型月に苦労人ぶち込んでみた   作:ノボットMK-42

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大変お久しぶりでございます。
数年ぶりの投稿となります。

前回から色々とありました。
転職した先が、8人いた同期が2週間足らずで2人に減ってしまうような色々とアレな職場だったり、会社都合で給料が減ったり、何とか落ち着いてきたと思ったらコロナ騒動が起きたり、その影響で先日に会社都合退職の話がきたり、とにかく色々とありました。

いっそのこと、ケイ兄さんやモルガンが登場する可能性があると勝手に想像しているブリテンの異聞帯まで待とうかとも考えていたのですが、それまでの間に創作意欲が完全に無くなってしまうことを危惧しての再開と相成りました。

二度目の転職も控えておりますので、どれほどのペースで書いて行けるのかは分かりませんが、コツコツと書き進めて行こうと考えておりますのでお付き合いいただければ幸いです。


第12話 魔女のはなし 3

 あれからどれだけの時間が経っただろうか。

 

 大分昔のようにも、ほんの数日前のようにも感じられる。

 時間の感覚が曖昧だ。押し込められた部屋の片隅で、抱えた膝に顔を埋めているばかりの日々だからか。

 

 その気になれば逃げ出すことは容易。

 何せここは鉄格子も無ければ魔術的措置も一切施されていない、何の変哲もない粗末な屋敷なのだから。出入り口の戸を開けて外に出れば自由の身である。

 

 杜撰どころの話ではない警備体制―――というより、警戒する必要性自体を感じていないのかもしれない。

 

 ご明察とでも言っておけばいいのだろうか。今となってはそうする理由も勇気も無い。

 否、この言い方だと語弊があるか。そもそもの話、勇気などと言う殊更な代物など初めから持ち合わせていなかったと言うのが正しい。

 

 誰に憚る事無く好き放題に振る舞って来たが、それは恐れを知らない蛮勇でも、上位者としての矜持によるものでもなかった。

 これまで為して来た全ては、只管に自分を疎む他者への、思い通りにならない世界への、惨めな自分自身への、恐怖と怒りと失望を塗りつぶす為の欺瞞に他ならない。

 

 誰にも傷つけられたくないから、先んじて周りの全てを傷つけ壊してきた。

 空虚を誤魔化したいから雑多な快楽を貪っては満たされていると錯覚して、今が順風満帆と思い込んでいた。

 

 そうしている内に全身を隈なく覆い隠していった鍍金を全て剥がされたのである。

 地金が顔を見せれば、そこには自分を疎む人々の視線に怯える貧弱な女が一人。もう二度と嘗てのようには振る舞えまい。あの男のような人間が存在することを知ってしまったのだから。

 

 たとえ今までと同じようにしても再びあの男が、或いはあの男のような人間が自分を打ち負かしにやって来る。

 これまで頼みにして来た力が通用しない相手がいるというだけで、自分にとっての世界から安全圏というものは綺麗さっぱり消し飛んだ。

 

 だから此処から出る理由など無い。今更逃げ出さなければいけない理由も無い。

 もう何もしたく無いし、誰にも会いたくない。特にあの男には。

 

 だが当人は此方の願いなぞ聞き入れるつもりは無いようで――――――

 

 

 

「朝飯だ。さっさと食え」

 

 

 

 ノックもせずに部屋へ踏み入って来る人物。

 

 見上げんばかりの大柄な体躯と、泣く子も黙る人相の悪さが特徴の彼こそがアーサー王の義兄にして臣下、騎士にして魔術師、武官にして政治家、そして自分とも血の繋がらない親戚筋に当たるケイ。

 

 この男は魔女モルガンを打ち伏せた後、『王姉が何者かによって打擲せしめられたことに心を痛めた王の命により、これを保護した上で安全な場所に隠れて頂いた』などと、耳障りのいい作り話で体裁を整えつつ秘密裏に幽閉した。

 

 更には、無知な民、大凡の察しがつく程度には頭が回る者、真実を知る者、今回の件を様々な視点から捉える者達に、これまで身近な場所から悪事を働いていた怪物を王が閉じ込めたと暗に広めるなど、嫌らしい人気取りの小細工(プロパガンダ)を弄しながら現状を利用してもいる。

 

 

 その目論み通りと言うべきか、結果として誰も異を唱えることのないまま事態は収束した。

 厄介者は大人しくなり、民にもこれと言った不満を抱かせないだけの手を打って内部に巣食う危険因子を取り除く。

 見事な手腕と言うには過程に於いての粗が目立つとはいえ、目下の問題を解決せしめたのは事実。

 

