青と赤の神造世界   作:綾宮琴葉

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第69話 学園祭(2日目) 選択した道

「来たわね、夕映!」

「な、な、なんですかハルナ!?」

「何もカニも無いわ。アンタ、何か隠してるでしょ?」

「な、何も隠してなんか――」

「反応が遅ぉーい! いつものアンタなら即答するところよ! さぁ白状しなさい! あの武道会とか、前のネギ君のキス魔とか、どう考えてもおかしいでしょうがー!」

「あ、ああ、あのなハルナ。ネギ君はちょっと、超包子の特性肉まんを食べ過ぎてもーてな?」

「そんなんで騙されるかー!」

「は、ハルナ! 落ち着くです!」

「ごめんハルナちゃん。 影の捕らえ手」

「えっ……むぐ!?」

 

 ハルナちゃんに話しかけると同時に、その影から捕縛の矢を伸ばす。暴れて傷が付かない様に素早く手足の自由を奪って、口も目立たない様に影の魔法で塞いだ。周りには一般人も居るし、ここで騒がれるのは凄く不味い。

 

「シルヴィア先生!?」

「ちょっと移動しようか? この場所も内容も、大声で話して良い所じゃないからね?」

 

 少し低い声で注意を促すと、この場も魔法の会話も不味いって気付いてくれたのか、図書館の大通りから離れて、人が居ない場所へと集団で移動した。

 

 事の始まりはお昼時にかかってきた一本の電話。午前中にまほら武道会の決勝は終わったけれど、もちろん学園祭はそれだけじゃない。とても三日間で回れる様なイベントの数じゃないし、小さな規模でもない。ここは伊達に麻帆良学園都市って大きさじゃないからね。

 それはともかく、武道会の事や悪魔の事。そして超ちゃんの事で夕映ちゃん自身も学園長室に行って忙しかったせいで、夕映ちゃんが所属している図書館探検部のイベントをすっぽかした事から催促の電話だった。

 

 そこまでだったら良かったんだけど、どうも武道会の事が極め付けになって、ハルナちゃんが魔法に気が付いてしまった様に見えるんだよね。

 私個人としては、魔法に関わらないで一般生徒のままで居た方が良いと思う。誰も彼も魔法に関わっていく今のA組の雰囲気は、お世辞にも良いとは言えない。それに私も一人の先生なのだし、生徒達の安全を考えたら、とてもじゃないけれどようこそなんて歓迎は出来ない。でも問題なのは、今ネギくんと魔法の関係がある子達は、ほぼハルナちゃんと交流があるって事。

 

 ネギくんの仮契約者になった明日菜ちゃん。その同室の木乃香ちゃんは魔法使いとして修行を始めたし、本人も図書館探検部で接点が多い。そして夕映ちゃんにのどかちゃんも魔法と深い関係があって図書館探検部。言い逃れするのは難しいだろうし、本人達の感情的にも、隠し通すのは辛いと思うんだよね。

 

「ぷはっ! あー、苦しかった」

「あの、シルヴィア先生。どうしてハルナさんを? それに、魔法をばらすのはマズイんじゃ無いですか?」

「そうだね。でも、今回の場合は特別。ハルナちゃんはもう確信してるみたいだし、夕映ちゃんやのどかちゃん達も、隠し通すのは辛いんじゃないかな?」

「そ、それは確かにそうなのですが……」

「あの、ネギ先生。ハルナに教えちゃマズイんでしょうか? バラしちゃいけないって言われましたけど。でも、やっぱり心苦しいって言うか、その……」

「のどかさん……。でも……」

 

 ネギくんはちょっと躊躇してるのかな? どの点で悩んでいるのか分からないけれど、まず伝える事は伝えてから選択してもった方が良いかもしれない。

 

「ハルナちゃん。良く聴いてね?」

「はい! モチロン聴きますって、こんな楽しそうな事ずっと黙ってたなんて、ねぇ?」

「う、それはその、えぇとですね……」

「ハルナちゃんは魔法の事を軽く見てるみたいだからはっきり言うけれど、実はハルナちゃんは一度死にかけてるんだよ?」

「え、そんな記憶無いんですけど? 夕映ものどかも知ってる?」

「もしかして、修学旅行の事でしょうか?」

 

