青と赤の神造世界   作:綾宮琴葉

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第74話 学園祭(3日目) 世界樹防衛戦(2)

「それで? そのパソコンを使って茶々丸と連絡が取れるのか?」

「まぁな。間に合わせの電子精霊だがやらないよりマシって程度だ」

 

 間に合わせなんて言いながらノートパソコンを準備するフロウくんだけど、使役するための精霊はそれ相応の術式できちんと準備されたものだったりする。そうは言っても電子精霊の専門家が使う、学園結界プログラムの様な大型のものじゃなくて一時的な契約術式なんだけどね。

 今私達がやっているのは、学園全体に向けた超ちゃん対策の準備。皆がやれる事を手分けしてやって、超ちゃんの作戦を一個ずつ対処する事になっている。それでも一番目立つのはネギくん達の学園祭イベントに見立てた作戦になる。それに今回は全員で作戦を行うって事で、普段は絶対にアンジェちゃんを前に出したがらないエヴァちゃんが行動を認めているくらい。そうは言っても世界樹の根元でのパソコン操作というか電子精霊の術式操作っていうか、目立たないという意味でも安全圏なんだけどね。

 

「お姉ちゃんは心配性なんだから。私だって戦えるんだよ?」

「そうは言うがな……」

「相変わらず妹にはベタベタに甘いな」

「うるさい! お前こそシルヴィアに甘いじゃないか! それよりどうなんだ、私はパソコンとか苦手なんだよ」

 

 なんだかんだ言っても、現代から転生したアンジェちゃんだから機械類には抵抗がないみたい。同じ双子でもエヴァちゃんは苦手って言うんだから不思議だよね。

 それはともかく、本当だったら並みの電子精霊じゃ茶々丸ちゃんには対抗が出来ないと思う。だけど今回はちょっと一工夫。完全に妨害は出来ないと思うけれど、ある意味最強の盾になるはずだから少しでも学園結界プログラムへの攻撃を遅らせる事が出来ると思う。それに今回の事は、作戦行動中の茶々丸ちゃんの妨害をすると言うか接触を持つ事で、茶々丸ちゃんという個人の心、成長の切っ掛けにもなるんじゃないかって期待もしていたり……。一石二鳥を狙うなんてちょっとずるいかもしれないけどね。

 

 それから私も麻衣ちゃんと認識阻害と防御用の結界を強化しなくちゃいけない。未来のフロウくんのレポートだと、茶々丸ちゃんの攻撃プログラムで学園結界が陥落した事で認識疎外の結界が消えて、強制認識魔法の効果が増加されたって書いてあった。それだけじゃなくて、普段なら学園結界がある事で侵入者や鬼神兵なんかの敵対者の能力が制限されるのに、超ちゃんの鬼神兵に影響が無かったという結果も残っている。

 

「それじゃ麻衣ちゃん、私はこれから学園の端から円を描くように魔法薬を散布してくるから、中心の世界樹で同期をお願いね?」

「……はい。自然放出の魔力は駄目ですけど、本体の魔力ならば問題なく使えますから。学園結界が落ちても良いようにしますね」

「うん、よろしくね」

 

 そんな訳だから、私達は学園結界が陥落する事を想定した上で予備策を張っておく事にした。ネギくん達の作戦上、学生達に配られた魔法具は科学的なやらせアイテムだって認識してもらわないといけない。それに超ちゃんに気を取られている間に、まったく関係の無い第三者の侵入者がやってきたら困る事になるからね。唯でさえ一般の学生達が動員されているんだから、守れるだけの準備はしておかないといけないよね。

 最終的にはインターネットにアップされた武道会の動画とかの削除は、超ちゃんが所持している機械と技術頼りになると思う。けれども、今夜の学園祭イベント中に魔法疑惑を広めて良いってわけじゃないからね。

 

「それじゃ、まずここから……」

 

