僕と人形遣いの関係性   作:桐竹一葉

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今回は三人称視点となります。一話の内にコロコロと視点を変える事は御座いませんので、その点につきましてはご安心(?)下さい。尚、場面の転換は私の実力不足故に今後も今回のように他用してしまうかと思われます。また、文字数は常に一万字を超えられるとは限りませんが、八千字以上は確実に維持して行きたいです(願望


『狂態』

「そ……それ、僕に教えて下さい!」

 

今し方、人里の広場で人形劇を披露していた人形遣いの少女は、その一声に当惑の念を隠せずにいた。劇の初めは白昼を些か過ぎた頃であったと言うのに、今や黄昏時である。

最後まで残っていた幼子達も去り行き、今日はここまでか、と道具を片付け始めた時に漸く彼女自身、広場の入り口に一人の少年が立っているのに気付いた。黒く光を反射しない、艶を失い朽ちたような、鎖骨にまでかかる程無造作に伸びている長い髪。其処彼処に修繕の跡が見受けられる、褪せて草臥れた濃藍の長着と黒い兵児帯。何よりも、その相貌と双眸。髪の上から僅かに見受けられる顔の造形は、決して悪いものではない。寧ろ、もしも身嗜みなどにでも気を遣っていれば、それなりに端麗な容姿なのかもしれない。然し乍ら、病人宛らに血色の良くない青みがかった顔色に、鼻先まで伸びた前髪で見え隠れする暗鬱な思念を深奥に宿す黒い瞳が、それらを見事に打ち消していた。一言でその容態を表すのに、幽鬼と言えば大概の者は失礼ながらも同意を示すだろう。

 

「えっと……取り敢えず聞きたいのだけれど、貴方は誰?」

「……へ?」

 

至極当然な少女の問いに然し乍ら少年は、何を言っているのか、と言わんばかりに素っ頓狂な声を出した。少女も、思わずその対応に頭を悩ませる。確かに彼女の言は、曖昧と言えば曖昧な物言いであったかもしれない。素性を明かせば良いのか、何処の所属か言えば良いのか、名を名乗れば良いのか。確かに、その問いへの解は多岐に渡る。だが、その少年はその内の何を口にするでもなく、只慌てているだけだからこそ、少女は困り果てているのだ。

 

「そうね……先ずは、良ければ名前を聞かせてほしいわ」

 

馬鹿丁寧に少女がそう言うと、漸く少年は合点がいったらしい。はっと何かを察したような表情を、髪で隠され窺い難い顔で見せた。

 

「え、あ、名前……は、桐竹です。桐竹弥太郎、と申します」

 

怖ず怖ずといった口振りに態度で、幽鬼が如き少年は弥太郎と名乗る。吃音と沈黙の織り交ぜられたその一言は、常人に比べ圧倒的に言い終えるまでが遅かった。その上、少女と弥太郎の距離は10米近く開いている為、斯様に小さな声量では、聞き取るにも難儀である。先程の張り上げた大声は何処へやら、何故だか今はその様子がまるで見られなかった。どうも見ていて苛立ちとは行かないまでも、些かそわそわとしてしまうが、少女はそれを面に出すような事は無い。

 

「弥太郎ね、御丁寧にどうも。ご存知かは分かりかねるけど、私はアリス・マーガトロイド。ご覧の通り、人形遣いよ」

 

アリスと名乗った少女は、話しながらに進めていた片付けをいつしか終わらせ、まだ続くであろう会話の為に、道具を仕舞い込んだ鞄を片手に弥太郎の元へ歩み寄る。その際に彼が、まるで怯えているかのように半歩程後退りしたようにも見えたが、その失敬を敢えて少女は気にしないでおいた。先の発言や容態からも察せるが、きっとこの桐竹弥太郎という少年はそういう、言ってしまえば人との関わりが不得手な人間なのだろう。

 

「それで、私に教えて欲しい事っていうのは何かしら?」

 

円滑な会話を促すよう、威圧感を与えないよう、アリスは気を遣いつつそう話を振る。

緊張感を与えないように、出来る限り声が聞き取りやすく、尚且つ数歩程離れた距離に立ち、努めて穏やかな声色で。彼女の端麗な容姿がその効果を若干降下させているかもしれないが、それでもその努力の甲斐あってか、弥太郎は少しばかり表情を和らげた。

 

「そ、その、人形の……遣い方、と言います、か……」

「えっと……要するに、私と同じように、人形を遣えるようになりたいから、遣い方なんかを教えて欲しいという事?」

「あ……そ、そう、です……」

 