 ネギくんやのどかちゃんがハッとした顔になってるけれど、一番危なかったのはその時だね。だからこそ疑問に、真剣な顔付きで頷いて応える。

 他にもちょっとした事で危険があった可能性を否定できないし、何よりファンタジーで夢見心地な感覚のまま足を踏み込むと、何に巻き込まれるか分かったものじゃないからね。特に学園長は魔法生徒候補として集めておきたい子が沢山居るみたいだし……。

 

「そうだね。だからもう、学園長は魔法生徒の候補として見てるんだよ」

 

 それに魔法を見た事を忘れるって手段もある。記憶消去・封印なんて魔法もあるし、さっきみたいな捕縛魔法。幻術や洗脳、封印に制約なんて性質の悪いものあるって事を分かってもらわないといけない。もちろん人助けが出来る魔法もあるけれど、全ての魔法使いが決してそうでは無いと言う事。

 そう言って説明していくと、流石に不味いという事を分かってもらえたのか、真面目に悩んでいるように見えた。

 

「それでも、ハルナちゃんは魔法の世界に関わりたいって思う?」

「んん~、でも夕映やのどか達だって関わってるんですよね? だったら、やっぱり気になるし。皆は危険じゃないんですか?」

「もちろんそうだよ。でも夕映ちゃんは魔法を知ってから、並の魔法使いを大きく超えるくらいの努力をしているし、木乃香ちゃんも同じく修行してるんだ。のどかちゃんはネギくんと仮契約しているから、守りに関しては一般人とは雲梯の差があるよ」

「仮契約?」

「俺っちの出番っすね! つーか兄貴、この姉さんとも契約しちまったらどうっすか? その方が安全だし守りやすいし。アーティファクトが出れば戦力にもなると思うぜ!」

「か、カモ君。駄目だよ簡単に巻き込んじゃ。それに、僕はこれ以上……」

 

 あれ? ネギくんの魔法に対する危険意識が、前よりもしっかりして来たかもしれない。それにこれ以上って言うのは、仮契約の事と思って良いんだよね?

 ネギくんの使い魔の子は、ちょっと言う事が不味いとは思うんだけど、それはネギくんがしっかりしてれば何とでもなる事だよね。それに、先生としての自覚が強く出てきて良い傾向かもしれない。

 

「ねぇネギくん。今ネギくんは、ハルナちゃんの事だけじゃなくて今後の事を、どう考えているのかな? 昨日の答えはまだ出ていないと思うんだけど、ハルナちゃんは皆と仲が良いからちゃんと話をしておいた方が良いと思うんだ?」

「え、昨日のですか? ぼ、僕は、その……」

「えう……わ、私は、その~……」

「なになに? もしかして、お二人は昨日でデキちゃったりしてたり? いや~悲しいねぇのどか。この親友のパル様を差し置いて、大人の階段上っちゃうなんてさ~」

「ハ、ハルナ~~!?」

 

 うーん。これくらいの年の女の子には、そういう話が重要だってのは分かるんだけど……。今はちょっと止めて欲しいかも。なんだかA組はシリアスが持たないねぇ。

 

「ごめん千雨ちゃん。ちょっとネギくんとハルナちゃんだけ連れて行くね。きちんと話を付けてくるから、こっちの様子を見ててくれるかな?」

「え、私がか? どっちかっつーとこのメンツなら綾瀬だろ?」

「夕映ちゃんは夕映ちゃんで今は悩みがあると思うから、客観的に見れる千雨ちゃんなら、この場を押さえてくれると思うんだよね?」

「う……。分かったよ」

「うん。お願いね? 頼りにしてるよ」

「お、おう」

 

 

 

 

 

 

「あの、長谷川さん」

「ん、何だ?」

「長谷川さんなりの考えを聞きたいのですが、構いませんか?」

 

 私の考えって言われてもなぁ。綾瀬のヤツはこっちに来るつもりなのか? あ、違うか。早乙女の事だよな。最近綾瀬はこっちにいる事が多いし、昼間の学園長の話もあるからついついそう思っちまった。

