遊戯王-孤独に巻き込まれた決闘者-R   作:秋風

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お久しぶりに続きが書けたので投稿。どうも、マスターデュエルでティアラメンツとしか当たらず、ホープデッキでプラチナから上に上がれない秋風です。
ロックマンエグゼたのしいぃぃ!と、遊びつつも、なんとか続きが書けました。今回に関しては色々ツッコミ処満載となりますが、『真面目な』デュエルは次回に行いますので、どうかご容赦を

では、どうぞ。


52「温泉での激闘」(前編)

 

 俺は、とある夢を見ていた。デュエルをする夢だ。いつもデュエルしているし、デュエルアカデミアにいるし、俺にとっては楽しいことこの上ない。そう、それがいつもと同じならば。だけど、それは普通のデュエルには見えなかった。翔が、三沢が、万丈目が、明日香が、カイザーが、雪乃やツァン、そしてレジー達まで倒れ伏していて。立っているのは俺と、俺の対戦相手だけ。その俺の隣には相棒のハネクリボーが必死にその闇から俺を守ってくれていた。だが、その相手は自分のフィールドに巨大なモンスターを出現させた。そして、その傍らには緑色の髪の、女の子がいる。見たことのない、カードの精霊だった。けれど、その精霊の目は虚ろで、そして何より憎しみに満ちていた。

 

 

『遊城十代へ、ダイレクトアタックだ』

 

 

 対戦相手がモンスターへ攻撃命令を下す。その攻撃の光で、その対戦相手が露になった。黒い髪に、所々赤い髪がかかる髪。いつもよく見る、俺と同じように前を開けているオシリスレッドの制服を着ているが、いつものトレードマークとなりつつあった帽子は見当たらない。そして、いつも楽しそうにデュエルをするその表情は暗く、沈んでいる。

 

 

俺の目の前にいるのは……仲間で、友達のはずの、秋人だった。

 

 

「うわああああああ!?」

 

 そこで目が覚め、俺は慌てて起き上がった。ハアッ、ハアッ、クソ、またこの夢……! あの夢はいったい何を指しているんだ? ここ最近、同じ夢ばかり見る。夢っていうのはいつもは憶えてないことが多いけど、この夢だけはかなり鮮明に憶えていた。倒れているみんな、そして、俺と秋人の首にはセブンスターズ達が狙っていた鍵をつけていて……あれは、洞窟、だよな。扉みたいなものもあって、あと、あとは……

 

「そうだ、倒れている中に、知らないカードの精霊がいるんだ……夢の中で見た、秋人の隣にいた、見たことない、人形みたいなモンスター。その隣にいる黄色いのは多分プチリュウだよなぁ……けど、秋人はプチリュウのカードの精霊なんていないし……」

 

 正直、わからないことだらけだ。今のところ、セブンスターズとのデュエルをして勝っているのは秋人だけ。クロノス先生も、カイザーも負けたため、残っているのは俺と、秋人と、明日香と、万丈目と、三沢だ。あの夢が正しいのなら、俺と秋人以外は負けて……でも、なんでその鍵を持っている同士でデュエルしてるんだ。あーもー! マジでわかんねぇ!

 

『クリクリー?』

 

 そんなことを考えていると、相棒のハネクリボーが体を傾けて、心配そうに俺を見ていた。おっとっと、いつまでも悩んでいるんじゃ良くないな。

 

「悪い、相棒。大丈夫だ」

 

『クリクリー!』

 

 俺の言葉に嬉しそうに飛び回り、デッキの中へと戻っていく。ここ最近はハネクリボーの存在を強く感じるようになった気がする。秋人曰く、セブンスターズの狙っている鍵を奪われた結果、その幻魔を封じている場所が少しずつ緩んでいるのが精霊に影響しているらしい。つまりは、精霊が生きている場所と、俺たちの世界の境界がなくなりつつある、とか。よくわからんけど、それは不味いなってのはよくわかる。

 

「んー……なんか、ちょっと暗いことばっかり考えちまうなぁ。なんかなかったかな」

 

 購買でドローパンでも買うか……ん、購買? そういえば、購買の隣のお知らせの掲示板に気になることが書いてあったんだよな。確か、温泉の修理が終わったとかなんとか。そうか、温泉か!

