青と赤の神造世界   作:綾宮琴葉

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切りの良い1話だけ移転投稿です。と言うよりも加筆をし過ぎなような気がしてきました。


第49話 弟子入りテスト

「まだ……やれるです」

「ゆ、夕映ちゃん大丈夫?」

「ハイ。大丈夫です……――すやすや」

 

 これは、ダメなんじゃないのかな。夕映ちゃんはログハウスにありがちな丸太チェアに座ってるんだけど、さっきからゆらゆらと舟を漕ぎ始めていたりするんだよね。それと言うのも月曜日の夕方から土曜日までの五日間、ダイオラマ球の中で本当に一月以上の修行を積まされたせいで、始まる前からくたくたになってる様にしか見えないよ。これで本当に大丈夫かなぁ?

 

「コラ! 寝るな綾瀬夕映!」

「は、ハイ! すぐ殺るです!」

 

 エヴァちゃん、なんか変な教育はしてないよね。私が鍛えたんだから大丈夫だって言われても、いつでも寝れます大丈夫。って夕映ちゃんが身体で表現してる様にしか見えないなぁ。物凄く不安なんだけど……。

 とにかく今は、ネギくんとの試合時間の少し前。もうちょっとで0時になるって言うのに、夕映ちゃんはついさっきまでダイオラマ球の中で修行してたんだ。念のために魔力の回復薬は飲んでもらって、エヴァちゃんが寝せなくて良いって言うからそのままにしたけど、本当に大丈夫なのか不安だよ。

 

「綾瀬……。生きろよ」

「はいです」

「何だそれは、ぼーやを殺るにきまってるだろう?」

 

 そんな事言っちゃだめだってば。とりあえずそろそろ時間だけど――、ちょうどノックの音が聞こえてネギくん達がやってきたね。あれ?明日菜ちゃんは元々見に来るって思ってたけど、他にもたくさん居るね。のどかちゃんはある意味当然かな。古ちゃんもネギくんに中国拳法を教えていたから、試合が気になるみたいだね。あれ、木乃香ちゃんと刹那ちゃんに小太郎くんだったかな。やっぱり気になったのかな。

 

「こんばんは。エヴァンジェリンさん」

「よし。逃げずによく来たな」

 

 一緒に「こんばんは」と続ける明日菜ちゃんたち。私が見ていない間にこんな事になっちゃったけど、ネギくん頑張ってね。あ、夕映ちゃんに頑張るなって言ってる意味じゃないんだけどね。

 

「はい、勿論です!」

 

 随分と元気の良い返事だねぇ。てっきり夕映ちゃんと戦う事をもっと躊躇してるかと思ったんだけどね。思ってたよりもずっとやる気のある顔になってるよ。エヴァちゃんから魔法を教えてもらいたいって気持ちがそれだけ強かったのかな。それともナギさんの事のほうが気になるのかな。

 あ、でも明日菜ちゃんとのどかちゃんは複雑な表情をしてるね。二人からから見たら友達と戦う事になるわけだから、心配になるよねぇ。古ちゃんと小太郎くんは何だか楽しそうだけど、二人とも格闘派だからかなぁ。

 

「とりあえず地下に来い。そこに魔法空間の別荘でやる」

「はい! でも夕映さんが、何だか凄く眠そうですけど大丈夫なんですか?」

「大丈夫です。ネギ先生」

 

 心配も問題もありません。って言うけど皆心配した顔で見てるよ。ほら、のどかちゃんとか。

 

「大丈夫ですよのどか。ネギ先生は魔法使いなのですから、私の様な初心者では怪我はしません。もし怪我をしても保健の先生が居るのです。だから大丈夫です」

「え、でも、ゆえが……」

 

 私も不安だけど、ここはのどかちゃんを励ましておかないと。何かあればすぐに治療できる準備は整えてあるから、のどかちゃんもそんなに心配にならないで。大丈夫だよ。うん、少し表情が軽くなったね。

 

