダメだよね。私みたいに巻き込まれちゃう人が増えるって事だもんね。

 やるならやっぱり治療かなぁ? 薬草の知識なんて流石に無いんだけど、どこかで勉強出来るところは無いかな? この本に薬草の知識までは書いてないみたいだし。

 後は飛行かなぁ。やっぱり空を飛ぶのって憧れるよね! せっかく翼もあるんだし上手く使えるようになれば、補助を行う媒体って物はきっといらないよね?

 

 

 

 それから更に十年位が経ちました。この世界に生まれ変わって二十年位だね。うーん、意識の上では三十代後半か~。見た目は十代半ばだけれどね。プラス千八百年分はどうしたって? そんな声は聞こえません。

 

 そうそう、治療魔法は森で怪我した動物とか草木で試しました。自分にかけようにも大怪我するわけには行かないし、普通の生き物と違うから効果がちゃんと出なさそうなんだよね。

 あと強化魔法を試してみたら、上手く使えませんでした。魔力を纏ってパワーアップというか自分自身が魔力みたいなもの、というか神力? で、出来てるのに気が付いて意味が無いって事で……。

 『戦いの歌』を使わなくても腕の密度を上げると言うか、感覚的なもので力が強化されるみたいで、いまいち良く解ってないから上手く説明出来ないかな。”なんとなく”で、強化されてる感じ。それでも地面とか木を殴ったら、こぶしの形に陥没したり、あっさり木が折れたり、もう意味が解らなかったよ!

 

 飛行魔法はまだぎこち無いけど、しばらく飛んだり浮かんだり出来るようになりました! 翼でばさばさ動くと格好良いのかもしれないけれど、そんな事をしたら集中が途切れます! 羽が四枚もあるから腕が六本あるみたいな感じなんだよね。正直全然慣れません……。

 でも天使様を演じないといけないから、そろそろ翼を動かす練習した方が良いかもしれない。あとは眠りの魔法とか補助的なものを中心に、やっぱり攻撃魔法は少しだけかな。

 

「よし! 善は急げって言うし、今日からしばらく翼を出したまま生活してみよう!」

 

 あ、なるべく白い方着てよう。雰囲気作りも大切だよね~♪




 2013年3月13日(水) 記号文字の後にスペースを入力。無駄な改行の削除をしました。
 前後がおかしい文章の纏め直しと、魔法の考察を加筆。カレンダーが無いのに経過年数を確認出来ている矛盾を修正しました。それから食事事情に触れているのに狩りの話が無いため、その辺りも若干追加。だいたい1,000文字くらい増えました。
 森の中ですが、シルヴィアは厳密には生物ではないので、野生動物には襲われないと考えています。それに人の気配を避けて近寄ってこないとも考えています。



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