 

「ただいまー、兄貴。昼寝してたっスか?」

 

「お、翔! いいところに! 温泉行こうぜ!」

 

「……温泉?」

 

 これの言葉に、翔は首を傾げるのだった。

 

 

 

 

「……なんなんだ、あの夢は」

 

 最近、似た夢を見ることが多くなった。幻魔を操り、十代とデュエルをするという夢。なぜ、影丸理事長ではなく、俺が十代とデュエルをすることになってんだ? いや、あれはまるで、俺じゃなく、別の誰かが俺としてデュエルを……っ!

 

「武藤秋人が、デュエルをしているのか?」

 

 一度、体が殆どいうことを聞かずにデュエルをしたことがあった。武藤秋人を過去に虐め、そして、彼の宝物であったはずのカードを燃やした主犯の男とのデュエル。あの時、ホープレイVまで出すとかいう、やっちまった感満載のデュエルだった。そして、夢で俺の横に立っていた精霊のカード、あれは恐らく……

 

「エルシャドール・ミドラーシュ……だよな、どう見ても」

 

 そう、俺の隣に立ち、時折夢の中で笑い声を聞いていた。十代が傷つくたびに、皆が倒れるたびにクスクスと嬉しそうに笑う彼女の耳障りな声を憶えている。俺はおもむろにシャドールのカードを取り出した。一応、シャドールのデッキも作っているから、それは間違いない。もし、アイツもカードの精霊なら、ミラの時と同じように触ったら何か起きるのではないか。そう思って触ってみるが特に何も反応はない。

 

「俺の考えすぎ、か?」

 

 もしも、彼女が俺をこの世界に引きずり込んだ黒幕だったとしたら、カミューラが言っていた影丸理事長の秘書の女、というのがこのカードになる。海馬社長や、ペガサス会長の言う通り、俺の知る遊戯王GXとは大きくズレていることを考えると、本来のGXの物語のことを考えるのはよくないとは思うんだけど……カミューラじゃないが、シャドールのメタや三幻魔のメタ、考えないとダメかもしれないな。

 

「ただいまー」

 

「ん、3人ともお帰り」

 

 カードをしまい、明日の授業の準備をしようかと思っていると、そこへ雪乃、ツァン、レジーの3人が部屋に戻ってきた。レジーはともかく、雪乃とツァンは大徳寺先生が黙認しているとはいえ、勝手にレッド寮の、俺の部屋に泊まっている。そのため、部屋着や下着は寮で洗濯したり、必要分を持ってきたりしているのである。まあ、俺の部屋はもともと3人部屋だったのを1人で使っていたから広いし、使う分には構わんが、私物がだいぶ増えたなとか思う……それにしても

 

「3人とも遅かったな。いつもなら授業終わった後に分かれて30分もしないでここに来るのに」

 

「ああ、それね。ちょっと麗華に捕まったのよ」

 

「……委員長に? また?」

 

 麗華、こと原麗華という、クラスの委員長的存在。眼鏡をかけ、如何にも委員長ですっていうオベリスクブルーがいるのは俺も知っている。雪乃の話では、中等部から知り合いらしい。これに関しては、ツァンから雪乃が中等部時代に素行が悪く、授業は抜け出すわ、門限無視で夜遊びはするわ、男をたまに誘惑したりするわで、激突することが多かったという話を聞いた。ここ最近も、雪乃たちが俺に絡んでいるのを見て、不純異性交遊はよくないと、俺ではなく雪乃にデュエルを仕掛けることが多い。

 

「ボクも巻き込まれて、タッグデュエルしていたから時間かかったのよ」

 

「なるほど……ってか、タッグデュエル? 珍しいな」

 