「あの、本当に大丈夫なんですか? ネギも凄く修行してたし、夕映ちゃんが何してたか分からないし」

「ならば神楽坂明日菜。貴様はぼーやが怪我をしない事でも祈るが良い。侮っていたら本当に大怪我をするぞ?」

「え? う~ん。でも……」

 

 明日菜ちゃんは、ネギくんが弟子入りに来た時から不安そうにしてたって聞いてるからね。気持ちは分かるんだけど、今の夕映ちゃんを侮ったら本当に負けると思うよ。本当に頑張ってたからね。とりあえずもう地下までやってきたから中に入ろうね。設置してある入り口用の魔法陣に乗るだけだから簡単だよ。

 あれ、そう言えば木乃香ちゃん達はこんな時間にこっちに来てて良いのかな。あの関西呪術協会の術士さんの事だから、西洋魔術師なんか見に行くんじゃないって言いそうだけど。

 

「うん、ウチもそう言うかと思ったんやけど、『西洋魔術師の戦い方を見て、戦法や術を学び、弱点を学び取るんも立派な修行』やゆーてな」

「むしろ技を盗んで来いとまで言っていましたね」

「あはは。それは豪胆な人だねぇ~」

 

 う~ん。それじゃ折角だし見学しててもらおうかな。木乃香ちゃんは魔力も大きいから、陰陽術だけじゃなくて魔法も相性が良いと思うんだよね。

 

「はい。良く見とるから2人とも頑張ってな~」

「あ、ハイ! 頑張ります!」

「どこまで出来るかわかりませんが、やってみるです」

 

 

 

 

 

 

 闘技場までやってきて眠気を抑えて呼吸を整えます。この闘技場は直径が300mを越えているため、ネギ先生と派手な試合になったとしても、動きが制限される事は無いでしょう。

 それにしてもエヴァンジェリンさんの修行を受けて大きく時間感覚がズレてしまい、普通の授業がまるでおまけのように感じてしまっています。ネギ先生の立場から見たら良くはない事でしょうが、今回の事で私が本気であると知って頂きたいのです。

 

「夕映さん。五日前とはまるで別人の様です。凄く頑張ったんですね」

「はいです。先生も侮らないようにお願いします」

「ネギー! 負けたらアカンでー!」

「夕映ちゃんに怪我させちゃダメよ~?」

「むむむ、魔法も混ざると結果が予測し難いアルな」

「ゆえ~頑張ってー。でも、ネギ先生も頑張って欲しい……」

 

 大丈夫ですよ、のどか。先日の修学旅行で見た限りですが、先生の魔力の大きさは良く分かっています。エヴァンジェリンさん達と比べたら正直な所まだまだだとは思うのですが、基礎能力も体術も私を上回って居る事でしょう。だからネギ先生がそうそう負けはしないはずです。

 今回はクーフェさんに中国拳法を習っていたという事ですから、いつもの長い杖ではなく小さな携帯杖を持っていますね。私自身も小さな黒い杖を頂いたので、ある程度基本スタイルが同じになるという予測は付きます。

 

「では、これからぼーやと綾瀬夕映の試合を始める」

 

 準備は良いかと問われて大丈夫だと頷きます。ネギ先生も問題は無いようです。今回まともに眠らせてもらえなかった事で、正直な所あまりまともな思考が出来ていません。エヴァンジェリンさんが言うには極限状態。即ちある種のトランス状態に持ち込む事で、精神のたがを外し、本来以上の能力を引き出させるとの事です。

 

「では、始めるが良い!」

「契約執行180秒間!『ネギ・スプリングフィールド 』!」

 

 開始の合図と共に精神を集中。身体強化のための「戦いの歌」を詠唱します。熟練すれば無詠唱で発動する事も可能ですが、私ではまだ口に出す必要が有ります。当然ネギ先生は中国拳法を習ったのですから、攻勢に入ると見て良いでしょう。未だ動かないネギ先生を正面に捉えて右手に杖を構えます。……もしかして、このまま待ちなのでしょうか。制限時間は十五分ですよ。

 

