型月に苦労人ぶち込んでみた   作:ノボットMK-42

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何とかケイ兄さんのビックリドッキリ能力習得エピソードを作ってみたかったのですが上手くいかない。どうしたものか……



追記:後々になって申し訳ないのですが時系列が前後しています。分かり辛くてすいません


外伝1 友達のはなし

 キャメロットが完成し、円卓の席が徐々に埋まりつつあった時のこと。

 私は誇らしくも加わることの許された円卓を囲み、国の行く末を決める会議に参じていた。

 ブリテンの統一がなされても戦いは続いており、未来に光明は見えない。しかし少なからずブリテンの現状は好転しつつあった。

 外部との交易によって物資が入り、荒れた土地を絶えず整備し続けたことによって次第に作物が育つようになっていった。国民の生活は急激でないにせよ、徐々に豊かになっていった。

 とは言え楽観できるほどではない。気を抜けば国は再び荒れ、国民は貧しさに苦しめられることとなるだろう。

 それを最も理解している人物は、会議が終わった後も休むことなく国務をこなす。

 目元に出来た隈を、垂れ下がった前髪で隠し疲労をおくびにも出さない。先端に火の灯された細い棒状の香から微かな煙を立たせる姿を見ていると、初めて会った時と比べて明らかに疲弊していると強く思う。

 果たして何日まともな睡眠を取っていないのか。休みなく多くの役目をこなす彼に無理をするなと言うのは簡単だ。だが私がそう言うと、彼は決まって『国務が止まっちまってもいいなら休んでやるよ』と返すのだ。

 彼は辛い役目を良く引き受ける。敢えてそうしているのか、それとも天性の気質なのかは分からないが、騎士の誇りも戦の誉れも、誰もが憧れるものには目も向けずに日陰者としての道を行く。

 

 今日の円卓に於ける会議でもそうだった。

 会議の内容は終わる気配を見せないサクソン人との戦に纏わる事。

 貧しい国であるブリテンが戦に臨む場合、小さな村を一つ干上がらせてでも軍備を整えるのは常道であった。

 王はそれを決断出来るだけの器量を持つ人物だが、そういった案が“彼女”の口から出る事は無い。

 冷酷なまでに現実主義、より大きなものを得る為の犠牲を強いる策は全て、王の傍らに座する彼が述べるのだ。

 加えて、彼は決まって自分に反感を集めるように動き、王に一切の悪感情が向かわぬように努める。

 彼はまず、実質的に村を三つは干上がらせるような方針を口にした。

 不測の事態が起きぬようにと、人の心を持たぬかの如く冷徹に告げてみせた。当然の如く円卓の面々からは非難の目が殺到する。

 しかし王がそれらを手で制し、彼の意見を最小限の犠牲のみで済む程度にまで妥協させる。

 結果としてみれば村が一つ干上がるような事態は変えられなかった。それでも騎士達の目には、王が危うく犠牲になる所であった二つの村を慈悲深くも救ってみせたのだと映った。

 このような光景を果たして何度見てきたことか。

 正し過ぎるが故に疎まれる運命にある王。彼女に集まる悪感情を彼は全て自身に集め、他の騎士達の結束が揺らがぬように仕向けている。騎士達は彼の思惑に乗せられていることに気づかぬまま、王に対する淀み無き忠誠を胸に抱き続けるのだ。

 

 

『連中も悪気があって筋肉と蛆の塊が頭蓋に詰まった能天気バカをやってる訳じゃぁない。まぁ悪気があって堪るかって話ではあるが。

直しようのない性質なら、非難するより助長してやる方が余程役に立つってもんよ。出来れば軍事方面以外にも頑張る気を起こして欲しいもんだがな。』

 

 

 純粋な義憤故に容赦の無い騎士達の非難を、彼はいつも涼しい顔で受け流す。

 損な立場だと思うが、役目を代わる事を彼は許さないだろうし、彼以上に勤めを果たせる人物を私は知らない。

 惜しむべきは彼の思惑通りに騎士達に王に対する不満を抱かせない為には、決して彼の献身が認められてはならないことか。

 アーサー王が人々の思う理想の王であり続ける為には、彼はブリテンに於ける道化であり、鼻摘み者でなければならない。

 同朋であり、友であり、ただの若輩に過ぎなかったこの身を近衛まで引き上げてくれた恩人の境遇を思うと胸が痛んだ。

 