 

 それだけに不可解だ。

 

 事態を収拾する。

 波風を立てない。

 

 これらを達成していながら、あの男は万難を排する為の措置を取らなかった。

 

 

 それ即ちモルガン(厄介者)の処分。

 

 犯して来た罪の数々、未だ消えない王への敵意、保有する強大な力。

 これらが悪い方向に作用することよって発生し得るリスクを考えれば、大人しくしている今の内に、或いは打ち伏せて無力化したその時点で後腐れなく命を奪っておくべきだった。

 

 先の作り話が広まった時点で、たとえ王姉が殺されたところで王の非情を訴える声が上がる事は万に一つも起こり得ない。

 何処にいて、何をしていて、どのような状態にあるのかを知る術が無いのなら、外部に対しては如何様にも言い訳出来てしまう。ならば今はただ意気消沈しているだけの危険因子、何故生かしておけようか。

 

 しかし、この男はそれをしなかった。

 決して命を奪わなかった。

 

 単純明快な最善手を打たないばかりか、こうして朝っぱらから危険人物の下を訪れるや、パンだ野菜だスープだの朝食を用意して冷めない内に食べろと言う。端的に言って意味が分からない。

 既にこれまでの遣り取りで理解不能な生物となっていた人間が更に不可解な代物になっていく。正直なところ薄気味悪くすら思えた。

 

 アーサー王が本格的に国の運営を始める前から行動し、不穏分子を洗い出し、即座に対処する周到ぶりや、手を打つ際にも一々相手の裏をかきに掛かる小賢しさからは考えられない手緩さ。

 

 初めて部屋にやって来た時こそ思わず腰を抜かす有り様だったが、何度も回数を重ねていれば慣れてしまうもの。

 勿論、心の底では未だに恐怖が燻っている。唯一の支え、なけなしの自負心を打ち砕いた侵略者にして唯一最大の天敵となった個人なのだから、こればかりはどうしようもない。

 

 しかし奇妙なことに、確証は無くとも確信はあった。この男が自分を害することは無いだろうと。

 以前見た怒れる姿が嘘であったかのように、此方の下へ訪れる彼の様子は常に穏やかだったものだから。

 

 

 やはり分からない。

 

 何を考えているのか。

 何がしたいのか。

 

 考えても考えても答えは出ない。

 そもそも自分には他者を理解するという能力は備わっていない。

 ひたすら逃げ続け、向き合わずに生きて来た者が今更どのようにして他者の胸中を見抜くというのか。

 

 依然として得体の知れない存在のままである男は、今日も次の日も、また次の日も部屋を訪れては食事を用意し、身を清めさせ、寝床を整える。

 初対面の時から散々に痛めつけられるまでの間に染み付いた人物像からは考えられない甲斐甲斐しさ。その豹変が恐怖心を戸惑いに、戸惑いを疑問へと変えて行く。

 

 

 或いはそれを見計らっていたのだろうか。

 

 ある日、夕食の片づけをしている最中に、これまで無言で此方の身の回りの世話をしているばかりだった男が唐突に言葉を発した。

 

 

「解せない様子だな。

 生かされているのがそんなに不満か?私生活も悩み事も無駄に贅沢なことだな」

 

 

 見透かすような物言いに、思わず相手の顔をまじまじと見つめてしまう。

 

 其処には相変わらずの悪人顔、仏頂面。

 しかしやはりというべきか、敵意も害意も感じられない。少なくとも出会った当初に何度か目にした、相手の怒りを煽る嘲りも、内心を露にした怒りも見受けられなかった。

 

 だから問いに対して肯定の意を返そうとするが、すっかり委縮してしまっている精神状態が足を引っ張って上手く言葉を発することが出来ない。それを見かねた相手が此方の答えに先んじて話を進めていく。

 

 

「小難しい理屈なんぞねぇよ。

 見張ると口にしたように元々お前は生かしておく予定だった。

 悪さをしでかそうが止められるだけの保証と実績があるなら生かすも殺すも同じ事だろう」

 

 

 否、同じではない。

 

 どちらでも良いというだけの話であって生かす判断を下した理由にはなっていない。

 生かしておくことによって発生する労力や危険性を踏まえて物事を考えられないほど浅はかでもあるまいに。

 