俯き加減で肯定されたその見解に、アリスは上辺では悩んでいるかの様な素振りを見せながらも、然し内心では悩む事など一切無かった。何故かと言えば、そんなものは慣れっこであり、またそれ故に対処法などワンパターンなのだ。対処法と言うからには、無論最初からその願いを受け容れるつもりは毛頭無い。今までも、劇の出来映えの良さに魅せられた観客の子供が懇願したり、見るからに不純な動機で若い男衆に頼み込まれたり、老人達が趣味の一環にと願い出たりして来た事が、両手の指でさえ数え切れない程にある。

 

が、アリスはその悉くを拒否して来た。理由としては色々とあるものだが、比較的人に言い易いものならば、人に教える事は苦手な上に経験も無い、という事だろう。

今までで最も使ってきた拒否の言であり、実の所それはさして大きな理由でもないのだが、建前というわけでもない。人には言い難い大きな理由ならば、一人の時間が退屈な時間の潰されるのは、余り好ましくないという事である。彼女は人形遣いであるが故か、はたまた生まれ付いてそういった性質なのか、興味を抱いた物事に対しての、研究や実験などに一人没頭するのを好む。その為アリスは、教え子に取って貰いたいと頼まれた事は幾度と無くあっても、その要求を呑んだ事は1度たりとも無かった。

 

「……御免なさい。悪いけど、私は人に物を教えたりするのは苦手なの」

「え……」

 

だから、見ず知らずの弥太郎がそれを願った所で、何の意味も有りはしない。

弥太郎の間抜けた声に、アリスは再び軽い謝意を示した。アリスはただいつも通り、其処には何も思う所など無く、当たり障り無いよう断わるだけだ。それに、こんな陰鬱な雰囲気を醸し出すような人間では、教えた人形の遣い方等も然程意味が無いだろう。人形よりも人形らしいその顔に苦笑を浮かべて、困った様な声を出す。これで大概の者は、まぁ本人がそう言うのだから仕方が無い、と大人しく引き下がるものだ。それでも尚引き下がらない者も、稀ではあるがいる。そういう輩には、敢えて譲歩しているように見せかけて、暗に貴方に教えるつもりは無い、と表明してやっていた。尤も、この少年の性格や立ち振る舞いを考えれば、そうそう食い下がる事も無かろう。

 

 

 

「そ、それは、あの……其処をどうか、お願いします……」

 

 

 

そんな予想を信じ込んでいたアリスは、声を振り絞るようにして食い下がって来た弥太郎に、内心驚きの感情を抱いた。こういった類の気弱そうな人間は、相手が一度断れば、これ以上相手の顰蹙を買うのは嫌だからと、思う所があってもそれを抑圧し、大人しく引いていくものである。しかしこの桐竹弥太郎という少年は、意外にもそれに当てはまる事もなく、相変わらず怖ず怖ずとしてはいても、自らの希望を曲げようとはしなかった。僅かに、虫螻にも及ばぬ極僅かなものではあるが、その対応にアリスは、珍しい人間もいるものだと興味を抱く。が、それも意味は無い。尚も食い下がると言うのなら、いつも通りの手段を用いれば良いのだから。

 

「そう……それじゃあ一つ、私から条件があるの。その条件を熟す事が出来たら、教える事を約束するわ。逆にそれを熟せないようなら、悪いけど諦めて貰う」

「は、はぁ……条件、ですか」

 

それを告げるや否やアリスは地面に鞄を置き、一度は片付けたその再度漁りだす。何をしているのかと、不安げにも思える表情を見せる弥太郎に、アリスはそう時間をかけず、ある物を取り出した。

そしてそれを両手に乗せて、弥太郎の顔の前へと持って行く。弥太郎は眼前に差し出されたそれを見て、意図を解する事が出来ず、呆気に取られていた。

 

 

 

「……人形?」

「そう。私の人形と糸よ」

 

 

 

二人の言葉通り、アリスから差し出されたのは、先程劇でも使っていた、長い金髪を持ち赤のメイド服を着用した人形である。それに加え、半透明で視認性の低い、人形の背から伸びた五本の長い糸。糸の先には、其々鈍い光沢を放つ指輪型の指貫が繋げられていた。そうしてそれらを観察してはみたが、やはりそれだけで彼女の意図を掴めるはずもない。アリスは疑念を瞳に宿す弥太郎に、説明を施す事にした。

 

「明後日のこの位の時間までに、ある程度拙くても良いから、この人形を付属している糸で操れるようになる事。それが私の出す条件、と言うよりも試験ね」

「え、そ、そんな……」

 

アリスの提示した条件に、弥太郎は思わず狼狽する。それも当然の事だろう。人形の遣い方を教えて欲しいというのに、その前提条件に人形を遣う事が出されるなど、一見すれば阿呆らしい。