 私とて、彼と出会った当初はあまり良い印象を抱いていなかった。否、正直に言えば嫌悪すらしていた。

 今になっても尾を引く、選定の剣を掠め取ろうとしたという醜聞に、私も彼の事を王の臣下に相応しくない者であると決めつけていた。

 私は国ではなくアーサー王という個人に仕えた騎士。この王にこそ剣を捧げ、力になろうと邁進した。だからこそ、王の傍らに不忠者がいるという在りもしない事実に訳知り顔で王の身を案じた気になっていた。

 我ながら愚昧極まる若年期であったと恥じ入るばかり。蓋を開ければ、彼は誰よりも王の身を案じ、王の為に生きる男だったというのに。

 確かに彼は忠義の徒ではなかった。彼はアーサー王を一人の人間として、兄として愛していたのだ。私の身勝手な考えなど、余計な世話以外の何物でもなかったのである。

 彼は極めて客観的な視点から、王の下に集った騎士達の中から有能な者達を見出し、取り立てるよう王に進言した。恐れ多くもその中に含まれていた私は、やがて王の近衛にまで上り詰めることになる。

 その役目を賜った時、私は初めて彼と対等な立場で言葉を交わした。

 

 

『貴方は何故、貴方を軽んじた私や他の騎士達を取り立てて下さったのですか。

何故、在りもしない悪評を敢えて広めるような事をなさるのですか』

 

『何故ってお前。そっちの方が都合が良いからに決まってんだろうが。

嫌われ者の一人や二人でもいなけりゃぁ、組織の不満は巡り巡って指導者にまで及ぶことになる。何処にでもある話だ。

一度生じた悪感情を正すのってクソ面倒なんだぜ?国の進退に関わる事なら尚更だ。

連中の心が王から離れるくらいなら、俺が諸々の反感を買ってやった方が色々と都合が良い。妙な気を起こす奴が出て来ないなら俺の仕事も減るってもんだ。

馬鹿共が誰にクソ生意気言おうが知ったこっちゃねぇが、仕事が増えるっていうなら話は別だ。面倒事の種は事前に刈り取るなり体の良い持ってき所に運んでくものなんだよ。分かったかベディ坊や』

 

 

 自分が嫌悪される分には構わない。国を回す意味でもそうだが、それ以上に彼は兄として王が騎士達に疎まれる事を良しとしなかったから。

 臣下である以前に兄である。そういう在り方を変えずに共にあったからこそ、王は彼の前では私情を隠さず、公平無私な孤高の王としての姿を忘れ、元の素顔のままに笑う事が出来たのだろう。

 身近にまで行けば、王の素顔を見られるのではと期待した私が、恐らく一生に一度訪れるかどうかと言う幸運によって見る事の叶ったアーサー王の本当の姿。それを見せてくれた彼の事を心から尊敬すると共に、僅かばかりの憧憬も抱いた。

 私が見た、王と彼が食卓を囲み静かに談笑する光景。何という事の無い、当たり前の日常。王自身に自覚は無かったのだろう。しかし兄と過ごす時間の中でだけ、彼女は自分の為に笑う事が出来たのだ。

 王の笑顔を見た時、私は初めて“彼”と思っていた人物が“彼女”であった事に気が付いた。恐らく、私が彼女を理想の王と言う色眼鏡で見る事を止めたからなのだろう。

 どれだけ人を外れた完璧な存在に見えても、彼女もまた人間だった。それを支える兄もまた、人の心を忘れた冷血漢ではなかった。

 そんな二人が混迷の只中にあるブリテンで闘っている事実に、私は戦慄した。

 恐らくこの二人は、どちらかが欠けただけでも決定的なものが破綻する。それでいて兄は何時倒れても可笑しくない程に疲弊しているのだから危うさに目を覆うばかりだ。

 事実、それが現実になりかけたことがあった。

 

 

 

 私がアーサー王に仕え始めて半年ほどの時期にそれは起きた。

 未だ小さな勢力でありながら人々を助け、国に平穏を齎すべく各地を転戦していた王の軍勢は、とある街がたびたび飛竜の群れに襲われている事を知った。

 竜を始めとした幻想種が数多く存在するブリテンに於いて、雑種の竜である飛竜は当時数多く生息していた。

 同じ幻想種すら餌とする凶暴な飛竜にとって、無力な人間は良い餌でしかない。

 無辜の民が犠牲となるのを良しとしなかった王は即座に出陣を決めた。

 配下の騎士達も勇んで後に続こうと気勢を上げた。だがそこで静止を掛けたのが彼だった。

 彼は飛竜の数や単体の強さ、知能等が未知数のままに挑むことの危険性を説いた。

 口々に臆病風に吹かれたと罵る周囲の声も何処吹く風、彼は情報が集まるまで出陣を控えるよう王に進言したが、間が悪い事に飛竜がとうとう集落を壊滅させる程の勢いで襲い掛かって来たとの知らせが入った。王は兄の言葉を打ち切り、すぐに動けるだけの手勢を率いて救援に向かった。