 このアカデミアでは、殆どタッグデュエルなんてしないのに。ちょっと興味が出たので、ログを確認する。

 

藤原雪乃&ツァン・ディレ VS 原麗華&レイン恵

 

 ……レイン恵? そんな生徒いただろうか。そう思って2人に聞くと、2人もよく知らない生徒だという。委員長の話では、元々はノース校の生徒だったが、ノース校では他に強い生徒がいないとのことで、こちらに転入してきたらしい。

 

「で、そのレイン恵って、これ本名なのか?」

 

「私も気になったから聞いたんだけど、本名は『雨野恵』。けど、その雨野っていう苗字が嫌で、レイン恵って名乗ってる……そう麗華が言っていたわね」

 

「委員長が?」

 

「あの子、デュエル中以外はほとんど……っていうか、デュエル中も最低限しか喋ってなかったわね」

 

「あれよ、日本でいう『不思議キャラ』ってやつよね!」

 

 と、2人の言葉に、レジ―がたとえを出したが、不思議キャラねぇ。その雨野という苗字の委員長の説明に、ツァンが彼女から「という設定」とポツリと聞いたとかそうでないとか。そんな会話をしながらデュエルログを見ていると、俺は委員長がなぜ彼女を雪乃との対戦でのパートナーにしたのかを理解した。

 

「雪乃、お前よく頑張ったな……」

 

「うふふ、秋人。貴方はわかってくれるのね。私の苦労」

 

 そう言って笑みを浮かべて俺に嬉しそうに抱き着く雪乃。若干、顔が青かったのにも納得がいった。この子、カミューラと同じアンデットデッキ使いか。しかも、ログを見る限りだとアンデットワールドまで使っているガチアンデットワールド使い。真紅眼の不死竜から始まり、シンクロのハ・デス、アンデット・スカル・デーモン、デスカイザー・ドラゴン……んんっ!? /バスターまで!? 確かに、/バスターシリーズはリストとして出して販売もされているが、ここまで使いこなすのか。内容から見れば、委員長はバーンデッキ使いのためバーンで攻めつつ、レイン恵がアンデットで攻める……戦略としてもそうだが、雪乃がホラー系苦手なの委員長も知っているのか。なんだかんだ、知り合いというよりは友達に近いのだろう。委員長の本気度具合が伺える。

 

「あ、そうだ秋人。さっき、カミューラから教えてもらったんだけど、明日の昼頃まで、レッド寮の浴場は工事で使えないって言っていたわ」

 

「まじかよ。今日、体育があったからそれは困るな……」

 

 そう思っていると、ドアを叩く音が聞こえた。

 

「おーい、秋人! いるかー?」

 

「ああ、鍵は開いてるよ。十代」

 

 声の主は十代だった。扉を開けた十代とその後ろにいる翔と隼人の手には、何やらエコバックのようなものを持っている。

 

「お、皆揃ってるじゃん! 丁度いい。皆でアカデミアの温泉に行こうぜ! 温泉!」

 

「温泉?」

 

「ああ、あの火山を利用して作られたっていう温泉のこと? あれって、この前まで工事中って、ボクはトメさんから聞いたけど……」

 

 社長が、アカデミアの改修工事をしたときに、レッド寮とかだけではなく、所々老朽化した箇所も直すという話になったのを覚えている。だが、十代の話では先日それが終わり、リニューアルオープンしたというのを購買で見たそうだ。

 

「いいぞ。レッド寮の浴場、明日まで使えないらしいし、何より今日体育があったから、汗臭いの何とかしたかったんだ」

 

「おっしゃ! なんか、男女混合だから水着は必要らしいからな。ちゃんと用意して来いよ! 雪乃たちはどうする? 3人はブルー寮で入れるだろうけど」

 

「そうね。構わないわ。たまにはそういうところで羽根を伸ばすのも悪くないわね」

 

「……けど、そこに前科持ちが1人いるのよね。十代、隼人、ちゃんと見張ってなさいよ」

 