 早乙女か……。とりあえず、魔法に関わるヤツが増えるって意味じゃ反対だな。ただコイツ等全員ダチだからなぁ。放って置いてもいつかその内関わっちまうだろ? そう考えたら今の内にはっきりと決めて、関わるなら最低でも自分で魔法障壁くらい張れた方が良いんじゃねぇのか? まぁでも、魔力の器の問題もあるし才能の方向性もあるからなぁ。

 

「まぁ、早乙女はハッキリ決めた方が良いんじゃねぇか?」

「そう……ですか」

「難しいなー。ウチは魔法に関わるしかないし、のどかかてネギくんの従者やもんなぁ」

「う、うん。夕映はその、ネギ先生とは仮契約する気は無いの?」

「えっ、私はネギ先生と仮契約をする理由は無いですよ。自分で身は守れますし、魔法だって千雨さん程とはいかなくても、ネギ先生には簡単に負けるつもりはありませんよ」

「そ、そーなんだ。でもね、ハルナは……。ネギ先生と、仮契約しちゃうのかな?」

「大丈夫ですよ、のどか。仮にハルナがそうしたとしても、私達はのどかを応援しています」

「そうやでー、なぁ千雨ちゃんも応援しとるもんなー?」

「いや、何で私が……」

 

 ネギ先生ねぇ。まぁ、個人の趣味をどうとか言う気はねぇけどな。宮崎は何処が良かったんだ?

 つーか恋愛とか私に振られてもなぁ……。私にそんなの出来んのか? いまいち興味が沸かねぇんだけどよ。それに精神的にはもう高卒近いし、恋人がどうとか考える以前に、魔法の危険を何とかしないといけないって修行ばかりしてた青春だしなぁ……。

 あれ、これってぶっちゃけ枯れてねぇか? ……やべぇ、何かいろいろとマズイ気がする。近くにいる男子って言ったら誰だ? ネギ先生とか高畑先生とか? そりゃねぇだろ。まさかフロウが精神的に~ってのは、有りじゃねぇよな。つーか、どこの薄い本だよ。

 

 あー、いや、てゆーか。何気にファーストキスってシルヴィアだよな……。あれ? 何だこの百合フラグ。ちょっと待て、気が付かない間に外堀埋まってねぇか!? いやその、別にシルヴィアは嫌いじゃねぇけど。コイツ等がそんな話してるから妙に意識してきちまったじゃねぇか!

 違う、私は普通。私は普通だ。えぇとえぇと、こういう時は別の事を考えてだな……。シルヴィアって実は素材が良いよな? そう言えば何でエヴァのヤツはシルヴィア達の服って殆ど作らねぇんだ? アンジェのヤツとは散々いろいろ服作って着てるのに……。

 

「――って、シルヴィアから離れてねぇ!」

「は、長谷川さん!? 何をいきなり叫んで」

「はっ! な、何でもない! 何でも無いぞ!」

「そうですか……?」

 

 つーか、どの道寿命なんて無いようなもんだし、シルヴィアは家族って呼んでくれる。これから長い時間を生きていくのに、結婚とか普通の人間の思考とかから離れていくんだろうな。シルヴィア自身も何か浮世離れしてると言うか、元人間つってもやっぱどこか考え方が違うんだよな。

 

「ところで、シルヴィア先生達の事ですが……」

「え、何かあるのか?」

「はい。こう言っては何なのですが、シルヴィア先生とエヴァンジェリンさん達の様に、人の枠を越えた方達と、長谷川さんが一緒に居るのも不思議な感じがしています」

「そんな事言われてもな。私の場合はシルヴィアの方が信用できたからなぁ」

「信用とは? 何かいざこざがあったのですか?」

「そんなんじゃねぇよ。私の場合は人払いとか素通りしちまう体質でさ、シスターシャークティの悪魔祓いの現場に遭遇しちまったんだよ」

「そ、そんな事があったのですか」

「その時にこの体質じゃ何処に居ても巻き込まれるってのが分かったんだ。それで学園長とシルヴィアの話を聞いて、シルヴィアの方が信用出来たから今は一緒に居るって事だな」

「なるほど……。学園の中でも不意に危険があるという事ですね」

「あれはある意味偶然だけどな。全否定は出来ないってところか」

 