 北は私達『管理者』だけの領域で、基本的には不可侵だから後回し。結界を丁寧に張るためにも時間に余裕がある内に、西側から反時計回りに結界を作っておきたい。これは単純に西にある麻帆良湖から超ちゃんのロボット兵達が現れたという事から、先にやった方が良いって判断をした。それに湖岸にイベントに参加する学生たちが集まってきたら、魔法を使うところを見せられないからね。

 魔法薬を周囲に振り撒きながら、それを媒体に麻衣ちゃんの結界術式と同期。そのまま南へ向かって予備の結界を組み立てていった。

 

 

 

「くくく、いよいよだな」

「随分楽しそうだね?」

「まぁな、相手が木偶だってのは分かってても、普段は力を振るえないからな」

 

 何て言いながら、世界樹の根元から夜空を見つめて楽しそうに笑うフロウくん。京都の時はお留守番だったし超ちゃんとも戦えないから、鬼神兵で鬱憤を晴らすんだってやる気に溢れてるのは良いんだけど、やる気過ぎて目立つとちょっと困るかな。

 それはともかく、私達が打てる手は昼間の内にやりきったと思う。フェイトくん達は結局あれから姿を見せなかったし、フロウくんの脅しが効いてるのかは分からないけれど、レポートにも何も書かれていなかったから傍観に徹したか既に帰ったかのどちらかだと思う。

 

「茶々丸と夕映の事は私達に任せておけ」

「そうは言っても、アンジェの側に居たいだけだろ?」

「……まだ言うかお前は。たかが鬼神兵の集団にお前達二人だけでも過剰戦力だ。世界樹の防衛の要に私がバックアップに付くという話だろう」

「ちゃんと分かってるよ。夕映ちゃんとチャチャゼロちゃんが抑えてくれると思うけど、ここにエヴァちゃんが居るって事が、私達がこの場に留まっているってアピールにもなるからね」

 

 私とフロウくんが上空の鬼神兵に向かう作戦上、私達の行動を出来るだけギリギリまで超ちゃん達に悟られたくない。それに千雨ちゃんと夕映ちゃんは、私達の中で超ちゃんに対抗出来る戦力だって向こうも分かっているはず。だから二人には囮になってもらっているし、超ちゃんだって戦力を集中して自分のところに辿り着けないように妨害するはず。

 その上で私達が世界樹の周囲に留まって、超ちゃんには直接手出ししないって思わせておかないといけない。それだけじゃなくて万が一に第三者の介入があった場合、直ぐに動いて学園や一般人を守れる様に、エヴァちゃんに待機してもらっている。エヴァちゃん自身はあんまり乗り気じゃないみたいだったけど、この隙に学園を破壊されたり、魔法がばれて追われるよりはましって事で納得してくれたみたい。

 

 それに正しい意味でも、学園との契約や利益的にも、私達はこの場所を守る。学園関係者の要石になるつもりは無いけれど、学園長から協力依頼も受けているし、敗北した未来にしないためにもしっかり守り切らないといけない。

 ちなみに今回の依頼の報酬は金銭だったりする。交渉をする時間も無かったし、私達自身にも降りかかる問題だからね。全面協力すると私達が表立っちゃうし、立場やメンツ的にも無料で奉仕ってわけにも行かない。

 

「シルヴィア、そろそろ時間らしいぜ?」

「何か見えたの?」

「夕映の雷の魔法だな。あれは知ってる人間なら分かりやすい」

「……麻帆良湖に鬼神兵も居ますね。結界に反応が出てるから、少し動きが鈍くなってると思います」

 

 確かに夕映ちゃんのあの魔法は分かりやすいね。普通の雷の魔法と違って悪目立ちはしないから助かるよ。それに麻衣ちゃんの結界が反応しているって事は、もう学園結界に攻撃が加えられているのかもしれない。予想より早いかも……。流石にネギくんの作戦は目立つから、超ちゃんが茶々丸ちゃんに速攻を命令したのかもしれない。

 

「よし、行くか」

「そうだね。向こうも焦ってると思うから、スピード勝負になるかもしれない」

 