 了承をする雪乃だが、その隣でジト目で翔を見るツァン。そんなツァンに、慌てる翔。そういえば翔は、クロノス先生の仕業とはいえ、覗きの嫌疑がかけられたなそう言えば。そんな翔は慌てて絶対に覗いたりはしないという。そんな翔にクスクスとレジーも笑っている。

 

「じゃ、準備したら外で集合な!」

 

 そう言って十代達3人は外へ。俺もタオルと、アメリカで1回しか使わなかった水着を取り出した。学校指定の水着でもいいんだけど、特に指定はないらしいのでこっちにする。そんな準備を終えて、俺たちもレッド寮を後に、十代たちと合流することになる。部屋を出る時、一瞬だけ、置いておいたシャドールのカードからオーラのようなものが見えた気がするんだが、気のせい、だよな……?

 

 

 

 

デュエルアカデミア内 野外浴場施設

 

 

「うおー! すっげー!」

 

「……ワァオ、日本人はお風呂にはいることにかけては妥協しないなんて聞いたけど、これは驚き。アメリカでもこんなすごいのは見ないわね」

 

 温泉へと来てみたはいいものの、原作で登場した温泉回の温泉の面影がほぼと言っていいほどなくなっていた。なんかもう、殆どレジャー施設みたいになってんぞ。思い出したけど今日ってもしかしてカイバーマンと十代が戦う日なんじゃなかろうか。そう思いながら体を洗ってから温泉……というか、温泉プールに入る俺。

 

「あ、レジー! 待って、そのまま入っちゃダメ! まずはちゃんと体と頭を洗って、お湯を掛けてから入るのよ」

 

「かけ湯、というのよ。一般的には体の汚れを落としてから入るのがマナーとされているけど、温泉の温度に、体を慣らしたり、泉質の刺激に体を慣らす意味があるの」

 

「へー。郷に入っては郷に従えというものね。そこはしっかりとやるわ」

 

 そんな風に、風呂の入り方を雪乃たちから学ぶレジー。そんな彼女たち3人も学校指定の水着、所謂スク水ではなく、海で着ていたビキニだ。雪乃は薄紫の、ツァンは赤、そしてレジーは白いビキニを着ている。きわどいとかそういうわけでないのだが、スタイルが3人ともいいため、かなり目立っている。まあ、俺たちしかいないけども。そして、それを見て翔が「綺麗っス」とか言っている。隼人も顔を赤くしており、ただ一人、十代だけが2人ともどうしたと首を傾げていた。

 

「……翔?」

 

「な、なんでもないっス!」

 

 本当に大丈夫かとちょっと心配になったぞ。そんなことを思っていると、そこに万丈目がいた。騒いでいる俺たちのところに、煩いぞと注意をしに来たらしい。俺と隼人はともかく、十代と翔は泳ごうとしたしな。流石に止めたが。

 

「ふう、流石は日本の温泉ね! 気持ちがいいわ!」

 

「ふふ、気に入ってくれたようで何より。秋人、ね、もっとこっちに来て、ね?」

 

「あ、ちょっ……海の時といい! ズルいわよ雪乃! ボクも……!」

 

 雪乃たち3人も温泉に浸かるが、その隙をついて、雪乃が海の時と同様にその豊満なわがままボディを俺に押し付けてくる。そして、それに続こうとするツァン。やめろ、少なくともアカデミア内ではそれは勘弁してくれ……! ほら見ろ、翔が死んだ魚のような目でこっち見て「リア充もげろっス」とか言い始めたから! 万丈目も「何故奴だけが……」とかいってるし! 十代は「楽しそうだなアイツら」とか言ってるけども。お前はお前のままでいてくれ十代! そんなことをやっていると、十代が突如立ち上がって温泉の奥へと歩いて行った。俺と雪乃の目にはハネクリボーが飛んでいくのが見えている。

 

「あれ、兄貴、どこ行くっス? 待ってよ兄貴ー」

 

「……? 十代のボウヤ、というか、ハネクリボーはどうしたのかしら」

 