 何か綾瀬のヤツ、悩み込んでるな。基本的に魔法先生も生徒もかなりの人数が居るから、日ごろの巡回もしてるし常に危険って事も無いんだよな。

 関西の出張所が出来てから、東西のいざこざみたいなものも目に見えて減ったらしいし、ある意味学園長の東西仲良くしたいってのは、見た目には成功してるんだろうな。

 

「長谷川さん。もし私がシルヴィア先生か、エヴァンジェリンさんの従者になるとしたら、長谷川さんはどう考えますか?」

「え、夕映? 私達から離れちゃうの?」

「大丈夫ですよのどか。一緒に居るのと師を選ぶのは違います。学園長からもネギ先生を選ぶのか、シルヴィア先生達を選ぶのか、早めに決めて欲しいとも言われました。なによりネギ先生自身が、エヴァンジェリンさんを師と仰いでいるではありませんか」

「あ、そっかー。でも、もう進路を決めちゃうんだね」

「いえ、そんな事ではありませんよ。でも、魔法に関わっていく気持ちは変わりません。どうでしょうか、長谷川さん」

「え、なんつーか……。まぁエヴァは意外と歓迎するんじゃねぇか? 良い意味でも悪い意味でも気に入られてるみたいだし。シルヴィアは多分、綾瀬なら問題無いって言うだろうな。誰も彼もってなると問題だけどな」

「そう、ですか……。ちょっと、話を聴いてきます。ハルナの事も気になりますし」

「あ、おい!」

 

 どう考えてもまだ話中だろ! ややこしくならない様に離したってのに、コイツの妙な情熱はこういう時は逆効果だな。

 まさかこんな事で拘束魔法使うわけにもいかねぇし。仕方がねぇ、追いかけるか。

 

 

 

 

 

 

「それじゃネギくん。皆には聞かれたくない話もあると思うから、言いたくない事は言わなくて良いんだけど、でも魔法に関しては今ここではっきりしないと不味いと思うんだ?」

「はい。そう、ですね」

「えっと何か、もしかして大事?」

「普段ならもうちょっと裏側で、コソっと話す事なんだけどね。今回は人も多いし、今ちょっと問題も起きてるんだ」

 

 確かにそうかもしれない。僕は、クラスメイトの皆さんを、魔法の世界に巻き込みたくないって思う。でも、麻帆良にやってきた初日にアスナさんにばらしてしまった。その後、修学旅行でのどかさんを巻き込んでしまって、関西呪術協会でクラスのお友達の皆さんも……。

 その時に沢山の人が魔法に関わってるって知ったけれど、皆さんはちゃんと魔法を隠していて、僕はマスターからの修行もあってまだまだ未熟だって思い知った。それに勘違いからマスターと始めて戦った時の事も忘れちゃいけないんだ。茶々丸さんに襲い掛かってしまった時みたいに、魔法を気軽に使っちゃいけないって分かった。でもまだ、僕は本当の意味で分かっていなかったんだ。

 

 あのヘルマンという人……。いいや違う、あの悪魔だ。彼と出会って僕は絶対に逃げてはいけなかった事を思い出した。そして、ようやく分かったんだ。無闇に魔法に巻き込んじゃいけないって。

 六年前のあの日、目の前で石になっていく人達の顔。必死の形相で逃げて、絶望の顔のまま石になった村の皆。それに、アーニャのお母さんだって石にされたままなんだ。あの時の胸を引き裂かれるような苦しさを、目の前が真っ暗になった死の恐怖を、アーニャが悲しくてずっと泣き続けていた事を、絶対に忘れちゃいけなかったんだ。クラスの皆さんに味合わせちゃいけなかったんだ。

 でも僕は、必死に力を求めるだけで、周りの事に気付けないままだった。ただただ自分だけが先に進もうとしていた。関西呪術協会で、フェイトの石化魔法で長さんや皆さんが石にされた時に、怒ってぶつかるよりも先に、皆さんの安全を確認しておかなくちゃ駄目だったんだ。

 