増してそれが明後日、即ち今から48時間程の猶予しか無いと言うのだ。だが、弥太郎が頼む側であり、アリスが頼まれている側である以上、そう強く文句を言う事は出来ない。『条件内容が矛盾している』と言おうにも、アリスはその出来の良し悪しについては明確に語っておらず、『ある程度拙くても良い』という言葉で濁している。しかしそれで、どれ程出来れば、どれだけの水準に達していれば条件を満たせるのかと聞こうにも、人形遣いの技術の水準など、不明瞭この上ない。

 

「あ、あの……ある程度、というのは、どれ位、でしょうか」

「条件の意図としては、教えたとしてそれを十分身に付けられるか、それを見極める為のものなの。だから不明瞭で申し訳ないけれど、其処は私個人の判断になってしまうわ」

 

そして斯様な条件なのだから当然、弥太郎にような問いも過去に何度か受けた事があり、それに対する答えも用意してある。アリスの言い分は聞く限りでは最もで、確かに教えても全く意味が無い程に才を持たない者、また教わっている途中で投げ出すような熱意を持たない者、そういった厄介な輩と気力有る輩を選別するには、それなりに適した条件である。もしもこれで断られるなら、それは教わることが出来るほどの才も無かった、と教わる側はまだ納得出来る。どうせ最初に断られているのだから、という心理が働き、諦めを付けやすくしているのだ。

 

「……そう、ですか」

 

アリスの手に座るように乗せられた人形を、弥太郎は色濃い隈の出来た目を広げ、じっと眺めている。只でさえ薄気味悪い雰囲気を纏っているというのに、その見開いた目の所為で、気味の悪さは増していた。が、その様子からして、どうやら条件を呑む気はあるらしい。やはり少しばかり珍しい人間だ、とアリスは思う。こういう類の人間では、条件を提示すれば大概は『貴方に教える気はありません』という言外の意味を察して、引き下がるものだ。何故なら弥太郎のような気弱な人間は、大概が人の顔色を窺ったり、心情を必死に理解しようとするからである。気弱だから、顔色を窺い機嫌を損ねないようにする。しかし弥太郎はと言うと、一見それらに類する人物にも思えるのだが、それら有象無象とは僅かばかり違うらしい。

 

 

 

「分かりました……条件を、飲みます」

 

 

 

すると漸く気も済んだのか、舐め回すようにして眺めていた人形を、延いては糸と指貫を徐に手に取った。手のひらには些か大きいその人形は、円らな瞳を一切動かす事なく、弥太郎の目を見据えている。まるで、どうせ成し得る事の出来ない事だと言うのに、という悲哀の念を伝えているかのように。

 

「今は……丁度五時半ね。それじゃあ明後日のこの時間に、また此処に来て頂戴。その時に成果を見るわ」

 

鞄の中に入れてあった懐中時計を確認して、アリスがそう宣った。弥太郎は何を言うでもなく、只小さくそれに対して頷きを返す。どうやら、本気でやるつもりらしい。もしかすれば彼女の、拙くても良い、という言葉に一縷の望みを抱いている事も考え得る。しかし、どうにもその顔は、淡い期待に縋り付くようなものに、アリスには見えなかった。或いは、只単に感情を露呈しないだけか。

 

「それじゃあ、また明後日。頑張ってね」

「…………はい」

 

兎にも角にも彼女にとって、誰かに物を教えるなど億劫なのだ。適当に理由を説明して、やんわりと断ってやれば、弥太郎と自分は両者共々面倒事を避けられる。最初の言動と今までの様子を鑑みるに、彼は衝動的に声を掛けただけで、引くに引けなくなりこうしたに過ぎないかもしれない。

拙劣な人形の扱いを見る為だけに里へ来る事に辟易しながら、アリスは弥太郎に柔和な表情でそう言い残し、鞄を持って去り行った。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

それから、早くも約束の時間は訪れた。高々二日間程度の猶予なのだから、時間の流れが早いのは至極当然だろう。いつも通り乾くような暑さの黄昏空の下、アリスは涼しい顔をして、規定の場所に立たんでいた。今はそれを見掛けた寺子屋帰りの数人の子供達に囲まれ、苦笑を浮かべつつも、彼女は律儀にそれに対応している最中である。里の中でも、特に子供達の人気者たるアリスであるから、その人数も一人二人ではない。

 

「お姉さん、今日は劇やらないの?」

 

子供達が口々に、遺憾をその円らな瞳や丸い顔に浮かべて言った。昨日は家で一人書物を読みつつ人形を作ったりと、いつも通りの生活を送っていた為に、人形劇は開いていない。彼女は劇を開くに当たって、日時を指定したりはしないのだ。祭などの際に大勢の前で疲労する事もあり、無論そういった時は事前に開演時間を定めるが。アリスは人形遣いを生業としていると思われがちだが、飽くまでそれは実益を兼ねた趣味の一環である。そう金に固執せずとも、衣食住に困る事もない暮らしが出来ている現状、引っ切り無しに劇を披露する必要性は無い。