 一時は王の率いる騎士の軍勢により飛竜は屍を晒すばかりとなったが、次から次へと現れる飛竜の大群と、それまで倒してきた個体よりも明らかに大きな群れの主の出現により軍勢は打って変わって危機に陥った。

 当時、王と共に飛竜の討伐へ赴いていた私もまた、見上げる程に巨大な群れの主によって呆気なく地に沈められ、守るべき主に守られるという無様な姿を晒す事となった。

 一人、また一人と戦う力を失う騎士達。情けというものを持たない飛竜達は疲れ果てた騎士達の命を容赦無く奪っていった。

 そんな中で王だけが飛竜の大群の中で二本の脚でしっかりと大地に立ち、奮闘していた。最早生き残っているのは王と、王に守られているが故に命を繋いでいた自分のみ。しかし空を自由に飛び回る飛竜達に翻弄され、次第に疲労の色が強くなる。王が倒れた時、私の命運もまた尽きる。

 私はすぐそこまで迫る死の恐怖と王の重荷でしかない自身の弱さに歯噛みした。

 数十体の飛竜を斬った辺りで、とうとう王に一瞬の隙が生じた。目敏くそこに付け込んだ群れの主が人間程度は容易く噛み千切れる大咢を開いて王に迫る。

 王がそれを知覚した時には最早逃れる機を逸した後。絶望的な状況だった。

 閉じられる竜の咢、吸い込まれるように王へと迫る牙。私にはそれを見ていることしか出来なかった。

 王の身体が噛み砕かれる光景を幻視する中、大きな人影が風のような速度で竜と王の間に割って入り、閉じられる咢に身を滑り込ませた。

 右手に携えた平たい箱のような物で上顎を、重厚な甲冑で覆われた足で下顎を抑え、何とか竜を押し留めたのは皆が臆病者と笑った彼だった。

彼が前線に立ったところを見たことがなかった為に、初めは誰が割って入ったのか分からず、見慣れない甲冑姿の男が王を助けたとしか分からなかった。それが彼であると私が気付いたのも、王の口にした彼の名を聞いたからだ。

 自陣に置いて行った義兄が突然現れたことに王が驚きを覚えるのも束の間、弾かれるようにして背後へ跳んだ彼の背中に王は押し出された。

 直後に閉じられる竜の咢、そして耳をつんざくような轟音と共に広がった閃光に目を焼かれ、思わず耳と目を塞いだ。

 まともに外界の状況を認識出来るようになった時、私の目に映っていたのは頭部が所々弾け飛んだ姿で倒れる竜と、その周囲で黒煙を上げながら立ち昇る炎。

 何が起きたのか理解出来ずに途方に暮れる一方で、顔を蒼白にした王はぐったりとしたまま起きる素振りを見せない兄の名を何度も呼んでいた。

 彼は右肩から先を失っていた。王を巻き込んで飛び退いた時、閉じられた咢に右腕を食い千切られていたのだ。後に知った話では、その時彼は右手に携えていたあの箱の中に仕舞い込んでいた礼装を起動させたのだという。

 優れた魔術師でもあった彼が使った礼装とは、溜め込んだ魔力を暴走させて吹き飛ぶだけの単純な物だった。しかし単純故に強力であったそれは彼の右腕を食らった竜の口内から喉を伝って強固な鱗に覆われていない臓物を焼き、致命傷を負わせたのである。

 その代償として、右腕を失った上に弾け飛んだ竜の頭部から漏れ出た爆風に晒されてしまったのである。彼の一回り以上も大きな体躯が壁となったことによって竜の咢からも爆炎からも守られた王に被害が及ぶことはなかったが、当の王はまるで自分が傷を負わされたかのような悲痛な表情を浮かべていた。

 彼が一命を取り止めたのは気まぐれな魔術師マーリンが傷を癒した為とのことだったが、当人達がそのことを語る事は無かった。

 何とか命を拾った彼だったが、一瞬の内に深い傷を負った彼は暫くの間、意識を取り戻す事無く深い眠りについていた。

 飛竜の群れは主を失った事で散り散りに逃げ去り、救われた人々は口々に魔物を追い払ったアーサー王の軍勢の奮戦と犠牲を声高らかに語った。その中に腕を犠牲に群れの主を討った男の話は無い。