 僕は今、アスナさんにのどかさんと仮契約をしている。魔法を知っている皆さんを見て、自分を守れる力の無い人は今、のどかさんとハルナさんだ。古老師は魔法が使えなくても、中国拳法の達人で並みの相手からは身を守る事が出来る。龍宮隊長も銃の名人だし、楓さんも凄く強い忍者の人なんだ。

 仮契約をすれば、確かに守る事が出来るかもしれない。でも、それにはパートナーって意味合いもあるし、簡単に巻き込んじゃいけないんだ。

 

「あの、ハルナさん。僕の、故郷の話を聞いてもらえますか?」

「え? なにそれ。それって告白って事?」

「はい、ある意味そうなると思います」

「ハルナちゃん、今のは天然で意味が違うって分かってるよね?」

「そりゃもちろん。でも、のどかとの手前ちょっと。でも、ふざけてる場合じゃなさそうね」

「は、はい。それでその――」

 

 僕の故郷の村は、永久石化と言う呪いで六年も経った今でも、誰一人として蘇っていません。そして、修学旅行ではハルナさんも石化された一人です。そう説明を続けて、今立っている位置がどれだけ危険な事か、思っていたよりも早口で、のどかさんの事を言われて少し赤くなった顔を隠す様に説明していく。

 それに、仮契約の事も。パートナーという意味が魔法使いの世界ではある事。のどかさんにまだ告白されてしまった事は、ちょっと言えなかったけど。でも、夕映さんとシルヴィア先生と相談した事は、きちんと決めなくちゃいけないって思ってる。

 

「でもさ、友人としてはそんな世界に友達を置けないわけよ。ましてや、私一人だけ除け者なんて絶対にイヤだね」

「ハルナさん……」

「もし魔法を知った上で、覚悟を持って進むのなら、それはそれで良いとは思うよ? でもね、知っている事を黙ったまま関わらないでいるって道もあるんだよ?」

「それは無理ですよ。友達皆関わってるのに、見てみない振りなんて出来ませんって」

 

 やっぱり図書館探検部の皆さんとは友達だし、いつかはハルナさんにもそうなるんじゃないかって思ってた。でも、迂闊に仮契約は出来ないし、シルヴィア先生に任せるのも筋が違うと思う。皆さんを巻き込んでしまったのは僕だし……。

 

「……ネギくん。誓約書って言う方法もあるよ?」

「え、どういう意味ですか?」

「期間限定で仮契約をして解除するって、あらかじめ決め事をしておくの。もちろん、魔法の世界に関わったって記録は残るし、関係者って見られる。けど、あるのと無いのとでは意思表示の意味も、安全性もぜんぜん違うと思うんだ? 非常時の場合は、だけどね?」

「あ、はい。確かにそういう方法もあるかもしれません。でも……」

「いや、その何て言うかさ。そんなに悩まれちゃっても困るんだけど。私としては友達が知らない所で危険な目に合って、知らない内に苦労してるのを見て見ぬ振りを出来ないわけさ」

「ハルナさん……」

「待ってください!」

「夕映さん!?」

 

 えっ、いつから聴いてたんだろう!? それに千雨さん達まで。

 

「シルヴィア先生。そちら側で、エヴァンジェリンさんに師事を正式にお願いは出来ませんか?」

「え、夕映ちゃんこっち来るの?」

「ま、マテ、早なるな綾瀬! エヴァだけはやめとけ、マジで!」

「はい。私の決意は固いです。それにハルナものどかも、私が守れるだけの実力をつければ良い事です。ネギ先生だって居るのですから、そうそう危険に巻き込まれないと思います。ですよね、ネギ先生?」

 

 夕映さんは、僕に真剣にのどかさんの事を考えて欲しいって言っていた。シルヴィア先生だって、何かが有っても守りきれる覚悟と実力がお互いにあるのかって説いていた。僕は……。

 

「はい。そうですね、僕もマスターの所で頑張りたいと思います。それに、のどかさん」

「ひゃい!? なな、なんでしょう?」

「僕はまだ正直、女の人を好きになるって気持ちがはっきり分からないんです。でも、真剣に考えたいって気持ちは間違い有りません。だから、まずはお友達から始めませんか? 一緒に、答えを見つけて行きたいんです」

「あ……。はい、よろしくお願いします!」

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