 

「えぇ、御免なさいね。今日は待ち合わせをしているんだけど……」

 

諭すような口振りでそう言いつつ、ふとアリスは、手に持っていた金色を呈する懐中時計に視線を移す。短針は時計の真下を指しており、それは即ち、既に約束の時間を30分過ぎているという事に他ならない。

一昨日の約束を交わした時間が5時半丁度、現時刻は6時。自ら頼み込んでおきながら、30分も人を待たせるというこの上ない失礼。増してこの暑さだから、流石にアリスも内心は少なからず、憤怒の炎が揺らめいていた。

 

「まだ来てないんだ、その人」

「そうなの、もう時間は過ぎてるのに」

 

本心を言うならば、今直ぐ帰ってこの無駄な時間を他の趣味に費やしたい。しかし、弥太郎に指貫と人形を貸してしまった以上、このまま帰ってはまた回収に来る事になり二度手間になる。あのような性格故、てっきり時間は遵守する性質かと彼女は思ったようだが、どうやら外れたらしい。然し、これからはもっときっぱり断った方が良いか、と頭を悩ませていたその時、ふと彼女の頭にある案が浮かぶ。

 

「……そうだ。貴方達に、少し聞きたいのだけど、良いかしら?」

「うん?良いよ、難しい事は分からないけど」

 

思えば桐竹弥太郎は、中々特徴的な容姿をしていた。この短くない人形遣いとしての活動の中、今までにアリスは多くの里人を見てきた。弥太郎は知らなかろうが、一昨日に依頼を受けたあの薬草採取を生業にしていた老爺も、胡瓜を売り物ではなくしてしまったあの気前の良い壮年も、アリスは幾度か話した事がある。それ以外の人間とも知り合い、個々と親密な関係にはならずとも、浅く広い程度の関係は持っていた。しかし弥太郎のあの異質な姿は、きっと雑踏の中であろうとも浮く事だろう。

 

「肩位まで黒い髪が伸びてて、濃い青の服と黒い帯を着用してて……とても暗い顔をしている男の人って、何処に住んでるか知らないかしら?」

 

その目立ち易い容姿を利用して、アリスは弥太郎の住居を探り当てようと考えたのだ。

里の住人である以上何処に住んでいようとも、あのような人相の人間は嘸人目を引く事だろう。

不思議とアリス自身は弥太郎を見た事もなかったが、そういう事もあるだろう、と適当に疑問を解消した。

 

 

 

「……桐竹さん?」

 

 

 

その時、アリスはある些細な異変に気付く。特徴を言い終えた途端、周囲の子供達の面持ちが、何処か翳りを見せたのだ。何かしらの前兆が有った訳でもなく、突如として周囲の雰囲気自体がそういったものへ変化していた。そんな反応を示され、当然と言えば当然だが、アリスは思わず焦りを抱く。何か、今の問い掛けに拙い箇所でもあったろうか。先ずはどうにかこの空気を変えようと思い立つ、と同時に、一人の少女が口を開く。

 

「あの人と関わるの、止めた方が良いって……友達みんなも、大人の人まで言ってるの」

「え?」

 

予想外の言動にアリスは思わず、いつかの弥太郎のような素っ頓狂な声を上げていた。

確かに桐竹弥太郎という人物は、一見余り関わり合いたいと思える相手ではない。話した所で気が紛れる所か寧ろ気が沈みそうなものだし、会話が弾む事などあり得ないことは安易に察しが付く。

しかし今の口振りからして、よもやこの子供達の心証は、関わり辛い相手などという生半可なものではない。忌避とさえ言えるような、そんな感情が読み取れた。

 

「そう、なのね……でも私はその人に用があって、会わないといけないわ。もし知ってたら、案内して欲しいの」

 

けれども、その程度の理由で今更帰ろうものなら、後が面倒臭い事請け負いである。

どうせ彼の手のよって命の危機に晒される訳でもあるまいし、とアリスは心の内で嘆息した。

もしかすれば、普段は非常に短気であったり、毒を吐くといい事もあるやもしれない。が、そんな事で一々忌避などしていては生き辛かろう。適当に見て、道具を受け取って、直ぐに帰れば良いだけの話。人里に居を構えていないアリスにとって、関わらない方が良いなどという話はどうでも良かった。

 

「……分かった。それじゃあ、付いて来て。私が案内するから、みんなはそろそろ帰った方が良いよ」

 

そうして、漸く道具を受け取る事が出来そうになり、アリスは安堵する。先程アリスに弥太郎の事を教えた少女の言に、他の子供達はもう帰るべき時間となっていた事に気付いたらしく、まるでその場から離れる理由を利用するように、急ぎ足で散って行った。

 