「わからん。俺も様子を見て……く……?」

 

 見てくる、と最後まで続けることができなかった。突如、意識が薄れて膝をついてしまう。見れば、雪乃たちも頭を抱えている。意識がなくなる瞬間、翔の「僕泳げないっス! 助けて―!」という声が聞こえた。やはり、十代たちが”あの男”と出会う日で、間違いないようだった。

 

 

 

 

「……ター……マスター……! マスター、しっかり! 起きてください!」

 

「っ……!? ここ、は、あれ? ミラ?」

 

 突然の出来事に驚きました。アカデミアを調査していたら、なにやら変な空間を見つけ、そこからマスターの気配がしたので入ってみれば、そこにマスターがいたのですから。おかしいです、確か、今日は先ほど温泉に行くと仰っていたのに。

 

「あれ? 制服を着ている。それにここは一体……」

 

「見たところ、精霊界と似たような、そうでもないような場所ですね。なんでしょう、不思議な空間です」

 

「ミラは、どうしてここに?」

 

「私はマスターたちが温泉に行った後、マハードさんとマナさんたちと合流しようと向かっていたのですが、マスターの気配と、なんだか不思議な空間の場所を見つけてここへ。そうしたらマスターが倒れていました」

 そう私が説明すると、マスターが驚いていました。体を見ると、私も完全に実体化しているようでした。けど、ここは精霊界には見えない……一体ここはどこなんでしょうか。薄暗くて、まるで廃墟のような……少し、気味が悪いですね。

 

「マスター、どうしました?」

 

「……俺の知っている、温泉と繋がる場所じゃないな、ここ」

 

「そうなんですか?」

 

 マスターの説明によると、どうやら学校の温泉には精霊界に通ずる場所があるようで、そこで十代さんがカイバーマンのカードの精霊とデュエルをするとのこと。しかし、周囲には誰もいないで、いるのはマスターだけ……。

 

「おかしな気配を辿ってみれば、なぜあなたがここにいるのですか?」

 

「何者!」

 

 声の方へ私は杖を構え、マスターを庇うように立ちふさがる。そこにはローブを着た人物が立っていた。声からして女性、でしょうか。深くフードを被ったその人物からは明確な敵意を感じ取れる。

 

「君は? それにここはどこだ?」

 

「お答えする必要はありませんわ。ここは貴方のいるべき場所ではないのですよ、”日向明人”」

 

「何故その名前を知っている? お前は何者だ?」

 

 その名前は、マスターの本当の名前であり、この世界で知りえるのは私とマスター自身、そして、マハードさんとマナさんだけのはず。この女性、いったい何者なんですか……

 

「お答えする義理はありませんわ。お帰りなさい、今の貴方の居場所へ。ここは、”貴方”が来ていい場所ではないのだから」

 

「なんだと?」

 

 女性はさっさと帰れといって取り合ってはくれない。しかも、この女性、純粋に力だけならば私やマナさんより強い魔力を感じます。

 

「そうもいかないな。その名前を知っているってことは、俺をこの世界に、そして、武藤秋人とという器に俺を移した奴の関係者だろう?」

 

「さあ、どうでしょう。お答えしかねます……けれど、そうですわね。そのまま返すのも面白くありません。私とゲームをしましょうか」

 

 そう言って女性がパチンと指を鳴らす。すると、そこには数十の影のようなものが出現する。あれ? これって、前の旧特待生寮でマスターが戦った……!?

 

「この幻影とのデュエルで勝てば、少しくらいなら教えてあげてもいいでしょう」

 

「デュエルだと? 生憎、俺の手元に今デッキは……」

 

 そういったマスターの腕に、デュエルディスクが!? あの女性が何かしたのでしょうか。

 

「サービスです。後は、貴方が思い描くデッキをイメージすればそのディスクに貴方の思い描くデッキが収まるでしょう。この空間であればどうぞお好きに、神ですら出しても問題ありません……が、制限時間はそうですね、3分で決着をつけてもらいます」

 

 3分以内に、デュエルに勝つ!? 何ですかその無茶なルール! 相手が遅延したら絶対に勝てないじゃないですか!