 街の人々は私達と飛竜の群れとの戦いを遠目から眺めていた。その為に大まかな事は見て取れたのだろうが、その場にいた私ですら何が起きたのか分からなかった事の顛末を知る術を持たなかった。

 故に人々は王と私達が命懸けで飛竜の群れを追い返したことだけしか分からなかった。最早人々の熱は王が真実を公表することが出来ない程に高まっていたのである。

 王は魔術師と、義兄の提案を受け、苦い思いを隠したまま偽りの風聞を容認した。

 彼が言う所の“都合の良い選択”というものだ。風聞に足るだけの力は事実としてある。態勢が整わないまま寡兵で立ち向かったが故に救援部隊は壊滅の憂き目を見たが、十分な戦力で以て挑んだのであれば撃退は可能だったのだ。ならば事実は少し異なるのだとしても完全な偽りにはならない。そう言って彼は隻腕のままに王を説得した。

 清廉潔白であることを是とする王は難色を示したが、義兄に免じて提案に乗った。

 こうして一連の事件がアーサー王と配下による魔物対峙として片づけられたわけだが、当事者である王はやはり心穏やかではなかった事だろう。

 王を除く救援部隊唯一の生き残りである私も、事態を拗らせないよう余計な口出しを禁じられた時には納得がいかなかった。自分の為に義兄が片腕を失くした事実を隠すことは赦し難かった筈。

事実を隠すことは赦し難かった筈。

 しかし王の心中に残されていたしこりは、彼が失くした腕の代わりを用意して来たことで一先ず解消される事となった。毒気を抜かれた、と言うのは少し誤りがあるのかもしれないが、彼なりの配慮が王の心を溶かしたことは確かだろう。

 彼としては自分が隻腕で生きていく未来を案ずる妹を安心させたかったのかもしれない。その点は思い通りの結果になったが、王の心に刻まれた恐怖は消える事無く残っていることだろう。

 

 

 

 今となって、暫く義兄のいない状態が続いていた時の王の姿が酷く孤独に思える。いつも後ろに控える存在がいないだけで、彼女は大勢の騎士に囲まれながら独りになってしまうのだ。

 それこそが私の不安である。義兄を喪った時、王が自分の為に笑うことは無くなる。王の顔に差す光が永遠に失われた時、アーサー王は真に人ではなくなってしまうのではないか。

 そんな恐怖から彼に自重を呼びかけるが、彼は決まって自分の心配をしろと言って譲らない。確かに私では王と彼の心の支えとなる事は難しいだろう。

 あの飛竜の群れとの戦いでも無様な姿を見せ、彼に取り立てられた後も至らぬところを見せては彼に助けられること幾数年。私はいつまで経っても彼の中では未熟な若輩でしかない事が歯痒かった。

 妹の為に国の為の献身を見せる彼が孤立していく光景が辛かった。

 私の内心を察してか、彼は嘗てこう言った。

 

 

『俺の心配なんぞするとはいつのまにか偉くなったもんだなぁベディ坊や。

まぁ、お前は剣と槍をぶん回す以外には際立って能が無い男だが気遣いはそれなりに出来る方だと思ってる。それでも支えるだとかデカい口を叩くには役者不足も良い所ではあるが、生憎とお前以外に王のことを案じてやれる奴がいないのも現状だ。

だからお前には、例えお粗末だろうが王を案じて自分なりの動きをしてもらわねぇと困るんだ。要らん気を回すのなら、テメェ自身のことか王の事だけにしとけ。それ以上の事が出来る程器用でもないだろうがよ』

 

 

 自分に心配は要らない。ただ王とお前自身の事だけ考えろと言って不敵に笑う彼の姿はまるで慈愛に満ちた父の様であった。

 なるほど、これならば王が慕うのも頷ける。彼女もこの包み込むような温かさを愛したのだろう。それは間違いなくどんな崇高な理想よりも尊い物の筈だった。だからこそ、誰かが彼を守らなければならなかったというのに。

 その事実をブリテンの騎士達が痛感した時には、全てが終わった後だったのだから救われない。

 

 彼はそんな騎士達を果たして憎んでいたのか、憐れんでいたのか。

 少なくとも一つだけ、彼が抱いていた感情があったことは私にも分かる。

 それは即ち“怒り”だ。

 客観的に王の置かれた状況を見回し、続いてブリテン全土の状況を目にした者ならば誰しもが抱くブリテン島そのものに対する怒り。

 私も、湖の騎士も、王妃も、あの兜の騎士でさえ禁じ得なかった怒り。果たして彼の中に生じたそれはどれ程の大きさだったのだろうか。

 