「じゃあ、行こ。私も案内だけしたら、直ぐに帰らなきゃいけないから……」

「ごめんなさいね。お詫びと言ってはなんだけど、今度貴女にだけ人形を作って来るわ」

「本当!?じゃあ前に見せて貰った蛙の奴がいいな!」

 

困ったような笑みを浮かべた少女を、宥めるようにアリスがそう言うと、少女は途端に目を輝かせる。余りの豹変ぶりに、若しかしたら私のこの言葉を待っていたのかも、と邪推をせずにはいられなかった。兎にも角にも、少女に先程よりも少しばかり表情に明るさが戻っていたので、これで案内の最中に気になる事を聞き易くなった。上機嫌とは行かずとも、普段の表情を見せて歩き始めた少女に、アリスはふと質問してみる事にする。気になっているとは言っても、所詮それは道中の暇つぶし程度の小さな興味だが。

 

「……所で、如何してその人に関わるなって言われているの?」

 

敢えて深くを考えていないよう装い、そう前を歩く少女に問い掛ける。すると微かにではあるが、少女の頭が俯いたように見えた。今でこそ時間が時間なだけに人も疎らだが、これが朝であれば間違いなく誰かにぶつかっていただろう。後ろめたい何かでもあるような、アリスの青い双眸にはそう映って、何か弥太郎が問題行動でも起こしたものかと予想する。

 

「えっと、それは……私も、よく分かんないの。でも、確かに……ちょっと、怖いから」

 

しかしその予想を裏付ける何かが聞きだせる訳でもなく、そう少女は言葉を濁すだけだった。

ただ幽鬼のような外見と暗い性格というだけの問題で、果たして関わるな、とまで言われるものであろうか。子供達の反応は、どうにもそれだけの理由には留まらない、とは思ったものの、どうせ考えた所で大した意味もないだろう、とアリスはその思考を振り払った。人形を貸したので、返して貰うだけの事。それが終われば、後はまたいつも通りの日常である。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「……此処なの?」

「うん」

 

少女が先導して歩く事10分程。アリスは到着した目的地に、喫驚を隠せない様子であった。

何せ、あの根暗な少年の住処と言うその建築物が、想像よりは余程良い家であったのだから、無理もない。外観からしてほぼ正方形の土地、正面から見てその右に住居であろう屋敷は有った。土地の面積はアリスの目測だが800坪はありそうなもので、古めかしい黒ずんだ木の門には確かに『桐竹』の表札が掛けられている。正直な所、あの薄幸そうな容姿や怖ず怖ずとした態度から、寧ろ余り良い環境には住んではいないのでは、と勝手に考えていただけに、最初は些か疑ってしまったものだ。この里でも図抜けた広大な土地と屋敷を持つ『稗田』にはまだ及ばないが、一般人と比べれば余程贅沢な生活環境だろう。

 

「あ、それじゃあそろそろ帰らなきゃ……またね、お姉さん」

「え?あぁ、今日は有難う。それじゃあまたね」

 

アリスの言葉を聞くと、少女はどこか翳りの混じった妙な笑みを浮かべて、まるで逃げるように去って行った。どうにも腑に落ちなかったが、直ぐにその疑念も何処かへ行ってしまう。今すべきは道具の回収のみであると自らに言い聞かせ、躊躇い無くその門に手を掛けて押した。見た目の重厚さに違わず、相応の重みを感じさせる。しかし、開けられないものでもない。少しばかり眉を潜めながらも、アリスはその細腕で押し開いた。

 

「……妙な造りね」

 

手を離しつつ通れるだけの隙間にその細身を通すと、門は独りでに重苦しい動作で閉まる。

そうして、改めてその内部を見回したアリスは、小さくそう呟いた。てっきり規模からしてその庭もまた、本にでも載っているような華やかさのある、所謂和風庭園のような風景が広がっているものか、と入る前に彼女は想像したものだ。が、眼前に広がるのはそんな美しいものではなく、殺風景な更地に大中小一つずつの建築物が、整った配置で建てられているだけである。増して、建築物も大きさだけは目を見張るものがあるが、決して美麗であるとかそういった感想は湧かない。ただ本当に、無駄を省いているといった印象を受ける。夕陽に照らされているせいか、一層その空虚な印象が強まっていた。強いてあるものと言えば、彼女の足元の敷石位なもので、こんなものだったのかと拍子抜けする。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

その時、突然アリスは何かに気付いたかのように、ある方向へと向き直った。正面から右の大型の建築物、左の小型の建築物に挟まれる形で建てられた、中央の中型の建築物の方である。その形状を見るに、通常の里人がよく住んでいる形の住居だろう。が、彼女が気にしているのは、そのような何の意味も無い事ではない。するとアリスは、其処が目的地であると理解しているかのように、確かかつ自然な足取りで中央の建築物へと歩み寄った。

 