 

「貴方が負けた場合は即刻ここから元の場所へ戻ってもらいますわ。貴方が勝てば、貴方の知りたいことについてお答えしましょう……ふふ、3分以内に先行でエグゾディアでも揃えれば勝てるかもしれませんわね?」

 

 そう言ってクスクスと笑う女性。けれど、私は聞き逃しませんでした。マスターがその女性の笑い声に対しての、マスターの呟きを。

 

 

「言ったなお前? 今、イメージすればって」

 

 

 その言葉と共に、マスターのデュエルディスクにデッキが収まり、女性の横には3分を示すのであろう砂時計が出現する。

 

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

 

武藤秋人LP8000 VS幻影 LP8000

 

 

「さあ、ここからスタート。貴方のターンからです。3分で勝てるといいですね?」

 

「ああ、そうだな……3分もいらないぜ? 多分」

 

「……は?」

 

 マスターの言葉に、呆けた声を出す女性。そして、女性の隣に出現した砂時計が落ち始めた。

 

 

「俺のターン! 手札から魔法カード『天使の施し』を発動! 3枚ドローし、2枚を墓地へ送る」

 

「手札から『ドロール&ロックバード』の効果発動。相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。このターン、お互いにデッキからカードを手札に加える事はできない」

 

「それに対して速攻魔法『墓穴の指名者』発動。『ドロール&ロックバード』をゲームから除外し、次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。処理を続行して3枚ドローし、2枚捨てる。『天の落とし物』を発動! 互いに3枚ドローし、2枚捨てる!」

 

 ……! あの女性の言葉通り、やはりマスターが選んだのはエクゾディアなんでしょうか。案の定、妨害してきましたが、それは無効にできたようです。しかし、今の処理だけで数十秒のやり取りが……それに、3分でエグゾディアを揃えるのは、運が悪ければ3分を超えてしまう。なのに、マスターは言いました。3分も多分いらない、と。一体それはどういう……

 

「カードを伏せて『天よりの宝札』を発動! カードが6枚になるようにドロー! さらに今伏せた『手札抹殺』を発動。互いのプレイヤーは手札を全て捨てて捨てた数ドローする」

 

「……!?」

 

 え、たった今手札に加えたカードすべて捨ててドローを……それに、捨てられているカードも魔法カードばかりのような。エクゾディアのパーツも見当たりません。もしや、デッキ破壊を? いえ、デッキ破壊でも3分は厳しいかもしれない。なのに、マスターのあの自信はいったい。

 

「そしてさらにカードを3枚伏せて手札から『復活の祭壇』を発動。デッキの上から2枚のカードを除外し、墓地の魔法カードを手札に加える。俺は『天よりの宝札』を加えて発動。6枚になるようにドローする。『強欲な壺』発動。カードを2枚ドローする」

 

「マ、マスター!? ここまでの処理で1分経ってしまったんですが!? これ、本当に大丈夫なんですか!?」

 

「安心しろ、もう終わった

 

「「は?」」

 

 私の慌てた声に、マスターはただ一言そう言った。もう、終わった? マスターの手札を見るに、魔法カードしか、手札にないんですけど。途中、1枚だけモンスターが見えたような気がしたのですが良く見えませんでしたし。

 

「これで最後だ。

 

 

魔法カード 『黄泉転輪』 を発動する」

 

 

 ……黄泉、転輪? 初めて見るカードです。初めて見るカードなのに、なんでしょう、別に悪い予感とか、そういうのは一切ないはずなのに、色んな所から『そんなことしちゃいけない』って聞こえてくるような……

「発動時の効果処理として、フィールドのモンスターは全て破壊される。そして、お互いのデッキからモンスターカードを全てゲームから除外する。互いのスタンバイフェイズ、またはこのカードを発動したメインフェイズに1度だけ発動する。互いのプレイヤーは墓地に存在するモンスター1体を選択し、そのモンスターの