 超ちゃんが私達に気付いていなかったとしても、ネギくん達を見て世界樹の占拠を急ごうって思うはず。ロボット兵や鬼神兵の姿はここからは見えないけれども、間違いなく上空に居ると思う。それにふと、私達が遅くなれば森で防衛線を張って守っている夕映ちゃんのところにロボット達は増援に行くのかもしれないって考えが頭に過ぎった。それを防ぐためにも私は銀色で半透明の翼を広げて、世界樹の根元から夜空へと浮かび上がる。

 フロウくんも私の動きを確認すると、竜種独特の翼を背中から生やして浮かび上がった。翼は髪の色と同じ深緑色で、片翼で小柄なフロウくんよりも大きい。ちなみに服が破れないように背中の開いた半袖のシャツと短パン。完全に格闘戦をする気でいるみたいだね。ちなみに私はいつものゴシックドレス。ただし黒の方だけど。全身真っ白だと夜空じゃ凄く目立っちゃうからね。

 

「早く行って来い。手遅れになっても知らんぞ」

「それじゃ、エヴァちゃん達もがんばって。ここは任せたからね?」

「あぁ、任せておけ」

「頑張ってくださいね」

 

 夜風を切りながら、決して人の身や飛行魔法では出せない速度で遥か上空に昇っていく。超ちゃんは地上四千メートルの飛行船に居たと言うけれど、私達が最高速度で飛行したならば数分でそれくらいの距離は過ぎ去っている事になる。それでも姿が見えないという事は、鬼神兵はもっと遥か上に居るって事になるのかな?

 

「ねぇ、フロウくん。居ないって事はないよね?」

「ここに居なけりゃ引き返すか、エヴァ任せだな。――っ! いや、居るみたいだぜ」

 

 獲物を見つけた様な獰猛な表情をするフロウくんの視線の先を追うと、ここよりも更に高い夜空にいくつもの人型が見えた。空に昇りながらその姿を確認すると、機械の翼を生やしてジェットを噴く茶々丸ちゃん達だった。よく見知ったその姿が何十対も居る事に思わず動揺が走る。

 

「え、何で?」

 

 茶々丸ちゃんは学園結界プログラムに攻撃するために、超ちゃんの研究室かどこか別の部屋に居るはず。それなのにここに居るという事は……。あれも、超ちゃんのロボット兵って事?

 

「なるほどな。機動兵器タイプと、人型の田中さんタイプが表立ってたが、茶々丸タイプもそりゃ作れるよな」

「そうだよね、もともと超ちゃんが作ったんだし。でも、ちょっと冗談にしては笑えないね」

「重要なのは中身だろ? つーわけだから、やるぞ?」

 

 そう宣言するなりフロウくんの周りに風の魔力が急速に集まっていく。一度呼吸を整えてから、風竜系のドラゴンブレスのようなものを吐き出して、量産型の茶々丸ちゃん達が噴出するジェットの軌道を乱した。そのまま風を操って彼女達を檻に閉じ込めていく。

 

「――逆巻け夏の嵐 彼の者等に 竜巻く牢獄を 風花旋風 風牢壁!」

「問答無用だね……」

「当たり前だろ。あんなので躊躇ってたら本命が逃げちまう」

「本物って事は、無いかな。撃破されるのが分かってて、『管理者』の領域上空には出さないよね……」

「ま、そういう事だ。破片が落ちて地上被害があると面倒だからな。抑えてる間に全部頼む」

 

 全部ねぇ。そうなると機械だから雷系の魔法で爆発させるか、炎系で爆散させて後も残さないようにするかどっちかかな。いくら学園から遠く離れた空の上だからって言っても、やっぱり雷系の魔法は目立つから大魔法は使えない。そう考えると……。雷系でショートさせて破壊してから、炎系で焼き溶かして残骸が出ないようにする、ってところかな?