「……失礼するわ。桐竹弥太郎に用があるのだけど」

 

その言葉と共に、格子状の引き戸を軽く叩く。そのまま20秒程を何をするでもなく待った。

が、反応は無い。人の足音も、床の微かに軋む音も、喋る声も、この寂静の中でさえアリスの耳に届くことは無かった。しかしそれを気にせず、今度は二度戸を叩く。が、最初に待っても反応さえ無かったのだから、無論何も起きる事はない。不意に、何故自分がここまで手間を掛けられねばならないのか、と込み上げた怒りに任せて扉を破壊しそうになるアリスだが、それをどうにか理性で抑える。

ならば呼ぶのではなく、此方から出向いてやる他ない、と思い立ち、よもや不法侵入である事も気にせず戸を開け放った。尤も幻想郷には法律と言うべき法律も無い為、不法侵入者を法的に裁く事は出来ないが。

 

「ちょっと、いるんでしょう?自分から呑んだ条件を放って、何をやっているのよ」

 

奥まで続く廊下、廊下の右には二階へ上がる為の階段、廊下の左には個室になっているであろう襖障子のみ。決して人の姿は何処にも見えはしない。だと言うのにアリスは、いる事を確信しているかのようにそう声を張る。そして案の定、反応は無い。いよいよもって、アリスの怒りも些細なものではなくなって来た。よもや入る許可を得てからなどという考えも飛んで、乱雑な所作でブーツを玄関に脱ぎ捨てると、ずかずかと家の中へ上がり込む。そして、入って廊下を直進して直ぐ左手にある部屋の前で歩みを止めると、その襖障子に手を掛けた。躊躇いなく、他人の家であるという事などどうでも良いように。否、ああして事前に確認までした以上は此方だけに非は無い、と考えている辺り、もはやどうでも良いらしかった。そして、勢い良く襖障子を開け放つ。

 

「……やっぱりいたわね」

 

人肌を叩いた時とも似たような衝突音と共に、一つの人影が其処に見えた。

それは、アリスの方に背を向けて胡座をかく、一昨日と全く同じ服装に身を包んだ、肩を覆う長髪の少年。無論左様に特異な風貌の者など、この里の中には一人しかいない。確かにその人間は、桐竹弥太郎その人だった。

 

「私は確かに貴方を名指しで呼んだ筈なのだけれど?この部屋にこの状態でいて、聞こえなかったという事もないでしょう」

 

アリスは未だ背を向けて反応を示さない弥太郎に、その怒気を包み隠そうともせず、呵責する気の満ち満ちた口調で言う。其処いらの里人が一見すれば、あの人形遣いの少女がこうも怒りを露呈させるなど、と驚く事だろう。普段の彼女は、穏和で礼儀正しい容姿端麗な少女であるから、その喫驚は尤もである。しかし彼女がこうも怒るのも、経緯を考えてみれば妥当な所だと言えた。

相手が懇願したので妥協して仕方なく取り付けた約束を、規定の時間から30分もの間待たされ、その上無くては困るものだからと返して貰おうにも、相手から来ないので自ら赴かざるを得なくなった。こんな事になって怒らない者も、そうはいなかろう。大衆、延いては観客の前では完璧な少女でいる彼女だが、それがどんな時であろうと発揮出来る訳ではない。

 

「…………で、黙り?」

 

増してその相手の対応が、沈黙を貫くとあっては、比較的忍耐強いアリスも怒気を抑えられないのは当然である。よもや、言葉を聞いてくれるような相手ではないらしい。どういう意図があってこんな態度を取るのかは知れないが、無礼を働いた事には変わり無い。アリスは怒りの感情が赴くまま、座し俯く弥太郎の肩を掴もうとした。掴んだ、のではなく、掴もうとしたのだ。不法侵入も厭わなかったアリスの憤怒を、何かしらの要因が一時とはいえ止めたのだ。

 

 

 

「……左……稼……所作……す……部は……根……の軽微……或い……転により……作……」

 

 

 

それは、弥太郎の口から放たれているであろう、極小さな独言のような呟きが要因である事に他ならなかった。その声量は、今までの弥太郎の小さい話し声に比べて尚、非常に小さいと言える。

常人よりも優れた聴覚を持つアリスが、この物音以外に何一つ聞こえはしない室内で、漸く聞き取ることが出来た程だった。

 

「……物音?」

 

そこでふと、今更ながら、この書院造りの室内に奇妙な、けれども何処か馴染みのあるような音が響いている事に気が付く。かちかちと、木製の軽い何かが当たるような音が、思えばこの部屋に来た時から、幾度も幾度も。確かに耳に届いていた筈なのだが、それを認知する事にこうも時間がかかった要因は何か。妙に気に掛かって、その音の発生源――弥太郎の目の前の空間を、弥太郎の背後から顔を乗り出す事で覗き見た。