 曖昧な言葉で誤魔化す心算なのかは分からないが、いい加減に訳が分からないままでいるのは御免だ。

 この屋敷に一生閉じ籠められて暮らすのだとしても、得体の知れない相手に怯え続けるなんて耐えられるものか。

 

 だからせめて、はっきりとさせて欲しい。

 

 此方を一体どうしたいのか。

 何故こんなにも構うのか。

 そもそも、お前は一体何者なのか。

 

 いい加減に答えてくれないと、どうにかなってしまいそう。

 元々人が恐いのに、分からないものも恐いのに、意味不明な他人なんて悪夢の世界の住人だ。

 

 だから、どうか意味不明ではなくなって。

 

 お前を明確に定義するだけの材料をくれ。

 

 お願いだからこれ以上虐めないで。

 

 

 涙すら滲ませて、情けない言葉で問いを投げ掛ける。

 男は顔色一つ変えないまま、静かに受け止めていた。

 

 そして、予め用意していたかのように、求められた答えを言葉にして送る。

 

 

「どちらでも良いことになった。

 どちらでも良いことにした。

 

 自分の運命を受け入れ過ぎた阿呆をどうにかしてやろうって時に、受け入れられな過ぎた別の馬鹿が現れやがった。

 

 なら、そいつも放っておける訳ねぇだろう」

 

 

 

 ここに来て、言葉にするだけならば大凡他人には理解し得ない理由が飛び出した。

 受け入れた者だの逆に受け入れられなかった者だのと、誰の事なのか、どのように受容ないし拒否したのか、具体的な内容を欠いている。

 

 だが言葉と現状、そして今に至るまでの経緯を踏まえて考えれば、何が言いたいのかは大凡理解出来た。

 

 論理的な思考によって導き出されたというより直感的に感じたのだ。

 だから答えを明確にするべく簡潔に問う。

 

 

 

 受け入れられなかったのは自分で、受け入れたのは妹―――アルトリアなのか。

 

 

 

「そうだ」

 

 

 

 運命とはどのようなものなのか。

 

 

 

「アイツは王として生きる運命を。

 

 お前は王にも只人にもなれずに生きる運命をだ」

 

 

 

 返って来た答えは、とうの昔に分かり切っていたこと。

 自分自身、とうの昔に理解して、認められず目を背け続けていたことでもあった。

 

 それが何故、生かす理由に繋がるというのか。

 

 受け入れた方を支えるのならば分かる。

 困難な道を真っ直ぐ進み続ける者がいれば、その気高さに胸打たれて支えになりたいと欲しても無理はない。騎士を名乗る人種などはその典型だろう。

 

 対して受け入れられなかった側はどうだ。

 道を見失い迷走するばかりで、ぐだぐだと無様を晒す輩なぞ目に入れていたくないと言うのが当然の人間心理というものだ。

 

 

 

「小難しい理屈なんぞ無いと言っただろうが。

 この判断に、合理性だのそういう利口な要素は一切介在しちゃいねぇ。

 

 その手の馬鹿たれ共を野放しにしておけねぇテメェ自身のクソ下らん感傷ないし、習性か本能めいた在り方がそうさせただけだ」

 

 

 

 俺はそういう生き物なのだと吐き捨てるような口調の男は、心底忌々し気に表情を歪めていた。

 奇妙なことに、嫌悪の矛先は男自身に向けられているように感じた。 

 

 そして何となしに理解する。

 先の言葉通りならば、確かに合理的な理由など必要ない。

 今こうして、何となしに相手の言わんとしていることを理解しかけている自分と同じだ。

 

 

 何となく放っておけなかった。

 

 

 この一言に尽きる。つまりはそういうこと。

 

 つくづく訳の分からない男。

 見た限りでは、血も涙もないような手合いなのに、その人間性に根差すのは非合理の極みが如き感傷だというのか。

 

 

 

「そんな甘ったるい代物であって堪るかボケ。納得した体で見当違いな方向に流れていってんじゃねぇよこのクソ間抜け女。生き方どころか思考回路まで方向音痴かコラ。貞操観念と同じく思考回路までユルユルのガッバガバになっちまってんのか?ああ、言うまでもなくその通りだったな。すまんすまん分かり切ってることを何度も何度も言い聞かせられるのは癪に障るよなぁ。脳味噌の代わりに麦酒と砂糖菓子と○○○化した男の○○が詰まった頭に理解を求めた俺が間違ってたよなぁオイ。これからは元々の性能を完全無欠に台無しにし腐ってやがる残念理解力でもちゃんと分かるように優ぁ~しく教えてあげまちゅから良い子さんしておじさんの話を聞きまちょうねぇ~ビチクソゴミ溜め○○○姉君殿」