「ふむ、強引だな。ぼーやの術式は従者用のもので自己供給か」

「それでもちゃんと纏えているのが不思議だよね。才能なのかな?」

「主人公補正って奴じゃねぇのか? なんか術式が捻じ曲がってる様に見えるな」

 

 なるほど、ネギ先生のものは独学なのですね。しかしそれで魔法が発動すると言う事は、経験の差がそこにあると言う事です。しかし臆すわけにもいきません。このまま止まっていても仕方がありませんし、一度様子見と言う事で初級魔法を使ってみるです。

 

「フォア・ゾ クラティカ ソクラティカ 雷の精霊5柱! 集い来たりて敵を射て! 魔法の射手! 連弾・雷の5矢!」

 

 魔法発動体の杖に意識を集中して、雷の精霊に問い掛けます。周囲に集まる精霊たちに、体の中から何かを吸い上げられる感覚を感じながら、杖の周囲に五つの雷球を作り出します。修行通り魔法が発動した事に内心ホッとしました。そのままネギ先生へと杖を向けると、雷球は光の尾を引きながら矢となって連続で飛び出しました。

 半身に構えたネギ先生が私の魔法を目にすると、発動の瞬間を見極めて突進してきました。突き出した拳を見ると、ネギ先生の攻撃は懐まで踏み込んで正拳突きでしょうか。幾らなんでも猪突猛進です。攻撃を流した上で、予備策をつけておくのが良いでしょう。

 

「弓歩沖拳!」

「甘いです!」

 

 目の前に迫ったネギ先生の拳を、魔法障壁で打点を逸らします。そのままネギ先生の右腕に杖を沿えてから、両手を使って合気道の要領で右に向かって力を流します。身体を回されたネギ先生はそのまま中国拳法の足捌きで身体を半回転。魔力を込めた肘打ちを入れてきます。

 

「あ、入った!?」

「ゆえー!?」

「いや、手応えがなさ過ぎるアル!」

「兄貴。それは精霊囮の召喚だ! 本物は別だぜ!」

 

 本物の私は影に隠れて奥に下がっています。「影精召喚」の囮ですね。これでネギ先生は影の精霊で視界が遮られました。ここで一気に攻め込みたい所ですが、今の私の体術ではネギ先生に対して有効な攻撃力を持てません。なので更に影の精霊召喚をして一斉攻撃をするです。

 

「フォア・ゾ クラティカ ソクラティカ 影精召喚 槍の戦乙女 11柱!」

「――えっ! ラ・ステル マ・ステル マギステル 光の精霊17柱! 集い来たりて敵を射て! 魔法の射手! 光の17矢!」

 

 再び杖に影の精霊を集め、影で出来た槍を持った分身体を作ります。多少後ろに下がったと言っても至近距離での詠唱です。流石に気づかれますが私の詠唱が先に終わります。完成した戦乙女たちを先生に向かって突撃。同様にネギ先生も打ち返します。……やはり、打ち負けますね。短時間で練りこめる魔力がまだ足りません。

 相殺し切れなかった光の矢が数本向かってきますが、これくらいならエヴァンジェリンさんの打ち出す魔法に比べたら軽いものです。魔法障壁と体捌きで避けられます。そのまま小声で魔法を詠唱。横に避けながらネギ先生に近付いていきます。

 

「ゆ、夕映ちゃん凄いわね~。本当に魔法使いになってるじゃない」

「そうだな。エヴァの奴に相当しごかれてたし。それであんな状態だからな……。まぁ、人事じゃねぇから笑えねぇよ……」

 

 私が教えられた体術は受けの姿勢が多いのですが、ここはあえて突撃して、攻勢による手段があるように見せかけます。杖を両手で構えたままネギ先生に向かい、押さえつけて制するような素振りでフェイントをかけるです。

 

「む! 勝負に出るアルか!?」

「こらネギ! もっと行ったれやー!」

 

 ネギ先生の左足首の後に左足を踏み込み、杖を左肩に当てて押し倒す動作を見せると、ネギ先生は右足を軸に身体を回転させました。回転後に私の右肩に向けて裏拳を打ち込んできます。痛みで思わず呻き声を上げますが、これは想定の範囲内です。打ち込みを入れてくる動作を見せますが、ここで唱えておいた魔法を開放します。