 私が思うに、これは誰かに罪がある話ではないのだと思う。

 彼がブリテンの滅びを、日が昇り沈むような自然さだと表現していた。

 国の滅びとは尋常なものではない。国土も人も何もかもが壊れ果てていく中、何もかもが悪しき方向へと巡って行く。この国を取り巻く様々な事柄が、全て噛み合わなかっただけなのだ。

 故に誰もが被害者であり、加害者だった。

 決定的な破綻の切っ掛けとなった彼もまた、最大の被害者であり加害者だったのだ。

 




《本編補足》

【細長い香】
 要するに煙草。
 ただしニコチン補給するための物ではなく眠気覚ましと疲労回復用の霊薬擬き。煙を吸うとわさびを鼻の穴に注入されるような感覚とタバスコを目薬みたく注がれる感覚を数段強くしたような衝撃が脳に走り、また身体から疲れが抜けやすくする作用を与える。
 ケイ兄さんは常にこれを吸い続けて気を抜いたら立ったまま気絶しかねない状態でも意識を保ち続けていた。戦闘時には相手に煙を吹き掛けて催涙ガスのように使う事もあったりなかったり……。
 因みに吸う際には携帯吸い殻入れ兼、吐いた煙を吸い込む機能を持った礼装で灰や煙を処理することも忘れない。


【飛竜】
 『ドラゴンとか妖精とか巨人とかエイリアンがいるからいても良いよね?』という作者の勝手な解釈で出て来たモンスター。まんまfate/goのワイバーン。
 一匹一匹はそれなりに腕の立つ騎士ならサシの勝負で倒せるが次から次へと湧いて出て来たせいでウザったい。
 ボスがやられたので群れは散り散りになり、後にとある人物の手駒として利用されるようになる。


【群れの主】
 飛竜の群れのボス。
 他の飛竜がモンハンのガブラスみたいなものなら立ち位置的にはリオレウスくらいには強い個体。雑種の竜である飛竜にしては比較的に純粋な竜種に近いがそこまで圧倒的な力があるわけではない。
 それでも下手な軍隊では太刀打ちできない怪物であることは事実で、使う前にやられてしまったが実は火を吐いたりも出来た。
 生の肉が喰いたくて街を襲い。助けに駆け付けたアーサー王御一行を雑魚飛竜で疲弊させ、弱った所を美味しく頂こうとしたが、ケイ兄さんの捨て身の戦法で体内に爆弾を呑み込まされたことで呆気なく致命傷を負う。
 実はそれで死んではおらず、生きてはいたが身動き取れない状態になり、最終的にはマーリンとケイ兄さんによって素材剥ぎ取りされてしまうことに……

【爆弾礼装】
 ケイ兄さんが魔術を学んでいく中で作り上げた簡単な兵器。見た目は野球ボールくらいの鉄球で、一つにつきC4爆弾5kgくらいの破壊力がある。ケイ兄さんはこれが4つ入ったケースを自分の右腕諸共食わせて群れの主の体内で爆破した。
 この後もケイ兄さんに多用され、更に改良を加えられて凶悪な代物になっていく。

【義肢】
 群れの主に食い千切られた右腕の代わりに取り付けた腕型の礼装。オートメイルっぽい。
 ケイ兄さんがマーリンとは別口で学んだ錬金術の知識と技術を用いて作られた。
 『頑張ったご褒美』ということでマーリンが制作に関わったことでかなりの完成度を誇る。またマーリンの遊び心で火炎放射機能を搭載されており、虫の息だった群れの主の心臓を埋め込んだ。
 飛竜の心臓から供給される魔力とケイ兄さんの魔力を動力源としているのだが、飛竜の心臓は純粋な竜と比べて魔力を生み出す機能が劣化していたり、飛竜の心臓から作られる魔力と自分の魔術回路が干渉する問題から、飛竜の心臓の魔力をケイ兄さんの身体に供給することは出来ない等、幾らか制限がある。
 その為、ケイ兄さんが別の魔術を使う際の便利な魔力タンクとか魔力炉としては使えない。基本的に火とか熱風を出すくらいにしか使えないし威力もイマイチだが、後にケイ兄さんの手によって魔改造を施されていくことになる。
 細やかな物で親指の先がライター程度の火を灯す機能が付加されている。

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