これからもよろしくお願いします
「柱島ですか?」
そう自分は目の前の人物に言葉を返した。
白い軍服に身を纏い体の細かい輪郭はわからないが、常人とかけ離れた肉体ということだけがわかる。顔は見た目より老けているがそれは今までの苦労のせいだろう。その人物は立派な白いひげを触りながら呟く。
「儂はまだ老けとらんぞ」
「人の心を勝手に読まないでください」
目の前の人物の名は木村忠敬。旧姓篠田忠敬。海軍に所属し各地で活躍したことから「奇跡の鬼」と呼ばれ様々な方面の方々に尊敬される人物。海軍が称号の代わりに「木村昌福」の名を与えるほど海軍の中でも力がある人物でもある。
「そうでもないぞ」
「人の心を読むのはやめてください。」
人物と呼んでいることで気づいているだろうが一応人のはずである。
いつの間にさとり妖怪と化したのだろうか?
そんなしょうもないことを考えながら、自分が何故ここに呼ばれたのかを整理した...
まず自己紹介をさせてもらおう。
名前は白崎 誠。現在26歳である自分は海軍学校を卒業し、自分の職場について説明してもらうところだった。
海軍の道を目指したのは別に親が海軍所属だったからとか親の仇とかではない。父は普通のサラリーマンであり母は専業主婦である。(今も存命である。)では何故その道を目指したのか?ただ単に
その時12歳。小学校を卒業するまでの最後の夏休みの最中であった自分に抵抗する余地もなく、言われるがままに金を盗られそうになった。
しかし...
「回想もいいが話はしっかり聞け」
「丁度いいところでしたのに」
木村
「度胸と成績だけは良いのにのう」
「努力の結果です」
春の桜がひらりと、空いた窓から入り床にそっと落ちた。
夏のある日、蝉が鳴き汗が顎を通りポタリと落ちた。
普段の少年であれば鬱陶しいと感じていたであろう現象をそう感じる余裕など今にはなかった。
呉---1905年に海軍工廠が出来て以来海軍の主要港の一つである。
平和であった時は戦艦大和のミュージアムがあり栄えていたが、、、今では昔の話。その様なミュージアムは見当たらないし周りを見渡せば目につく高い建物は海軍の基地のみ。高い建物は敵が遠くから発見されるためだと思うが、少年は現実逃避のため関係のない考えを頭に浮かべていた。
「おいこら、そこの餓鬼?」
夏の高い気温のせいででた汗だと思っていたが、背中を流れる冷たい汗は俗に言う冷や汗ではないか?
「黙っとらんで早よ金だせや」
「僕お金なんて、、、」
「は!!嘘言うなや。さっき店で買い物しとる時に財布がチラッと見えたが札が何枚かはいっとっただろうが」
「ひぃ!!」
「まさかさっきの買い物で全て使ったとでもゆうんか?ああ?!」
その通りである。
昔ほど栄えてないとはいえそれでも娯楽用の店がある。おもちゃ屋に母に内緒で行ったのだがこんなことになるとは、
自分はそろそろと財布を差し出し、走って逃げ出そうとした。
「おい待て!餓鬼が!!!
2日に一話の予定です。
自分の文章力を上げていきたいのでどしどし感想ください