 

「――魔法の射手 戒めの風矢!」

「うわ!?」

 

 杖の先から放たれた風の矢が、左右からネギ先生を捕らえるために迫っていきます。待機させていた拘束魔法に気付いたネギ先生は、慌てて後方へ転がる事で、その場で風の矢が絡まり逃げられてしまいました。あのカウンターならば捉えられると思ったのですが、発動速度が遅かったようです。

 これは一度体制を整えた方が良さそうですね。まだ時間は残って居るでしょうが、決め手にかけるです。奥の手を使うべきでしょうか……。

 

「こら綾瀬夕映、もっと本気でやれ! 攻撃魔法で攻め立てろ! それともお仕置きして欲しいか? ぼーやも遠慮するんじゃない! 本気でやらなければ弟子入りは無しだぞ!」

「……エヴァのお仕置きとか考えたくねぇな」

 

 うっ!……ダメですね。お仕置きと言う言葉に体がビクリと反応してしまいました。エヴァンジェリンさんの場合、訓練が目に見えてイジメに変わるので本気でそれはやめて欲しいです。

 

「もう、エヴァちゃんてば。試合って言っても先生が相手がなんだし、夕映ちゃんだって遠慮しちゃうよ?」

「えぇ! まだ本気じゃなかったの!?」

「ネギ坊主、夕映は体術には隙が多いアル! 警戒しながら裏を付くアルヨ!」

 

 仕方がありません。集中する時間も隙も増えますが、多めの魔法の射手で時間を稼ぎましょう。その間に大技にかけるしかありません。間に合うかどうか、時間と精神力の勝負です。

 ネギ先生が何を選択するか分かりませんが、集中に入ります。魔法の姿勢を見せれば打ち合って相殺か回避、あるいは防御を取るでしょう。打算的ですが仕方がありません。もっとも、避けて距離を取ってくれればそれでも問題は無いです。

 

「フォア・ゾ クラティカ ソクラティカ 闇の精霊47柱 集い来たりて――」

「えっ!? ラ・ステル マ・ステル マギステル 光の精霊41柱――」

 

 やはり数に驚きましたね。私もこの数を呼び込むにはかなりの精神力を使いますが、この後があるのです。倒れるわけには行きません。ネギ先生は打ち合いに応じてくれたようですから、数と効果からして十分な煙幕効果が期待できます。

 やはり……精神力が削られますね。自分の中に練りこんだ魔力が、とても早い勢いで吸い取られていくのが分かります。ガクガクと震え始めた杖と、額に浮き始めた汗を無視して魔力の制御に集中します。

 

「――敵を射て! 魔法の射手! 闇の47矢!」

「――集い来たりて敵を射て! 魔法の射手! 光の41矢!」

 

 完成した多数の闇の矢を杖の周囲に纏わせて、そのままネギ先生へ杖を突き出します。闇色の球体が一斉に解き放たれると同時に、ネギ先生の光の矢もこちらへ向かって放たれました。当然ながら、光の矢がこれだけあれば相殺する時に視界が眩しい光子で覆われます。闇の矢も同様に、黒い粒子が周囲に振り撒かれました。そして、ここが私の狙い目です。観戦している明日菜さん達が何か言っていますが、この際無視します。

 

「キャッ! ちょっと見えないじゃない!」

「見えへん、どっちや!」

「ま、まぶしー」

 

 のどかの声が聞こえた気がしますが、無視……しないとネギ先生には勝てませんね。では最後の一撃と参りましょう。残った精神力で気力を振り絞って杖に集中します。呼び込むのは雷の精霊と闇の精霊です。今私が使える中級魔法にして最強の手札になります。どこまで魔力が持つか分かりませんが、ネギ先生の残りの魔力よりは少ないでしょう。確実に狙わなくてはなりません。

 

「フォア・ゾ クラティカ ソクラティカ 来れ雷精 闇の精――」

 