 

召喚条件・蘇生制限を”無視して”

 

フィールド上に特殊召喚できる」

 

 そうマスターが効果を告げた途端、相手のデュエルディスクにセットされたデッキのカードが次々と消えていく。対してマスターのデッキから消えたのは2枚だけ。マスター、まさかのそのデッキ、ドローソースしか、入っていないんじゃ……

 

「俺が選んだカードは……

 

『光の創造神 ホルアクティ』!」

 

「……は?」

 

  思わず、女性が呆けた声を出していました。光の創造神 ホルアクティ……? その白い体に、黄金の羽根。これは、気配でわかります。神のカード……違う、そんな次元じゃない! 前にマスターが戦ったオシリスの天空竜とは比べ物にならないような……!

 

「このカードの召喚は無効化されない。そして、このカードを特殊召喚したプレイヤーは、デュエルに勝利する。闇よ、消え失せろ!」

 

光創世(ジュセル)

 

 特殊召喚されたホルアクティから放たれた一言。それによって周囲にいた幻影も、そして周囲を取り巻いていた闇すら全て弾き飛ばしました。時間は2分。確かに、3分かからず、マスターはデュエルに勝利して見せるのでした。

 

 

 




というわけで、温泉回前編でした。次回、十代VSカイバーマン戦となります
温泉での激闘(次回から)というね、なんでこんな話にしたんだろう……夜中のテンションって怖い

前作とのリメイクについて

十代の夢の話
より鮮明に、また、ちょっと十代が見た夢を詳しく描写
どうしてそうなるのか、本当にそうなるのかは彼ら次第

前回出てきた謎の女性の正体
ちょくちょく正解している人いましたね……

温泉へのお誘い
前よりはちょっとマイルドに導入しやすくしました。

翔の扱い
覗いたのこの世界では見つけたのはツァンだからね、仕方ないね

名前だけ登場の委員長&レイン恵
本格的に登場するのはもうちょっと後です

レイン恵の名前について
雨野はこの作品のオリジナル。ちなみに、これはレインが委員長についた嘘なので、その辺もまた後々

温泉へ
よくあるレジャーランドをイメージしてもらえると

ヒロイン水着3人
いつか、イラスト描いてみようかしら

十代たちとは別行動に
リメイク前ではカイバーマン戦を見学の主人公 今回は別行動へ

謎の女性
一体、なにラーシュさんなんだ……

3分制限
女性からすると、エクゾっていうワンちゃんくらいはやるよ、の気持ち

黄泉転輪ホルアクティ
某動画のネタであり、伝説。秋人が戦った空間では神だろうとなんだろうと再現可能のため、ファラオじゃなくても神を束ねる(束ねてない)
本来、秋人はホルアクティを持っていません

黄泉転輪について
今後は絶対出しません

というわけで、温泉回の前編。いかがでしたでしょうか。
次回は十代サイドのお話と、秋人たちのデュエル後の話です。うん、黄泉転輪ホルアクティは今後絶対やりません
朽ち果てた古の鉄アレイ様 Skazka Priskazka様 二元論様 vastitude様 龍牙様 影夜様 SSファン様 風森斗真様 ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民様
感想ありがとうございます。まあの感想をお待ちしております。

日常自販機様 ユーク000様 トッシュ様 温故知新様 美傘様
高評価ありがとうございました。これからも精進いたします。
たきょ様
評価いただきありがとうございます。いただいたご意見を参考にさせていただきます。

Next 53「温泉での激闘」(後編)

近いうちに登場して欲しいタッグフォースキャラ

  • HERO大好き 宮田ゆま
  • 大富豪お嬢 海野幸子
  • 皆のアイドル 嶺開花
  • しっかり者委員長 原麗華
  • もう一人のツンデレ? 青葉あげは
  • 謎の不思議少女 レイン恵
  • 大和撫子?  紬紫
  • 夢を見る少女 樋口桜
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