 

「それじゃ、雷の精霊51柱! 集い来たりて敵を射て 魔法の射手! 拡散・雷の51矢!」

 

 フロウくんが制御する風の檻の中に、雷の魔力を纏った矢を打ち込む。魔力を込めて威力は上昇させているけれども、制御を捨てて檻の中で暴れまわるように仕向けた。

 風の檻の中で雷光を撒き散らす魔法の矢を受けた彼女達は、あっさりと爆発を起こしてその破片は風に捕らわれていく。その様子に少しの悲しみと申し訳なさを感じながらも、証拠を残さないためにも再び魔力を集中して、今度は炎の精霊へと魔力を込めていく。

 

「ものみな焼き尽くす 浄北の炎 破壊の王にして 再生の徴よ 我が手に宿りて 敵を喰らえ 紅き焔!」

 

 今度は風の檻に爆炎魔法を打ち込むと、それは風に乗って赤い炎の竜巻になっていく。高温を肌で感じると間もなく、風に閉じ込められた彼女達の残骸は塵となって吹き飛ばされていった。

 

「やっぱりちょっと悲しいかな。こんなロボット達を生み出した超ちゃんも、そんな未来も……」

「感傷は後にしろよ。超のヤツだってそんなのが嫌だからやってんだろ?」

「……そうだね。まだ鬼神兵が居たね」

 

 それに、もういつネギくんが超ちゃんの所に行ってもおかしくない。地上の鬼神兵は学園の先生達が封印班を組んでいるし、囮の千雨ちゃんと地上の戦力を削っているはず。超ちゃん自身が直接ネギくんや千雨ちゃん、夕映ちゃんに向かえば、飛行船に作られた強制認識魔法の大魔法陣は手薄になるから、基本的には受身のはず。

 

「そういうわけだ。まさか囮の部隊をこんな所に置くわけもないからな。この先だろう」

 

 フロウくんの言葉に頷きながら更に昇っていくと、大型のジェットエンジンの様なものを付けてゆっくりと降下する、機械化された鬼神兵が目に入った。その数は三体。多分、北側から世界樹を囲むために上空からゆっくりと降下させていたんだと思う。いきなり現れたら、何も知らない人だって警戒するからね。本来は麻帆良湖や南側のロボット兵達に気を取らせて、私達に気付かれないように配置するつもりだったんだと思う。

 

「三体か、一人一体づつと言いたいところだが先に一体貰うぜ?」

「え、構わないけど。というかゲームじゃないんだからね?」

「ゲームイベントだろ? ま、あれじゃ体の良い的だけど、な!」

 

 語尾を強めて気合を入れたまま翼を開いて、鬼神兵に向かって虚空瞬動の様な高速でフロウくんが突撃していく。ニヤリと笑う口元は見た目少女相応の可愛さがあるけれど、それとは対照的に獰猛な竜の爪を備える鱗に覆われる腕が見えた。

 そのまま右側に居る鬼神兵の胴体に竜のパワーと加速度でぶつかると、下降する鬼神兵を押し上げてから胴を貫いて真っ二つにする。けれども、あのままじゃ不味い。浮力が無くなった下半身はまっさかさまに地上に落ちていく。とっさに魔力を込めて魔法を放とうとするけれども、それよりも早くフロウくんの爪が鬼神兵の胴体と下半身を金属の残骸へと変えていく。

 

「これで一体!」

 

 最後に止めとばかりに風のドラゴンブレスで粉微塵に切り刻む。フロウくんの突撃から僅か数秒で、一体目の鬼神兵は完全に破壊された事になる。

 

「あと二体だね」

「あぁ、あっちもこっちを完全に敵として捉えたっぽいぜ?」

「えっ?」

 

 フロウくんの言葉通り、鬼神兵達は巨大な顎を開いて明らかな攻撃態勢に入っているのが分かる。多分、未来のレポートに書かれていた極大のビームによる武装解除砲。それそのものだけを見たら全く害が無いものだけれど、誰も好き好んで服を破かれたくないし、実はそう思わせておいて殺傷能力や拘束魔法だったりしたら困るからね。現に超ちゃんは私達に謎の制限を掛けてるんだし。