 

 

 

 前言撤回、やはり血も涙も無い男のようだ。

 

 並べ立てられる罵詈雑言に、或いは諦めにも似た納得を覚え始めていた思考は跡形も無く消し飛んだ。

 よくもまぁこの場面でそのようなことを口に出来たものだと感心すら覚える。無論これが一瞬にして振り切れた怒りが感じさせる一時的なものであるのは言うまでもない。嵐の前の静けさというやつだ。

 

 熱湯が煮え立つように全身から魔力が迸り、程無くして真っ赤な発光現象となって可視化される。

 呪文一つでどれだけ恐ろしい惨劇が持ち上がるのか、腐れ凡人三流魔術師でもわかるだろうに、当人は此方を小馬鹿にしたような笑みを浮かべて憚らない。

 

 

 

「そういえばアンタ、さっき言ってたっけ?

 止められるだけの保証と実績があるなら生かすも殺すも同じって。

 

 質問に答える序でに証明してみてくれないかしら?」

 

 

「自分から痛めつけられに来やがるとは、もしや引っ叩かれ過ぎて妙な性癖でも開発しちまいましたか?

 

 弱い者虐めもそろそろ満ち足りた頃合いかとは思っていましたが、まさかここにきて虐められたい欲求が湧いて来るとはつくづく業が深いことで」

 

 

「満ち足りたですって?

 冗談言いなさいな。少なくとも一人、死ぬほど虐め倒したい相手が出来ましたから」

 

 

「散々言い聞かせてやったってのに未だ懲りていやがらないようですねぇ。

 

 反省も学習もしない生き物なんぞ猿以下ですよ?

 いや、比較対象に挙げちまうことすらお猿さんに失礼ですなぁ」

 

 

 

 脳裏で何かが切れる音が響くや男に襲い掛かる。

 

 恐怖は感じなかった。

 最早目の前の男は得体の知れない何かではなくなっていたから。

 

 未だ理解不能な面は多々ある。僅かながらに見え隠れする人間性も矛盾だらけだけれど、確かなことが一つだけある。

 

 この男の目に映るモルガンは怪物にあらず。

 未だに生き方も定まらない無様な愚か者に過ぎない女風情、どうして畏れなど抱けようか。

 そんな内心だけを開けっ広げにして遠慮するなと、遠慮しないと示す。

 

 

 馬鹿馬鹿しい。

 泣きたくなるほど馬鹿馬鹿しい。

 

 他者に疎まれ理解されず、他者を恐れ理解せずに生きて来た自分が、初めて何を考えているのか知りたいと、理解したいと願ったのがこんなどうしようもなく腹立たしい人間だなんて。

 

 勿論、全てを詳らかにしたわけではないだろう。

 たった今捲し立てるように罵った男があからさまに隠した本心が如何なるものなのかも分からない。分からないけれど、まだそれでも構わない。

 

 喧嘩腰でも相手と向き合って、言葉を交わして、何某かの遣り取りをする。

 今までのように、一方的に弄ぶだけの行為とは違う。打てば響き、投げかければ返される。

 

 ずっと避けられ、邪険にされるばかりだった他者との触れ合い。何の遠慮もいらない相手と、二人きりで恥も外聞も無く戯れ合う。

 

 

 悪くない。

 

 

 あのまま優しい言葉を掛けられていたら、きっとこうはならなかった。

 何も言わず、疎まずにいてくれた父に縋りついていた幼い頃のように、優しくしてくれた彼に寄り掛って動けなくなっていただろう。

 

 そう考えると、余計にこの男の非合理さが際立つ。

 依存させてしまえば暴れ出す心配も無くなる。完全に牙を抜いて、只の腑抜けた女にしてやれただろうに。

 

 だが敢えてそうしなかったのは、散々引っ叩いた上で見張ると口にしたように、矯正してやるとも言い放ったからなのか。

 矛盾を抱える一方で、律儀に有言実行の姿勢も見せる。そんなことだから意味が分からなくなるのだ。

 

 だからこんな男なんて大嫌いだ。

 大嫌いな筈なのに、もっと話したくて触れ合いたくて仕方がない。

 

 明確な、合理的な理由なんて示せない。

 

 何となくだ。

 

 何となく、暫くそうしていたくて、それで良いと思えたのだ。

 