 荒く呼吸する息を整えながら、杖に集まる精霊を制御します。ふとした瞬間に暴れだしそうなそれを精神力で押さえつけ、闇色の雷を生み出します。やがて視界が晴れて来ると、先程立っていた場所よりも数m左に移動したネギ先生が確認できました。そのまま視線を外さずに、残りの詠唱も続けていきます。

 

「あそこ、ネギが!」

「ゆ、ゆえ~~?」

「――闇を纏いて 荒ぶり焦がせ 常夜の稲妻 闇の雷束!」

「――障壁最大!」

 

 周囲で放電を続ける闇色の雷は指し示した杖の先、魔法障壁を最大魔力で張ったネギ先生へと突き進みます。バチバチと雷特有の弾ける様な音を鳴らしながら、黒い稲妻の束が魔法障壁へと突き刺さります。

 私の魔力不足は必至ですが、ネギ先生も正面から受け止めたからには長続きはしないでしょう。眠気は既に吹き飛んでいますが、精神力と魔力が削られてくらくらと頭が揺れてきます。それを無意識に叫びながら無理やり押さえ込みました。今ここで攻め切れなかったらきっとお仕置きが待っているのでしょう。……あれ。何か初期の目的から変わってきて居るような気がします。

 

「負けんなやネギー! 押し返せー!」

「頑張ってゆえ~。あ、でもネギ先生も。あぅぅ」

 

 黒い稲妻がネギ先生の障壁を削っていますが、いまいち効果が見られません。やはりネギ先生の残存魔力の量の勝ちでしょうか。だめですね……。そろそろ、魔法の形が保てません。

 

「ふむ。ぼーやも良く持つな、中級魔法を急ごしらえの障壁で正面から受け止めるとは」

「瞬動とか出来れば避けれたタイミングだな。まぁ障壁でもやり方次第でってところか?」

「それにしても夕映ちゃんは良く集中が持つね。もうかなりツライと思うんだけど?」

 

 もう一度。初級攻撃魔法なら後一度だけ打ち出せるはずです。もはや立って居るのがやっとですが、杖を掲げて魔力を集中します。

 

「フォア・ゾ クラティカ ソクラティカ 雷の精霊11柱――」

「すみません、夕映さん!」

 

 魔法を唱え始めたその先に、構えを取ったネギ先生が一気に距離をつめてきます。いけません。完全に無防備ですね。これでは……あぁもう、ネギ先生が目の前です。意識した瞬間、腹部に鈍い衝撃が走り一瞬呼吸が止まります。思わずうめき声を上げて蹲り、そのまま意識を手放しました。

 

 

 

 

 

 

「エヴァンジェリンさん。僕の勝ちですよね!?」

「……そうだな。ぼーやの勝ちだ。それなりに覚悟も見せてもらったし、約束どおり稽古をつけてやるよ。それからナギの話もしてやる」

「は、はい! ありがとうござい……ます」

「ネギー!?」

「ネギ先生~!? はぅ――」

 

 え、ちょっと待って。ネギくんにのどかちゃんまで倒れちゃったよ。流石に親友と好きな人が倒れるのを見たら限界になっちゃったかな。ネギくんもギリギリだったんだろうね。最後に真正面から受け止めて、そのまま距離を詰めるのに大きな呼吸がいる反撃までしたからね。

 

「神楽坂明日菜。とりあえず奥の寝台にぼーや寝かせて置け。起きたら話はしてやる」

「あ、うん。ありがと、エヴァちゃん」

「千雨ちゃん。夕映ちゃん達を運ぶの手伝ってくれる?」

「え? まぁ良いけど」

 

 これでネギくんの弟子入りテストは終了。エヴァちゃんもとりあえず納得したみたいで、ネギくんの本格的な修行が始まる事になった。




 夕映の魔法始動キーは原作そのままです。

 オリジナル魔法
 闇の雷束:黒い稲妻の束が一直線に進むイメージ。
 (来れ雷精 闇の精 闇を纏いて 荒ぶり焦がせ 常夜の稲妻 闇の雷束)
 原作の「雷の暴風」と「闇の吹雪」をアレンジしました。

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