ゾンビと言うと、みんなはどんなのが思い浮かぶ?薬品で自我を無くした奴隷の様なモノ、オーソドックスに死体が蘇ったモノ、どこぞの小説風に吸血鬼が眷属作りに失敗した結果産まれたモノ、どこぞの物作りゲームみたいに夜になったらいつの間にか
「現実逃避している場合じゃ無いと思うのだけれど?」
『現実逃避しないと殺って行けない量のゾンビじゃん』
今、僕等の前にいるゾンビ共は、腐っていて目の焦点が合っていない。いや、そもそも目が白く濁っている。元研究者なのか、白衣を着た者や、元警官もいる。まあ、普通の、耐久力は高いけどそれ以外は人間より少し強いぐらいで足も遅いやつだろう。
『そう言えば、あの世界的なゾンビゲーもアメリカで映画化されてるんだっけ』
「そのゲーム自体もアメリカ産でしょ?」
『……さすがに
「さあ?魔女のみぞ知る、って所ね」
此処に来るまでは、こんなに使い魔が出て来ることは無かった。もしかして……。
『ねぇ、暁美ちゃん』
「何かしら」
『この先に、魔女が居るんじゃない?』
「かもね。向こうに一際目立つ映画館みたいなのが有るし」
問題は、この量のゾンビ(五百は居るかな?)をどうやって越えて行くか。
「……このゾンビ共って、ノーマルゾンビよね?」
『多分。それが?』
「爆弾を落として行けば良いんじゃないかしら」
『あっ』
☆
ポスンッ ヒュー ドカンッ!
「久々に使ったけど、案外簡単ね」
『そんな物も持ってたの……』
暁美ちゃんが使っている物はグレネードランチャー。
「……よし、掃討完了」
『モノローグの間に!?』
残り、三体。いつの間にか減っていた。能力を使ったのかな?
「さ、行きましょう。早く魔女を倒すわよ」
『わかってるよ』
生き残りを地面に螺子止め、魔女が居るであろう空間へと向かう。
あ、ジェイソンとフランケンシュタインはそのままガチ喧嘩をしていました。
☆
映画館。と言うよりも、劇場に近い。だとするならば、この魔女は【劇場の魔女】と呼ぶべきだろう。
一見すると、何の変哲も無い、
『さて、どんな攻撃をして来るのかな?』
「油断はしないでね」
ステージの中央に座って居た魔女が動き出す。手を持ち上げると、そこには機関銃が付いていた。
『えっ、ちょっ』
「くっ」
カシャッ
暁美ちゃんが時間停止を使う。それにより魔女の動きは止まり、魔女を観察出来るようになった。
「……腕と機関銃が一体化している?どんな魔女なのよ、此奴」
『魔女に常識を求めちゃいけないと思うんだけど?』
「それもそうね。まさか、この機関銃がチェーンソーやら火炎放射器やらに変化するなんて事は無いでしょうけど」
『暁美ちゃん、フラグって知ってる?』
言いつつ、機関銃を狙う位置に螺子を配置していく。時間か動き出せば直ぐに銃は壊れるだろう。
「魔女から離れるわよ。……解除」
そして時間は動き出す。狙った通りに銃は破壊。欠片で魔女も傷付いた。
「よし、武器破壊も出来たし何とかなるかしら?」
『暁美ちゃん、さっきの油断するなって言葉がブーメランになってない?後、フラグ建てるの止めて?』
魔女は、此方に近づき、壊れた筈の腕を振り被る。
動きは遅い。簡単に避けれる。数歩後ろに下がれば良いだけだ。だが、振り下ろされた
『ぐはっ!』
「な、何でチェーンソーを此奴が!?」
お腹を深くやられた。てか、腸が飛び出してるし。あー、これ致命傷だね。暁美ちゃん、後は、頼んだ……。
「くっ、球磨川禊、貴女の死は無駄にはしない!」
……何で魔女と闘いながら茶番を繰り広げるのだろう。まあ、魔女の意識が暁美ちゃんの方に向いたし、今、魔女は僕に背中を向けている。なら、
『螺子を螺子込むしか選択肢は無いよね?』
「やっと仕掛けたわね、球磨川禊」
驚いた様子の魔女。そりゃそうだ。致命傷を与えた相手が、いきなり攻撃して来たんだから。
『“
一瞬動きを止めた魔女に、暁美ちゃんは
「さようなら」
と、デザートイーグルで止めを刺した。グリーフシードを落とし、消滅していく魔女。その面には、何が写っていたのだろう。
【劇場の魔女】GrandGuignol(グランギニョール)
性質は復讐。人間を憎み、人間に復讐しようとする魔女。
“大切なみんなを守りたい”と言う願いで、魔法少女になった。しかし、殺人鬼に家族、友人を殺され、我を忘れてその男を殺した後、絶望して魔女化した。
この時、殺人鬼が現れなくとも、魔法少女だとバレた時に裏切られて魔女化していた。その場合の最終的な原因は、“親にバケモノと言われ、首を絞められた”こと。
復讐理由は、みんなの仇打ち。自分が既に殺している事を憶えておらず、手当たり次第殺していく。いつか、犯人を殺せると信じて。