 

 

 

 




《本編補足》



【ケイ兄さんの容姿】

 人相が悪い、悪人顔等々、ちょくちょく言及されていた。
 イメージとしては、ガングレイブの主人公であるビヨンド・ザ・グレイブ。
 詳しく特徴を挙げて行けば、三白眼は基本装備で常に眉間に皺が寄っており口もへの字に曲がっている。
 全身筋肉の塊みたいなバキバキボディな上、身長210cmというデカブツぶり。

 基本的に殺し屋めいた目つきに加えて機嫌が悪そうな印象を相手に与えてしまい、身長2m越えという巨躯も相まって威圧感が強い。

 尚、生まれ変わった当時はブロンドヘヤーに空色の瞳だったのだが、皮を引き剥がされたり全身丸焼きにされたり骨格をバキバキに砕かれるなどの負傷によって身体のあちこちを人工生体パーツで補う内に黒髪黒目の容姿になっていった。

 因みに日本人の魂が肉体に影響を与えた側面もある。



【ケイ兄さんの料理】

 今回はモルガンに、これまではアルトリアに振る舞っていた手料理の数々。

 ケイ兄さんはそれなりに高い料理スキルを持つが、カルデア厨房メンバーや紅閻魔等のガチ勢には劣る。
 ただ、食べると安心するようなお袋の味的な料理を作る為、丁寧なものが好きなアルトリアからは受けがいい。

 言うなれば婆ちゃんのけんちん汁。



【毒舌:C+++】

 ケイ兄さんの保有するスキル。

 相手を挑発、または心の脆い部分を突くことによって冷静な思考を失わせ、行動パターンを一本化させる。
 一定以上の精神力を持つ対象には通用しないが、当人の話術と組み合わせることにより相手の気を逸らし、集中力を削ることも可能。

 尚、肉体及び精神状態如何で効力が変動する奇妙な性質があり、強い負の感情を抱いた状態で発せられた言葉は非魔術的呪詛となって相手の精神を抉り取る。
 その際、相手からはケイ兄さんの発言が規制音で遮られたように聞こえ、そこに籠められた呪詛によって本能的な恐怖を抱かされる。要するにヤクザスラング。

 fgo風の効果は敵全体のチャージ減少、攻撃力減少といったところ。

 言語を理解出来ない生物にも作用し、意味を理解出来ないまま本能的な恐怖を与えて狂乱させることが可能。

 ケイ兄さんは30徹の働きづめでピリピリしている最中、貴重な農地を襲って来た竜種に罵詈雑言の限りを尽くしながら襲い掛かり、これを見事に撃退したことがあったり無かったりする。


ケイ「スッゾコラドグサレガッコラー!」

ヨタモノドラゴン「アイエエエ!?ヤクザナイト!?ヤクザナイトナンデ!?」



【モルガンのキャラ像】

 原作でも大分多面性のある精神構造をしていることが言及されているので、今作に於けるモルガンも様々な側面がある拗れまくった性格の持ち主にすべく、複数のキャラクター要素を盛り込んである。

 型月シリーズからは間桐桜、オルガマリー・アニムスフィア、静謐のハサン、殺生院キアラ、アルクェイド・ブリュンスタッド等。

 他作品からは食蜂操祈、麦野沈利(とある科学の超電磁砲)、アルベド(オーバーロード)、トール(小林さんちのメイドラゴン)、ステラ・ヴァーミリオン、黒鉄珠雫(落第騎士の英雄譚)、櫻井螢(dies irae)ウラヌス、レイン・ペルセフォネ(シルヴァリオシリーズ)、ザップ・レンフロ(血界戦線)、パープルタコ(ニンジャスレイヤー)、アクア(この素晴らしい世界に祝福を)、花畑よしこ(アホガール)等。

 最早属性の玉突き事故、設定の闇鍋、ハイサーバントならぬハイ拗らせ女とでも言うべきどうしようもない地雷女。
 良い側面も確かにあるのだが、悪い側面が大き過ぎて結局度し難い人間の屑という評価に落ち着いてしまう程度には色々とアレなモンスターアダルトチルドレンと化している。

 加えて、戦闘能力も正しくモンスターなのでご機嫌斜めになった際の被害規模が大きすぎる上に心の引き金が羽のように軽い。

 こんな女の面倒を見なければならない人物はきっと苦労するだろうなー。


 列挙したメンバーに後半変なのが交じってたって?知らんな。



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