 

「光の楯! 十層!」

 

 フロウくんより前に出ると右腕を翳して、その手の先に濃密に編み込んだ面の魔法楯を展開する。二体の鬼神兵から放たれたビームを受け止めると先の数枚が砕けたけれど、まだまだ楯に余裕がある。

 

「フロウくん!」

「おう!」

 

 二体の攻撃が私に集中している間にもう一体。そんな意味を込めてフロウくんに呼びかけると、直ぐにそれを判断してくれた様子で再び鬼神兵の一体に突撃する。そのまま衝撃の勢いでビームが逸れて、鬼神兵自身も明後日の方向へ飛ばされていく。

 そうしたら、私の役目は残ったもう一体を破壊すること。受け止めたビームは魔法楯に任せて、鬼神兵を破壊する方法を考える。……やっぱり基本的にはさっきの茶々丸ちゃんの量産型と同じで、最後は破片を粉々にするのが良いのかもしれない。

 

「影の地 統ぶる者 スカサハの 我が手に授けん 三十の棘もつ 愛しき槍を 雷の投擲!」

 

 鬼神兵の正面に放置した魔法楯から、高速で羽ばたいて鬼神兵よりも上空、ほぼ真上まで移動してから呪文を詠唱する。雷鳴を轟かせながら左右に付き添うように作り上げた二十メートル程の雷槍を、そのまま鬼神兵に向けて投げ落とす。肩から胴体を貫通する様にバツの字状に突き刺さすと、鬼神兵全体が激しい雷によってショートと小爆発を繰り返していく。

 多分、これで機械としては完全に破壊できたと思う。けれどもまだ、この巨大な金属の塊を落下させる訳にはいかない。それに最悪の場合、鬼本体が暴れても困るから完全に破壊しないといけない。

 

「火精召喚 槍の火蜥蜴 51柱! ――貫いて!」

 

 炎の精霊を実体化させると同時に、その槍を持って機械化鬼神兵の焼け焦げた残骸を砕くように命令する。これで大きな一つの機械の固まりを、小さく砕く事で最後の爆砕をやりやすくした。そしてもう一度爆炎の魔法を使って破片も残さずに塵にする。

 

「ものみな焼き尽くす 浄北の炎 破壊の王にして 再生の徴よ 我が手に宿りて 敵を喰らえ 収束・紅き焔!」

 

 止めのイメージを強く込めて魔法を収束。燃え広がる爆炎を一点に集中して、砕けて落下していく破片に向けて魔法を放つ。収束した事で高熱を帯びた魔法は破片を溶解し、上空の冷たい夜風を受けて塵になって消えていった。

 

「そっちも終わったな」

「そうだね」

 

 余裕そうな声で話しかけてきたフロウくんを見ると、もう二体目の鬼神も倒したって事なんだろうね。傷も全く負わなかったみたいだし、ひとまず無事に終わってホッと一息って所かな。一応これで最初の作戦は無事に終わった事になる。

 ふと、半袖・短パンのフロウくんを見ながら寒くないのかな、何て思ったけれどきっと人間の姿をしていても竜種なんだから肌の構造からして違うんだろうね。

 

「それじゃ、超ちゃんの方に向かわないと」

「そうだな。この高さなら超のやつも簡単に上がって来れないだろうし、丁度良いだろ」

「フロウくんも来るの?」

「当たり前だろ? 特等席だからな」

 

 なんて事を冗談っぽく言って笑みを浮かべるフロウくんと、超ちゃんが居るはずの南の空に向かって羽ばたいていく。

 飛びながら世界樹の様子を見ると、まだ魔力は吸い上げられていないように見える。麻衣ちゃんに念話を送ると同じ答えが返ってきて、超ちゃんの強制認識魔法はまだ準備段階だって事が分かった。


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