 

 

 

「あ」

 

 

 

それは、ほんの一昨日前に手渡した、アリスの人形であった。その背に繋がった糸の先には、弥太郎の無骨で骨張った五指に装着された、五つの指輪型指貫。紛れもなく、あの時渡した道具一式である。どうやら、弥太郎が今までずっとその練習をしていたが為に、室内に人形の稼動音が響いていたのだろう。彼女がその音を気に掛けられなかったのは、余りにそれが日常に於いて有り触れた音であったからだった。さて、今アリスが本来思う筈だった事はこうである。何故今になって、規定の時間を過ぎて尚、約束の場所に赴く事も無く、家に閉じこもって練習などしているのか。幾ら練習しようにも、それを見せなければ意味が無いと言うのに。練習に熱心なのは大いに結構だが、残念ながら条件は満たしていない。満たしていないならば、よもや熱意も関係無く、この話は終わりとしよう。

そうなる――予定だった。それに尽きる筈だったのだ。

 

 

 

「諸手稼働は中節までの所作、頸部稼動は手頸の軽微な動き或いは捻転、脚部稼動は五指末節の屈伸、腰部稼動は手自体の移動――」

 

 

弥太郎の極小さな呟きを漸く完全に聞き取れたものの、今やそれに対してアリスは意識を微塵も向けていなかった。その動きは、未だ拙劣さを隠し切れていない未熟なもの。ぎこちない人形の動きは、アリスが以前やっていた劇の際と同じ代物であるとは、到底思えはしない。単に技量という一点を見るのであれば、同じ人形劇であるとするにしても、アリスのそれは大衆より支持を得る著名な劇場のもの、弥太郎のそれは肉親或いは気を許した友人に辛うじて見せられる素人のものである。常人なら、特にアリスの劇を一度でも目にした者ならば、下らない猿真似であると一生に付す所。しかし、当の高みたる存在のアリスは、その人形を、その人形を動かす弥太郎の手を、人形を操る髪に覆われた彼の横顔を、不気味な程に真剣で、面白い位に驚愕の色を浮かべて凝視していたのだ。

 

 

 

「……綺麗」

 

 

 

在ろう事か彼女は、自分よりも格段に劣っているであろうその人形遣いに対して、酷く呆気にとられているような、彼女にしては非常に稀有な顔をして、そう零した。彼女が綺麗であると感じたのは、果たして何なのか。人形自体の状態を言っているのではあるまい。しかしそれ以外に、彼女を以ってして綺麗だと言わしめる要素が、この場にあるだろうか。人形の動きは、寧ろ汚いといった方が適している程。人形を扱う弥太郎の手は、汚いという訳ではないが、肌は荒れており綺麗と言うに値しない。彼の容姿などは言わずもがな。では他に、何があると言うのか。その答えを知るただ一人の存在たるアリスはと言えば、今も尚弥太郎が扱う人形に目を向けていた。

 

「…………あ」

 

そうしている事、凡そ2分程。今まで弥太郎のそれに見惚れているかのように硬直していたアリスは、不意に我に帰る。彼女にそぐわない間抜けた声を出したのと、今まで私は何をしていたのか、という疑念を抱いたのは、ほぼ同時だった。そして我に帰ったからには、もはや長居も不要。

あの人形を無理矢理にでも回収して、条件は満たせなかったのだからと諭し後は帰るのみ。

 

「条件を、満たせなかった……?」

 

彼女の頭の中では確かに、その考えが存在する。だが、一体どうしたと言うのか。自分自身にそう問いかけたくなる程にアリスの頭には、弥太郎をこのまま放って去って良いものかと、そんな強い思いもまた混在していたのだ。しかしその思いの強さは、何方も拮抗している。それ故に、今この場で即断する事が、どうしても彼女には出来なかった。

 

「……と、取り敢えず……ちょっと、弥太郎。少し、聞かせて欲しいの」

 

だから、それならばせめて、今の自分に出来る事をしなければ。その一心から、胸中に渦巻く葛藤を一時的に押し留め、弥太郎との会話に臨むべく、彼の肩を掴んで小さく揺さぶった。

 

「諸手稼働は中節までの所作、頸部稼動は手頸の軽微な動き或いは捻転、脚部稼動は五指末節の屈伸、腰部稼動は手自体の移動――」

 

しかし言葉だけでなく、遂には身体への直接的な接触でさえも、弥太郎は反応を示す事はなかった。

今度は、彼の手の動きを余り阻害しないよう留意しつつも、先程よりも強く揺さぶる。が、それでさえ反応は無い。焦れったくなって、弥太郎と対面するようにしてみてはどうかと、アリスは何処か焦っているような動きで、彼の前に人形を挟んで座った。最悪、顔を叩いてやれば否が応でも反応せざるを得ないだろう。そんな野蛮で不恰好な手段を用いる気概を持って。

 

「ちょっと、弥太――」

 

その瞬間アリスは、初めて弥太郎のしている事に気付いた時と同じように、ピタリと動きと身体を止めた。

 

 

 

「諸手稼働は中節までの所作、頸部稼動は手頸の軽微な動き或いは捻転、脚部稼動は五指末節の屈伸、腰部稼動は手自体の移動――」

 

 

 

眼球が飛び出さんばかりに見開かれた、強膜の至る所に蜘蛛の巣宛らに血管の張り巡らされた双眸。

壊れた廃人のように、繰り返しその言葉だけを早言に呟き続ける青白い口唇。そんな弥太郎の異常な相貌が、アリスの言葉を止めていた。暫くはその常軌を逸した姿に戸惑ってはいたが、この様子は尋常ではないと悟ったアリスは、加減もせず弥太郎の肩を揺さぶる。

 

「ちょっと、弥太郎!」

 

しかし、それにも応じる事はない。肩を力強く揺さぶられ、頭は前後左右に動き回り、視界は揺れる頭により定まらず、人形を操っていた両手は追従して四方八方へ巡る。だがそれでも尚、弥太郎の口だけは相も変わらず、呪詛じみたその独言を呟き続けていた。その姿を、異常と呼ばずして何と呼ぶのか。高い集中力を発揮している人物が、他者からの軽い呼び掛けに応じられない事はままある。

そういった人物が、肩に手を置かれても気付かない事も、そう珍しい訳ではない。しかし、これだけの事をして尚も我に帰らないというのは、完全に異常である。

 

 

 

「このっ……いい加減にしなさい!」

 

 

 

だからこそ、もはやアリスは手を出す事も厭わなかった。揺さぶる程度では意味を成さないと理解するや否や、その左手を離し、その直後に彼の右頬へと、強烈な平手打ちを食らわせたのだ。人形の稼動音、弥太郎の繰り返される呟き、アリスの呼び掛け。今までそれだけが飛び交っていた室内を、一際大きく乾いた音が埋めた。振り抜かれたアリスの手は宙に固定され、振り抜かれた弥太郎の顔は勢いのまま向いた方向で固定されていた。呟きはいつしか収まっており、この間ばかりは室内が寂静に包まれる。

 

 

 

「…………ん」

 

 

 

そうして数秒の沈黙の後、そんな声が発せられた。高く透き通るような玲瓏たるアリスのそれではない、低く絞り出された唸るような声は、間違い無く弥太郎のものであろう。その声の後に、彼は徐にアリスの方へと顔を動かした。いつからかその目は細められており、顔を固定していた時には戻ったのか血管も浮かんでおらず、只々その目には寝起きのような気怠さが感じ取れる。

 

「ちょ、ちょっと?気が付いた?」

 

色々と言いたい事はあった。だが、先ずは真面に話が出来ないようでは意味が無い。そう考え、漠然とした態度の弥太郎の目の前で、左右に手を振って見せた。しかし相変わらず、異常な様子から呆然としたものに変わっただけで、反応は返ってこない。或いはまだ集中力が切れていないのかと、再び平手打ちに備える。

 

 

 

「ぁ」

「え?」

 

 

 

刹那、僅かに開いた口から漏れた声と共に、弥太郎が勢い良く後ろへと倒れた。倒れた拍子に、今まで人形遣いという支えにより立っていた人形もまた、弥太郎の動きに追従して倒れる。

 

「え、ちょっと?」

 

突然の出来事に、思わずアリスも狼狽えた。もしかすれば、あの平手打ちが強過ぎたかと些か心配になり、弥太郎の様子を観察する事にした。幾ら加減をせずに打ち込んだとはいえ、たかが平手打ち如きで死んだりする事は、流石に心身共に軟弱そうな彼でも有り得ない。無論確認した所、息は通常となんら変わらずしている。ではあの一撃と片を揺さぶった事により、脳震盪を起こしてしまったか。確率として高いのは確実に後者だろう。

 

「……何れにせよ、放って置くのも拙いかしらね」

 

元はと言えば、こうなった原因は完全に弥太郎のせいであって、非もまた大きく弥太郎にある。

一見器用な生き方の出来そうな彼女だが、それでも僅かな非にも責任を感じてしまう辺り、実の所妙な所で律儀なのだから、一概にそうとは言えないのかもしれない。アリスは仰向けに倒れたままの弥太郎を、複雑な目をして一瞥した後、先ずはタオルを濡らして額にでもかけようかと、緩慢な所作でっ立ち上がった。

 

 

 

「はぁ……道具、どうしようかしら」




容姿が貞子♂では避けられるのも当然ですね。そんな不審者に何だかんだ構ってくれるアリスはやはり天使ですね。
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